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STEM保育・自然科学

探究や研究が続く条件はなんだろう?

2026/10/10

ノーベル化学賞の話の続き。

前回が「科学者の探究と、子どもの遊びには接点がある」ということを書きました。例として挙げたのは、子どもの釘打ちの遊びでした。今日は「その探究を続けられるのは、なぜだろう?」を考えてみました。

曲がった釘を前に、やり直して、できた。その経験から、道具や材料のことが少し分かる。分かると、さらにやってみたくなる。つまり知るほど対象への関心が深まり、その関心が次の行為を生む循環がおきると、探究は続くんです。

でも、現実は、なかなかそうは続かないものです。硤合さんのインタビューなどを探してみたのですが、小さい時に好きだったこととか、どんな子どもだったのかとか、あまり出てきませんでした。ある時期から継続的に研究が続いているのは間違いありませんが、それが継続できるためには、それが続けられた条件があるはずなのです。

釘うち遊びでも、その循環は本人の意欲だけで続くわけではありません。曲がったから打ち直す、そのための別の釘がある、やり直す時間がある、困ったときに一緒に考える人がいる。・・・そうした環境が必要です。

また、その子に合った援助も必要です。それは科学者も同じはずです。その研究を続けられる背景にも、同じように、出会いや支え、環境があったはずなのです。予算が削られていたら終わっていたかもしれません。実際に予算がカットされて、研究が続けられずに、何も日の目を見ずに終わってしまっている研究もあったかもしれません。でもそれは、誰にも気づかれないことでしょう。

大事なことがわかります。それは「探究する子どもを見ることから、探究が続く条件を見ることへ」。ノーベル賞を受賞した人の特別さに目を向けるだけではく、それが成し遂げられた条件に、その営みを支える周囲へ目をむけると、保育のポイントもみえてくるのです。

年長さんの活動に集中する姿

2026/10/02

今日のクラスブログを紹介します。金槌で釘を打ち、思い思いの遊具を作っていました。担任はそこに子どもの育ちを感じたようです。一見すると、その育ちに「集中力」が育ったと、表現してしまいそうな姿なのですが、担任はその表現をあえて避けているようです。どうしてでしょうか? そこにこの保育のポイントがあります。

集中力がついているようい見えるとき、新しい遊びや活動に夢中になっていることが多いのです。周りからいろんな情報を受けていても、それを気にせず、成し遂げようとしている目的を達成するまで、途中で辞めようなどとは思いません。こんなふうなものを作りたい、そういう目的があってやっていることを途中で投げ出すわけがありません。もし、他のものが面白そうだと思ったとしても、よっぽど面白そう!と思わない限り、その活動をやめることはないでしょう。

とくに自分でこれをやってみたい!とひらめたことは、試してみたくなります。自分でやってみたい。そしたらどうなるだろう。できた、じゃあ、今度は? そうしたらいいんだ、それならこうしてみよう!新しい知識と方法を使って考えて試してみると、こうしたらいいんだと気づき、できた!という効力感を感じ、さらに自分からもっとやりたい!という循環が生じます。この循環の入っている時の人間の集中度はとても高いものがあります。

ですから、子どもは新しいものが好きなのです。新しい遊具や遊びには目がないですし、私が誘い出す「すいすいタイム」も「今日はなんだろう?」と興味津々です。子どもは好奇心の塊なのです。ですから、よく人が集中力をつけるとか、育てるなどといいますが、あれは嘘です。好きだから長くその活動に取り組んでいるだけであって、無理に諦めずに取り組ませれば集中力がつく、などというのは、間違いでしょう。

新しいものが好きだというのは、生まれつきです。生まれたばかりの赤ちゃんがどんなことが好きか、どちらに関心を持つかなどを調べる方法として「選好注視」という方法がよく使われます。この方法に信頼性をおく根拠は「子どもは新しいことに注目する」という特性があるからです。私が赤ちゃんの部屋でいくと、何をしにきたのだろうという顔をして私を見ます。入園前の見学者を案内すると、見慣れた私ではなく、お客さんの方をじっと見つめます。好奇を向けるということは、教えなくても子どもは持って生まれてきています。

さて、こんな解説を踏まえて、今日のクラブグログをご覧ください。とてもいい顔をしていますよ。
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今日はお部屋や屋上、運動ゾーンなど、それぞれの場所で子どもたちが自分の興味に合わせて遊びを選び、じっくりと取り組む姿が見られました。特に運動ゾーンでは、小林が中心で進めていた鬼ごっこを坪井先生と一緒に楽しく展開する姿があり、展開する大人が変わることで、同じ遊びの中にもまた違った面白さが生まれることを感じました。大人が一人で遊びをつくるのではなく、それぞれの大人の関わり方が子どもたちの遊びの広がりにつながっているように思います。

朝のゾーン選びでは、わいわい組の子が「虫のゾーンを開けたい」と自分から伝え、幼虫の観察をとても丁寧に行っていました。わいわい組の子どもたちの中でも、自分が興味をもったものを選び、実際に見たり触れたりしながら活動を進めていく姿が増えており、日々のゾーンでの経験が「自分で選んで遊ぶ」ということにつながってきていることを感じました。

また、すいすい組では、トンカチと釘を使って板に釘を打つ遊びを行い、「パチンコを作ってみたい」という思いをもって、集中して取り組む姿がありました。今回特に印象に残ったのは、周囲でさまざまな話題や会話が生まれている中でも、そこにすぐ注意を向けるのではなく、トンカチや釘から目を離さず、自分のやっていることを続けていたことです。

こうした姿を見ていると、道具を安全に扱えることだけではなく、興味をもったことに注意を向け続け、周囲の刺激がある中でも自分の活動に集中していく力も、こうした遊びの中で育っていく大切な経験なのだと感じました。子どもたちが「やってみたい」と思ったことに十分に時間を使える環境をつくりながら、それぞれの興味や集中の深まりをこれからも丁寧に見取っていきたいと思います。

 

ホテルの壁から、石の物語へ ――9月30日 アンモナイトの探究

2026/09/30

散歩で出会った、秋葉原ワシントンホテルの壁にあるアンモナイト。その不思議を追いかけて、今日は子どもたちとホテルへお話を聞きに行きました。支配人の亀井英雄さんが、壁の石について説明してくださいました。

この壁に使われているのは、ドイツから運ばれてきた石灰石。約1億5000万年前の海の底で積み重なったものが、長い年月を経て隆起し、地表に現れ、やがて建築の材料として使われるようになったのだそうです。

いつも歩いている秋葉原の街に、遠い国の、はるか昔の海につながる石がある。そう思うと、見慣れたホテルの壁が、地球の歴史を伝えてくれる場所に見えてきます。

子どもたちは支配人のお話をよく聞いていました。途中のクイズにも、ほとんど正解していました。自分たちが気になっていたものについて、その場所の方から直接お話を聞ける。そんな出会いが、子どもたちの関心を支えてくれているのだと思います。

ただ、教えていただいたことを覚え、正しく答えられたところで、この探究を終わりにしたくはありません。今日のお話が子どもたちの中でどんな物語になったのか。何が心に残り、何をもっと確かめたくなったのか。そこを、これから一緒にたどってみたいと思っています。

実際、ある子は、アンモナイトの「中」に関心を向けていました。中に人がいるのではないか、と想像しているようです。

大人の知識からすると意外な発想ですが、この子にとって、壁に見えている形の向こう側には、まだ見えない世界があるのでしょう。表面を見ることから、内側を知りたいという気持ちへ。そこに、次の探究の入り口を感じます。

明日以降の「すいすいタイム」では、今日教えていただいたことを、子どもたちともう一度振り返ってみようと思います。子ども自身の言葉や表現で石の物語をたどりながら、実際に石に触れたり、その中を確かめたりする方法も考えていきたいと思っています。そこから、どんな疑問や「いいこと思いついた!」が生まれるでしょうか。

子どもが見つけた小さな不思議に、地域の方が応えてくださる。そのお話を受け取って、子どもがまた考え始める。こうしたやりとりを重ねることで、街は子どもたちにとって、ますます親しみのある、知りたいことに満ちた場所になっていくのだと思います。

亀井さん、子どもたちの関心に応えてくださり、ありがとうございました。ホテルの壁から始まった石の物語は、まだまだ続きそうです。

朝顔の探究〜すいすいタイム(STEM編)〜

2026/09/14

【「種」と教えないところから始まる探究】

玄関に咲いていた朝顔を題材に、年長児の「すいすいタイム」が始まりました。

最初から「朝顔を観察しよう」とは言いませんでした。一枚の写真をスクリーンに映し、

「何が映っていると思う?」

と問いかけました。

すると、ある子が「とうもろこし」と答えました。

【写真1:最初に子どもたちへ提示した写真】

大人には朝顔に見える写真でも、その一部分を見ている子どもには、別のものに見えます。これは間違いではありません。その子が、これまでに出会ったものと目の前の像とを結びつけ、懸命に意味をつくろうとした言葉です。

写真を少しずつ見ていくと、子どもたちは朝顔だと気づきました。そこで、画面の中の朝顔から、玄関にある本物の朝顔へと移動しました。

【写真2:実際の朝顔を見に行く子どもたち】

花が咲いていた場所には、緑色の丸いものができていました。子どもたちは顔を近づけ、触れ、友達と一緒に見ています。

【写真3:花のあとを観察する姿】

 
【写真4:緑色の実の拡大】

このとき、子どもたちの口からは、まだ「種」という言葉は出ませんでした。

保育者が「これは種になるんだよ」と教えれば、活動は短時間で終わります。しかし、名前を教えないことで、

「これは何だろう」
「中には何があるのだろう」
「明日はどうなっているだろう」

という時間が始まります。

探究とは、正解を早く知ることではありません。変化に気づき、自分なりに考え、友達の考えと出会い、もう一度確かめたくなることです。

これから子どもたちは、花のあとにできた緑色の実が乾き、その中から種が現れるまでを追いかけます。

写真、動画、子どもの言葉を残していけば、この小さな朝顔の変化は、年長児と小学一年生をつなぐ「架け橋期」の実践記録にもなります。

一輪の花が終わったところから、子どもたちの探究が始まりました。

(クラスブログ「わらす」にも掲載しています)

氷でアイスクリームをつくる

2026/01/06

今日の水の実験はコレ。アイスクリームづくりです。牛乳にバニラエッセンスと砂糖を加えてまぜ、それをジッパーにいれて「氷みず」の中に沈めて凍らせました。氷には塩をかけると、凝固点が降下してマイナス10度近い「氷みず」ができ、あっという間にアイスクリームができました。

この氷と塩の間で起きていることを理解することは大人でも難しいのですが(凝固点が下がる理由は粒子の運動エネルギーの差がどうやって生じるか?を理解することなので)、氷みずでアイスやジューズシャーベットができて面白かったようです。

色の三原色でどこまで多様な色ができるのか?(水の探究)

2025/10/27

絵の具で赤、青、黄の3色の色水をつくり、それを2組ずつ混ぜると、さらに緑、橙、紫の3つの色ができます。この6つの色をさらに2組ずつ混ぜると、どうなるか?今日はそういう展開になりました。

保育園では無造作にいわば偶然に、いろいろな色水遊びをしているのですが、年長さんとの「水の探究」は、本人が「こんどはどうなるだろう」と、混ぜる順番や量にこだわりながら、その結果を予想したりして楽しむ姿がみられるところが、とても面白いのです。

「こっちは、まだやっていない」「こんどは、これとこれ」「この辺の色がない」などと、次々といろいろな色づくりを楽しみました。なかのよいすいすいさん、らんらんさんも見学して、新しい色ができるたびに、「〜いろ!」「〜みたい」と見入っていました。

 

やじろべえの作り方のコツ 覚えてますか?

2025/10/14

散歩で拾ってきたどんぐりを使って、やじろべえを作りました。

メンバーが揃うまでMSくんと話をしていたら「どんぐり遊びがいい」ということになり、やじろべいを作ってみることになりました。

みなさん、どうやったらうまくできるか覚えていますか?やってみるとわかるのですが、微妙なバランスをとるのが、とても難しいものなのです。

物理的にいうと、指一本でささえる支点の位置です。やじろべえが左右前後に倒れない地点を重心の真上につくらなけけらばなりません。子どもにそういうことはわからないので、どこだったらうまくいくのかを、あれこれ体験していくのが、やじろべえ作りの「あそび」です。

今日は、どんぐり3個を直線に並べた場合にうまくいかないことを試し、そのあとで角度をつけてやってみました。その後、左右に傾くので、どんぐりの重さを同じにしてみよう、といことで天秤で「これとこれが同じ」を探してつくってみました。

園長のステム保育「ユリイカタイム」です。子どもたちは「じっけん」と呼んでます。今日は何するの?と人気の高い時間です。ステムとはSTEMのことで、サイエンス・テクノロジー・エンジニアリング・マスマティックスの頭文字で、いわば理科の保育です。

私の進め方は、最近の遊びで楽しかったことや、面白かったことについての「対話」から始まります。年長のすいすい組が毎週火曜日に行なっている「お手伝い保育」の時間に、職員室チームは私とステム保育を楽しんでいるのです。今日は「園長ライオンと実験した」というなら、この時間のことです。

いろんな紐で「なわとび実験」よく回るには?

2025/10/07

最近なわとびに夢中な子が多いすいすいさん。そこで今日のステム保育は「なわとび実験」になりました。制作ゾーンにある「いろいろな長いもの」で、縄跳びができるかどうかの実験です。たこ紐、紙テープ、麻ひも、すずらんテープで「まわしてみました」。だいたい想像は着くと思いますが、こういう紐では、うまく回りません。

そこでタコ紐から順番にやっていくことにしたのですが、縄跳びに慣れている子たちなので、うまく回らない理由をきくと「軽いから」「重くする」という言葉がでてきました。

そこで、「じゃあ、どうしようか?」というのが今日の実験テーマになりました。「りんごをつける」「バナナ」などと、おふさげ気味の問答を楽しんだ後で、「ひもを通して重くしたいんだけどな」というと、トイレットペーパーの芯などを紐に通してみることになりました。

ここで保護者のみなさんに感謝です。お家から持ってきていただいている素材が大活躍しました。

やってみて面白かったのは、あんなに細いタコ紐でも結構うまく回るものなのです。回していると自然と「筒」が紐の中央あたりにずれて止まるので、それが錘になってよく回ります。トイレットペーパーの芯一つで、回し方を覚えたのか、跳ぶ人、回す人が順番に交代しながら楽しみます。一人なわとびもできるかどうか試し始めます。

面白のは「実験の仕方」に慣れてきたようで、順番に試すという構えが育ってきました。回してみてどうだった?と話をして、じゃあ、今度はどうする?二つにしてみようか?というと、「うん!やってみる!」とノリノリです。

子どもたち自身で二つの場合、三つの場合と段々とふやしていき、その都度「どうなるか」と子どもたちが試していきます。それが楽しそうでした。最後は10個つなげてみました。

紐の種類を変えておなことをやってみました。サランラップの芯もやってみました。最後は本物の縄跳びの縄を使って回しました。途中から普段やっているチャレンジになって、MSくんが大縄跳び120回越えの新記録がでたり、汗をかくほど体を動かす「なわとび実験」でした。

 

 

遠くまで転がるのはどっちの車?

2025/09/11

事務所のお手伝い保育は、私の実験タイムなのですが、器具の使い方を覚えてもらう段階です。一通り終わったら、制作ゾーンに並べてあるので、それを自由に使って遊べるようにしていきます。

ビーカーやスポイドなどの化学実験器具を使ってみるのは楽しそうです。普段からペットボトルで色水づくりはよくやっているのですが、改めてフラスコや試験管を使って混ぜてみたりするのは、ワクワク感があるみたい。

今日は砂糖水を作って、その上に色水をスポイドでそっと垂らしてみたのですが、混ざらずに表面に色水の相ができました。

また氷を浮かべてみて溶ける様子を観察したりしました。

そのほか鏡を並べで見ると、思いがけない写り方をしてその発見が楽しそう。

自分の足の裏を2枚の鏡で挟んで写すとか、大人では思いもしないようなことをいろいろ試していました。

坂道は表面がツルツルとガザガザがあるのですが、どちらが遠くまで車が走るかを比べたりするのですが、私も不思議だな、と思う現象がありました。

それはお手玉を1つ乗せたものと、2つ乗せたものを比べてみたのですが、2つ乗せた方が何度やっても遠くまで走るのです。

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