「きのこ、苦手なの」

9月9日(水)に行った、2歳児にこにこ組の「味の探究」は、そんな率直な言葉から始まりました。

今回、子どもたちの前に登場したのは、しいたけ、しめじ、まいたけ、なめこの4種類です。

大人にとってはよく知っているきのこですが、2歳の子どもにとって、「しいたけ」と「しめじ」は名前の響きも似ています。給食では小さく切られて出てくるため、元の姿と結びつけることも簡単ではありません。

だからこそ、丸ごとの食材と出会うことから始めます。
大きなしいたけを持って、かさの表と裏を眺める。まいたけの大きさに驚く。なめこを指先で分けてみる。同じ「きのこ」と呼ばれるものでも、形、硬さ、香り、手触りが違います。

子どもたちは、五感を通して「これは何だろう」と確かめていきました。

今回、もう一つ印象的だったのは、調理が始まる前のことです。午後の振り返りで先生が次のような話をします。

<そら先生が「最初は何を入れる?」と尋ねると、子どもたちから「油」という言葉が出てきました。以前は覚えていなかった言葉です。さらに、油を入れ、きのこを炒め、最後に塩を入れるという順番も分かっていました。>

毎月繰り返してきた経験が、子どもたちの中で少しずつつながり、次に起こることを予想できるようになってきたようです。

見通しを持つことは、主体的に活動に参加するための大切な土台です。前に経験したことを思い出し、「次はこうなる」と予想する。それが確かめられることで、また新しいことを知りたくなる。2歳児にも、こうした探究の循環が生まれていそうです。

フライパンできのこを炒め始めると、子どもたちは音や香りに誘われるように集まりました。色や形が変わっていく様子を、身を乗り出して見つめています。

そして、いよいよ食べ比べです。

初めに「きのこは苦手」と言っていた子も、少しずつ口に運んでみました。ある子は「まいたけがいちばんいい」と自分で選び、大きなまいたけを切ってもらわずにしっかり噛んで食べ、さらにおかわりをしました。

もちろん、全員がすべてのきのこを食べられるようになることが、この活動の目的ではありません。
大切なのは、自分の目で見て、手で触れ、変化する様子を感じ、自分で選び、「少し食べてみようかな」と思うことです。
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食べることは、とても個人的な営みです。だからこそ、無理に食べさせるのではなく、子ども自身の好奇心が「食べてみたい」という意欲へ変わる過程を大切にしたいと思います。
「味の探究」を始めて3年目。毎月の経験を重ねてきた子どもたちは、ただ出されたものを食べるのではなく、食材そのものに関心を持ち、調理の過程を予想し、自分の感覚で選び、味わうようになってきました。
これは、好き嫌いが減ったということだけではありません。
食材と出会い、比べ、考え、予想し、自分で決めて確かめる――食べることを入り口にした、子どもたちの小さな探究です。
「苦手」だったものに、ほんの少し手を伸ばしてみる。
その一口の前には、これまで積み重ねてきたたくさんの経験と、「自分で確かめてみたい」という心の育ちがあるのです。










