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保育アーカイブ

ヤングコーンの食べ比べ(東京すくわく)

2025/06/11

関東も昨日から梅雨入りですが、今日の味覚探訪は、ひと足先に夏のイメージがある「とうもろこし」の食べ比べ。白と黄色のヤングコーンを食べくらべました。皮を剥いて、中から身が出てくると、思わずさきっぽをかじってしまう子も。そのあと茹でて、かくる焦げがつくくらい炒めます。塩をふって、いただきま〜す。

この味の探究は、午前中ににこにこ組(2歳児クラス)で、午後に今日はわいわい組(3歳児クラス)で行いました。保育園で食べ物をじっくり味わうという活動は、昼食や午後の間食とはまた、一味違う活動になっています。もっとも異なるのは、野菜を一種類だけ、できるだけ収穫された状態にちかいところから、食べるところまでの、一貫した調理過程をじっくりと観察して、そのあと、その味だけを味わうというころです。

普通の食事だとこうはなりません。ご飯やパンなどの主食をはじめ、主菜や副菜、汁物などと合わせて食べるので、その味と同時に、合わせて食べる全体の味わいとして食べています。とくに一品だけをよく噛んで味わって食べて、次のもの移るというよりも、主食のお米やパンと一緒に食べる味の方が増えています。おにぎりにしても丼にしても、サンドイッチや麺類など、最初から混ぜ合わせた味で「一品」になっているものが多いのです。

まして野菜単品の味を味わうということは、めったにない、と言っていいでしょう。保育園の子どもたちと食事を共にすると、そうした合わせた味を好むことがよくわかります。真っ白なご飯だけ、単品の野菜だけ、というメニューはすくなくて、混ざって初めて完成という一品が多くなっていること、また子どもも、あえて混ぜて食べることを好むことが多いと感じます。

たとえば主菜が白ごはん、主菜がしゃけの塩焼き、副菜がサラダようのなとき、シャケ丼にしたり混ぜご飯にして食べている様子をよく見ます。そういう食事のあり方のなかで、単品の野菜をじっくり味わうという体験は、その美味しい味とつながって、一つずつの野菜の姿が明確になり、好きになり、もっと食べたい、さらにもっと〜につながっていくように感じます。その、もっと〜のところが何になるのか、子どもの姿ベースで次を考えていくときに、子どもの「こうしたい」を一緒に見つけていけたらと思います。

今日の活動の報告は、先生たちの振り返りを含めて、後日掲示します。

豆の料理から受け取る意味と言葉

2025/05/14

今日は豆(そらまめ・グリーンピース・いんげんなど4種類)を食べ比べてみました。やる流れはだいたい毎回同じなので、省略しますが、今日の午後の振り返りで私が「面白いなあ」と話題にしたのは、次のようなことでした。

(1)江口さんが「つぎ、これ、〜していいかな?」ときくと、子どもたちは「いいよ〜」と答えます。料理ですから、洗ったり、下拵え(筋をとったり、へたを切ったり、さやを開いたり、中から豆を取り出したり・・)や、茹でたり、焼いたり、切ったり、さらに盛り付けたり、いろいろな手順があります。そのたびに「こんどは、こうしてみるよ、いいかな?」という感じです。

月に1回ですが、にこにこ組(2歳児クラス)の子どもたちも、毎回のように出てくる「茹でる」「焼く」のパターンへの見通しがでてくることでしょう。

今日も包丁を出してきてまな板のうで切ったり、いろいろやって、こんどは「じゃあ、これ、焼いてみるよ、いいかな?」。するとまた機嫌良く「いいよ〜」と返事が返ってくる。その繰り返しが、何回かも繰り返されていきました。

この応答は、<質問と答え>ではなくて、これからやるに決まっていることに、あえて同意を確認しているような感じです。よくみててね、という意味もあるし、さあ、どうなるかなやってみるよ。という意味でもあります。ようするに、これからこんなことをやるんだけど、みんなも一緒にやるつもりになってね。という感じです。

子どもたちが実際に自分でやってみたいと思っているはずなので、子どもが自分できる「子どもクッキング」は危なくないもの(梅ジュースを作ったり、振ってチーズを作ったりなど)は別の機会にやっていきますが、この味の探究は野菜が中心で、その新鮮な素材の味をできるだけ、そのまま味わうというねらいなので、シンプルに茹でる、焼くということが中心になります。というわけで、子どもは火傷などしないように、そばで観察することになります。

「いいよ〜」。という子どもたちの声。とても可愛らしい声なので、その雰囲気を動画でお伝えしたいほどなのですが、その姿は、まるで子どもの好奇心がむくむくと芽をふいている瞬間のように感じます。

これから始まる出来事へ身を乗り出しているときの集中。こんどはどうなるだろうという興味。「どうなるかまだわからないけど、うん、やってみて、ぼく興味あるから、ぜひ」。そんな、集中力を感じて、見えいて気持ちいいのです。担任によると、2回目なのに、この時間を待ち遠しく感じている子もすでにいるらしい。

(2)もう一つ、感じたのは、世の中の出来事について言葉で表されることはほんの一部でしかないということ。豆にはそれぞれ名前が付いていること。子どもにとっては初めて出会っている目の前の景色のなかから、名詞や動作や形容詞やオノマトペがそれぞれの瞬間に聞こえてきて、世界がそれで文節化されて、そこに何かの一貫性を子どもがみつけていくこと。

もちろん数回の経験で文節化されていくのではなくて、何度も何度も繰り返される事象のなかに生きていくことを体験しながら、そのなかで「そういうことか!」「わかった」と、明瞭化されていくようなことなのでしょう。意味が生まれていく過程を体験していることになるのでしょう。

他の言い方にしてみると、目の前に展開されている世界から、料理の過程の中に言葉のルール(言語ゲーム)を大人が取り出してきて、世界と言葉がセットでふるまいのなかに意味を立ち上がらせていく、ということでしょう。子どもにとっては「そこか」とか「そうなんだ」とか、一つずつそのセットを自分の中に取り入れていく。こうやって、こういうときはこうするものなんだということに慣れていくのだろうと感じます。

この場合は野菜の匂い、音、色そして味などについて、そのことに言葉がくっついて何かのふるまいがなされていきました。

(3)関わりながら、好きになり、もっと〜という流れが生まれていくこと。世界なかから取り出されてくることに対して、子どもたちは自分なりに「知覚」したことについて、言葉を介して体験が意味付けられていくということなのでしょう。また、その意味がさし示しているであろう範囲をぼんやりと意識して、そのうち自分の感覚で得たものをなんども照らし合わせていくうちに、自分の「行為」とつながっていくということでしょうか。

その過程では感情が共感的に働いて、食べてみたら「美味しい!という感情がそれらを好きになりながら、もっと食べたいという欲求を耕しています。豆の種類によって、味やおいしさが違うので、絵本で親しんでいる「そらまめくん」のイメージがその子なりにダブりながら、どんなふうに変わっていくのか、想像してみたくなります。先生たちはその変化を子どもの姿のなかに気づいていくことでしょう。

5月「豆類の食べ比べ」2025514ぼかし入り

神田祭を親子で楽しむ

2025/05/10

保育園として神田祭に参加するのは、前回に続き2回目。前回は職員10名が神輿を担ぎましたが、今回は初めて園の親子も参加して子ども神輿を担ぎ、また山車を引かせてもらいました。

岩本町三丁目の子ども神輿と山車は、12時半ごろから山崎パン本社前の御神酒所から出て、午後2時ごろまで町内を練り歩きました。3時半には隣町の須田二丁目町会と東松下町会と合同で柳森神社前で御霊にお礼参りです。神田明神へお宮入りは明日11日です。

さて江戸三大祭りとも言われる神田祭。その本物の祭りに保育園として参加させていただき、とても貴重な体験になりました。保育園に在園している親子が約19家庭参加されたので、子ども神輿と山車の周辺は活気にあふれ、その賑わいを包み込んでいる地域の方々の思いに接して、図らずも目頭が熱くなったほどです。

地域の行事を見るだけではなく実際に参加してみることは、保育から見ても大切なことが含まれていそうです。地域の一員であるという実感をいつどのように感じるのかは、わかりませんが、こうした積み重ねが「自分のまち」という意識を醸成していくものになっていくのでしょう。

当園からは私も含めて職員が12人参加したのですが、知っている大人が法被をまとい手拭いを結び、粋な格好で普段とはちょっと違うメリハリを効かせて振舞います。子ども達から見れば、多くの知らない大人たちが大勢いて、その中に、よく知っている大人が一緒に混じって「わっしょい、わっしょい」と神輿を担いている。その姿は、子どもたちにどんな印象を与えたでしょうか?

そしてお父さんお母さんに手を引いてもらいながら、その神輿を担いだ、山車を引いた、抱っこしてもらって太鼓を叩いた。太鼓や鐘の囃子の音や大人たちのリズミカルな掛け声や身体的圧力を感じ、柏木の透き通るような音や、一本締めの手拍子、そばで声援を送ってくれている親の声。そういう祭り独特の空間に身を浸しきった時間。

21世紀も四半世紀が過ぎたこの時代に、江戸時代から続くといわれる地域の祭りを体験すること。その意義を確認したり、再発見したりする営みが必要だとしたら、何をどう考えたらいいのでしょう?

それはきっと、地域の当事者が主役となって、まずは一緒にその時間を体験することで、そこで感じる感覚を大切にしながら、言葉ではいい表せないことを紡いでいくことなのかもしれません。

味の探究活動 動画で紹介されました!

2025/04/22

毎月1回、2歳児以上の園児を対象に行っている「味の探究」活動がYouTubeで紹介されました。フランス料理シェフの江口さんのこともわかる内容になっていますので、ぜひご覧ください。

この動画は、自然食材などを販売するスーパーマーケットを運営している川田むつみさんのチャンネル「むっちゃんねる」制作です。とてもいい活動をなさっているので、保育園としてインタビューに協力しました。

https://www.youtube.com/@coco_mutchannel

活動リソースが豊かな園生活を目指して

2025/04/09

以下は4月9日の幼児の保育ドキュメンテーションです。4歳、5歳を中心とした生活をピックアップしたものですが、当園の保育の特徴がよく現れていると思います。子どもたちの園生活圏は、室内にも園外にもありますが室内だけでも、面白い空間がこのように展開しています。多様なリソースの選択、子どもたちの対話や意思決定のありかた、過去から未来への広がりなども感じていただけるのではないかと思います。

味の探究はじまる

2025/04/09

月に1回の味の探究が4月から始まりました。旬のアスパラガスです。緑と白と紫。これどんな色?と言う会話に始まり、食べるところまで、おそらく10以上あったであろう、一つ一つの動作を始める前に、次に◯◯してみてもいい?と聞くと、子どもたちが「いいよ〜」と、かわいい声で返事をしてくれるのですが、それが「もちろんだとも!」というワクワクした気持ちが表れてして、真剣にみ続けていました。

まずじっくり触り、皮をむくところを眺め、その皮を匂い、色の違いを確かめながら、茹で上がっていくところもじっくり観察して、色が変わっていくことに気づき、今度はそれを油で焼き、パチパチと音がして焦げ目がつき、香ばしい匂いがしてきて、塩をふり、目の前で、それらが程良い大きさに切られ、並べられ、そして、小皿で配られて、いよいよ「いただきます」。

「いただきます」に気持ちがこもっています。本当にこれからいただきます、と言う本来の言葉の意味に気づくように。

昨年は8月からでしたが、今年は年度初めから。2歳児クラスの、この子たちからやるのが、やっぱり、いい。午後の振り返りでも、一人ひとりの子どもの仕草や姿から心の動きを想像した会話が楽しい。詳しくは掲示する予定の活動報告をご覧ください。

4月「アスパラガスの食べ比べ」2025409ぼかし入り

藍の会からいただいた種をまきました

2025/03/24

神田藍の会から頂いた種を育てようと活動を始めました。

以下は3月24日(月)の主任の保育ドキュメンテーションからの紹介です。

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江戸を代表する藍染めの浴衣(ゆかた)と手拭(てぬぐい)の大半は、紺屋町一帯(保育園を銀座方面)の染物屋で染められました。「その年の流行は紺屋町に行けばわかる」と言われていたほどで、紺屋町の名物が江戸の名物でもありました。 「地域の文化を身近に」と活動を進めている藍の会。最近は神田地域の事業所なども参加して藍を育てているそうです。

 

保育園でも、この「藍」を育ててみようと早速種まきをしました。(先日神田明神にて奉納したもの)

まずは、たねについて考えてみたり、想像したり、思い思いに感じたことを伝え合っていました。

色は・・・「黒、茶色、緑、肌色、おうどいろなど 固さ・・・「固い、つぶれない、痛い」 疑問に思った事「どうなんだろう」「どうやってはなになるんだろうか」・・・・

藍の会の方から頂いた育て方の手紙をみんなで読んでみました。

「第一関節」(人差し指)というワードに「むむむ?」と。

植え方を知って、早速やってみました。

さて、3週間くらいで芽が出てくるとのこと。 夏には、葉が取れてそれで藍染め、叩き染め。 食べる事もできるとのこと。 さらに、花まで育ててまた来年に楽しみに。。。 どうなっていくのでしょうか。

植えたプランターをどこに置こうか? 子どもたちが考えて「玄関」「お部屋」「ベランダ」の3か所に置きました。 これから、藍の育ちを見守っていきます。

 

 

野菜でお描きのアート体験

2025/03/12

幼児が紙皿にお絵描きをしました。画材は絵の具でもクレヨンでもなく、野菜のニンジンです。

色の違う3種類の人参をペースト状のピュレにして、チューブやスプーンで皿に載せていきます。そして茹でたいろいろな色と形の野菜(人参やたけのこ)を飾っていきます。

そして鑑賞したあと、最後はそれを食べます。

子どもたちの思いつきが形になっていくプロセスに、子ども自身がきれいだな、面白いな、を発見していきます。「どう?これ」といった風に何度も見せにくる子もいました。

フランス料理シェフの江口そらさんは、一流レストランから独立して食育活動の会社ラビットを起業しました。

丹精込めて育てている野菜農家とのつながりのなかで、乳幼児期からの味覚とアート体験を大切にする活動を展開しています。その後、当園との出会いから「味覚の探究」活動が始まりました。東京すくわくプログラムにもなっています。

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