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2020年 3月

サイエンスとしての保育

2020/03/21

「とにかくABCから考えよ」という言葉を20代で教わりました。最初に就職した会社の直属の上司からです。どういう意味かというと、もっとも基本的なことから始めなさい、ということです。「まずは、第1ページ目から始めよ」「そもそも、何が起きているのか」「最も基本的なことから考えよ」「最初に一次情報に当たれ」「どうしてそう言えるのか、根拠は何か」「裏を取ったのか、事実だとどうしてわかるのか」ー。

この考え方を子育てに当てはめると、困ったことに直面します。どこからが第一ページ目か、何がABCのAなのか、はっきりさせることが一苦労なのです。たとえば、私たちは、幼稚園教育要領や保育所保育指針に「そう書いてあるから」を根拠にして仕事をしていると思われがちですが、正確にいうとそうではありません。もっと普遍的なものを根拠にすることを目指してきました。少し説明します。幼稚園教育要領や保育所保育指針は約10年ごとの改定で記述がなくなったり、新しいことが加わったりします。

自然科学の世界では、そのようなことはありません。10年たったからといって、数学や物理学の法則が変わるものではありません。三角形の内角の和は180度であり、重力波と光のスピードは同じです。また化学や生物学や地学の知見がそうそうに変化するものではありません。新しい性質を持つ物質が新たに作られることはあっても、原子の種類と構造は変わりません。(だだ、原子力はここをいじりました。アインシュタイン晩年の最大の後悔です)この世界の摂理に、自然物としての人間も支配されており、人間がそれに影響を与えることは基本的にはできません。(ただ、クローン人間がどうなるかです。遺伝子操作、アンドロイド等の問題など)人の誕生と死は自然の法則から逃れることは「ほぼ」できません。(ただ、古代から人は不死を望んできましたが)ですから医学は自然科学の知見を基盤にしています。ノーベル賞はこの分野しか基本的には対象にしてきませんでした。

社会科学の世界では、経済学、法学、歴史学、人類学、心理学、教育学、宗教学など、集合体としての人間社会を扱うので、過去から未来までその中に見られる法則性を見出し得ます。でも、その知見は自然科学ほど確かではありません。時代の変遷や地域によって変わってくることが多いので、もともとノーベル賞の対象にはなりません。経済学賞と平和賞がありますが、これは組織も選考の仕組みも位置付けが異なり、いわば例外と考えられます。

さらに「普遍的で科学的な法則性はない」と思われているのが、文学や芸術、アートの領域です。一般に使われる言葉としての「サイエンス」と、最も距離がある世界だと言えます。しかし学問的には人文科学として、研究の対象になっています。何かが明らかにされるという意味では、学問が成立します。人間の内面、個人的な世界に深く入り込む世界です。それが虚構であろうと幻視者であろうと、人間の精神的な豊かさに貢献しています。幸せに生きる上では、最も魅力的で、精神の自由のためには、最上級に価値のある切実な分野だとも言えるでしょう。こちらもノーベル文学賞がありますが、他の分野と比較すると、村上春樹がいつ受賞するかという文化現象を見ても、その性格の違いがはっきりします。

実は、保育はこの三分野が交差する領域なのです。健康や保健や養護は、自然科学を根拠とします。生命の保持はもちろん、生活のリズムや睡眠の大切さ、栄養学、感染症対策などは、自然科学(ナチュラルサイエンス)からの知見の応用です。「意欲」の発達の根拠は、ここにあります。

また子ども同士の関わりの大切さ、自由遊びの本質、優しさや異年齢集団の育ちなどは、社会科学の知見が有効です。伝統的社会に根ざしたアロペアレンティングや赤ちゃんの社会性などの提唱は、文化人類学や進化論、発達心理学などの知見からです。「思いやり」の発達の根拠はこちらです。

そして、一人ひとりの子どもの心の動きを大切にしていることは文学と同じです。短歌、和歌、ポエジー、その子の内面、自分らしさ、子どもの100の言葉、個人的人権の尊重、生命の尊厳といったテーマは、まさしく保育の根幹をなしています。「自分らしく」の根拠は、こちらです。

第一ページ目から保育を考えるとき、そのAtoZは、広い意味での「サイエンス」つまり、人文科学、社会科学、自然科学という、学問の三大分野という分厚い本をめくることが必要なのです。どこまでが明らかになり、まだわかっていないところがどこなのか。それを明確にしながら、保護者の皆さんと一緒に、子どもの育ちを支えていきましょう。

「人新世」にふさわしいガバナンスがほしい

2020/03/20

新型コロナウイルスの問題は、温暖化の問題と同じように、飛行機などによる人の移動によって人為的に起きている文明的な危機です。つまり、いずれも地球環境に人類が大きな影響を与えるようになったことから起きているものです。地質学では、現代は新生代(6500万年前〜)第4紀(250万年前)完新世(約1万年前〜)に当たるのですが、多くの科学者が第二次世界大戦以降を「人新世」(アントロポシーネ)と名付けています。核時代の幕開けが、人類が地球を滅ぼす力を備えたからです。しかし、核以外の温暖化や病原菌の地球規模の拡散も、そのリスクの一つに加えなければならなくなりました。

昨日の専門家会議の提言を受けて政府は春分の日の20日(金)、突発的な大規模流行(オーバーシュート)が起きないように、引き続き感染防止の3条件の徹底を求めました。しかし、その一方で、悪影響が大きい、人が集まる経済活動と、休校は終わるものの、すでに(あるいはこれから)春休みに入った学校の再開については、感染の広がりの実情に合わせて、それぞれの地域で各自治体、教育委員会、企業、団体の判断に任せられました。つまり東京や千代田区は当分の間は、今の状態が続きます。

感染経路(感染源)がわからない患者(リンクが追えない感染者)の増加が課題になっているそうなので、明らかに第5次感染のフェースに移っており、移動の多い東京や大阪などの大都市で見られるそうです。ただ人口が違いすぎることと、検査体制の違いも考える必要があります。

全体像を想像するとどうなるでしょうか。検査にたどり着いた人の約8割が症状が無いか軽いので、隔離か自宅待機を余儀なくされますが、ほぼ治療も受けないで回復しているそうです。検査数に対して陽性の割合はとても少ないので、欧州のように蔓延はしていません。

ただ、今後数年かけてどういう状態になっていくかというと、仮に数年後に全ての人が検査をしたらかなりの人が元気で「陽性で、すでに免疫を獲得しているだろう」という認識が専門家から出始めています。しかも、季節性インフルエンザのように、そのような状態に移行していくというのが現実的な見通しのようです。治療薬とワクチンがない段階では、言いにくい議論ですから、なおさら早い開発が望まれるところです。

このように考えると、「COVIDー19」と名づけらた「今回の新型コロナウイルスによる感染」の教訓は、SARSの時と同じです。コビッドが秋頃に世界的に終息しても、これだけ蔓延してしまったら、このウイルスはそれ以降も進化して頻発するでしょう。

さらに、MARSもSARSも新型コロナウイルスだったように、新たなコロナウイルスが登場するのは必然ですから、そのために医療体制(家庭用検査キットの無料支給などを含めて)を整えるべきでしょう。SARSの時から、あまり変えなかったことは「喉元過ぎれば」の日本の悪い国民性なのでしょうか。日本には「人新世」に相応しい危機管理のガバナンスが欲しいです。

 

成長展は再開のプランのままで

2020/03/19

新型コロナ対策で、今日3月19日に政府の「専門家会議」が開かれたので、明日あたりに今後の方針が示されるそうです。今日はっきりするのかと思っていたのですが、会議自体が午後9時終了ということだったので、今現在は午後10時50分ですが、テレビ報道でやっと提言の概要が判明しました。もちろん、その番組のまとめによると次のような内容のようです。

<専門家会議の提言(案)>

(1)クラスター対策の抜本的な強化

(2)自治体ごとに独自の「緊急事態宣言」の用意を

(3)感染しやすい場所を避けるよう周知徹底

(4)重症者を優先する医療体制の構築

(5)小中高は地域ごとのまん延の状況を踏まえた対応を

ここから想像できる明日の政府方針は、(1)の徹底ということになりそうですから、これまでの「3条件」をしっかり守り続けましょう!大型イベントはまだ再開できるような状況とは言えないという判断になりそうです。

また、日本の人口の1割が集まる東京が110人程度で済んでいる現状を考えると、東京都が(2)の緊急事態宣言を出す状況ではないので(1)を生まないようにも(3)の徹底を図ることになります。特に、感染経緯が不明の患者が突発的に発生していること、海外からの帰国者から発生していることから、いまだに突然の感染増大(オーバーシュート)が起きる可能性を強調しているそうです。

一方で、感染者が出ていない地域では、学校休校を取りやめたり、春休みに入る前ですが、これまでのストレスを解消するためにも3条件を守ることで、校庭や図書館の開放などを検討することになりそうです。

というわけで、成長展は今週お知らせしたようなプランは変更しません。

 

来年度の保育を構想しながら

2020/03/18

にこにこ組(2歳児クラス)の子どもたちが、3階の寝室でお昼寝を始めました。寝室は運動ゾーンです。その間、4月から年長になるらんらん組(4歳児クラス)の子たちは、今日は2階で絵本を読んだりして過ごしました。つまり新年少さんにとっては午睡の時間であり、一年後に小学生になる新年長さんにとっては、午睡を卒業して絵本を読んだり、読んでもらったりするなどの静的な活動で過ごす、リラックスした時間が流れていました。

この子どもたちの姿を見ても、2年の差は大きことがわかります。昨日の川のたとえで言えば、支流と河口の違いほどの差があります。3〜5歳の幼児を神田川になぞらえれば、井の頭公園と浅草の違いぐらいあるとでも言えそうです。片や池から流れ出たばかの乳児であり、片や隅田川という就学を一年後に控えた幼児です。ただし、個人差があります。それは4月生まれと3月生まれでは、1年の差があるわけですから、例えばやっと5歳になった子は、今日は2時ごろから自分で「眠くなった」と言ってお昼寝をしにいきました。

この時間の過ごし方は、新すいすいの子どもたちにとってはもはや午睡の時間ではなく、小学校で始まる生活につながっていくための生活リズムを作っていくことであり、かつそのための活動内容にもなっていくことでしょう。どういうことかというと、午前中は運動したり、散歩や戸外活動などで活発に体を動かす活動が多いのですが、午後のこの時間は、お話や物語に親しんだり、絵や文字や標識などの表象文化に親しむ時間になることでしょう。

その時間には、自分がそれ以外の時間に体験したことや、お友達が気付いたり考えたりしたことを共有する時間になるでしょう。また同じ目的に向かって話し合って知恵を出し合ったりするミーティングの時間になるかもしれません。あるいは書道や将棋などで、精神を集中して何かに取り組む時間になっていくかもしれません。新年度からの生活もまた楽しみです。

 

進級を迎える準備は着々と

2020/03/17

地球の自転軸が23.4度傾いていることから、太陽の周りを地球が一周する間に、四季が巡ってきます。その公転速度は秒速30キロメートルもあるのですが、一定速度なので、私たちは止まっているように感じます。動いているとは思えません。

それと同じように、子どもの育ちは、止まっているように見えて、大きな流れで見ると、どの子どももその時期固有の特徴を見せながら、共有の発達の経路を辿っていきます。保護者アンケートは、一年の間に大きな成長があったことを思い返していただく機会になってくださっているようで、嬉しいです。

一年という大まかな期間の間に見せてくれる特徴は、どの子どもにも見られる発達の歩みですが、四季に例えるなら、どの子どもにも春が来れば夏が来て、その後に秋から冬に移っていく流れは変わりません。

あるいは、山から海に流れる川に例えるなら、山の地面から滲み出てくる湧き水が集まって支流を作り、急峻な山岳地帯の岩に弾ける水飛沫が音を立てながら、さらにそれが集まって小川やせせらぎになり、緩やかな地形に沿ったうねりや風景を形作りながら、大河になっていき、そのうち扇状帯や平野を潤しつつ、世界に開かれた海に流れ出していきます。これは、どの子どもたちにも見られる発達の筋道に似ています。

ところが、それをもっとつぶさに眺める時、同じ四季でも地域によって全く異なる風景を見せてくれます。同じ日本の春でも、九州と北海道では桜の種類も咲き方も異なります。また日本にあるような桜のない他のアジアの国々は、それぞれの春を代表する花の開花を、愛でながら今を迎えています。南半球は今から秋を迎え寒くなっていきます。

それと同じように、川の流れも、同じものは二つとありません。一つひとつの谷戸や支流は個性的で、その恵みを受け取る人々の集落の景色も違います。河川に恵まれた日本は、風光明媚な四季に河川は欠かせない個性を生み出します。

その違いの豊かさに目を向けるなら、それはちょうど子ども一人ひとりの個性に該当します。その豊かさを「成長展」で楽しんでください。3月下旬にクラスごとに見ていただくことにします。本日17日、その案内をさせてもらいました。

地球が太陽の周りを秒速30キロメートルもの超高速で疾走していることに気づいて面白いと感じる好奇心が「科学」のセンスです。それと同じように、4月の進級に向けて、一つ上の学年の生活の場で過ごしている子どもたちの姿から、その成長の変化に驚くセンスが子育ての好奇心を深めるでしょう。

このところ、新しい環境での遊びが楽しそうです。特に2階から3階へ移動する「にこにこ組」の子どもたちの姿に、大きな成長を感じる日々が続いています。

 

現代版「核兵器・病原体・飛行機」

2020/03/16

ジャレド・ダイヤモンドのピューリッツアー賞を受賞した著書に『銃・病原菌・鉄』がありますが、この本の論点は、西欧が新大陸を征服できたのは、地政学的に優位だった西欧が、銃と馬と病原体によって威力を発揮した、という話です。

これを新型コロナウイルスに当てはめると、大航海時代と現代との違いがはっきりします。移動手段は馬や船ではなく旅客機です。全く人の移動スピードが違います。日本ではヨーロッパからの帰国者から陽性反応が出ています。国境をなくそうと目指してきたEUでさえ、国境管理の厳格化が始まりました。例えばドイツは北からデンマーク、ルクセンブルク、フランス、スイス、オーストリアとの出入国の禁止に踏み切りました。

逆にG7緊急テレビ会議の開催のように、いまは対策も世界的な連携をはかることができます。国連を軸に世界中が一斉に対策を講じることができます。帝国主義時代のような時間差は、今はありません。ただし北朝鮮のように独裁国家による情報隠ぺいが続く数カ国が、今は最大のリスクですが。マスコミによる情報共有も瞬時です。メガファーマによる治療薬の開発競争も熾烈です。まもなく米国ギリアド・サイエンシズの治療薬レムデシビルなどの治験が済むので、市場に出回るでしょう。

地球はこんなに小さくなりました。病原体の伝染スピードも昔と全く違います。目に見えない微生物がこんなに素早く地球上をくまなく移動してしまうのですから、人類がいかにスピーディに移動する手段を獲得したのかを実感します。

と同時に、いかに大量の人間が協力して力を合わせることができるようになったのかにも注目したいものです。なぜなら、そこにしか人類の未来は開かないというのが、現代の「知の巨人」たちの共通認識だからです。

その協力する力の拡大を加速させること。例えば、国家間の消費量の格差を解消する方向へ向かうこと。そのために人類が協調性を発揮できるかどうか。その多くは先進国の責任です。この目に見えない、待った無しの人類の課題に目を凝らしましょう、いま地球規模の病原体と戦う時にこそ。

 

桜の開花と「睡眠打破」

2020/03/15

昨日3月14日(土)に東京都は桜の開花が宣言されました。1957年の観測開始以来、最も早い開花だそうです。どうしてこんなに早いのかというと、もちろん暖冬の影響ですが、同じようにもっと暖かかった西日本よりも、なぜ東京の方が早かったのでしょう? その理由についての気象予報士による解説で「なるほど」と気づいたことがあって、それは人も同じかもしれないと思いました。

桜は、花が咲いたあと実がなって、同時に新芽がいぶき、5月頃までに深緑になっていきますが、夏頃までにはすでに蕾(つぼみ)が出来ます。それを知った時も驚いたのですが、さらに面白いと思うのは、その蕾が秋になると「冬眠する」ことでした。蕾はできていて、仕組みとしては、いつでも開花できるように準備はできているのに、ある条件が揃わないと「開花」へのスイッチが入らないようにできているというのです。

その条件とは、桜が一旦「寒〜い!」と感じるほどの冷え込みが一定程度続くことです。これを「睡眠打破」と言います。それが強かったことが、東京が西日本よりも開花が早まった理由だろうと考えられています。こういった仕組みを持っているのは、四季のある日本のような地域の樹木の特性です。季節の変化に対応する感受性を樹木が持っていて、その成長プログラムの中で鍵を握っているのだとすると、日本人の体の中にも、四季に応じた成長プログラムが働いているかもしれません。

それで思い起こすことは、ルドフル・シュタイナーの「魂のこよみ」です。彼によると、人間の魂(ドイツ語でいうガイスト)は四季とともに移り変わっているという認識です。確かに私たちは、自分が自然の一部であることを再認識する機会を失ってしまっています。実は私たちは、自分の意識では認識できない「内なる自然」を持っており、それが自分の体の仕組みの中で働いていることに気づいていないことが多いのだろうと思います。

それは体内時計もそうですし、体内で健康のバランスを担っている微生物の生態系もそうです。月の満ち欠けの周期に私たちの体は影響を受けています。これらが崩れる原因は人間文明の仕業です。睡眠サイクルの乱れも、花粉症も、食物アレルギーも、そして新型肺炎も、私たちが自然の一部であることを思い起こさせます。

 

「利用者調査」は17日が締め切りです

2020/03/14

▲「利用者調査」スマホでの回答画面から

▲ 「利用者調査」(紙での質問用紙)

先日3月5日(木)にお願いした東京都の「利用者調査」は、スマホやパソコンで回答ができますが、回答ができるのは3月17日(火)までです。この週末のお休みの間に回答していただくといいのではないかと思います。スマホの方は簡単にできますので、QRコードでサイトにアクセスしていただき、お配りしたIDとパスワードを入力して、案内にしたがって選択ボタンを押して、ご回答ください。現在10名ほどの回答しか届いておりませんので、ぜひ、ご回答のほど、よろしくお願いします。

園庭のない保育園について取材を受ける

2020/03/14

今日3月13日は、偶然ですが、同じテーマを違う組織の方に説明することになりました。テーマは「園庭のない保育園」です。子どもたちの外遊びや運動を確保するために、どんな課題があるのか、どうやったら、それでもなんとかやっていけるのか、そうした話をしました。

年度末は1年間を振り返って、いろいろなテーマについて総括していく時期なのですが、一番の目的は子どもたちの育ちなので、それに結びついているかどうか、またその育ちが可視化できているかどうか、保護者の方にも伝わっているかどうか、そうしたことに挑戦続けなければならないと考えています。そのうち後半の「可視化」は、義務でもなんでもないのですが、意味を説明することはとても大切なことだと私は思っています。

違う団体というのは、3階の運動スペースに設置してあるネットの販売会社の方と、毎日新聞の記者の方。あのネットはドイツ製(HABA社)なのですが、設置してからこれまでのネットを使った遊びの実際、安全性との兼ね合い、遊具として子どもの発達にどう効果があるか、特にどういうところにその成果が現れたか、それを先生たちはどう見ているか、保護者の方はどうか、行政の担当者はどうか・・・そうした多面的なことに、お二方とも関心を持たれていました。説明することで、こちらもいい自己評価の機会になりました。

 

せいがの子の平均年齢は3.3歳に

2020/03/12

今日3月12日は3月生まれの誕生会が開かれました。3月生まれの子を含め、すべての子が誕生日を迎え、これで千代田せいが保育園の平均年齢が最も高くなりました。全園児数は3月現在40名で満年齢の合計は130年ですから、平均年齢は3.3歳です。新しい年度が始まる4月になると、最も「高齢の」満6歳の子たちが卒園して、0歳児が増えるので、また一歳若返るのですが、当園は年長児がいないので、後1年、歳はまだ上がり続けます。計算すると3.8歳にまでなります。面白いですね。

ところで、この「平均年齢」を全世界の人口に当てはめるとどうなると思いますか? 地球上に住んでいる「地球人」の全人口は76億と言われていますが、その平均年齢は29歳です。今後10年間で地球人も高齢化が進み、2030年には平均年齢は32歳になります。それでも若いですね。世界的に見れば、小さい子どもが多いのです。

これを「若い」と感じるのは、21世紀の日本に住んでいる私たちだからです。人類の平均年齢が30歳を超えるというのは、文明の勝利と言っていいほど、すごいことです。こんなに多くの人類が、こんなに長生きできた過去はありません。ホモ・サピエンスは一人では生きられないほどほどの未熟児(生理的早産)をたくさん生み、家族が協力して助け合い、共同保育をすることで生存率を高めたのですが、それでも「平均寿命」が30歳ぐらいでした。

人類は先史時代から、地球規模の気候変動や自然災害、そして疫病と戦って生き残ってきたわけですが、疫病を支配下に置くことができるようになったのは、都市基盤の整備、公衆衛生の向上、医療体制の構築が近代になって目覚ましく向上したからですが、今日は一気に「中世」に戻ってしまいました。WHOが新型コロナのパンデミックをやっと認め、米国がヨーロッパからの入国拒否を一方的に宣言するなど、治療薬とワクチンを持たない人類が新しい感染症に対抗できる手段は、結局<閉じこもること>ぐらいしかでいないことを思い知らされています。治療薬はもうすぐでてくるでしょうが、ワクチン開発には、1年かかるそうです。

世界的な感染爆発になってしまった以上、世界が相互依存の経済で成り立っている限り、日本だけ感染が収まっても、世界の感染の波で影響され続けますから、今の自粛モードが一年ぐらい、ダラダラと続くことを覚悟しなければなりません。長期戦になる場合、経済的ケアとメンタルケアがものすごく大切になってきそうです。

 

 

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