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園長の日記

脳科学を子育てに応用してみると・・・

2023/01/04

正月三が日も昨日で終わり。多くの方は今日から仕事始めですね。子どもたちは保育園へ、親御さんは職場へ、大家族生活の再開です。休日はともかく、平日はこの保育園生活の方が、いろんな意味でバランスが取れて安定することでしょう。子どもは子どもたちの中で、大人もやりがいのある仕事の中で、それぞれの生活の充実が図られていきやすいからです。この年末年始で出合った考え方で、子育てに応用できそうなものがありましたので紹介します。

脳科学が進歩して、私たちの意識や行動がどのように働いているかがわかってきたことから、心理学で「再評価」と呼ばれているものがあるそうです。小児神経科医師でバーバード大学医学部助教授の内田舞さんが紹介していました。その私なりの応用です。

子どもがやってほしくないことをやった時、「どうして私のいうことを聞かないの?」というイライラを解消できるかもしれません。大人側(自分軸)からの見方をちょっと変えて、子どもがやろうとした「こと」や、やってほしい「こと」に着目する課題軸(相手軸)で捉え直してみる。そうすると例えば、遊んで散らかしたおもちゃを片付けなさい、という場面や、先に準備をしなさいという行動切り替えの場面。そんな時に、どうしてパパやママのいうことを聞かない、の方ではなく、どうやったら片付けられるか、どうやったら次の行動へ意識が向くか、という方法を一緒に考えよう、というものです。

ここで思いもよらない発見が始まることがよくあります。子どもは親が自分のことをわかってくれている、気持ちや考えを聞いてくれると感じると安心して、それを出しやすくなります。この子どもが安心感を感じる地点まで、心理的な関係が戻ると、ミラクルな気づきがきっと起きます。(と私の経験から、5割ぐらいかな?)

例えば「ママに先に見て欲しかった」「自分でやってみたかった」「それが嫌だった」とか、何かしらの「そこだったんだ!」が見えてくることが多いのです。確かにそうかもしれません。しかも、大抵は大人側にとっても、その状況を抜きに考えれば、嬉しいこと、良いことだったりすることが多いものかもしれません。でも、その状況ではやっぱり無理!なことが多いのですがね。

それでも、その「気づき」があるのと、ないのとでは、親子の心理的なつながりと安定感は違ってくるのではないでしょうか。つまずきの石は、私たちの生物学的な脳の仕組みにあって、それを知らないうちは、自分のせいじゃないと思うといいのかもしれません。

イライラするのは感情を司る扁桃体と、そこからダイレクトに心拍や呼吸に影響を与える脳幹、そのことで生まれる行動は抑えようがないように出来上がっているからだそうです。怖かったら逃げる、不安だったら避ける、嫌だったら攻撃する・・そういう仕組みのことでしょう。それでうまくいかないことが人間関係なので、そこを制御するのが大脳皮質の働きなんだと。考えてみる、振り返ってみることで、感情と行動の間の適切なコントロールが、我慢してではなく、納得してできるようになっていくのだそうです。考え方次第で子育てもハッピーになるというわけですね。

 

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