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2020年 7月

107人

2020/07/02

(カブト虫になってみて)

東京都の感染者数が今日7月2日に100人を超えました。東京都は毎日、CPR検査数を一日遅れで公表していますが、最近は大体、一日2600件ぐらいで推移しています。そのうち107人が陽性だったというわけですから3%程度です。検査に至った人は「発症」による本人からの申告が発端となったケースの「周辺」だけですから、不特定多数の東京都民にならすと、もっと数字は小さくなるはずです。そう考えていいのか、それとも感染経路の不明な割合が半分はあるので、本人が知らない間に他の人に移している可能性がある以上、その分を想像するなら、もっと多くの人が感染しているとも考えられます。3月と同じように見えるグラフなので私は緊急事態宣言を出していい局面だと思いますが、ただ出しても効果がないだろうとも思います。みんな経済を止めてしまった、あの生活には2度と戻りたくないから、もっと切羽詰まった何かが起きないとこの流れは止まらないでしょう。いくら「感染拡大要警戒」と言われても・・・という感じでしょう。場所と業態が特定されているのなら、ピンポイントで補償とセットで防御策を講じてほしい。必要なら条例なりを制定して綿密な対策を早急に実施してもらいたい。予想できた事態を予想どおりに迎えていながら、「直ちに〜する状態にはない」(菅官房長官)というフレーズを聞くとゾッとします。すでに後手を引いている事態を自ら証明するフレーズでしかないからです。今年もすでに半年も経つのに、気の利いたきめ細かな対策がないまま、私たちは「困ったなあ」という感じを堪えながら、またしても推移していく事態を受け止めていくしかないのでしょうか。このままでは、なんだか無力感に襲われそうです。今度こそ保護者の皆さんに参加していただければと計画している行事も、また中止や延期を視野に入れながらの前進になりそうです。

私たちのスタートライン

2020/07/01

どこにいるか、誰といるかで、その時の子どもの心もちが想像できます。大人もそうでしょうが、その人なりの心地よいところに、人間は落ち着きます。水が高いところから低いところで流れるように、その人にとって心安らぐ場所が最も安定した場所になります。午前10時ごろから入園見学の方を案内していたら、ぐんぐんのRくんがお友達と遊んでいたらお気に入りなのか、ある「おもちゃ」に関して切ない結果になって泣いてしまいました。担任の先生の胸の中でその涙と思いを受け止めてもらいながら、私にも「ぼく、あれで遊びたいんだよ」と訴えていました。

2階のにこにこ組は、パズルに絵本に電車に夢中でした。Hちゃんが、私と見学者にアイスクリームのメニューを持ってきて見せてくれたので、私たちは、「アイスクリーム屋さんなのね。わあ、どれも美味しそうだな、どうしようかな、じゃあ、これくださ〜い」と、お客さんになってあげたら・・「だめ〜」という返事。「え!だめ!?あ、そう。ただ見せてくれただけだったのね、失礼しました・・・」これには、周りにいた先生たちは爆笑でした。

3階の入り口にいくと、KちゃんとSちゃんの二人が背丈ほどもある高い四角のダンボールの陰に座り込んで、仲良く楽しそうに何かしています。私が「あれ、何か楽しそうな声が聞こえてきたぞ、何かな〜?」と言いながら近づくと、にこにこしながら二人がやっていたのは、どの段ボールの外側の紙を毟っていたのでした。そうか、ビリビリと破っていく感触だけでも面白いんだなあ、そうか、そうか。と何も言わずに頷いてあげました。

今日は雨だったので、外には出られませんでしたが、それぞれの子どもたちは、予め用意されたゾーンやそれ以外の心地よい場所や遊びを自分なりに見つけて、自分の世界を広げているように見えます。ある場所や空間が、ある子どもにとってはただの隅っこかもしれませんが、ある子どもにとっては最高のリビングルームになっていたりするのですね。

今日の午後、先生たちが集まって保育の話し合いをしました。子どもの様子から何をしたがっているのか、どう過ごしたいのか、その心の動き(望んでいることや願い)を捉えて、それが叶えられるような環境に再構成していくことの大切さを話し合いました。同じ物や空間や遊具などであっても、子どもの心が感じるものは異なるからです。ただの箒(ほうき)が子どもは「魔女の箒」になります。ただの段ボールが高層ビルになります。その感じているものに共感しながら一緒に生活することが、私たち保育者のスタート地点(起点)なのです。

 

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