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園長の日記

ちょこっとした気持ち

2021/11/30

(写真は文章とは直接関係がありません)

子どもと過ごしていると、ほんのちょっとした心の動きに、何か大事なこと感じます。でも、その信号がどんな意味を持っているのはわからないうちに、その微かな信号は消えてしまいます。言葉にするのも難しいような、でも確かに表している、何かのサイン。

昨日は夕方になって、園長ライオンをやってほしいと頼まれて、4時から30分ほどやりました。なぜか、年長さんたちが続々と集まってきて、それぞれが「こんな遊びがいい」というイメージを持っているので、「じゃあ、どれにするか話し合って」というと、それぞれが、自分の思いをどの程度主張していいものか、ちょっと遠慮がちなのが、いつもと違っていて、ちょっと相手を気遣っている感じがしたのです。

自分の思いが募ってしまい、なぜが泣き出してしまう子がいて、その理由を私にそっとつぶやく子もいます。「ネコのまたたびは、相手にしないで」。ちょうど捕まえてほしいタイミングだったのに、どうも私が他の子の相手をしてしまったことが、続いてしまったことが原因だというのです。そこ子には聞こえないように、私の耳元で、そう囁くのです。子どもにしか見えていない心の動き。泣き出したくなる気持ちの理由。

久しぶりに今朝は、朝から絵本を読んでほしいということになり、朝のお集まりが始まる前まで、数人の年長の子どもたちに「日本昔ばなし」を読んであげることに。「かさじぞう」「さんまいのおふだ」「ないたあかおに」でした。年長にもなると、あかおにが泣く理由に共感できるようになってきます。人間と仲良くなりたいあかおにの気持ち。あおおにのとった行動の意味にも気づくことができるのです。

一方で「かえうた かえうた こいのぼり」をフルバージョンで読まされました。制作ゾーンで、キャンディを作っていた子からは、包み紙をねじって「飴玉」にする方法を尋ねられたき、3歳の彼は中に飴玉を入れないで、そんな形にしようとしていました。中が空洞なので、それは難しいはずです。もしかすると、そんな包装のキャンディは、今時ないのかもしれない!と気づくのです。絵本に出ているものは、大人にとってそれらしくても、子どもはまだ実物を食べたことがないものなのかもしれません。

事務室に戻ると、あるものを鉛筆で書いた紙の前でニコニコしています。その顔から、こんな気落ちが伝わってきます。「ほら、見てみて、すごいでしょ!」。誇らしげな笑顔です。私に見せたかったのは、それまでの経過を私が知っていることを、彼が知っているから。この「すごさ」を私なら、認めてくれるだろうという期待がこめられたにっこり!なのです。

(写真は文章とは直接関係がありません)

 

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