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園長の日記

明日からの保育参観で感じてもらいたい「子ども社会」

2020/10/05

家庭では見せない姿が保育園にあります!それは環境が異なるので自然なことです。家庭ではしないのに、園ではやっているとか、逆に家庭ではしているのに園ではやっていないとか、そんなことがたくさんあります。同じ子どもなのに、どうして?と思われるかもしれません。

子どもの発達はその個人の特性や能力によるものとは限りません。子どもの姿は状況に依存することが多いのです。環境が変われば引き出される力も変わります。人との関係が変われば、性格も振る舞いも変わるのです。これを「発達を関係論的にみる」と言うこともあります。

今日のブログを用いて説明すると、わいらんすいでスズムシを大切しているうちに、その対象に愛着が生まれて大事にしようとします。そこにスズムシへの優しさが引き出されます。その子が優しいからやっているというよりも、飼育するという生活があるからこそ、その子の持っていた資質が引き出されているのです。それがスズムシへの「あっ、ごめんね、ごめんね」という言葉になっているのでしょう。

にこにこ組のサーキット運動では、ぞれぞれの身体的な能力が、すずらんテープの運動棒、平均台、机のトンネル、トランポリンで引き出されています。使われる環境がなければ、その力の可能性は眠ったままでした。使われて初めて能力は伸びるからです。しかも一人でやるよりも、お友達と一緒の行動を順番にやることが楽しいのです。そんな環境は家庭にも地域もありません。親しく心を通わせることができる友達という関係があるからこそ、これだけの長い時間の遊びが成立しているのです。

また仮に障がいがあったとしても、それはその子の持っている特性だけでそうなっているのではなく、その子を取り巻く環境によって、その特性はプラスにもマイナスにもなるのです。親子関係についても、その子どもや親の個人の問題ではなく、その関係自体がプラスにもマイナスにもなりえます。それを相性ということもありますが、夫婦関係、家族関係から想像してもらうとわかりやすいでしょうか。

もしAとBの関係だけでうまくいなかいときCの存在が加わることで、関係が安定するということはよくあります。じゃんけんや動物占いの太陽・地球・月の関係、国の三権分立を思い起こしてもらってもいいでしょう。これは人と人の関係にもあるのです。逆に三角関係のように不安定になることもあります。

保育参観では、子どもにも社会があって、人間同士の切実な社会の中で生きている、その心の姿も感じ取ってみてください。子ども社会の中で人間として立派に生きている姿は感動的なはずです。

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