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保育アーカイブ

アキバ分室で初めての睡眠講座

2021/09/01

9月1日(水)、今年4月に万世橋にできた「子育てひろば」で、初めての睡眠講座を開きました。講師はお馴染みの永持伸子さん。子育てひろばは、基本的に毎週水曜日の午前中に開かれているのですが、そこでいつものようにZOOMでリモート講座を開きました。ただパソコン画面をプロジェクターで映し出し、音声もスピーカーで流して、そこへ赤ちゃんと一緒のお母さんたちが、一緒に講座を受けることができるようにしてみました。

会の始めに会場の方から睡眠のことで聞いてみたいことを尋ねると・・

「夜の授乳をそろそろ終わらせたいのですが、どうやったらいいですか」とか「昼間のお昼寝はどんな状態が好ましいのですか」など、いろいろな?(はてな)がいっぱいでした。

多くの人にこの講座のことを知ってもらうためにも、感染対策を講じた子育てひろばで開催してみたのですが、睡眠講座を開いてみると、はやり「対面」のよさが分かります。画面越しでは伝わりにくいコニュニケーションがあることがよく分かります。ただ、コロナ禍や距離を気にしないで済む、家から参加できる、夫婦で一緒に参加できるなどリモートの良さもあります。

今年度前期は9月7日(火)と21日(火)で一旦終了します。リピーターの方もいらっしゃいます。子どもの成長に従って睡眠のポイントも変わります。気軽に何度でも参加してみてください。お申し込みは千代田せいが保育園のメール(c.seiga@chiyodaseiga.ne.jp)までどうぞ。

光・見守る・スクリプト

2021/07/20

人は色々なことにベスト3とかベスト5などを作りたがるのはどうしてでしょう。古くは「三種の神器」やキリスト教の「三位一体」に仏教の「仏法僧」、江戸時代の「御三家」や戦後の「3大財閥」など、何かと3つ揃って初めて何事かが成立するというような<3要素>を発明してきました。相撲でも三役揃い踏み、が土俵の華になります。実は私も3大要素なるものを見出しました。それは夜の睡眠の質についてです。

今日は第4回目の「睡眠講座in千代田せいが保育園」をズームで開きました。参加者は3名で、千代田区からも2人のオブザーバー参加がありました。これまで何度も聞いてきた内容なのですが、良質な睡眠を子どもに保障するには、いくつかの3大要素があるような気がしました。一つは「光と闇」です。私たち人間が地球上の生物として進化してきた必然性からくるものです。特に光とホルモンの関係を良くすることです。具体的には朝日とともに起きて日没と共に眠る。朝に光を浴びてセレトニンを生み出し、それが夜の睡眠を誘うメラトニンの材料になります。また睡眠時間は長さもさることながら、時間帯が大事といった、人間が生き物であり地球の自転という生態系の中で生きてきたことによります。体内時計もそうやってできました。

二つ目は「睡眠も見守る」ということです。親子関係の要素です。たとえば、まだ夜にまとまって寝続けられない数ヶ月の赤ちゃんの時期、夜に何度かよる目覚めてしまう時に、「赤ちゃんは寝たがっている」と思ってあげて、安心させるだけにする。自分でまた眠りにつく力があると信じて、おっぱいなどのご褒美はあげない。夜の授乳欲求と睡眠欲求を分けて対応すること。これを一緒にくっつけてしまうと、ご褒美がないと寝ないことになってしまいます。欲求は満たしてあげることで情緒は安定するので、必要な養護=ケアなのでですが、肝心なのは、睡眠欲求と食欲をまぜこぜにしないことです。助産師さんたちのアドバイスとちょっと違うかもしれませんが、お母さんの健康を保つためにも、そうした方がいいでしょう。

三つ目は、体の習慣化。本人がその気になることから、何も考えなくても体がそうなっていくようにしてあげること。よく「スクリプト」と言いますが、それが出来上がると子育ては楽で楽しくなります。これには、夜遅く帰ってくるお父さんが混乱させているケースが多々あります。ぜひ、ご夫婦で夕方から夜の過ごし方を「子どもにとって」という視点で見直すことが大切です。例えばですが、夜ご飯はさっと軽く済ませてテレビは消して、お風呂に入り、上がったらダウンライトになっていて絵本タイム。だらだら楽しいお話タイムで他愛のない安心と満足の時間を5分でも10分でも作る。毎日同じ順番にして体が次を予想してそうしていくようになっていきます。赤ちゃんの頃から、そうしげあげると子どもも親もとても楽に生体リズムを作りやすくなります。この習慣は一生の宝物です。

光、見守り、スクリプト。この三要素が良質な睡眠の要のようの思えてきました。

日体大教授の野井真吾さんは「光・暗闇・外遊び」を提唱しています。7月6日の「園からのニュース」(保育アーカイブ「早寝早起き」)も参考にしてみてください。

野井真吾・日体大教授の提案「光・暗闇・外遊び」

2021/07/06

当園が「早寝・早起き・朝ごはん」や朝の運動遊び、じゃれつき遊びを大切にしていることは、みなさんご存知だと思います。このテーマについての研修が保育者向けに今年1月に開かれました。主催は東京都社会福祉協議会(東社協)の「保育士会」です。その研修内容が会報「保育部会通信」に掲載されたので、ここに掲載します。

20210706 野井真吾「子どものからだのおかしさを科学する」

子どもの睡眠や園生活リズムの考え方の基本を確認できますので、ぜひお読みください。

第2回睡眠講座で思ったこと

2021/06/29

6月15日からスタートした今年度の睡眠講座ですが、今日6月29日(火)は2回目になります。参加いただいたのは6か月の赤ちゃんとちょうど1歳の赤ちゃんのお母さんお二人でした。参加された方は「睡眠の話は保健所などでも聞いたことのない話でしたし、睡眠のことはあまり意識したことはありませんでしたが、こんな話を聞けてよかったです」という感想を話してくださいました。いろんな悩みの解決に糸口が見えたと、喜んでいただけました。

これまでも同じような感想をたくさんお聞きしてきたので、どうにかして千代田保健所の事業として、出産前の子育てシリーズの一つとして「パパママになるための睡眠講座」(仮称)を実現させたいと考えています。

大人も子どもの世界最下位なのが、夜の睡眠時間。学力がちょっと下がるとあんなに大騒ぎするのに、若者のうつ病が増えると多くの方が心配するのに、コロナ自粛で若者の自殺が増えたといって特集番組をやるのに、これらの問題と睡眠や生活リズムの崩れが関係してないとでも思っているのかしらん??? なんて、思ってしまいます。

そうなんですね、繋がっていると思っている方が少ないんですよね。大学の先生や入試制度を考えている研究者も、政治家もお医者さんも、自殺予防活動を展開しているNPOの方々も。いえ「子どもの早寝早起きは大事」とは聞いたことはあるし、あるいは知っているのかもしれないし、いろんなことと関係してそうだと、薄々そうかな?と想像しているかもしれませんが、もしからしたら「エビデンスがない」と思い込んでいるからか、積極的に取り組まないということなのかもしれませんね。

これを書いている夜9時30分。世界的には子どもなら最も熟睡していてほしい時間です。寝入りに最も深く質の高い睡眠になっていることが、子どもも大人も大事なことだと言われています。果たして、どうでしょうか。まだ起きている子どもがいたとしたら、夢に誘うメラトニンが、あまり有効に働かない生活環境や生活リズムになっているかもしれません。朝日を浴びて午前中に体を動かすことや、寝る2時間前にはテレビは消して白い光を浴びないようにしたり、安心と満足の心理状態で、眠くなっていくような、生き物本来の生活リズムを保障してあげることが、難しい時代になっています。お母さん、お父さんだけでは、どう考えたらいいのか、どこから始めたらいいのか、わからないかもしれません。

子どもの人権条約(と私は訳すべきだと思うのですが)に批准している日本は、子どもの最善の利益を優先する政策の実施に躊躇すべきではないのです。これは国民的に議論してほしいテーマです。保育界では非認知的能力とか情動的スキルという言葉は浸透しました。同じように、保育における睡眠の質も早く常識化させたいものです。

自分のお昼寝を知る

2021/06/11

子どもが自立していくことを支えることが子育てです。保育園の「ねらい」にも、「支え合って生活するために、自立心を育て」(人間関係)ることが、大切にされています。その自立心ですが、自分で自分のことをよく知ることが基本になります。そんな自分が好きだ、自分をケアしよう、大切にしよう、そんな気持ちが育つことが、自分を大切にすることつながっていきます。自分のことを愛して大切にすることが、他人を大切にすることと共鳴しあっていくのです。

で、なんの話かというと、睡眠です。自分がどれくらい寝る必要があるのか、それに気づき、寝ることを望ましいものとして納得していくこと。前向きに受け入れていくこと、自分から寝ることに抵抗感を抱かないこと、そんな心もちを支えたくて、今週から始めたことがあります。それが、わいらんすい(3歳4歳5歳)で始めた「睡眠確認マグネット表」(からだをやすめる ぞーんひょう)です。

自分が寝る必要があるなら「おふとんでひるねをする」に、顔写真マグネットを移します。眠らなくても横になって心身を休める必要があるなら「しずかにごろごろしてすごす」に、移します。そして、眠る必要がない子は「しずかにえほんをよんですごす」に移します。起きていても、まだ活発に運動するようなことはしません。部分的には休息の時間でもあります。

このお昼寝ゾーンの表は、この3つを子どもが「選ぶ」というよりも、自分の状態がどうなのかを確認する、午睡へ気持ちを切り替えるきっかけにすることがねらいです。マグネットを具体的に動かすことで、意識の切り替えがスムーズになることを「支える」物的環境ツールです。

睡眠は夜の睡眠が本来のものです。少しわかりにくいかもしれませんが、昼間の午睡の取り方は、夜の睡眠の質を高めるためのものです。夜10〜11時間ぐらい、しっかり寝ることができているか、それに向けて午睡の在り方が、一人ひとり違います。決して足し算ではありません。「午睡は夜の睡眠の準備体操」と例えて言われることがあります。年齢で区切るということでもなくて、一人一人の発達、育ちの実態に応じて対応します。

朝7時に起きるなら夜8時に寝ないと11時間になりません。夜9時に寝るなら朝7時起床でやっと10時間です。夜10時だと9時間しか取れません。じゃあ、朝8時に起きればいいかというと、小学校ではすでに学校のいる時刻です。それまで朝食、排便を済ませておくことを考えると、小さいうちから遅くとも7時までの起床を習慣にしてあげないと、1時間の体内時計をずらすのはとても苦労します。

ただ個人差もあります。一律に当てはめるということもよくありません。その辺りも含めて、保護者のみまさんと話し合いながら、望ましい生活リズムを整えていってあげたいと思います。

東社協保育部会の保育研究大会

2021/06/03

今日6月3日は、午後から東京都社会福祉協議会の保育部会が開催している「保育研究大会」に参加しました。参加といってもオンラインでの参加です。当園からは「いま改めて「早寝早起き」の習慣づくリ〜赤ちゃんの睡眠リズムを中心に〜」の実践を報告しました。参加者は5月11日から公開されている発表動画を事前に視聴してから今日のライブ協議に参加します。今日はそのライブ分科会が開かれたのです。

5月の日本保育学会でも感じたのですが、事前収録を視聴できる形のリモート開催は、事前にじっくりと内容を理解できるので、とてもいいと思います。ライブ参加だけの時は、聞き逃したらそれで終わり。視聴し直しができません。それに引き換え、録画されているものなら、都合のいい時間に視聴できるので、とても勝手がいいのです。

一方でライブでのグループ討議もあるので、リアルな話し合いの感覚も体験できます。参加者もリモート方式に慣れているのか、それほど違和感も感じません。一年前に比べるとかなり馴染んできたという感じでした。

さて、実践内容の方ですが、当園は開園して2年が経ちましたが、生活リズムづくりは、この間1年半に渡って取り組んできましたが、いま見えてきた風景は、子どもにとって何がいいのか、保護者のみなさんと一緒にじっくりと考えていこうという、長い道のりの風景です。その道は、それぞれの子どもの実際に合わせて歩んでいく道です。今日の話し合いではその長い道の歩み方は多様であることを確認できた気がします。今年の睡眠講座は6月15日から始めます。

収録録画は以下から見ることができます。

https://eqm.page.link/68po

子どもの早寝早起きをすすめる会

http://www.hayaoki.jp/video_qa.cfm

 

 

朝日と運動がセロトニンを増やし夜の睡眠の質を高める

2021/04/08

今年度初めて、朝の運動タイムの担当をしました。新わいわいさんが伸び伸びと体を動かしています。ネットを2段階にしているだけですが、首を入れてから肩を抜き、お尻も持ち上げて、全身がネットの上側へ入っていく流れを見ていると、「あれ、いつの間にこんなに上手になったんだろう」って、びっくり。その動作の中だけでも、関節を動かし力を入れる方向が体の体幹を支える内筋に「効いているだろうな」と思えます。いっぱい使われている筋肉は、いわゆる身のこなしの滑らかさや姿勢の良さに必ず結びつきますから、これは身体にとっての宝物です。本人は「高い方に登れたよ」と嬉そう。

しかもクライミングも中程まで登ってしまいます。トランポリンも楽しそうです。1、2、3と数えてながら跳び、・・58、59、40、41・・と何度か40から59を繰り返して、ポイっとお友達と交代。とにかく笑顔が絶えません。いい朝の迎え方ですね。

朝7時までには起きて、朝日をしっかり浴びること。午前中にうっすらと汗をかくくらい運動すること。これでセロトニン全開です。このホルモンが高まるからこそ、それが睡眠ホルモンであるメラトニンの産生につながって、質のいい睡眠をもたらすのですから、朝日と朝運動は「金」です。この二つは良いことづくめです。

今日は永持伸子さんによる睡眠講座の研修をしました。「夜のテレビやスマホの光は身体への影響がとても大きいので、寝る2時間前には消して欲しい」という話に、私たち日本人は、あまり気にせずに、子どもに白い光を当て過ぎていることにもっと敏感にならないといけないと感じました。先日の「すいすい組の保護者会」で、テレビやゲームの見過ぎややり過ぎが話題になりましたが、その話とは別の次元で「白い光の悪影響」について、もっと勉強しないといけないようです。

睡眠講座で気づいた「おやすみなさい」の意味

2021/02/22

今日は16回目の睡眠講座が開かれたのですが、私は乳児の「記憶力」の発達にあった援助について学ぶことができました。6ヶ月ぐらいの赤ちゃんは、数日しか記憶がないそうで、1歳を過ぎていくと1ヶ月前のことも覚えているようになっていきます。すると「寝ているから気づかれないようにそっと寝かしてあげる」方法が通用するのは6ヶ月ぐらいまでで、それ以降になると記憶力が発達して、目が覚めた時に起きている時のことを思い出して「寝るつもりじゃないかった」子にとっては、目覚めると「起きようとしてしまいがち」だそうです。ですから、寝る前のことを覚えているようになる頃からは、寝るときに「おやすみなさい」とちゃんと声をかけてあげて、これから寝るんだよ、というメッセージを伝えた方がいいそうです。

睡眠講座は毎回「そうか、なるほどなあ」と気づくことがあるのですが、そんなことを考えていたので、次のようなことにも気づきました。

昼食を食べ終えて本や紙芝居を読んでもらうと、ちっち・ぐんぐんの部屋から、「父さん眠れ、母さんも、兄さん、姉さん、赤ちゃんも、ねんねしな、ねんねしな、ねんねしな」の歌が聞こえてきます。すると、歌い始めると、すぐに布団の方に移動するYちゃんや、最後まで聞き終えてから、立ち上がって布団に移動する子など、自分たちで自然と眠りに行きます。それこそ自発的なゴーツーベッドです。

これは毎日繰り返している習慣になっているからでしょうが、よく考えると、絵本や紙芝居という遊びから、歌を挟んで睡眠へ自ら気持ちが動いていく様子は、睡眠講座でも永持さんがポイントにあげていたことと同じです。それは「これから寝るよ」というメッセージを子どもにちゃんと伝えることです。保育園の場合は童歌ですが、それと同じような区切りのサイン、これから寝るよ、のサインをご家庭でも用いてみるのもいいかもしれませんね。

食事の後は絵本を読み、歌を聞いて眠りにつく。それぞれを声かけでやらせようとするよりも、それぞれが子どもにとって「好きなこと」を順番に並べてあげるという感覚で、毎日、同じ順番や流れを作ってあげるといいのかもしれません。

子どもの睡眠の質を良くする「安心・満足」

2021/02/18

月に2回のペースで開いてる睡眠講座「マムズサロン」は今日で15回目になります。今日は4月の入園が決まった保護者の方の参加がありました。子どもは成長していくにつれて、睡眠に関する課題も変わってきます。特に保育園での生活が始まると、家庭とは違った環境での過ごし方になります。家庭とは違う環境での「午睡」もあります。子どもの睡眠の質を良くするには「安心・満足」な気持ちで睡眠を迎えることができるといいでしょう。それは保育園の午睡も同じかもしれません。

保育園生活に「慣れる」には、次の3ステップが必要になります。まず、起きている時間に「遊び」を通してお友達や先生と仲良くなること。次に保育園の「食事」に慣れること。授乳や食事の味や食べ方も家庭と違うかもしれません。

そして、3つ目が「午睡」です。家庭と異なる場所で親御さんと離れて寝ることができること。こうやって、遊び、食事、睡眠のぞれぞれに違った「慣れ」が必要なことを感じていただけると思います。それぞれが「安心・満足」なら素敵です。そうなるとき、遊びも食事も午睡も、質が高い営みになることでしょう。睡眠講座では、毎回、睡眠インストラクターの永持伸子さんが、この睡眠の質を高めるためのコツを、詳しくやさしく説明してくださいます。

 

時代を超えた「子どもの睡眠」を守ろう

2020/11/13

入園相談を受けて感じたことを、ここで述べておきたいと思います。保育園が夜8時半まで2時間の延長保育がある先進国は日本ぐらいです。午後5時に終わるのが普通であり、遅くまで保育をしているのはマイナーです。21世紀もすでに20年も経って、まだこの感覚が変わらない社会というのは、一体どうなっているのでしょうか。保育園を選んでいる方の中には「子どもの睡眠」がいかに大切かを知っておいて欲しいと思う方がいらしゃったからです。

人類は長い間、生活圏で働き子育てをしてきました。しかし産業革命以降に雇われる労働者が発明され、社会が変わって職場と住居が離れ(職住分離)、労働生産性を高めるために国家が学校教育を始め、個人の能力が測定されるようになり、小さい時から学力が発達課題以上に重視されるようになってしまいました。そんな社会はこの200年の壮大な実験に過ぎません。

しかし、どんな時代になっても、赤ちゃんは時代に合わせて生まれてきたりましません。21世紀型の赤ちゃんが生まれてきたとか、昔に比べて変わった赤ちゃんが生まれてきた、というようなことは基本的にありません。19世紀の赤ちゃんと、これからの赤ちゃんが、こんなに変わったね、なんてことはありません。もしあるとしたら、これからの時代は生命科学が、生殖革命をもたらし、もしかすると赤ちゃんが変わるかもしれません。しかし、大体は当面、目の前の「赤ちゃん」が教えてくれるものは、何百万年というオーダーで変わっていない特質です。

それなのに、生まれて数ヶ月の間に、育つ環境によっていろいろな発達が変わってしまいます。日本で生まれ育てば日本語を獲得し、例えばぐんぐんさんのように2歳になると「ももたろう」の歌を歌って体を動かすことができるようになります。

この環境要因の大きさを考えると、すごいことだな、と思うと同時に、社会の変化によってその環境が変わっていってしまうことが心配です。ある意味で保育園の仕事は、その時代の〈負の社会変化〉と戦っている部分があるのですが、それは保育園にいる間にできることなら手が届くのですが、睡眠サイクルとなると家庭にお願いするしかありません。

日本の場合、乳幼児の夜更かしというのは、何百万年もやったことがない、とんでもない影響を脳に与えているという事実を、一体どのくらいの子育て家庭が真剣に受け止めてくださっているでしょうか。この理解の温度差は如何ともし難い。日本はマスコミがとりあげなさ過ぎです。

そのことを真剣に考えているEUの中には、夜間営業のコンビニは増やさず、幼児向けのテレビは制限し、中学生も夜9時には寝ています。こんなに睡眠時間と質が悪化している日本人は、精神的な幸せの尺度に合わなくなっていることにすら気付いていないのです。朝からイライラしたり、眠そうだったり、体がぐったりしていたり、子どもが午前中がそういう状態であるはずはないのです。子どもの生活の質に大きな差が出てしまいます。

これは、お父さんも認識を新たにすべきです。働き方を変える観点に、子育てに必要な生活サイクルもぜひ検討してもらいたいと願っています。

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