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園長の日記

2020年から2021年へ

2020/11/27

園だより12月号 巻頭言より

 

ここ数年の年越しは例年とは違うものを感じます。社会の変化が激し過ぎて、一年前のことが遠い過去のことのように感じます。「これが終われば、また普通の生活が戻ってくるよ」ということを信じることができなくなってきたように感じます。後戻りしない時代の変化が起きているのを感じます。

このような大きな変化が起きると、その影響を最も受けやすいのが「子どもと女性」です。子育て家庭もそうです。私たちの保育園生活も大きく影響を被ります。コロナ禍のいろいろなデータが出始めましたが、女性の自殺率が急上昇しています。子どもの虐待やその通報も増えているようです。社会の中の声になりにくい弱者の生活が脅かされています。

そんな時に私たちは周りの人たちを信じる力が問われます。他人を信じることができるためには、自分への自尊感情、自己肯定感を持っておく必要があります。そうでないと、他人を傷づけてしまう言葉や言動になってしまうからです。他人に責任を転嫁したい衝動も強まります。もし元気がなくなりそうだったら、自己肯定感の高い人のそばにいましょう。そういう人からは、実際に肯定的な感情を呼び覚ましてくれるものだからです。今は世の中全体が苦しい社会です。こんな時は、肯定的に社会に向き合っている人たちと手をつないでいましょう。それは、そっと静かに心で行動するだけでいいのです。気づかれないほどの心構えです。

その安心感を求める感覚は、子どもの方が繊細かもしれません。構って欲しいという欲求を叶えるために、人は大胆な手段をとることがあります。自分でさえ、自覚しないまま、いわば無意識の大きなプランにつき動かされているかの如く、目的を達成するために思ってもみないような方法で叶えようとすることがあります。そんな力を秘めているのが人間なのです。その子どもの声に耳を傾けておくことと、世の中で流行っていることの本当の意味を考えておくことは、大事なことのように思えてきます。

今年の前半は、まるで別世界の中を生きてきたかのように、あっという間に過ぎ去ってしまい、夏から秋、そしてこの冬までの時間の流れの早いこと。実感として今年はまだ半年ぐらいしか経っていないような感覚に襲われます。こんな時は、私はもっぱら瞑想します。長い人生の全体を見渡してから今を見つめることができるような感覚を思い浮かべながら、しっかりと今を生きたいと思います。今年最後の一か月、お楽しみ会の上映を楽しみながら、有意義な時間を過ごしましょう。新しい年をきちんと迎える心構えを作っておくためにも。

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