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園長の日記

〈散歩ギャラリー〉 ⑥ コオニタビラコ

2019/05/17

5月17日

〈散歩ギャラリー〉 ⑥  コオニタビラコ(小鬼田平子)
柳原通りの南側、園から30メートルほど先の交差点にクリニックがありますが、その前の街路樹の根元に、春の代表的な雑草が生えています。この時期に発見しやすいのは、花をつけてくれるからです。
葉の花びらの先が、まるでトリミングされたかのように四角に揃っています。舌のような形だからでしょうか、舌状花というそうです。直径は1センチもありません。漢字でかくと鬼田平子。こんな可憐なかわいい花なのに、どうして鬼と言う事が付いているんでしょう?やや複雑ないきさつが分かりました。稲垣さんの解説はこうです。
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田んぼで、平らに葉を広げているから「田平子」とかきます。・・・もともと「たびらこ」と呼ばれていたが、タビラコより大きな本種が、「鬼たびらこ」と呼ばれるようになり、今度は「鬼たびらこ」より小さいとされて「小鬼たびらこ」と呼ばれるようになってしまった・・・
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つまり、大きいだけで鬼扱いされるとは、可愛そうですね。昔、タビラコと呼ばれていたのがコオニタビラコなんですかね。それより大きいのがオニタビラコ、と言うことですか。ややこしいですね。ちなみに「鬼たびらこ」は春の七草の「ほとけのざ」のことです。また、鬼には都会を好む青鬼(葉の色が濃い)と、田舎を好む赤鬼(葉が赤っぽい)がいます。日本人の命名は、楽しいですね。その代わり、名前がどんどん、長くなっていきますが。

初めてのバスでの園外保育

2019/05/16

■青空の下で思う存分、原っぱを駆け回ってきました

ボールを思いっきり投げたり、蹴ったり、モンシロチョウを網で追いかけて走り回ったり、木の根の周りでアリやダンゴムシ、テントウムシを捕まえたり。こんなにシンプルで、単純なことをやることが、楽しい。空は青空。澄み渡った空気。広い原っぱに、大きな桜の木。何をしても自由。子どもたちにはやっぱりこんな環境が欲しいと強く思いました。
■区が無料でバスを提供
今日はマイクロバスで東京都立木場公園へ行って来ました。朝9時40分ごろ出発して、10時過ぎから11時30分まで公園で遊び、12時過ぎに戻ってきました。初めてお揃いの体操服を着ての戸外活動でしたが、服はもちろん、お尻や手や顔も土で汚れました。園庭のない保育園のために千代田区が無料でバスを提供してくれました。感謝です。6月は3〜4回やる予定です。
■戸外遊びに絶好の季節
梅雨入りの6月中旬までのこの季節は、バスによる遠出以外にも、安全には気をつけながら、外に出たいと思います。体を動かす遊びが、子どもたちの心と体をほぐし、柔軟でしなやかな足腰を作っていきます。それは、思い通りに体を動かせる身体を手に入れることになり、怪我の防止にもつながります。併せて、心も優しく強くなっていきます。健康で丈夫な心と体は、幸せの基礎です。自分でやりたいことを見つけ、自分でやることができる『自立・自律』を獲得できるように、育っていってほしいと願います。
■小さな怪我が大きな怪我を防ぐ
子どもたちが原っぱを駆け回り、勢い余って、バランスを崩して転びました。でも彼は、また立ち上がって走り出すたくましい姿が見られました。ちょっと走って立ち止まり、痛かったからでしょう、自分で膝小僧をさすっていましたが、隣で友達が「大丈夫? がんばれ〜」と励ましていました。このように走り回ったり、ボールを追いかけているうちに、転んで擦過傷を作ったりするかもしれませんが、そんな小さな怪我は、必要だと思って頂きたいのです。この考え方は、世界的にみても保育界では共通した考え方で、例えばドイツ・ミュンヘンの公立幼稚園は、入園する保護者向けのパンフレットに「子どもは小さな怪我をする権利がある」と書いています。転んで膝小僧を打つような怪我があっても、その積み重ねが大きな怪我を防ぐと言う考え方です。勢い余って倒れそうになっても倒れなくなる力を身につけるには、倒れそうになってしまう位勢いをつけて走ってみる体験が必要なのです。その体験の中で、これ以上走ったら危ないとか、こうしたらバランスを崩すとか、そういう自己判断の力も育っていくのです。

散歩ギャラリー⑤ノゲシ

2019/05/15

散歩ギャラリー⑤ノゲシ

黄色い花を咲かせる、タンポポと同じキク科の植物です。春の野げし、けしあざみ、ともいいます。園の周りでたくさん見かけますよね。成長が早くて、いつのまにか園の玄関右手に、一株生えています。お気づきですか?  これから、花がたくさん咲きそうです。葉がギザギザしていて、ノゲシは茎を切ると、粘り気のある真っ白な液がでます。そこから、別名を「乳草」ともいいます。明日の園外バス活動先の木場公園でも見つけることができるでしょう。

初めての区の情報連絡会

2019/05/15

■あと5年は人口が増えていく
「あと5年は人口が増えると予想して保育園を整備していく予定です」。千代田区のこども部長が、こんな見通しを今日、語りました。待機児童を出さないという大方針の元で、保育園を毎年開園している千代田区ですが、すでにこんなにたくさんの保育園があるということを再認識しました。現在、区内には、認可保育園は公立4園、私立11園、こども園2園、認定こども園1園、幼保一体施設4園、事業所内保育所2園、小規模1園あります。この25の全ての保育園園長が集まって情報交換する会合があったのです。年2回予定されているこの会合に、事務長と2人で初めて参加し、「よろしくお願いします」と挨拶してきました。
■園長会はなくても区のイニシアチブに期待
区には、まだ園長会がありません。情報交換会ですから、団体としての意思決定機能が何もありません。その状況が課題だという雰囲気もない、区主導の会合でした。ただ、必ずしも園長会がないこと自体が、問題とも思いません。単に組織の維持のための活動に時間を取られ、園運営がおろそかになるよりはよっぽどマシだからです。区には保育の質も量もイニシアチブを発揮していただき、望ましい理念構築をリードしてほしいものです。
■園生活の中のリスクを整理
情報交換会の後で、講師の講演による研修会も開かれました。園の生活の中には子どもの命をうしなったり、後遺症が残るような重大事故があってはなりません。そのリスクをできるだけなくすために、ソフトウェア、ハードウェア、環境、人の意識と言う4つの要素を点検し直す必要があります。過去の重大事項には、睡眠、食事、遊びの中で起きています。今日はその再確認をしました。
■散歩のリスクを考える
滋賀・大津市の園児2人が死亡した自動車事故から1週間、今日の会合でも、千代田区の地図をテーブルに広げて、散歩で危険な交差点を出し合いました。ちょうどその頃、砂場に突っ込んだ車から園児を守ろうと保育士が大怪我をしたと言うニュースが飛び込んできました。
実は高齢者の操作ミスによる自動車事故は毎日のように起きていて、そのうち報道されるニュースは、死亡事故や子どもが巻き込まれた事件だと言うことを忘れてはいけません。ある年齢を超えたら、自動ブレーキの装着を義務化すべきではないでしょうか。あとどれだけの犠牲を積み重ねて世論を高めなければ、法制化できないのでしょうか。
■一刻も早く自動ブレーキの義務化を
池袋の事故は、大通りの青信号でも油断できないこと、大津市の事故は歩道で待っていても油断できないこと、そして今日の市原市の事故は駐車場の出入り口は油断できないこと、などを物語っています。次は何が油断できないことになるのでしょうか。そばに自動車が走っている限り、どんな場所でもヒヤリハットの対象になってしまいます。リスクマネジメント学の王道から考えれば、危ない場所を探す対症療法で問題を先延ばしするのではなく、ヒューマンエラーの発生源を物理的に押さえ込むことが大切なリスク軽減策である事は間違いないはずです。

皆さんもこんなこと考えること、あるでしょ?

2019/05/14

■振り返る時間があることへの感謝

毎日、1日を振り返りながら、自分の行いを反省する時間があることに感謝する気持ちになります。振り返り。簡単な言葉ですが、その時何を感じ、思い返し、気づくことができるのか。1日を振り返ったとき、いろんなことに気づきますが、ありがたいことに、自分の有り様に気づける時は本当に「ありがたいなぁ」と思えます。どんな自分に気づいたのかということは、恥ずかしいのでここでは言いませんが、同時にいつも、こんなことを考えます。
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「こんな複雑な生き方をしなければならなくなった人間て、一体何なんだろう」
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そして、最近また、こう思うようになりました。
自分が「自分の有り様に気づける事がありがたいと思えると言う事は、自分がなぜだかわからないけど『よりよく生きようとしている』と言うことに他ならないんじゃないか」と。
実際のところ、どうして人がよりよく生きようとしているのでしょうか。どんな行動にも、どんな感性にも、どんな言葉にも、その裏側には、「よりよく生きようとしていた自分」と言うものがある。それに気づき、信じることができれば、自信をなくす必要など全くないのではないか。そのことを皆さんに強く伝えたいと言う気持ちになります。子育てに間違いなんかないんですよ。一言で言うと、あなたの今のその存在がそのままで大丈夫ですよ、と言うことです。
■善さを探求した村井実という人
人は、なぜだかわからないけれど、よりよく生きようとしている。このことを哲学的に突き詰めて考えた人に、村井実という人がいました。私の世界観に大きな影響を与えた方で、今でもブーメランのように影響を与え続けている哲学者です。若い頃はよくわからなかったけど、こうして歳をとってくると「すごい人だったんだなぁ」とわかる人がいるものです。皆さんも、機会があったら、ぜひ村井実の思索のプロセスに付き合ってみてください。人の生き方の本質が見えてきます。
■気づけることが幸せなこと
今日、どうしてこんな話になったのかと言うと、ある方と「徳とはなにか」について、夕方から話をしたからです。その人は、ある会社の社長さんですが、純粋に生きている方です。いつも物事を真正面から捉えて言葉にする人なのですが、生きていく中で、自分が思い込みすぎていたことに気づく瞬間と言うものがあるよね、というテーマになっていったのです。
そして結論は、「そういう気づきができるというのは、幸せなことなんじゃないか」ということになりました。
■等身大の私
今日はこんな主観的な思いをつらつらと、園長としての日記に書き連ねる意味があるかどうか、自分でもわかりません。でも、そんな悩める人間が、園長をやっているという等身大のリアリティーを理解していただけたらありがたいです。「皆さんもそんなことってあるでしょ」と言うことです。

散歩ギャラリー④シロツメクサ

2019/05/13

〈散歩ギャラリー〉④シロツメクサ
ありました、ありました!シロツメクサのある原っぱが、園のすぐそばにあるなんて!これで花かんむりを作って、遊べます!
英語名はホワイト・クローバー。シロツメクサは三つ葉で、カタバミのようなハート型をしていません。時々四葉のクローバーがあります。「四つ葉は十字架に見立てられ、セント・パトリックがクローバーの三つ葉を愛、希望、信仰の三位一体にたとえ、4枚目を幸福と説いたことに由来する」という説があります。そこから、それを見つけると幸せになると言われるようになりました。日本語では「詰め草」と書きます。それは江戸時代にオランダからガラス製品を輸入する時、割れないように緩衝材として詰められていたことからという話は、よく聞きますね。ちなみに、よく勘違いされますがトランプのクローバーはラテン語の棍棒を意味するclavaが語源だそうですよ。私は、てっきり花のクローバーだとばかり思ってました。
場所は、岩本町交差点の道路が交差する三角地帯「馬の水飲み広場」です。しばらくあれ放題でしたが、春先に刈り取りが入ってきれいに整備された後、早速シロツメクサが育っていたんですね。

生きづらさへのジブリからの返事

2019/05/12

■神田祭とジブリの世界
神田明神の文化交流館で今日まで「鈴木敏夫とジブリ展」が開かれていました。これはスタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫の”言葉”に注目した展覧会でした。
■生きづらさについて考える
日本の課題になっているテーマの一つで、私が教育や子育てに大いに関係するなぁ、と思うのは「生きづらさ」をめぐるテーマです。それは、うすうす大人も気づいているのですが、この同じ生きづらさについて、この展覧会を企画した博報堂ディレクターの小松季弘さんが、はっきりと「生きづらい」といっています。生きづらさの中身は子育てではなくて仕事ですが、時代感覚は、共通じゃないかと思います。こう書いてありました。
■小松氏の感じている「生きづらい時代」
【いまの時代、男女にかかわらず、人は生きることに困っている。ぼくも例外じゃない。
なぜこんなに困っているのだろう? と考えると、「現代」という時代のせいのように思えてくる。あらゆるものごとのスピードが速くなり、モノも情報も瞬時に消費され、昨日までの常識は明日には通用しなくなる。そんな世界で働いていると、日々自信を失い、思い悩むことになる。
そうやって戸惑い、困ったとき、ぼくは鈴木さんの隠れ家「れんが屋」へ駆け込む。いい年をして独身で、仕事のうだつもあがらず、ままならない人生をおくるぼくの話を、鈴木さんは胡座をかいて、じっくり聞いてくれる。そして、ひととおり聞き終えると、ぼくの混乱した頭の中を整理するように、明確な言葉にして返してくれる。
(省略)
でも、考えてみれば、鈴木さんの言葉を直接聞くようになる前から、同じ経験をしてきたことに気づく。学生の頃からスタジオジブリの作品を観るたびに、生きるヒントをもらってきたのだ。ジブリの映画、そして鈴木さんの言葉から「生きる力」をもらうことで、ぼくはここまでやってこられた。・・・】
■今日は三鷹の森ジブリ美術館へ
この「生きづらさ」の謎解きの旅は、今日、午前中に私がいた井の頭公園の「三鷹の森ジブリ美術館」に繋がっています。ちょうど保育園の前をながれている神田川を上流へ遡っていくと、飯田橋、高田馬場、中野富士見、高井戸、久我山と続き、源流は井の頭公園になります。
今朝、ジブリ美術館にいたのは、この三月に卒園した家族と一緒の小旅行だったからです。総勢27人、小型バスを貸し切ってのオリジナルツアーです。バスは南大沢から多摩、稲城、調布、三鷹と走りました。神田祭か卒園児保護者か。悩んだ末の選択でしたが、これを読んでくださっている方も、保護者優先には同意していただけると嬉しいです。
■ジブリ・アニメが子どもたちに与えた影響
日本の子どもたちにとって、スタジオジブリのアニメが果たした役割は想像以上に大きいものがありました。風の谷のナウシカ、天空の城ラピュタ、となりのトトロ、魔女の宅急便、おもひでぽろぽろ、紅の豚、平成狸合戦ぽんぽこ、耳をすませば、もののけ姫、千と千尋の神隠し、ハウルの動く城、崖の上のポニョ、借りぐらしのアリエッティ、コクリコ坂から、風立ちぬ・・・
誰もが知っている映画タイトルでもあり、ヒット曲が同時に聞こえてきて、そして子どもたちもその歌を歌い、映像に見入ってきた時間があります。
■ジブリのアニメに流れる時間の意味
宮崎駿は、この美術館によって、アニメーションが 1枚1枚の絵からできていること、その2次元の絵が動いて見える仕掛けがどんなものであるかということ、その驚きをリアルに伝えようとしています。美術館に来た人が、思い思いの発見ができるような美術館にしよう。その思いが詰まった空間になっています。それを保育園に当てはめることができます。質の良い保育園は、子供が思い思いの発見ができる空間になっていなければなりません。
それからもう一つ。ジブリ・アニメについて感じるのは、小松氏がそうだったと言うように、一つ一つの作品が今の時代に対峙するメッセージを持っていることです。そして今日気づいたのは、常設展示室「映画の生まれる場所」の壁に描かれた絵です。その絵は、アニメーターの仕事をしている「作画室」の様子が描かれているのですが、なんとも「昭和的」な雰囲気の職場です。(以下の写真は、図録から。この風景は「作画室」ではありません。美術館の壁に描かれていて、ここではお見せできません)
こんな手書きの文が添えてあります。
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日本が貧乏だった頃のスタジオ風景です。アニメーターがお金持ちになる心配は全くなかった分、みんなどこかで健康で希望を持っていました。ラジオも持ち込まなかったし、まして、ヘッドホンなどなく、代わりに歌を歌い、よくしゃべりをしつつ仕事をしていました。
アニメーターに長時間労働がつきものです。アニメーターが長時間労働を案外平気で続けているには理由があります。机に向かっている時、アニメーターは自分の世界の中にいるのです。いわゆるサラリーマン的な気配りは全然しなくて済むのです。
■じっくり、じっくり、じっくり、と
作品を作っている人たちの持っている時間と、作品自体が放つ時間が一致しているような気がします。このことは、「子どもの時間」を考える上で、保育上の重要なテーマのような気がしてなりません。子どもたちには、じっくりとじっくりと、取り組んでいい時間を、存分に用意してあげたいものです。

神幸祭の大行列で祓い清まる108町

2019/05/11

 ■お神輿の行列を見物

昭和通りに面した保育園でよかったと思えることが今日ありました。そうです、お察しの通り、子どもたちが、お神輿の大行列を眼前で目にすることができました。
今日は神幸祭。三柱(だいこく様、えびす様、まさかど様)の神様が、絢爛豪華な三基の鳳輦と神輿に乗って、神田明神から108町を一日中、祓い清めるために練り歩きます。
保育園の前は11時45分ごろから、約1000人、500メートルの大行列が、鳴り物と一緒に通り過ぎていきます。玄関に椅子を並べて「映画館のような客席」などと言って、なんだか「特別な感じ」の気分を味わっていましたが、途中からもっとよく見えるようにと「客席」は2階のベランダに変更しました。
「お神輿見たよ。園長先生、みた?」と興奮気味に、その様子を話してくれました。
岩本町3丁目町会のお神輿も、保育園の前で一本締めを賜り、お祓いお清めをいただきました。感謝。
明日は、町会のお神輿の列に加わって、子ども神輿を担ぐお友達もいます。神田祭りは、明日、最高潮を迎えますね。
■夕刻の美しき着輦祭
 
私は仕事をして、午後7時前、神田明神へ着輦祭に出かけました。大勢の見物客がスマホを高く掲げる中、一の宮鳳輦、二の宮神輿、三の宮鳳輦と鳥居を潜っていきます。
「木遣り」の歌声が夕刻の坂道に響きわたります。これだけの人が集まっているのに、行列の周りは静かです。昼間の賑わいとは違う、そして明日の神輿宮入りとは、また違う抑制された都市祭礼の美を垣間見た気がしました。

氏子町会の神輿に御神霊を遷す

2019/05/10

■お神輿に御神霊を遷して「神田祭」スタート

神田明神の宮司が、小さな声で降神詔を唱えています。参会者には、ただ「かしこみかしこみ〜」といった声しか聞こえません。神道ではそれを明かさないというのがルールだからです。仏教だと逆に大きな声で唱えます。そのあいだ、参会者は頭をたれて「儀式」に臨んでいます。今日は神田祭の「氏子町会神輿御神霊入れ」でした。夕方から氏子108町会が大小合わせて200基といわれる神輿に、明神様の御神霊を遷す神事です。保育園のある神田岩本町は、岩本町三丁目町会のお神輿です。山崎パン本社前のお神酒所に御仮屋を設けて執り行われました。
■大事な園としてのスタンス
神田祭は、宗教行事ですので、当園は正式に参加することはしません。町会など行事への協力はしますが、特定の宗教や特定の政治団体を支持することはでないからです。千代田区など自治体も宗教行事である神田祭に直接関わることができません。それと同じです。昨年私はねぶた祭りを見ましたが、青森県庁や青森市役所の職員が「ねぶた」を作って出ていました。ねぶた祭りは特定の宗教とはみなされていないのです。それはともかく、都会のど真ん中で、伝統行事が日常生活の中に脈々と息づいていることを実感することができました。保護者の皆さんも、明日からの神幸祭に参加される方も多いことでしょう。どうぞ楽しんで下さい。

幼児は歩道橋を渡って昭和通りの東側へ

2019/05/09

〈散歩ギャラリー〉③ナガミヒナゲシ
最近、よく見かけるようになりました。その訳がわかりました。この「ヒナゲシ」の仲間は、繁殖力が『半端ない』そうです。その秘密は、種の小ささにあって、一つの実から千も二千もの種が作られるからだそうです。道端に増えているのは自動車のタイヤが運んでいると言う説も。ちなみに、小さいことを「芥子粒」と言うのは、花のケシから来ている言葉です。
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■いよいよ明日から、神田祭です。今日、岩本三丁目会の法被が届きました。どの町会の神輿も小屋で立派な佇まいを見せ、明日の御霊入れを待っています。
写真は、須田二丁目町会のお神輿(柳森神社の隣〉です。
■今日はどのクラスも散歩に出かけました。ちっちはベランダで、気持ちのいい外気浴を楽しみました。ぐんぐんは柳原通りを柳森神社方面へ。にこにこは万世橋を渡って秋葉原側に出て、佐久間橋児童遊園を通って戻ってきました。わいらんは、佐久間橋児童遊園でたっぷりと遊びました。
昨日もそうでしたが、花壇の花が綺麗で、人が植えたのではないカタバミやスイセンが、綺麗な花を咲かせています。蜜を吸いに来ている小さな蜂が、小さなカタバミの花の蜜を集めていました。この蜂は刺しません。カタバミについては、〈散歩ギャラリー〉①で取り上げましたので、ご覧ください。
それをじっと見ているだけで、おもしろいようで、活発にエサを探し回るアリを見続けている子もいます。時々、思い出したように走り回り、また階段に座って休んでいる人に、何をしているのかと尋ねたり。和泉橋出張所の石綿所長さんも外に出てきてくださり、私が子どもたちに「石綿さんです。名前を覚えてくださいね」と紹介しました。「子どもは風の子」といいますが、まさに「水を得た魚」のように楽しそうです。
■横断歩道か歩道橋か、どっちが安全か
当園の園庭の代わりの公園は「佐久間公園」です。そこへ行くには、昭和通りを渡らなければなりません。必ずそこへ行かなければならないと言う決まりはありません。ただ、和泉公園も、昭和通りの東側です。では、どうやったら、最も安全に昭和通りを超えることができるか。答えは歩道橋です。ただし階段の上り下りが安全にできる子どもに限る、と言う条件は付きますが。
実はこの議論は、保育園が省我会に決まったときから、町会など地域の方々も関心の高い問題でした。
地域説明会でもその質問が出ました。そこで、私は「休日に歩き回った結果は、こうでした」と、説明してきました。
「まず、横断歩道は秋葉原の駅前か、岩本町の交差点の二箇所です。どちらも交通量が多く、幼児が歩いて渡るのも、乳児がバギーで渡るのも、正直言って怖いです。それでは地下鉄の通路はどうかと言うと、利用者がとても多いのですが、歩ける幼児なら使うかもしれません。しかし、乳児をバギーに乗せて渡るのは不可能なことがわかりました。なぜなら、バギーが載れるエレベーターが2台あるのですが、昭和通りの西側にしかなく、東側にはないからです。バギーで西側から地下に降りることができても、東側から上ることができないのです。したがって、乳児は昭和通りを渡る事は諦めようと思っています。歩ける幼児は、基本的には歩道橋を使うつもりです」
この様に地域の方の質問には答えてきました。また区の当時の子育て推進課長も、その考えに同意していました。
■池袋と大津市の教訓を踏まえると
青信号で横断歩道を渡っていても、また歩道で待機していても、暴走してくる車に立ち向かうことができません。高齢者による過失運転致死の事故は近年急増しています。自動ブレーキ等の義務化はまだ日程に上っておらず、当面、自衛するしかありません。その時、暴走自動車のリスクを考えると、歩道橋が安全です。 1列になって必ず手すりを持って上り下りする。その歩道橋横断スキルを身に付けることが、高速道路の隣に建った保育園の宿命なのかもしれません。
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