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園長の日記

子どもにしかできない「分かり方」

2020/10/04

子どもは知識に貪欲である!これははっきりしているのですが、案外、保育界は誤った心情主義が蔓延っていて、そのニーズに答え切れていないのではないだろうか? そんなことを感じるのは、子どもと絵本を楽しんでいるときです。しかも絵本が「クイズ」や「なぞなぞ」や「図鑑」だったりするとき、それをとても感じます。子どもは、いろんなことを知りたがっているんです。

昨日3日(土)の午後、園児と2時間ほど絵本を読んだり、どんぐりで人形を作ったりして過ごしました。月刊のなぞなぞ本を、4ヶ月分ほど一気に読みました。何度か読んでいることがわかるのは、3択のクイズの答えをほとんど正解するからです。その時期に目にしそうな季節の植物や昆虫や鳥などが、どうしてそうするのか、3つの回答から正解を選ぶのですが、どうしてそうなのかを知りたがります。こういう「知りたがり」の気持ちは、ずっと持ち続けて欲しいものです。

そこでこう思うのです。大人になると、何かを知ることが、何かの役に立ったり、他人のためになったり、一貫した見方が面白く思えたり、美しく感じたりというように「善さ」の4要素を感じないと意味を感じなくなるのですが、子どもは違います。知ること自体が面白いんだろうと感じます。

大人は子どもの頃の感じ方や世界の見え方を忘れてしまっているのですが、そのことを、思い起こさせてくれる話があります。昔から伝えてられてきた分かりやすい例です。それは大人になると見えないけれど「子どもだけが見える」世界です。例えば、アニメの『となりのトトロ』だったら、まっくろすけやネコバスは子どもにしか見えません。映画『E.T.』だったら、エリオット(ヘンリー・トーマス)には宇宙人の気持ちがわかります。そんなふうに、大人になるとわからなくなってしまう「子どもの世界」があるのです。

子どもには子どもにしか見えない世界があるんだと想像すること、大人には見えなくなってしまっている子どもの世界があるんだと思うこと。それも「子どもを信じる」という、大切なことなのだろうと思います。

 

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