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STEM保育・自然科学

都会の真ん中で「土」作り始まる!?

2020/06/04

子どもたちのために保育園の周囲に、できるだけ「自然」を取り戻したいと、事務長の神宮司さんにお願いしたら、なんと本格的な「本物の自然」がやってきました。神宮司さんは根っからの自然派であり、しかも「本格」でありながら、そのエッセンスを、子どもたちの身近なところに実演(再現)してくれます。その数々は後でご紹介するとして、オンライン保育園の活動の中で、まだご紹介していなかったものが「稲作」と「土つくり」です。今日は「土つくり」をご紹介します。

◆3階建ての「おうち」の中に住んでいるのは・・

やってきたものは3階のベランダにあります。この生き物が住んでいる「お家」は3階建てで、1階は「ふかふかのリビング」で2階が「ダイニング」です。3階は今後住民が増えた時のためのスペアエリアです。この生き物は野菜が大好きで、給食で出る野菜くずを与えると、数日のうちに食べてしまいます。そして、1階の「ふかふかしもの」が増えていきます。実は、このふかふかしたものが「土」です。

◆土を作ってくれているものは、・・

さあ、この「土」を作ってくれている生き物はなんだと思いますか?それは・・ミミズです。正確にはイトミミズ。正確には、なんて言っても、あんまり興味がわかないと思いますが(苦笑)、有機物の多い土の中には、たいていミミズがいるのが日本の土壌でした。しかし、そうした土になるまでには、かなり長い時間がいるのです。昨年秋、雨上がりの木場公園で、子どもたちが大きな「ミミズ」を見つけた時は、大騒ぎでしたが、そのミミズ君たちが保育園にやってきたのでした。

◆そっと覗いてみると・・

ミミズは暗い土の中にいるので、光が当たると土の中に潜ってしまいます。そこで、神宮司さんに、そっと「フロア」を持ち上げてもらい、リビングの階をのぞいてみると、います、います。お昼寝の時間に起きていた子たちと、その様子を観察しました。眩しくなって、急に「にょろにょろ」と動き出して土の中に隠れてしまいました。

◆土は生態系の土台である!

ミミズが住んでいる土は、地球の陸上の生態系の基盤です。土の中には色々な微生物が住んでいて、雑草が生えて、何十年すると雑木林ができ、微生物も増えて葉っぱなどを腐葉土に変えてくれます。その間に昆虫なども生息する場所となり、昆虫を食べる小動物が暮らし始め、またそれを捕獲する野ウサギやタヌキなどのいる森になっていきます。そして土の生態系の頂点に大型のイヌワシやタカなどがいたのです。陸上生態系のピラミッドが出来上がっていました。

◆生態系の体験にも・・

しかし、そうした土を土台とした生態系、つまり雑木林や森は都会にはありませんから、その生態系の繋がりを感じることができる一部分を、子どもの身近な生活圏に持ち込みました。毎日食べている食べ物がどこから来るのか。産地を示す「かまぼこ板」が玄関に展示されました。その残菜を、ミミズくんたちが食べて土が生まれます。その土がベランダや屋上で育っている野菜や果物の栄養に使われます。そしてイチゴやスイカ、キュウリやトマト、ナスやゴーヤが育っていきます。私たちが、そうした自然の循環の中で生きていることを、断片的ですが感じておくことで、小学校以降の学びの「根っこ」につながることでしょう。

 

 

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