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園長の日記

成長展のためのミニ連載(11)自己と世界の探索

2021/02/11

昔、美術館でゴジラが登場する模型のジオラマを見たことがあります。実物の何十分の1かでできた都市の風景をじっと眺めていると、あたかもそこに自分がいて、ビルの間から巨大なゴジラが歩いていく「映画」のシーンを思い浮かべていました。円谷英二は特撮で架空の世界を造形し、怪獣と巨大ヒーローが戦うウルトラマンシリーズを誕生させます。壮大な大人のごっこ遊びが、一大産業となり日本を代表する子ども向け文化にもなりました。

須田町ニ丁目の斎藤町会長はアップル社の社長で、柳森神社の前にそびえ立つ11階建てのクリスタルビルのオーナーです。会長に頼んで登らせてもらった11階からの見晴らしは、子どもたちに大きなインパクトを与えました。

子どもたちは秋葉原駅周辺を展望した後で、どんな模倣遊びを展開したか、それはすでに昨年お伝えしましたが、成長展ではその様子を動画でご紹介します。

子どもたちが作り上げていった秋葉原駅周辺のジオラマ作りを見ていると、単純に模倣とか、再現といった言葉では言い尽くせない、強烈なこだわり方、人間特有の世界への接近の仕方、あるいは世界への尋ね方といったものを感じます。この世界への身の寄せ方のようなものは、芸術家たちが昔から、神話や信仰や歴史を絵にしてきた絵画史の営みの中にあるものと同じ〈子どもならではのミメーシス〉のように見えます。

子どもたちは、今持っている身体的な力を使って、いろいろな素材に手を加えながら、イメージしたものに、どうやったら近づくか、試行錯誤しながら駅や線路やビルを作り、並べ、つないで形にしています。紙や箱や段ボールを加工して、目指す形や色や模様に変化させていく営みは、造形的な想像力を使いながら、自分の見てきた世界、自分が知っている世界を再発見していることでしょう。

 

 

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