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園長の日記

今は緊急事態の真っ只中であるという危機感

2021/01/15

「患者数、重症患者数の急激に増加が続いています。また、医療機関の患者対応はひっ迫してい ます。1 月 7 日、『緊急事態宣言』が出されました。日中も含めた不要不急の外出を控えてく ださい。 食事中は会話をしないことはもちろんですが、可能な限りマスクを完全にはずさないように しましょう。」

これは千代田区の健康推進課長(医師)のコメントです。千代田区のホームページに、週ごとの感染者数の推移が載っていますが、感染者が急カーブで上昇してきているのがわかります。11月の50人から12月の93人へと約倍増しており、1月は3日から10日までの1週間ですでに72人ですから、おそらくその3倍以上の200人を超えることになるでしょう。

https://www.city.chiyoda.lg.jp/documents/26388/chiyoda-yosekanja0112.pdf

20歳未満も増えているのですが、その内訳が載っていません。乳児や幼児がどのくらい感染しているのかわからないままです。報道ベースでしかないのですが、おそらく「乳幼児はあまり感染しない」という判断から、保育園や幼稚園の職員で陽性が出ても、子どもを「濃厚接触者」と判断せずPCR検査をしていない保健所があるようです。

千代田区では12日(火)に「先週末から複数の区内保育施設において、職員の新型コロナウイルス感染が確認されました。これに伴い、職員の濃厚接触者も複数名発生しております。」という注意喚起の連絡がありました。12月8日に園児1名が陽性になった時は、全ての職員と子どもをPCR検査して陰性でした。その後まだ子どもの陽性は発生していません。

https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kurashi/bosai/coronavirushonbu/honbuho-no19.html

これだけ感染者が急増して保健所と検査会社の業務が逼迫してしまうと、どこまでを「濃厚接触者」と判断していくか、今後、不安な事態が想定されます。症状がある人や高齢者を優先することが容易に想像できるからです。このような形で、検査体制の綻び(限界)から、コロナ感染の予防検査ができなくなっていくのですね。私たちは、それを目の当たりにしています。ウイルスは見えなくても仕組みの破綻は明らかに「見える」ものなのです。それが科学的思考です。

新型コロナウイルスの研究が進み、今ではこのウイルスの元々の性質が「無症状で広く移す」という性質であることが判明しています。流行すると変異の種類が増えて、その中から毒性の高い変異種が出て困ったことを引き起こすわけですが、東大先端研の調査などによると、そうした変種はなぜか「徒花のように消えてしまう」(児玉龍彦)と言います。その拡大を防ぐのも大切なのですが、より大切なのは、ベースになっている大元のウイルスを根絶することだそうです。

もしそうだとすると、集団の場所、無症状で感染を広げてしまうリスクのある場所、つまり病院や高齢者施設や保育園などは、徹底的に検査をして「知らない間に広がっている見えない感染」を抑え込む体制を作る必要があるという結論になります。今のように症状のある患者しか捕捉できない行政検査の拡大しかしない方針だと、感染の急増期には検査対象を狭めてしまい、無症状の感染拡大を放置してしまう結果にりかねないからです。

ここで、ぜひ覚えておいてほしいデータが明らかになっています。それは社会的検査を実施している民間の検査会社によると、陽性率が1%もあったのです。これはてつもなく「大きい数字」です。もし東京23区970万人が全員検査をしたとしたら9万7000人が陽性になるからです。どの会社なのか公表されていませんが、その信頼度の高い報道では「保健所から、この数字は勝手に発表しないようにと釘をさされた」と言います。これが実態かもしれないのです。それでも、この民間会社の検査には、乳幼児は含まれていないでしょう。

日本が頑なに社会的検査を進めない理由、社会的検査の精度を問題視するキャンペーンの口車に乗っている感染村研究者たちの顔ぶれを見ていると、保健行政のセクショナリズムだけではなく不都合な真実を隠し通そうとしているのかもしれないとさえ思えてきました。ワクチン接種が始まってしまったら、不顕性感染していたのか接種によるものなのか、わからなくなってしまうでしょう。

そういうことはともかく、保育園や小学校をこのまま休園休校しないで乗り越えるつもりでも、ワクチン接種が行き渡るまではまだ相当時間がかかるでしょうから、その間にケア施設や保育園などを介在して家庭へ逆流していく可能性がないとは言えません。

感染地域はまだらです。地域によって状況が違います。冒頭の写真は、東大先端研究所が、東京都のデータをもとにまとめたもので、「1万人あたりの感染者増加数」(2020年12月3日から2021年1月12日まで)を、色別に表したものです。黒色が40以上、赤色が30以上、だいだい色が20以上、黄色が10以上です。

区内で感染源になっているのは黒色の新宿、渋谷、港です。次に増えているのが、この3区に隣接している赤色の千代田、中央、中野、目黒、品川です。じわじわと周辺に拡大していることがわかります。

この中で保育施設で感染が報告されている件数で多い順に、文京の20件、港区の18件、葛飾区の10件、新宿区の7件。先ほども述べましたが千代田区は子どもの陽性はまだ1件、職員が数件だけです。

これまで通り保育園は保育を継続しますが、千代田区でも数は少なくても保育園での感染が発生しているんだという認識を持っていただき、今が緊急事態の真っ只中であるという危機感を共有したいと願っています。

園長からの心からのお願い

2021/01/14

私の上司である藤森平司統括園長と一緒に働き始めた頃ですから、それは1997年頃のことです。「倉掛さん、保育園は今何でもやってあげすぎて、親が自分の子どもから聞こうとしなくなっているんですよ」と話し始めたことを覚えています。「どういうことですか?」というと、こんな話でした。たとえば遠足に持っていく物に「おしぼりと水筒を持ってきてください」とお願いすると、乾いたハンドタオルと空の水筒を持ってくる保護者がいるというのです。

「いつも何でもやってあげるものだから、先生からタオルも濡らしてもらえると思っているし、水筒にも麦茶を入れてもらえると思っているんですよ」

毎日給食のある保育園は、普段の持ち物として、エプロンやお手拭きタオルを持ってきてもらっていますが、確かに、それは乾いたタオルです。でも遠足の持ち物として弁当と一緒に濡らしていないタオルをリュックに入れることが不自然に思わなくなってしまうのが保育園の保育サービスというものなのか、と半分笑い話のように聞いた思い出があります。これが幼稚園や学校だったらありえないことはすぐにわかるはずです。藤森先生はこうも話を続けました。

「やり過ぎているかも?と思うのは、連絡帳もそうです。毎日どんな風に園で過ごしたのかを書いてあるので、お迎えに来たときに、自分の子どもと話をしようともせず、また子どもも見ないで、すぐさまお便り帳を読み出す親がいるんですよ」

この話は、実は深刻な問題を孕んでいたことが、四半世紀も経った今、はっきりとわかります。保護者は、自分の子どもが自立することよりも、保育園に説明責任を果たすことを強く求めるような時代に変わってしまったのです。自分の子どもを育てる第一次的責任は親にあるのですが、何を誤解しているのか、まるで保育園に養育義務があるかのような雰囲気ができてしまいました。

緊急事態宣言が出てから、きっと皆さんの職場や生活の中で、大変な状況に置かれてしまう方がいらっしゃるかもしれません。そこで予想されるリスクを少しでも軽減していくために、このタイミングで大切なことをお話ししておきたいと思います。

コロナの長期化で保育園も疲れているということです。話は保育の脆弱性についてです。実は保育園という組織は見かけと違ってとても弱く、ちょっとした人の言葉でガラガラと崩れてしまうかもしれないほどナイーブなものだということです。そうなってしまったのは歴史があります。

保育サービスという言葉が、市民権を得ていく過程で、児童福祉施設の役割を超えて、延長保育などの長時間保育、一時保育、病後児保育、休日保育などの「預かり保育」事業が増えていきました。確かに就労形態や社会構造が変わったとはいえ、この変化は保育園に勤める良心的な保育者を病に追い込みました。子どもが大好きな保育者が、精神的に参ってしまいました。そんな時代がありました。

一方で、子どもの保育に携わる保育士の数(国が決めている基準)は全く変わっていないのに、保育園に求められる仕事は「子どもの保育」を大幅に超えて、保護者への「子育て支援」という名の業務がものすごく増えていったのです。各家族の子育て環境では親の養育力が低下するのは当たり前ですから、保育園が社会的親として子どもの育ちを支えるパートナーの役割が期待されるようになるのも自然な成り行きでした。皆さんはすでにご存知だと思いますが、私が常々申し上げてきた「アロペアレンティグ」です。

そういう意味で、保育園や先生を信頼して手を携えてこの困難を乗り越えていきたいのですが、先程の歴史の中で、我が子可愛さからか、パートナーであるはずの保育園に対して問い詰めるように説明を求める親が出てきたのです。本人は保育サービスの需要者として正当な権利を行使していると思っているのですが、それは筋違いも甚だしく、保育者のストレスや心理的負担は計り知れず、保育現場から離れていく保育者がどんどん増えていった時代があります。保育者養成に携わる大学や短大、専門学校で学生に「保護者支援」をどう教えるか、大きな問題になったのです。

国の基準についても覚えておいて欲しいことがあります。その基準は最低基準というのですが未だに「サイテー」なままです。たとえば2歳児クラスは一人の先生が6人の子ども保育するという割合です。それが3歳児クラスになると一人の先生で20人をみなければなりません。6対1から20対1になるのです。それはそれだけ子どもが自立しているという前提になっているからです。

その自立というのは、いわゆる身辺自立です。食事、睡眠、排泄、衣服の着脱、清潔の5つです。これが自立していることが3歳児クラス(年少保育)の大前提です。ここに保育者の手が必要な子どもが多いと、3歳児以上の幼児教育はできません。幼稚園が3歳からなのはそのためです。

ですから当園の場合は、わいわい組(3歳児)10人に一人の先生をつけているので国の基準の倍の態勢にしてあります。さらにらんらん4歳、すいすい5歳は合わせて30人に一人というのが国の基準です。30対1なのです。この基準に従えば、らんらんすいすい合わせて20人ですから一人の先生もつけられないのです。つまり本当は幼児30人に対して、0.5人+0.66人=1.2人しかつけられないのです。

実際には各クラス一人ずつの3人によるチーム保育です。つけてもいいのですが「国からの運営費(公定価格)」がその計算でしか来ませんから、地方自治体が加算します。それでもギリギリの運営であるとは変わりません。

この日本の認可保育園の「貧しさ」を理解していただき、保育を支え合っていただきたいのです。あまりにも細かなことまで正確な説明を求めたり、職員が何でも共有理解を図っておくべきだ、などと思わないで頂きたいのです。

ましてや、新型コロナ対策が始まって以降、それまで以上に清掃消毒や換気などの業務も増えています。感染の可能性がある中での保育です。さらに今は緊急事態の中での保育なのです。

どうぞ支え合う姿勢を大切にしていただき、大変な保育環境の中で、不安を抱えながら保育をしている保育者を大切に守っていただけないでしょうか。心からお願いします。

人と人のコミュニケーションは言葉の気楽なやりとりが基本です。胸襟を開いた中での関係が基本です。人間関係には何度でも言葉が行き交い、心が通いあい、感情の交流があるものです。

保育園の先生と保護者の皆さんとの間に、信頼できる関係がなければ、その狭間で子どもは親の顔色を伺い、自分の気持ちを押さえ、親の意向に沿おうとして本音を隠したりします。

しかし保育園ではありのままの姿を見せてくれていることが明瞭です。親は家にいる時の子どもの姿が真実だと思いたいし、その姿しか知りません。でも違うのです。人はその環境によって見せる姿が違うのです。人間とはそういうものなのです。また人と人の間には言葉や気持ちのキャッチボールが成立することで人間になります。この大前提を肯定し合うことが、子どもの保育には不可欠なことなのです。

「休園届」をダウンロードできるようにしました

2021/01/13

緊急事態宣言が発令され、新型コロナウイルス感染の対策が強化されましたが、保育園は保育を継続します。ただ登園を控える方は「休園届」の提出が必要になりますので、当園のホームページ「各種書類」からダウンロードできるようにしました。昨年10月から千代田区が用意したものと同じです。

休園は日単位でも構いません。「在宅勤務可能な日のみ休園予定」など、その旨をお書き添えください。その日の分の保育料は免除されます。

ただし3歳児クラス以上は当初より保育料は無料ですので影響しません。保育料が免除になるのは0〜2歳クラスまでです。

 

不安の中で確かなものを欲しがる心理について

2021/01/12

保護者の皆さんの職場でも、これまで以上の感染防止策の徹底が図られているかもしれませんが、保育園でもこれまで続けてきたことを再確認しています。千代田区によると今年になって、区内の園で職員に患者が発生しているそうです。私たちも改めて気を引き締めていこうと話し合っています。正直なところ、私たちも感染しないかと、ヒタヒタと迫ってくるような不安が強まっています。

連休明けの今日12日(火)、朝から冷え込みも厳しく昼頃には冷たい雨が降った東京ですが、肩を窄めがちな大人と違って、子どもたちは元気いっぱいです。子どもたちの持ち前の明るさが、私たち大人の重たくなりがちな気分を軽やかにしてくれます。その笑顔や無邪気さに救われるような気持ちになるのは、きっと世の中が緊急事態で、感染対策の意識を忘れることも許されず、その意識のコントラストが際立つからなのでしょう。

緊急事態宣言に限らず、外部から追い込まれないと大胆な決断ができない傾向のある日本人ですが、環境問題でも世界の潮流に逆らえないからか、エネルギー政策を大きく変えようとしています。あれだけの事故を起こしても原発を手放そうとしなかったのに、石化燃料から再生エネルギーへの転換を強力に進めることに舵を切りました。海上風力発電の割合を欧州並みの割合にするグリーン政策を始めます。そうでもしないと2050年までに二酸化炭素排出目標を達成できないからです。外圧をうまく利用するという意味では、緊急事態=有事だからと、国会で、特措法や感染症などの改正を議論するとき、平時なら無理なことも通りやすくなるバイアスが生じるんじゃないかと気になります。

強い他者の意向をうまく利用して自己実現を図ろうとする日本人の意識。そうした日本の歴史の真相に迫る作品を残した半藤一利さんが亡くなったというニュース。90歳でした。どこに主体性と責任があるのか判然としないまま物事が決まってしまうのは戦前も今も変わらないと語っていた半藤さん。今の一都三県から、明日には七府県にも緊急事態宣言が追加されることが決まりました。今年になっての一連の政府決断は、世論調査で緊急事態宣言を出すダイミングが「遅い」と思っている国民が半数を超えていたことが決定的だったように見えます。

何につけても、その決定がどうやって決まったのか、科学的な判断というよりも空気が決めているように見えてしまうこと。そのプロセスがすっきりと見えてこないと感じることが多いことも、毎日の生活の中に「不安」を感じてしまう要因になっているのかもしれません。大声ではっきりとモノいう人に人気が高まることも危ないなあと感じます。最初に結論ありき、ではなく本当に議論が深まっていくというプロセスがあることを信じたいと思います。

自然とヒトのバランスが崩れるとき

2021/01/11

日本海側で記録的な大雪が続いています。これも地球温暖化の影響かもしれませんね。産業革命以降、地球規模の気候変動をヒトが引き起こす時代になっています。近年の夏の暑さや大雨のように、自然の異変が身近に感じられるようになってきました。一説によると、2020年までに地球の気温を1℃上げてしまったら、北極の氷が溶け始め、そこに閉じ込められていた膨大なメタンが大気に放出されてしまい、ドミノ倒しのように2050年には気温が4℃上昇してしまうというのです。

気候だけではなく自然界と安定していたウイルスを、ヒトにも感染できるように変異させているのもヒトの仕業です。COVID-19もその例に過ぎません。過去にも、自然界の中で安定していたウイルスを人間社会に引っ張り出してきては、知らない間に疫病パニックを引き起こし、悪霊や魔女の仕業などと恐れてきたのが人類の歴史でもありした。

昨年6月に買った岩波新書『感染症と文明ー共生への道』(山本太郎著)をまた取り出してこの連休中に読み返しました。ウイルスは最終的にどうなっていったんだろう? コロナウイルスの行方を考える上で参考にしたかったのです。ウイルスは変異を繰り返しながら、最終的には発症しないで宿主である動物と共生することで安定していくものがあります。

例えば麻疹はメソポタミア文明ができたときヒトに定着しました。一定の以上の人口を持つ定住社会がないとウイルスは生きられません。ウイルスにとって都合のいいホスト集団(人間が集団を作って生活したこと)ができたからです。5000年をかけて地球上に広がってきたことになります。

それに比べて、ウイルスの感染効率はこの数百年で何10倍も早まりました。人口も増えたので広がり方も爆発的です。そのために変異スピードも速くなっています。それでも長い時間をかけてウイルスは安定するか消えていきます。山本さんは次のように書いていました。

「強毒ウイルスは、自らがもつ性格ゆえに消滅することになる。そして長い目で見たとき、強毒ウイルスは、自らの生存を支える宿主集団を巻き込みながら消えてゆき、潜伏期間が長く、感染効率と致死性の低い弱毒ウイルスが優位となる。このようにして、ウイルスとヒトとの間にある種の安定した関係が築かれていくのである」

これはHIVを例に挙げて説明しているのですが、コロナウイルスの場合は、まだ感染していないヒトがたくさんいて(感受性の高い人が多く残っていて)、感染爆発による変異爆発を起こしている真っ最中ですから、感染力が強かったり、強毒性をもったり、潜伏期間が短ったかりするような性質をもつ変異種が、これから出てきてもおかしくありません。日本でも数年たって、終息したように見えても、何年かしたらまた流行するということは大いにあるわけです。

記録的な大雪や水害や暑さなどの気象の変化も、ウイルスに影響を与えます。ヒトの中にはすでに安定して見えないウイルスと共存していて、その隙間があれば新しいウイルスが入ってくるような「動的平衡」(福岡伸一)も考えられます。宇宙ができて137億年、地球ができて50億年、ウイルスはすでに30億年前には発生していました。それに比べてホモ・サピエンスはたかだか20万年前に過ぎません。私たち自身の「生命」がウイルスとのバランスで成り立っているところがあるのかもしれません。

養鶏場の鳥インフルエンザの発生も同じ社会問題であると捉えたいところです。農林水産省は「ヨーロッパの動物福祉が輸入されたら養鶏産業は持たない」という判断にたっています。これもエシカル消費の世界基準から遅れを取ってしまいました。コウモリの中で安定していたウイルスが、ヒトにも感染するようになったのも変異だったこと、そして中国武漢の発生源が野生動物の売買市場だったことも忘れないようにしたいものです。

「幸せのエプロン」へ

2021/01/10

 

わたしたちの生活のなかでも一番大切なベースの部分。それはちっち組、ぐんぐん組の子どもたちが思い出させてくれること。「一枚のエプロン」をめぐる子どもたちの関わり合いの中に、自分の気持ちと相手の気持ちを推し量ることができるようになっていく絶妙な距離感を学んでいる。そんな心が育っているようだ、という「ちっち・ぐんぐんのブログ」の描写を読むと、私たち大人がやっていることに気恥ずかしさを覚えてしまいます。明日は「成人の日」。成長するとか、大人になるとか「何がどういいことなんだろう」と考えてしまいます。

先だってここの日記に幸せの3条件の話を書きましたが、上記の乳児の中に見出す姿は、この3条件を学んでいるようにも見えます。3条件を短く要約すると「①やりたいことができて、②それが利他的であり、③心地よい関係を作る」と幸せですね、いうことです。子どもたちは「一枚のエプロン」が「幸せのエプロン」になる方法を学んでいるかのようです。まぁ、幸せだなんて滅多に口に出来るものではないんですが、映画広告のサブタイトルみたいに「原題のまま無い方がいいのに」と思うアレだとご理解ください。

「エプロンをつける」ことは、自分で自分につけることも相手につけてあげることも、どっちにしても①の「やりたいこと」なのですが、相手につけてあげる場合は、それが利他的であるか、ただの我儘でしかないかを、相手の気持ちを察しながら判断していくところが大事な育ちになります。なので②と③がセットになっているのがミソですね。そこに体験の価値が見出せます。

自分もやりたいことができた!同時に相手も喜んでくれている!ね、よかってね!この3つが揃って初めてハッピーですからね。

ところが、やりたいことはやれた、でも相手が嫌がっている、それじゃだめだよね。そうやって相手のことを感じている。これを感じあって判断している。そんな子たちの姿から先生は「ひとはもともと助け合おうとする力を持っているのだということを思い出し」ています。だから「お互いに補完しあって協力していくこと」が生活の中でも一番大切なベースの部分になっていると感じるのでしょう。

物事に何を付け加えたらもっとよくなるだろうか。足りないものがあるとしたらそれは何だろうか。相手が求めているものは何だろうか。地球が困っていることは何だろうか。・・こうした「他者のこと」から始まって自分のやりたいことを考えるのがケアの本質(メイヤロフ)であり、養護の営み(鯨岡)であり、情緒を大切にする日本文化(岡潔)に通じるはずです。

教育的な側面があるとしたら、先生が書いているように「相手がどう感じているかな?ということにも目を向けていけるように関わって」きているところになります。そんな関わりが起きやすいような人や物や空間の環境デザイン(藤森)とセットになったときに、いわゆる「見守る保育」になっていくのです。いわゆる、と言ったのは実はこれが本来の「保育」そのものなのでした。

ウイルスの進化特性から社会的検査が必要

2021/01/09

新年が始まって1週間。緊急事態でおめでたい正月気分は吹っ飛びましたが、こんな日常への戻り方は残念ですね。しかしウイルスの住む自然の世界に暮れも正月もありませんから仕方がありません。感染の拡大は、その特性をもったウイルスにとって生存しやすい環境になっていることを意味します。ですからウイルスにとって好都合な環境をなくさないといけません。

ところが、もたもたしていると、その国や地域に適応した変異株が増えてしまいます。突然変異の中で環境に適した特性は、感染力が強くて症状がないか軽いものになっていきます。ホストに自然抗体ができて感染しにくい環境になってしまうまで、COVID-19は居続けます。都の感染者数が500人程度に減ったら、政府はあとはどうするつもりなのでしょうか。ワクチンまかせでしょうか? 社会的検査の拡充はしないのでしょうか?

この点を、再度復習しておきましょう。ウイルスにとって最もいいのは、気づかれにくい特性に変異することです。感染しても症状を呈さないことです。ウイルスはホスト(寄生先)がないと生きられないので、こっそりと目立たずに生物(人間)の中に忍び込んでいるのが最もいいわけです。ウイルスはRNAの自己複製を繰り返している間に、突然変異で多様な特性をもったものがたくさんできるわけですが、その中でもっとも環境に適応したものが数的に増えていきます。意図してその特性を増やしているのではなく、結果的に淘汰されないで環境に適応できた特性が、偶然、結果的に幅を利かせていくだけです。それが進化の仕組みです。とてもシンプルなものです。

その自然の仕組みから考えても、日本が今採用している感染予防策には欠陥があるのです。私は大学は生物化学の専攻だったのでよくわかるのですが、同じ遺伝子構造をもったCOVI D-19でも、ホスト側の特性によって症状が出たり出なかったりする時は、症状がなくても検査して見つけ出す仕組みを採用しないと感染は防げません。

菅総理は7日夕、緊急事態宣言を発令した後の記者会見で、記者から検査体制の更なる拡充をする考えがないかと聞かれ、これまでと全く同じ言い回しで「必要があると判断した場合は検査している」と回答しました。

この「必要がある」と判断するのは主に医師ですから、この考え方では元気に生活している無症状感染者を突き止めることはできないでしょう。これが昨年秋の失敗です。感染者を隔離できませんでした。スポーツ界で陽性がでてニュースになっているのは、社会的検査をしているからです。本人に体調の変化などの自覚はないのです。でも感染している。検査のチャンスがなくて、感染している若い人たちがいっぱいいるのが、今の状況なのでしょう。

ですから世界各国は、このウイルス進化の必然からくる特性を踏まえて、社会的検査の拡充に力を入れてきたのです。毎日発表されている感染者数は主に症状があった人がほとんどです。実際の感染者はもっといます。私はすでに毎日1万件を超えているだろうと思います。感染経路不明が6割ということは、濃厚接触者のリンクはもはや追えません。つまり無症状感染者を遡って捕捉できていません。その状態は昨年の夏から始まっていました。「新宿・埼玉株」という日本型の変異株が流行した頃です。

リンクを追うというクラスター対策は数百までが限度ですから、2月末から3月上旬に、感染者数をその数ぐらいまで押さえ込んだら、エピセンターの発見隔離のための本当のモニタリングの導入、抗体検査キットへの普及を図ってもらいたいものです。検査キットは今マツキヨで、4000円弱しますが、政府が奨励すればもっと安くなるでしょう。そうすれば誰でも毎週でもやって仕事なりに行けばいい。そうした方が陽性者を早期に発見できるはず。厚労省所管の中だけで対策(感染研ー保健所ライン)を講じることをやめて、省庁を横断した統合本部機能を作って欲しいものです。そこを突破できる政権を期待するのは無理でしょうか。

そうしないとウイルスの進化特性から、ますます感染しやすく(暑くても感染する特性をもったり、感染力が強かったり)なったり、変異の中には乳幼児にも感染する特性をもったものが出てきてしまうチャンスをウイルスに与えてしまうことになります。すでにその兆候が出ているので、ウイルスを燻らせ続けるのは危険です。ウィズコロナではなく、ポストコロナを目指し、さらに水際対策をもっともっと厳しく運用するべきです。そうしないと変異したウイルスが増えていってしまいます。

緊急事態を1か月で終わらせるために

2021/01/08

◆園からの3つのお願い

本日8日からの緊急事態宣言と千代田区からの通知を受けて、当園としては園内での感染予防、人と人の接触機会の削減に一層力を入れます。そのため保護者の皆さんに3点をお願いしたいと思います。本日の「園からのニュース」「コドモン」をご確認ください。

◆千代田区の方針全般について

保育園以外の学校や幼稚園なども基本的には保育を継続しています。千代田区のホームページから「新型コロナウイルスにおける区立学校・幼稚園・こども園・保育園・学童クラブ等の対応いついて」のリンクは以下です。

https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kosodate/kyoikuinkai/kuritsugakko-taio.html

◆1ヶ月で終わらせるには?

専門家(北村義浩・日本医科大学特任教授)によると、2月下旬に一日500人までに戻すには「実質4割削減が不可欠」と言います。4割でいいの?と思って聞いていたら、昨年春に「8割削減」を目標にやった時が「実質4割削減だった」というのです。気持ちは8割を目指しても実際はその半分程度しかできない、ものらしい。今回はすでにできている対策もあるので、人と人の接触を実質半分にすることが、緊急事態を1か月で終わらせる目標イメージらしい。(冒頭の写真)

 

緊急事態宣言で千代田区が保育方針を通知

2021/01/07

 

本日7日発出予定の政府の緊急事態宣言を受けて、千代田区は7日、保育園の保育方針を説明した文書「新型コロナウイルス感染拡大に伴う対応について」を保護者向けに通知しました。

緊急事態再宣言に伴う保護者あて文書 2

それによると、基本方針として「感染防止策を徹底しながら、通常通り保育を行う」こととし、対象期間は「発令が解除されるまで」。ただし、感染拡大の防止のため、「家族の方が陽性となったり、感染が疑われる場合は、必ず園に連絡の上、登園を控えるよう」要請しています。また、6項目にわたる感染予防策の徹底をお願いしています。

 

 

8日から緊急事態宣言(1か月間)へ

2021/01/06

東京で1日の感染者数が1591人と初めて1000人を超え、全国でも6000人を上回った6日(水)、明日7日に「緊急事態宣言」が発令されることが決まりました。数人の保護者の方から「保育園はどうなりそうですか」と聞かれたので「昨年春のように休園になることはないでしょう」と応えていますが、明日以降にならないと千代田区がどうなるかまだわかりません。

今日の報道では宣言期間が1ヶ月以上になりそうなので、1月8日から最低でも2月7日までは続きます。久しぶりにマスコミに登場した西浦博京大教授によると、今の対策案では実行再生算数が1.0のままで、感染数が収まらないようです。

保育園の保育は、12月から感染防止の緊張度を高めてきましたが、遂にこうなってしまいました。11月下旬にこうなる道は見えていたはずなのですが、今になってなお飲食にしか目がいっていないので、2月下旬に終息することも絶望的な状況になってしまいました。

それまでには終息しているだろうと、今月1月末に予定していた保護者会ですが、0歳ちっち組と1歳の保護者会も、先に決定していた2歳にこにこ組のように「個人面談」に切り替えさせてもらいます。近く面談希望表をお配りして日程の調整をさせてもらいます。

また2月27日(土)に予定していた成長展も、お楽しみ上映会のように平日夕方の時間に、何日間かに渡って少人数で見ていただく方法に変更します。実施時期は警戒宣言が7日に終了するなら2月15日(月)から、延びるようなら2月22日(月)から平日のみ10日間ぐらいを考えています。ただ、この予定も楽観的な見通しでしかありません。現状はもっと厳しいと予想しています。以上の内容は本日「園からのニュース」でお知らせしました。

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