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園長の日記

なぜ成長展を一旦中止したのか

2020/02/26

◆この2週間の「重要な時期」を重視

成長展は入園説明会や保護者会のような「関係者のみの一定数に限定された行事」か、それとも「多数が集まる行事」か?この境目をめぐる判断を迫られた結果「今(この2週間)が極めて重要な時期」であることを加味して判断しました。成長展の目的は子どもの育ちを保護者の皆さんにお伝えすることですが、どうしても、このタイミングでなければならないと思えないので一旦、中止して別の方法でお伝えすることにしました。

◆消えた「分散参観」プラン

少し裏舞台をお話しすると、政府の方針を確認して昨日25日に用意したプランは、2部制にして分散して参観してもらう方法への改善でした。その案を念頭において千代田区に相談し、藤森統括園長とも話し合い、3グループに分けて1時間ごとに入れ替わる方法を検討しました。同じ頃に千代田区教育委員会が昨日25日に決まったらしい「延期または中止の判断基準」がメールで届きました。基準が明確になったので、判断がしやすくなったのです。

◆すでに市中に潜伏しているかも

一旦、中止の判断のために「今が極めて重要な時期」であることを加味したのは、次のように考えたからです。この2週間で市中感染を遮断することが重要な時期だからです。この病原体が見つかっている場所は、人の人体からだけです。肺炎が悪化して重症化している患者さんからです。不幸にして亡くなった方は高齢で何らかの疾患を持っている方が多いのは報道されている通りです。そこで想像していただきたいのですが、このウイルスは、疾患を持っていて高齢者だけを狙っているのでしょうか?そんなことはなく、誰にでも公平に満遍なく多くの人にすでにうつっていると考えた方が自然かもしれません。

◆保育士が罹患のニュースに注目

ただ症状が風邪程度で治ってしまっている方がたくさんいるのでしょう。さらに症状も出さない不顕性の感染者が元気に生活しているのかもしれません。検査されていないので、どれくらいに広がっているのかが実際にわからないのです。保育園の保育士さんが罹患したと報道されています。保育園関係者から「陽性」が出ると、深刻な自体が進行します。保育園休園になるからです。

◆確実なのは、これから増えること

ただ、はっきりしているのは、今は入り口であり、確実に今後増えるのです。不確かなのは「急か、ゆっくりか」です。政府は増えるのは仕方がないから、せめてゆっくりと増えて時間を稼ぎ、その間に医療体制を充実させたいと言っています。気温が上がると感染力が弱まるようなウイルスであってほしいのですが。

成長展の展示の仕方はまた考えてお伝えしますが、それとは別に、いま日本中で起きている新型コロナウイルス対応は、これからの世界をサバイバルしていくときの、絶好のシミュレーション学習になります。まず、この病原体の対策の判断が2週間遅れてしまいました。いつになったら、病院が民間の会社に検査依頼できるようになるのでしょうか。

◆オフピークはいつか?

もしかすると、こうイメージしないといけないのかもしれません。数ヶ月後に特効薬が用意され、簡易検査キットが一般の病院に配備されている状態になる。予防接種も開発されるでしょう。そうなると多くの国民は一安心です。でも、それは今のインフルエンザのようになると言うことです。そして、時が経てば、誰もが抗体を持つまで蔓延することになります。そうなった時に初めて、今あるインフルエンザの方が罹患率も致死率も高いことに気づき、どうして昨年は、コロナにあんなに恐れたんだろうと振り返ることになるのかもしれません。

◆メソニエ局長は「世界的な大流行が近い」

しかし、今は違います。まだ特効薬もありません。一般の病院の医師が診断を下す手段がなく、私たちは症状が出ても4日間自宅で様子をみることになりました。アメリカの疾病対策センター(CDC)のメソニエ局長は「世界的な大流行が近づいている」と明言しました。私は211日の時点で「剣ヶ峰」だと思ったのですが、やはりその後に感染源のわからない患者が続発して今に至っています。昨日になって政府は「分水嶺」だと言っていますが、今の数字は氷山の一角、多分10倍以上の数字の人々が生活していると思った方がいいと、私は想像しています。間違っていることを願いますが。

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