MENU CLOSE
TEL

園長の日記

ダンゴムシさん、ありがとう

2023/04/17

子どもたちの遊びを見ていると、そこに複雑な出来事がたくさん生じていて、それを動画に撮ってじっくりと見直したりするのが楽しい。こんなことが起きていたんだ!と驚くことがよくあります。今日は遊びの志向性の違いを見せてくれる場面がありました。

散歩へは行かず、室内遊びを選んだ子どもたちの中の数人がダンゴムシを観察していました。ある3歳の女の子はちょっと前までは、土の上をゴソゴソと動いているのを恐々と見ていただけだった記憶があるのですが、いつの間にか上手に摘んで自分の手のひらに乗せてその動きを見たり、しばらくするとまん丸団子から、動き出すので、だんだんと手首から腕へと登っていったりするのを、それに任せています。まるでペットを遊ばせてやっているような雰囲気に見えます。ダンゴムシへの愛着が深まってきたんだ、と感じます。

一方で別の男の子は床に落ちたダンゴムシが床を歩きだし、その様子が面白いらしくて「見て、ぼくのダンゴムシだよ」と周りに大きな声でアピールします。すると先生にストローが欲しいというので、どうしたいんだろう?と見ていたら、ストローを床に繋ぎ始め、長いトンネルのようにして、その中を「ぼくのダンゴムシ」を通らせようというわけです。スロトー繋ぎにはもう一人の男の子もすぐに加わりました。果たして、うまくいくかどうか?その中を通っていけるかどうか?こんな遊びに発展していったのですが、長いトンネルにダンゴムシはうまく入ってくれません・・・

そこで面白いことに、そこにはさっきまでいた女の子たちがいません。あれ、どこに?と思ったら、ままごと遊びの場所へ移動していたのですが、そこにダンゴムシも「家族」の一員になって一緒に遊んでいるのです。そうか、そっちの遊びか、と妙に感心して「その子たちらしさ」を見つけたのです。ただダンゴムシもいじられっぱなしでは可哀想です。でもそこにはまだ考えが及ばない3歳児たち。先生からの情報が届きます。ダンゴムシがじっと丸くなって動きたくない時は、ダンゴムシさんも疲れているんだよ、死んだりしないように休ませてあげようね・・といった話をしてあげています。こっちへの気づきも確かに大事。先生たちはいろんな「伸びしろ」を子どもの姿から感じ、そこへの辿り方のそれぞれを見守りながら過ごしています。

そして、ダンゴムシさん、ありがとうね。

top