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STEM保育・自然科学

子どもは自然栽培の味噌の「おいしさ」がわかる

2022/09/22

今日の給食のお味噌汁は、自然栽培で作った味噌を使いました。すると、ある子どもが「おいしい」と言って、おかわりをしました。どうも子どもは、この「おいしさ」の違いがわかるようなのです。子どもの身体はまだ自然に近いので、この違いをキャッチするセンサーがあるのでしょうか。この辺りの人体をめぐる科学は、非常に遅れており、身体についてはわかっていないことが、山ほどあります。この今日22日(金)のエピソードを聞いて、次のような話を思い出しました。自然栽培で作られた作物やその発酵食品(この場合は味噌)は、私たちの人体を自然の生態系の一部に戻してくれるという話です。ちょっと長くなりますが、人体と自然との関係を考えると、うちなる自然環境は、実は胃や腸だという話に遡ることになります。

私たちの体の<内部>はどこか?というと、胃や腸は<外部>であって、内部でないと考えることができます。口から肛門までは筒になっていて、外の環境に開かれています。口から物を食べて、肛門から排泄する。その途中で色々なものを体内に取り込んで、体内から不要なものを外の出すわけですが、この通り道の筒は、体の内部ではなく外部だと考えることができます。私たちの人体を大きな一つの筒、トイレットペーパーやサランラップの芯のようは円筒だと思ってください。

その人体の円筒模型は、もっぺらぼうではなくて、ビオトープのような生態系になっています。口と肛門という蓋がつているので、空洞部分の中身は、私たちの意志で開けたり閉めたりできます。ただその円筒の途中にも、幾つも開け閉めできる門があって、その部屋は閉じられています。口腔、胃、小腸、大腸、直腸などの部屋に分かれていると思ってください。その生態系は、例えると、口腔は石畳の庭の入り口のようなもので、食道は草むらの細長い道のようなもので、その先の胃は、洞窟になっていて中はうねるような林です。

さらにその後の小腸はまるで密林のようです。その中には、色々な液体が雨のように降っているジャングルのように湿っており、いろんな生き物が棲んでいます。乳酸菌やフェカリス菌、アシドフィルス菌、ビフィズス菌など、有名なものから、聞いたこともないような不思議な菌類がいっぱい棲んでいます。

私たちは自分の胃や腸を内部だと思っているので、ちょっと見当はずれなことをたくさんしてしまっています。私たちの本当の内部から見たら、この外部である胃や腸の中を、もっといい環境にしてあげる必要があるのです。それは棲んでいる部屋の空間をよくするのと同じように、外部である胃や腸の中をよくすることが大切なのです。最近、よく言われるようになった腸内環境を良くしようというのは、このことです。

すると、腸には口から入れても実は胃のところで強酸で分解されてしまうので、ほとんどの菌はそこで死んでしまいます。先ほどの羅列した菌たちは、腸のビオトープまでは辿り着けません。では、どうやったら腸内環境が良くなるのかというと、腸内環境を含めた円筒模型の中身を、自然の生態系に戻すことが必要になります。そのために、私たちは筒の中だけを問題にするのではなくて、筒の厚さの部分、つまり私たちの肉体、身体そのものを、内側から自然なるものに作り替えていく必要があります。その方法は、自然栽培の世界と私たちの身体を繋いでいくことなのです。

 

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