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園長の日記

春の七草をお粥にして

2023/01/07

せり、なずな、ごぎょう、はこべら、おとけのざ、すずな、すずしろ これぞななくさ。

語呂合わせで覚えているものが、結構あります。

言葉の豊かさ、というものを保育士ならその専門性として考えざるを得ないのですが、あるだじゃれが大好きな方は、言葉遣いの名人でもあり、「ああ、そんなふうに説明できるのか」と、簡潔にしてポン、と私の方に意味が飛び込んでくるような語り方をします。あのね、それはね、昔日本人はね、と、まるでボールがゆっくりと投げられて、見ていたらヒューッと戻ってきて、私の手の中にあるといった感触があって心地よいものです。

五七調の調べに乗せると、なぜか覚えやすいのは、そういう文化に慣れてきたからなのでしょうが、子どもたちにもそういう言葉の環境を用意してあげているかというと、どうでしょうか? 日本の言葉の調子というものを、子どもが気づき面白がる時期があって、先日もやたらと「いちじゅうひゃくせんまん」と呟いていたので、何?と聞くと、それきた!とばかりに、その子が「クーイズ、クイズ」と始めたので、気前よく私が「な〜んのクイズ?」とやると、「一番大きな数はな〜んだ?」というので、さっきからぶつぶつ言っていたから答えはわかっていたんだけど、あえて「じゃあね、100億!」とでまかせに答えてあげたら、「ブッブー、むりょうたいすう」でしたあ〜。

園生活には落語のじゅげむが流行ったり、出会い頭に必ず「やろう!」と誘われてアルプス一万尺をやらされたりすることがあります。早口言葉とか回文、かるた遊びで俳句と出会ったりもします。これぞ七草のように、こうでもしないと覚えられるものじゃないというものがたくさんあって、何度も口にしているうちに、忘れられないものになります。ちはやぶる〜も、遊んでいるうちに覚えてしまったということであって、和歌や短歌を忘れないのは、よくよく考えると面白い脳の記憶方法になっているのかもしれません。

ちなみに、秋の七草は「萩すすき、桔梗かるかや、女郎花、ふじばかま葛、秋の七草」です。

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