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園長の日記

自立の姿(その2)睡眠と食事

2022/03/02

生活の自立を考えるとき、よく眠って気力が回復した朝は、お腹が減るものです。夜更かしして寝る前に何かを食べたりすると、夜の睡眠中にも消化が行われていて、朝はなんだかお腹が重い感じがして、食欲も湧かない、という経験は誰にでもあることでしょう。

(お昼寝をしないで、瞑想タイムで体を休めている子どもたちも)

 

目覚めは脳も体も起きないといけないので、朝の食事をとらないと、午前中の活動がうまく始まりません。そこで生活リズムを整えるための最も大切な標語が「早寝早起き」で終わらずに「朝ごはん」がついていることになります。

日本では、子どもの夜の生活が楽しすぎて(?)寝る時間が遅れ気味になると、それが翌日にまで尾をひいてしまいがちです。日本の子ども向けのメディア文化は海外でも人気ですが、それが夜ふかしを助長さしているとしたら、看過できません。そうなってしまいがちな最も大きな要因は、テレビ、ゲーム、タブレット、スマホだと、言われています。

テレビ、ゲーム、タブレット、スマホとの付き合い方は、現代の子育てで、とても悩ましい問題になっています。乳幼児の時にテレビの視聴時間にケジメができないと、その後、小学校でゲーム、中学校でスマホの付き合い方がルーズになってしまいます。最初が肝心です。赤ちゃんの時から子育ての環境にテレビはない方がいいのですが(保育園でテレビを見ることはありません)、現実はそうもいきません。でも、知っておいてほしいのは、世界の小児科学会は2歳まではテレビは見せないというのが大切な常識になっていることです。

https://www.jpa-web.org/about/organization_chart/cm_committee.html

https://www.jpa-web.org/dcms_media/other/media2008_poster02.pdf

夜の睡眠までの時間の使い方は、最大の秘訣は、早いうちからの習慣化、です。

帰宅して家でやりたい好きな遊びがあり、テレビをつけたとしても食事の時は消します。そしてお風呂(夕食とお風呂の順番はどっちでもいいのですが、日によって変えない変えない方がいい)の後、絵本でもなんでもいいので、だらだら寛ぐ時間を作って、眠る前のこの時間を大切にします。はい、もう寝なさい、と言って、はいはい、と眠れるものではないからです。そこで眠気を誘うためのポイントがいくつかあります。食事やお風呂が終わったら部屋のライトは暖色系で暗めにして、青や白は避けること。またお風呂で温まった体が覚めていく時に、人は眠くなりますから、そのチャンスを生かすのもいいです。一旦、うとうとさせてしまうと、また寝るのは難しくなりがちです。

永持さんの「赤ちゃんねんね講座」では、この流れを作るときに「逆算マネジメント」という発想を提案されています。布団に入るタイミングを8時とか8時半とかに決めておきます。本当に眠る時刻は、ずれることが多いので、布団やベッドに入るタイミングを決める方がいいでしょう。その時刻から、遡って7時半にお風呂、7時に夕食などと決めていきます。夕食を作る間だけ、うまくひとり遊びができるような工夫が必要ですが、この場合の秘訣は夕食を作る時間を、ウ〜ンと短くしてしまうことです。

夕食はお腹がいっぱいになればよし!と考えることです。保育園の食事は1日に必要は栄養とカロリーの半分以上になるように計算されています。朝ごはんと晩ごはんで半日分がとれれば大丈夫です。冷食や作り置き、電子レンジの上手な活用など、色々な手があります。

6時にお迎えだとして、8時に布団に入るとすると、2時間ですが、これが短いと感じるか長いと感じるか?ここがポイントです。2時間もある!と思えるようなルーティンを作り出せるといいですね。多くの方が夕食の準備と食事時間に多くを取られてしまっているようです。ここを短時間にすることが、睡眠から食事の自立を作り出すためのポイントになりそうです。そして、この時間を過ごすことが楽しい!という時間になることを優先することです。

だらだらタイムのコツがあります。それは親の方が他愛のない話をしてあげることです。子どもから保育園の話を聞き出そうとせずに、寝る前の時間は「今日ママね、買い物でいいもの見つけちゃった〜」ぐらいの、お話です。子どもになったつもりで、ポア〜ンとした時間にしましょう。イメージは「お猿さんの親子が毛繕いしているような、あのダラダラした感じ」(永持さん)です。どうぞ試してみてください。

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