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園長の日記

すいすい保護者会

2022/04/06

(保護者会の写真を撮り忘れました! この写真は先日花見に出かけた散歩の時)

2歳児クラスから始まった園生活も今年度で最後の1年になりました。これからの1年間を含めて保育園で4年間、保育を受けたことになるはずの、新すいすい組(年長さん 5歳児クラス)。その4年間のうちすでに3年間を保育園で過ごしてきたわけですが、その4分の3の中で、最も大切な時期はすでに終わっていて、〈10人のすいすいさんはみんな素晴らしい「生きる力」を持っていますからご安心ください、どの子もこれから先の人生をきっと力強く歩んでいくことでしょう〉・・今日のすいすいの保護者会では、そんな話をさせてもらいました。

もちろん、これからの1年間に意味がないわけでは決してありません。とても大切な1年です。花に例えるなら、綺麗な花が咲くために必要な根っこや幹や葉っぱはすでに育ち、確かな資質や能力がすでに芽生えていますから、あとはどんな花が咲くのか楽しみですね、という意味です。あるいは昨日のブログで書いた電車の例えのように、すいすいが、わいらんすい3クラスの先頭車両だとしたら、運転席からは小学校の門が見えており、そこに向かってわくわくドキドキの1年間になるでしょう。そんな話をさせてもらいました。

では、すでに獲得している「生きる力」とは、なんでしょう。それは3つあるとお伝えしました。一つは基本的信頼感です。これは入園前までに獲得していたものです。世界は呼べば答えてくれるというトラスト、信頼です。人間は自分から世界に働きかける力を持って生まれてくるのですが(例えば、教えなくても泣くことができる)、その世界への呼びかけ、問いかけに対して親などの他者がちゃんと応えてくれることによって、赤ちゃんは「ああ、今ボクがいるこの世界は呼べば応えてくれる世界なんだ」と信頼することを手に入れます。

反対に、もし誰も応えてくれず、応答がなければ、世界は沈黙の世界であり、自分の欲求は満たされず、放って置かれた孤独の中で生きることを学びます。信頼する力を獲得できず、何を得るかというと絶望や無気力を身につけてしまうのです。

ですから最初のテーマは「希望」です。「みんな希望を持てる子どもに育っていますよ」とお話ししました。このテーマはちっち組(0歳)の年間テーマになっています。この根っこが育たないと思春期ごろに、引きこもって、もう一度自分づくりを始めざるを得なくなります。

二つ目の生きる力のエンジンは、というと、意志です。当園が願う子どもの姿は「自分らしく(多様性)意欲的に(自発性)、思いやりのある(社会性)子ども」というものですが、いろんな多様な個性をもった子どもたちが、共生と貢献の社会の形成に向けて(当園の保育理念)、その実現のために協働できる力に育ってほしいという願いが込められています。

「一人ひとり違うよね」ということから「でも私たちの世界をよくしたいよね」に向けて歩んでいこうとする力、つまり意志です。この力もしっかりみんな持っています。この力も0歳の頃から、自分でなんでもやりたい!という自分を出せること、自分というものを偽りのない自分として主張できること。イヤなものはイヤと自己主張できる力です。

すいすいは、これができる子たちばかりでした。親御さんにしてみれば、困ったなあ、が多かったかもしれませんが、大事なことだったのです。仮面をつけて他者の期待に合わせ、自己を抑圧した偽りのいい子にならずに済みました。きっとそうやって生きてしまうと、青年期のアイデンティティの形成に大きな危機がやってくるかもしれません。

そして三つ目が、だんだん認識しやすい力になってくるのですが、自発的に自分のやりたい目的を持てる力、自分がやりたい目的に向かって自分を律してコントロールできる力です。ちょうど保護者会の最中に親御さんの姿を見てそばによってきた子がいたのですが、担任が「おうちの人でお集まりをしているから上で待ってててね」とお願いすると「あといくつ?」と聞くので担任が、「あと28分」と答えると、分かった、と言って自分で目当てを持って戻っていくことができました。

これがまさしく自分で選択した、意思決定した力によって、時間的に先の行動への指針を自分で打ち立てる力に他なりません。この目的思考(目的志向)で行動できるようになっていくと強いです。保護者会では、担任が最近の子どもたちの姿を写真で紹介してくれましたが、公園から帰る時に自分たちで並び始める姿などにも、この3つ目の目的志向の行動選択の力が見られます。

この3つの宝物をすでに持っている新すいすい組の課題は、これに磨きをかけることです。実践を積み重ねることです、主任の担任はこれを「トライアンドエラー」ではなく「トライアンドメリット」だと言い換えています。3つのエンジンを携えた子どもたちが、どんな体験をこれから積み重ねていくか、本当に楽しみです。保育園時代の「遊びを通した学び」が、小学校以降になると「自覚的な学び」になります。これからお勉強の時間ですよ、今は遊んでいい時間ですよ、みたいに区切られます。自覚的に学び始めることができる力は、3つ目の目的を持って行動できる力があれば、苦もなく移行できますからご安心を。

さあ、これからの1年を思う存分、楽しみましょう。無自覚な遊びに没頭できる時間は、あまり多くはないかもしれません。有意義で思い出に残る活動を、いっぱい作り出したいですね。みなさんと一緒にそれを楽しみたいと思います。

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