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園長の日記

乳児の保護者会と楽しい食事

2019/04/03

【ママと離れたくない】

「ママ、なんで行っちゃうの」。昨日までは親子で一緒だったのに、今日から1人になる時間が始まった乳児のお友だち。ママと離されて寂しくなったり、別々になることに不安を覚えて泣いてしまったり。0歳児のちっち組や、1歳児のぐんぐん組、そして2歳児のにこにこ組の一部の子どもたちにとって、今日はちょっと辛い日でした。でも、ママと再会したら、また気持ちを立て直して、側で遊び始めるような子もいましたね。
今日は10時半から、ちっち組とぐんぐん組の合同保護者会でした。赤ちゃんたちが1時間半ほど親から離れて、再開してからの、親子一緒の保護者会でしたから、「家の子は1人でどうだったかしら」と、心配だったことでしょう。
でも、保護者会でお話ししたように、おうちの人と離れて寂しがったり、不安を覚えるのは自然な発達の姿です。安心して身を任せられる身近な人と、そうでない人をしっかり区別できる認知力と、知らない人を警戒する力がきちんと備わっている証です。ママと再会して、泣き止み安心できる人にすがる力が感情コントロールを豊かにしていきます。
【人類の子育ての仕方を見習おう】
人類はそうやって何十万年もの間、赤ちゃんの頃から親以外の人に抱っこされたり、世話を受けて育ってきたのです。お母さんだけで、自分の赤ちゃんを育ててきた歴史は人類にはありません。お母さんだけに育児を担わせることが、過剰な負担を招き、精神的に追い詰められたり、担わなくても良いはずの責任感を感じすぎたりしてしまっています。そのあげく虐待と言う不幸な親子関係が生まれてしまうこともあるのです。これはお母さんの子育ての力の問題では決してありません。私が好きな「一人の赤ちゃんが育つには、村じゅうの人が必要」というアフリカのことわざは、例え話ではなく、実際にそうなのです。
【大事な子育ての要諦】
子育てのコツは、意外かもしれませんが、肩の力を抜くことです。自分の考えだけで、良かれと思ってやることの中で、もし「子どもにやってあげたいけど、それをやるのはかなり負担だなぁ」と思ったら、ぜひ、相談してください。現代の世の中に広がっている「ベビー○○」とか「〜幼児教室」などをやらないとダメになるかも、とか考えて不安に思っていたら、なおさらです。心の力こぶこそ、マッサージが必要かもしれませんよ。
【発達は、突然やってくる】
しばらくは、ママやパパと離れて過ごせるようになるまで、子どもたちには、ちょっとした試練が続きますが、それがずっと続くわけではありません。生まれながらにヒトが持つ他人に信頼を寄せる力と、いろんな他人と関わって生きていく力を信じてあげてください。しばらくすると、お迎えに行っても「え、もうお迎え、まだ遊びたい」といった表情を見せるようになるかもしれません。発達は突然やってくるもの。まるで恋のように。そんなつもりで、子育てを楽しみましょう。
【早くもお集まりが成立】
さて、幼児クラスはどうだったでしょうか。午後のミーティングでは「計画通りにいかなかった」と言うので、「そりゃそうだろう、そううまくは行かないよ」と思って報告を聞いていたら、反対でした。朝の自由遊びを午前中は継続する計画にしていたけど、お集まりができてしまったといいます。いい方に裏切られたと、先生たちも嬉しそうです。
お友達は、集団生活がはじめてのお友達もいますが、経験のある子どもたちも多いので、それまでの園生活の習慣が垣間見られて、微笑ましいエピソードもありました。
【食事は楽しく会話を弾ませて】
園長と事務長は、クラス担任の先生たちと同じように2階のダイニングで子どもたちと一緒に食事をします。ところが、今日は少し遅れて加わりました。私が「園長先生も一緒に入れて!」と言うと「いいよー」と元気な声が何人もから返ってきて、一気に場が活気づいたそうです。それまでは、シーンと静かだった時間があったそうで「20分間の食事は静かに食べる」というのがルールだったお友達が何人かいたらしいのです。
せっかく身に付いた習慣なのに、変えてしまって申し訳ないなぁとも思いましたが、食事は人間の場合、歴史的にも世界的にも大切なコミュニケーション文化であり、会話と食事は本来、セットです。話をしたいから「お茶でもしませんか」であり、懇親のために「食事会」「女子会」があるのであって、それが「おしゃべり禁止」だとしたら、ブラックユーモアです。外交でも会談には「晩餐会」がつきもので、お互いが仲良くなるためにも、食事は大切な場なのです。
というわけで、私は何人かお友達と話を弾ませて「友達」になりました。ある子からは「園長先生、自動車買ってあげるよ」と言われました。「えっ、ほんとうに!すごいなぁ」と嬉しがってみると、「大人になったらね」。これには爆笑でした。
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