MENU CLOSE
TEL

園長の日記

新年度に向けて、今週を振り返ると

2020/03/29

先週1週間を振り返ると、保護者の皆さんからいただいたアンケートをまとめつつ、来年度の予算案を固めながら人事異動を決定して担任を発表し、ミニ成長展の実施に踏み切りって、園だよりを発行して、今年度の締めくくりをしようと思っていました。

ところが週の中盤から東京の新型コロナウイルスの感染数が幾何級数的なカーブを描き始めてしまいました。全く予断を許さない状況、というよりも、このカーブになり始めたら、即刻、政府は緊急事態を宣言して、都知事がもっと強い要請に踏み切るだろうと予想していました。ところが政府と東京都は「国民に自粛してもらう」という手法を選択しました。

難しい判断なんでしょうが、これで本当に大丈夫でしょうか。確かに街は人が少ない週末でしたが、明日からの平日は大丈夫なのでしょうか。私は不安でしょうがありません。ニューヨークのように日本はならないというのですが、本当でしょうか。専門家によっていうことが違います。すでに厚生労働省の3月中旬に作った予想を上回っています。今日は過去最高の67人でしたが、専門家会議のメンバーは「もし感染者が一日80人を超え出したら、東京の人工呼吸器3000台では足りなくなるかもしれないが、それを増やしても機器を取り扱える人が少なく環境を整えるのは難しい、台数があっても、そうなったら間に合わない」といっています。

政府は、国民に徐々に免疫を作ってもらうという方針です。ただ、じわじわやらないと医療限界を超えてしまうから、オーバーシュートだけは避けたい、治療薬ができるまで、できるだけ先伸ばししたい、と。それらなら、市中感染率を知りたいですよね。それを知るために、どこかのモデル地域でモニターしてもらえなのでしょうか。

医療限界を超えないように、感染者を増やしていくというのなら、人に移さないようにマスクをすることも大事でしょう。また若い人を中心に、陽性になった人のうち8割も症状のない不顕性感染者がいるのなら、なおさらです。出来るだけ移さないために市販のマスクなら20回洗って使えますというウイルス専門家もいます。

そういう方針なら、抗体を持っているかどうかを検査したい。私たち保育者は、全員が感染症の抗体を持っているかどうかを検査して保育に当たっています。それと同じことを、この際やる準備をしてほしい。などと悶々と考えながら、静かにしていた日曜日。「自宅にいることが人類を救う」と思いながら。

さて、明日から年度末最後の二日間と、そして新しい年度の始まる週を迎えます。普段通り、待っています、皆さん元気でやって来てください。

子どものタッチと色彩

2020/03/28

昨日のわいわい(3歳クラス)成長展で展示されていた子どもの作品を少し紹介しましょう。

右利きの彼は、いくつもの色が45度の角度で、何十回、何百回と行き来して、クレヨンの線が色の立体を作り上げています。この色の配置の中には、明らかに彼の美的センスが表れています。

ファンタジーに溢れた作品です。彼女の頭の中に見えている美しい風景がどのような体験の積み重ねから現れたのか、知りたくなりますよね。私のスマホのロック画面で今使っている絵の1つです。

3歳の女の子が、こんなクレヨンの使い方をするんですね。赤いクレヨンを横にねせて、面として描いたものです。この線が味わいのある、柔らかな風合いの赤い壁になっています。エレベーターがある赤い壁と言うと、1階の保育園のところかな?

ーーーーーーーーーー

子どもの絵はいつも勢いがあって、躊躇や後悔がありません。このような表現に出会うと、呼吸をしているように、さらりと作り上げてしまう子どもたちの素晴らしさに感心してしまいます。

 

みまさんと一緒に作りたい「心の石垣」

2020/03/27

(園だより 4月号 巻頭言より)

*本日、園だより4月号を配布しました。

ホームページの「園だより」にもPDFでアップされています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

新しく入園された皆様、そして進級された皆様、おめでとうございます。

◆世界はコロナ・パンデミックに

先月の3月号の巻頭言をそのまま使っても何も違和感のない状況が続いていることに驚きます。それどころか、この1ヶ月の間に、世界はコロナ・パンデミックに陥り、東京オリパラは1年延期が決まり、東京都は感染爆発の重大局面となってしまいました。私たちは、これまでとは違う行動を求められます。4月からの年間計画をお知らせしますが、行事にしても「この時期で大丈夫だろうか。規模を小さくして計画しておいた方がいいだろうか」など、色々なことを検討することに時間がかかりました。

◆見通しにくい年間計画

たとえば、親子遠足や運動会で、外でお弁当を家族で食べることができる状況に改善しているだろうか。それなら最初からそれを前提にした方がいいだろうか。屋形船での納涼会は密室、密集、密接になってしまうし、5月のバザールはどうするつもりだろう。今年はお家の方に一日保育士になってもらう行事をしたいけど、秋頃にずらすしかないかな。家族の交流を兼ねたお餅つきをやりたいのに・・・今年はとにかく「予定」にしておくしかないだろう。このような状況です。

◆心の石垣で子どもたちを守ろう

それでも、皆さんと一緒に一つの「心の石垣」を作りましょう。その石垣で守るものは、子どもたちです。子どもを真ん中に置いて、保護者の皆さんと私たちとで、大きな一つの「ホーム」を作りましょう。今からの時代に必要な子育ての形です。皆さんと心を通わせながら、「信頼と対話」を大切にしながら、子どもも大人も一緒に何かに夢中になって、一緒に学び続けましょう。何かを要求しあう関係ではなくて、お互いに気づいた事をどうしたら実現できるようになるか、協力し合う関係を作りましょう。私たちは保育園に16人しかいません。子どもが51人いて、保護者のご家族がその倍以上いらっしゃって、千代田区役所の方、地域の学校や園の方、自治会の方、給食や保育材料の業者の方と、毎日のようにコミュニケーションをとりながら、保育園を運営しています。それぞれの方が、思いや価値観をお持ちです。それが一度に、私たちへ一方的に「要求」が押し寄せてきたら、正直言ってお手上げです。

◆笑い声の絶えない保育園に

私たちは、とっても大切にしている心情があります。それは、「寛いだ雰囲気」を保育園の生活の中に作り出すことです。おおらかに、軽やかで、新鮮な気持ちで子どもたちを包み込みながら、楽しく生活する事をものすごく大切にしているのです。それが「心の石垣」です。ピリピリとした緊張した雰囲気の中では、子どもはよく育たないからです。よく行動できることも大切ですが、目に見えない心の花を美しく咲かせることももっと大切です。その象徴的なシーンを、一昨日のクラスブログが拾い上げています。世界が、日本が、東京がどんなに苦しくて忙しくなっても、千代田せいが保育園の中は、楽しい笑い声が絶えないような毎日でありますように。今年度も、よろしくお願いします。

保護者アンケートのお礼

2020/03/26

 

保護者の皆さんから頂いたアンケートがまとまりましたので、明日27日にお配りします。毎日お仕事でお忙しいのに、こんなに詳しく、また心のこもったコメントをお寄せいただき、心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございます。アンケート用紙の狭い記述欄に、小さい字でギッシリと書き込んで頂いたコメントもあります。子どもたちの一人ひとりの顔を思い浮かべながら、それを書き写していると、いろんなことが頭の中をよぎっていきます。・・・子どもが寝静まった深夜、一人起きてペンを走らせていただいたんだろうな、この表現にはこんなメッセージが込められているんだろうな、この内容は先生たちと話し合う必要があるな・・・頭の中に飛来する考えを付箋にメモしながら、皆さんにどのようにお返ししたらいいだろうと思います。実は私もアンケートをまとめるのは休日や深夜に及びますが、読ませていただくのは楽しいものです。

その内容は明日お配りするまとめを読んでいただくとして、アンケートの内容をできるだけ詳しくお伝えするのは、皆さんの思いを皆さんと共有したいからです。同じような思い、異なる思い、意外な思い、共感できる思い、いろんな思いを分かち合っていきたいからです。その思いもこれから何年かするうちに、また変化していくでしょう。それが子育ての連帯感にまで育まれていく時、千代田せいがが「利用する施設」ではなく、本当の意味で私たちの生活の舞台になっていくのだと思います。

開園して一年が経ちます。振り返ると、あっという間だったような気もしますし、長い長い一年だったような気もします。でも確かなことは、目の前にはこの1年で成長した子どもたちの姿があるという事実です。この揺るぎない果実をしっかりと新しい年度につないでいきたいと考えています。いろいろな面で足りないところもありましたが、随分大目にみていただいた事にも深く感謝申し上げます。このアンケートと併せて、東京都福祉サービス第三者評価の「利用者調査」の結果が評価機関から届きましたら、またその結果はお伝えします。

ミニ成長展、静かに開催

2020/03/25

オリンピックの延期が決まり、都知事が今「感染爆発 重大局面」だという緊急記者会見があった今日25日、保育園では「ミニ成長展(ちっち・ぐんぐん)」をひっそりと開きました。窓を開けて換気をしながら、手洗い・消毒・マスクを徹底して。東京は、緊急事態宣言が来週にでも出る可能性が出てきたのですが、保育園は接触感染源を無くすのはもちろん「マイクロ飛沫」が漂うクラスター空間を作らないことに徹底することしかありません。保育園は保育者自身が不顕性感染者からもしれないという意識を持ち、マスクをして過ごします。保護者の皆さんもご協力ください。

 

 

コロナの出口を照らす灯火

2020/03/24

 

東京オリンピック・パラリンピックの1年延期が決まった24日、バッハ会長はこの延期について「真っ暗なトンネルの出口を照らす灯火にしたい」と語りました。国内で東京都で17人、全国で71人という、1日で最も多い患者が発生しています。日本がこれから「トンネル」に入ることがないように、万全の態勢を取り続けることが何より大事な局面ですね。明日から「ミニ成長展」を、小規模ですが、開きますので、手洗い・消毒・マスク着用で、よろしくお願いします。

生き方を創造するために

2020/03/23

「○○○○○○は、肉体と意志と精神のすべての資質を高め、 バランスよく結合させる生き方の哲 学である。」

そうだったんですね、あれは生き方の哲学だったのですね。この○○○○○○の中には、なんという言葉が入ると思いますか?続きは、次の文章です。

「○○○○○○はスポーツを文化、 教育と融合させ、 生き方の創造を探求するものである。その生き方は努力する喜び、 良い模範であることの教育的価値、 社会的な責任、さらに普遍的で根本的な倫理規範の尊重を基盤とする。」

スポーツという言葉が出てくるので、もうお分かりだと思いますが、この文章は「前文」に続く、「○○○○○○の根本原則」の文章です。そうです、あの憲章です。答えは「オリンピズム」です。よく使われるのは「オリンピック精神」という言葉でしょうか。延期が現実的に決まった今日23日、改めて読み直してみました。

この「生き方」はどのようなものを目指しているのでしょうか。読み直してみると、このような意味になると思います。

<目的に向かって努力することが喜びであり、それが良いモデルとなることが教育的な価値を持つと同時に、社会的な責任を果たさなければならず、そこには普遍的で根本的な倫理規範が前提になっていなければならない>

というのです。そしてはっきりと、その目的を述べています。

「オリンピズムの目的は、人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会を奨励することを目指し、 スポーツを人類の調和の取れた発展に役立てることにある。」

オリンピックが目指しているものが、私たちの生き方の価値創造なのだとしたら、延期になってもその目指すものを見失うことがないようにしたいものです。写真は、近代オリンピズムの生みの親であるピエール・ド・クーベルタンです。クーベルタンの主導により、 パリ国際アスレチック・コングレスが開かれたのが1894 年6月です。今の状況をクーベルタンが見たら、なんというのでしょうか?

 

 

 

 

改めて密室・密集・密接を避ける

2020/03/22

世界中が新型コロナウイルスのパンデミックと戦っています。ここ数日、その壮絶さを垣間見ると、日本が「なんとか持ちこたえている」ことが奇跡のように思えてきました。日本の医療関係者の奮闘に感謝しなければなりません。クラスター感染を防ぐために、以下の3条件を避けることが、繰り返し報道されています。明日からも保護者の皆さんと心を合わせて、感染を防いでいきましょう。

<クラスター発生の共通点>=以下の3条件が揃うような場所へいかないようにしましょう

①換気が悪い密閉空間

②人が密集

③近距離での会話・発声

*マイクロ飛沫感染=ウイルスを含んだ細かい飛沫が浮遊している環境を生まないようにすることがポイントです。マスクをつける、換気をこまめにすることで防ぐことができます。こんな環境を作らないように、家庭でも保育園でも、これを徹底してきいきましょう。

サイエンスとしての保育

2020/03/21

「とにかくABCから考えよ」という言葉を20代で教わりました。最初に就職した会社の直属の上司からです。どういう意味かというと、もっとも基本的なことから始めなさい、ということです。「まずは、第1ページ目から始めよ」「そもそも、何が起きているのか」「最も基本的なことから考えよ」「最初に一次情報に当たれ」「どうしてそう言えるのか、根拠は何か」「裏を取ったのか、事実だとどうしてわかるのか」ー。

この考え方を子育てに当てはめると、困ったことに直面します。どこからが第一ページ目か、何がABCのAなのか、はっきりさせることが一苦労なのです。たとえば、私たちは、幼稚園教育要領や保育所保育指針に「そう書いてあるから」を根拠にして仕事をしていると思われがちですが、正確にいうとそうではありません。もっと普遍的なものを根拠にすることを目指してきました。少し説明します。幼稚園教育要領や保育所保育指針は約10年ごとの改定で記述がなくなったり、新しいことが加わったりします。

自然科学の世界では、そのようなことはありません。10年たったからといって、数学や物理学の法則が変わるものではありません。三角形の内角の和は180度であり、重力波と光のスピードは同じです。また化学や生物学や地学の知見がそうそうに変化するものではありません。新しい性質を持つ物質が新たに作られることはあっても、原子の種類と構造は変わりません。(だだ、原子力はここをいじりました。アインシュタイン晩年の最大の後悔です)この世界の摂理に、自然物としての人間も支配されており、人間がそれに影響を与えることは基本的にはできません。(ただ、クローン人間がどうなるかです。遺伝子操作、アンドロイド等の問題など)人の誕生と死は自然の法則から逃れることは「ほぼ」できません。(ただ、古代から人は不死を望んできましたが)ですから医学は自然科学の知見を基盤にしています。ノーベル賞はこの分野しか基本的には対象にしてきませんでした。

社会科学の世界では、経済学、法学、歴史学、人類学、心理学、教育学、宗教学など、集合体としての人間社会を扱うので、過去から未来までその中に見られる法則性を見出し得ます。でも、その知見は自然科学ほど確かではありません。時代の変遷や地域によって変わってくることが多いので、もともとノーベル賞の対象にはなりません。経済学賞と平和賞がありますが、これは組織も選考の仕組みも位置付けが異なり、いわば例外と考えられます。

さらに「普遍的で科学的な法則性はない」と思われているのが、文学や芸術、アートの領域です。一般に使われる言葉としての「サイエンス」と、最も距離がある世界だと言えます。しかし学問的には人文科学として、研究の対象になっています。何かが明らかにされるという意味では、学問が成立します。人間の内面、個人的な世界に深く入り込む世界です。それが虚構であろうと幻視者であろうと、人間の精神的な豊かさに貢献しています。幸せに生きる上では、最も魅力的で、精神の自由のためには、最上級に価値のある切実な分野だとも言えるでしょう。こちらもノーベル文学賞がありますが、他の分野と比較すると、村上春樹がいつ受賞するかという文化現象を見ても、その性格の違いがはっきりします。

実は、保育はこの三分野が交差する領域なのです。健康や保健や養護は、自然科学を根拠とします。生命の保持はもちろん、生活のリズムや睡眠の大切さ、栄養学、感染症対策などは、自然科学(ナチュラルサイエンス)からの知見の応用です。「意欲」の発達の根拠は、ここにあります。

また子ども同士の関わりの大切さ、自由遊びの本質、優しさや異年齢集団の育ちなどは、社会科学の知見が有効です。伝統的社会に根ざしたアロペアレンティングや赤ちゃんの社会性などの提唱は、文化人類学や進化論、発達心理学などの知見からです。「思いやり」の発達の根拠はこちらです。

そして、一人ひとりの子どもの心の動きを大切にしていることは文学と同じです。短歌、和歌、ポエジー、その子の内面、自分らしさ、子どもの100の言葉、個人的人権の尊重、生命の尊厳といったテーマは、まさしく保育の根幹をなしています。「自分らしく」の根拠は、こちらです。

第一ページ目から保育を考えるとき、そのAtoZは、広い意味での「サイエンス」つまり、人文科学、社会科学、自然科学という、学問の三大分野という分厚い本をめくることが必要なのです。どこまでが明らかになり、まだわかっていないところがどこなのか。それを明確にしながら、保護者の皆さんと一緒に、子どもの育ちを支えていきましょう。

「人新世」にふさわしいガバナンスがほしい

2020/03/20

新型コロナウイルスの問題は、温暖化の問題と同じように、飛行機などによる人の移動によって人為的に起きている文明的な危機です。つまり、いずれも地球環境に人類が大きな影響を与えるようになったことから起きているものです。地質学では、現代は新生代(6500万年前〜)第4紀(250万年前)完新世(約1万年前〜)に当たるのですが、多くの科学者が第二次世界大戦以降を「人新世」(アントロポシーネ)と名付けています。核時代の幕開けが、人類が地球を滅ぼす力を備えたからです。しかし、核以外の温暖化や病原菌の地球規模の拡散も、そのリスクの一つに加えなければならなくなりました。

昨日の専門家会議の提言を受けて政府は春分の日の20日(金)、突発的な大規模流行(オーバーシュート)が起きないように、引き続き感染防止の3条件の徹底を求めました。しかし、その一方で、悪影響が大きい、人が集まる経済活動と、休校は終わるものの、すでに(あるいはこれから)春休みに入った学校の再開については、感染の広がりの実情に合わせて、それぞれの地域で各自治体、教育委員会、企業、団体の判断に任せられました。つまり東京や千代田区は当分の間は、今の状態が続きます。

感染経路(感染源)がわからない患者(リンクが追えない感染者)の増加が課題になっているそうなので、明らかに第5次感染のフェースに移っており、移動の多い東京や大阪などの大都市で見られるそうです。ただ人口が違いすぎることと、検査体制の違いも考える必要があります。

全体像を想像するとどうなるでしょうか。検査にたどり着いた人の約8割が症状が無いか軽いので、隔離か自宅待機を余儀なくされますが、ほぼ治療も受けないで回復しているそうです。検査数に対して陽性の割合はとても少ないので、欧州のように蔓延はしていません。

ただ、今後数年かけてどういう状態になっていくかというと、仮に数年後に全ての人が検査をしたらかなりの人が元気で「陽性で、すでに免疫を獲得しているだろう」という認識が専門家から出始めています。しかも、季節性インフルエンザのように、そのような状態に移行していくというのが現実的な見通しのようです。治療薬とワクチンがない段階では、言いにくい議論ですから、なおさら早い開発が望まれるところです。

このように考えると、「COVIDー19」と名づけらた「今回の新型コロナウイルスによる感染」の教訓は、SARSの時と同じです。コビッドが秋頃に世界的に終息しても、これだけ蔓延してしまったら、このウイルスはそれ以降も進化して頻発するでしょう。

さらに、MARSもSARSも新型コロナウイルスだったように、新たなコロナウイルスが登場するのは必然ですから、そのために医療体制(家庭用検査キットの無料支給などを含めて)を整えるべきでしょう。SARSの時から、あまり変えなかったことは「喉元過ぎれば」の日本の悪い国民性なのでしょうか。日本には「人新世」に相応しい危機管理のガバナンスが欲しいです。

 

top