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園長の日記

敬老の日にちなんで

2019/09/16

(木場公園で見つけた【秋】の装飾)

◆年長者への尊敬や感謝の気持ち

年長の者が年少の者にできること。あるいは反対に、年少の者が年長の者にできること。もうすぐ還暦の私が考えているテーマの1つです。これは保育では異年齢児保育のテーマであったり、社会では年金制度の仕組みだったりします。世代から世代へバトンタッチしていくものもあれば、若い世代から刺激を受けたり、学ぶこともたくさんあります。年長者への尊敬や労りの気持ちと同じものを、若い世代のボランティア活動や起業スピリットに感じたりもします。

◆若い人が意見を言いやすい職場に

先日、保育園を経営している50歳の理事長から「若い人が意見を言いやすい職場にするのは歳いった者の役割だから」という話を聞きました。その理事長は大相撲力士だった方で、師匠は元関脇「鶴ヶ嶺」親方。鶴ヶ峰の子どもに寺尾がいる。寺尾はその理事長の兄弟子に当たる。鶴ヶ嶺親方が常々語っていたことが、保育園の経営に大きな影響を与えているという。その話とは、こんな内容だという。

◆一人の経験を撚り合わせて太い糸に!

・・・相撲は完全な格付けの世界。番付で決まる世界です。しかし師匠は、「確かに番付があるけど、人というのは番付では測れない。どんなに偉くなっても、下の人間がいるから今のお前たちがいるんだということを忘れるな」。このことを常に言われていた。だから保育園でも先生たちに話すのは、掃除できている用務の人も、調理の人も、事務の人も、全員がいるから保育園って成り立つんだよね、と。そういう話です。・・・

・・・いろんなことを経験したり、本を読んだりしたことって、自分の中では目一杯であっても、人の世の中からしたら、細い糸のようなものでしかないだろうな、それなら、みんなが結集して、若い人も年いった人も、みんなが同じようにいけば太い糸になったりできるんだろうなと思う。だから若い人が意見を言いやすいようにしたい。その糸のより方を知っているのが年長者じゃないかな・・・

◆若者の育て方とベテランの役割

藤森統括園長も同じような趣旨の話をよくします。「ベテランだからこそできることがあります。それは若い先生がやりたいと思ったことを実現させてあげることです」。若い人が言いたいことを言える社会、それをしっかり受け止めて実現させてあげられる社会。そんな社会を作り続ける年長者でありたいと思います。

(南大沢駅の路上アーティスト)

姉妹園の職員の御母堂様の告別式の帰りの電車で、鶴ヶ嶺親方の言葉を思い出していました。この親方は、ウェキペディアによると、自身の息子3人を全て関取に育てた名伯楽と言われており、勝負審判長としてのマイクによる場内説明の口調が明快で、それが今の原型になっているそうです。

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