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園長の日記

1年間の見通しの中で始まるお祝い

2022/04/13

今年の入園・進級を祝う会は、子どもたちが大好きな栽培活動を盛り込みました。(わらすのブログをご覧ください)

1年間がどんなふうになっていくのか、それは学年やクラスによって変わってくるものですが、またそれを保護者会でお伝えしてきたわけですが、子どもたちにとっても「これからどうなるのかな?」という未来に向かう時間を意識できるようになってくる年齢になると、何かを「楽しみに待つ」ということが生活の励みになっていきます。園庭がない保育園であっても、工夫をすることで、園庭がもたらす機能や役割を見出し、子どもたちに「体験してほしいこと」を用意することはできます。この20年ぐらいの間に、園庭に花壇だけではなく畑のある園が増えてきたと実感します。食育の勧めなどの影響もあるのですが、子どもたちが野菜や花を育てて愛でるという活動は、子どもたちの心の育ちにもいいものをもたらすからでしょう。

どんないいことがあるのかというと、子どもが本来的に持っている「生き物への共感」を発揮する機会になります。私たち人間は、普段の生活の中では意識できないのですが、生きているもの(植物、動物、人間)と生命のないもの(鉱物などの)から受ける情報を区別できる潜在的な力を持っていました。その眠ってしまっている感覚は、小さい子どもの頃は活性化しやすいのです。今年の保育テーマは「風と光と水と・・・」というものですが、これは自然の中の「生命のないもの」の方ですが、不思議なことに、「生きているもの」は、これ無しには生きていくことができないのです。

この生命のないものが、生命のあるものに変化していく、変化させていく「生きる力」の不思議さを、子どもたちは栽培活動の中で感じていきます。きゅうりなどの野菜がが大きくなって、収穫の時期を迎える頃、それを「食べてみる」ことにつながる活動は、生命(いのち)の循環の中に自分達が生きているんだという、持続可能な社会が必要な意味を後で理解するときにも役立つ体験になっていくのです。

そこで今日、私が夕方に読んであげた絵本は、せっかく収穫された野菜たちが冷蔵庫に入れられたまま、腐ってしまいそうな野菜たちが、月夜の深夜、ゾロゾロと家を抜け出し、野菜の集会に集まるというお話「ぞろりぞろりとやさいがね」(偕成社 ひろかわさえこ)です。「ああ、野菜さんたち、こんなになったら、かわいそうだね」というお話です。野菜や花の種を蒔いたその日に読んであげたので、ちょうど、いいタイミングでした。絵本の中で「くさる」という言葉が出てきたのですが、年長の男の子から「くさるって、なに?」と聞かれたので、そうか、今時の生活には何かが「くさる」という体験がないのかもしれない、と気付かされたのでした。

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