MENU CLOSE
TEL

2021年 7月

子どもがペープサートで七夕のお話

2021/07/07

織姫と彦星の七夕のお話もまた、現実にはない世界ですが、虚構と現実の境目のない子どもたちにとっては、どれをとっても心動かされる物語です。今日はその話を、年長組すいすいの子どもが紙人形劇で演じました。ペーパー・パペット・シアターを短縮した和製英語で「ペープサート」と呼ばれるようになったのは1970年代以降の話。日本は戦前に紙芝居が誕生する前まで、俳優が演じる劇を人形が代わりに行う人形劇が主流だった時代が長いので、新しく見えるペープサートは、名前が新しいだけで、やっていることはずいぶん古い歴史があります。

表と裏の絵柄を変えることで、軸を指でくるりと回して、変化をもたらすことができます。人形の一種ですから、手使い人形や指人形、操り人形などと同じように、複数の登場人物の動きと合わせてセリフを語り、物語るのですが、大人がやっているのをみて、それをまた子どもがやりたい!という意欲から、子どもが演じて子どもに見せるということが模倣、再現欲求をかなえた表現活動ということになります。

このような遊びには、演じるという意味で、セリフがあるので、絵本や紙芝居を子どもが読み聞かせるのとの違いは、そのあたりの俳優らしさ、独立したセリフを人形に言わせるという、声のある見立て遊びにもなっているのです。多様な言葉の体験にもなっています。

 

 

 

東京ビエンナーレ2020/2021 もうすぐ開催

2021/07/06

東京から世界へ〜国際芸術祭が7月10日(土)から始まります。2年に一度の芸術祭ですがコロナで1年延期になったイベントです。テーマは「見なれぬ景色へ」。江戸時代、柳原通りは服のリサイクル通りでした。

美術家の西尾美也(にしお・よしなり)さんは、戦前から反物を扱っていた海老原商店をイベント会場に選び、ここで「着がえる」ということをテーマとした展示やワークショップを開きます。開催は9月5日(日)まで。

20210706 東京ビエンナーレ2020:2021

 

差し出された手に赤い色が点々と

2021/07/01

子どもが何かを気づいて、ちょうどそばにいた私にに「ほら、みて」って、差し出された手。「あ〜あ」と聞こえた、その時の声。ぐんぐんのKちゃんは何を私と共有したかったのでしょう。それはサインペンでお絵描きをした直後のことでした。「手についちゃったから、どうしよう?」のように見えるのですが、ちょっと違っていたような気がしたのです。

「お絵描き」といっても、まだ月齢21か月の赤ちゃんと呼んでもおかしくない子ですから、サインペン自体もどう持てばいいのかも試行錯誤といった感じです。「描く」ということも、なんとなくこうかな?と思いながら、いろんなことを試しています。紙の上に描くという前提もないので、テーブルやビニールクロスの上に、ペンを叩くように動かしたり、ペンと圧力の加減も知りません。紙の上に線らしきものが残ること、いろんな色があること、いろんなことが初めてかもしれません。

いつの間にか、赤い色だけが手についているところを見ると、赤が好きなだったのかな?と想像したりします。そして、それが手についたことも、面白い発見だったのではないでしょうか。だから「ほら、みて」というように、私に伝えたかったのかもしれません。すると、描かれた紙を持って「ほら、みて」と差し出されたら、ほとんどの大人は、きっと「あら、お絵描きしたのね。上手ねえ」なんて返事していたことでしょう。それが紙ではなく、たまたま手だったら、その手だって「あら、手にお絵描きできたのねえ」なんて返事してあげてもいいのかもしれませんね。私たちは、子どもの気づきや感動していることを、こうやって受け止めそこねていることがあるのかもしれません。

・・・

大人の思い込みを一旦外して、子どもの心の動きを想像してあげるためには、私たちの柔軟な発想が必要なようです。またそれは、見守る保育であり、保育者が行う養護(ケア)の働きだったり、子どもがモノをケアすることだったり、子どものアートの営みと同じであることを思い起こすことが大事だったのでした。

top