
まず、クイズです。次のうち、スポーツはいくつあるでしょう?
① サッカーの試合をする
② 朝、公園でラジオ体操をする
③ お年寄りが、健康のために階段を上り下りする
④ 好きな音楽に合わせて、楽しく踊る
⑤ 子どもたちが、公園で夢中になって鬼ごっこをする
⑥赤ちゃんが、少し先で待つ大人に向かって、うれしそうにハイハイする

答えは、全部、広い意味でスポーツです。
「えっ、体操や階段の上り下りも?」と思われたかもしれません。私も、スポーツ基本法を読み直して、その範囲の広さに気づきました。
法律の前文では、スポーツを、健康や体力の保持増進、心の充足などのために、個人や集団で行う「運動競技その他の身体活動」と説明しています。勝敗を争う競技だけがスポーツではないのです。

ところで、明日は「スポーツの日」です。以前は「体育の日」でした。1964年の東京オリンピックを記念し、開会式が行われた10月10日を「体育の日」としたのが始まりです。その後、日付が10月の第2月曜日となり、2020年から現在の名前になりました。
名前とともに、祝日の趣旨も変わっています。以前の「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」から、現在は「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」へ。「楽しむ」「他者を尊重する」という言葉が加わっています。

もしかすると、「うちの子にも、そろそろ何かスポーツをさせたい。でも、まだ早いかな」。そんなふうに考えている保護者の方もいらっしゃるでしょう。
けれども、公園で夢中になって走り回る。それも、幼児期の大切なスポーツです。教室に通ったり、特定の競技を習ったりする前から、子どもたちは身体を動かす楽しさに出会っています。

追いかける。逃げる。登る。跳ぶ。ぶら下がる。同じ場所でも、友達がいると新しい遊びが生まれ、昨日とは違う動きに挑戦することがあります。子どもたちは「健康のために」と考えているわけではありません。「面白い」「もう一回やりたい」が、その身体を動かしています。
さらに、スポーツ基本法の第十六条の三には、「幼児」も含め、それぞれの発達段階に応じて、継続的に多様なスポーツに親しむ機会を確保するよう努めることが書かれています。
これを保育の場で考えると、一つの種目を早く上達させることよりも、さまざまな動きを楽しめる環境をつくることが大切なのだと思います。文部科学省の「幼児期運動指針」も、子どもが自発的に身体を動かして遊び、その楽しさや心地よさを実感することを重視しています。
園庭のない私たちの園では、公園へ出かけたり、3階の運動ジムで遊んだりしながら、そうした機会をつくっています。大人が思いもしなかった遊び方を、子どもたちが見つけることもあります。
「何かスポーツを始めさせようかな」と思ったら、まず、目の前の子どもの遊びを眺めてみてください。夢中になって走る姿のなかに、もうスポーツの楽しさが息づいているかもしれません。










