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園長の日記

台風19号の教訓

2019/10/14

◆甚大な浸水被害をもたらした台風19号

14日午後9時現在で死者48名を出した台風19号。今日までに色々な方と情報交換しましたが、明日以降に新たに被災を知ることになるかもしれません。保護者の皆さんのご親戚やお知り合いの方は、浸水被害に合わなかったでしょうか。もし被災さた方がいらっしゃったら、心よりお見舞い申し上げます。

◆計画閉園のありがたさ

今回は10日(木)正午に千代田区教育委員会が「閉園」を決定しましたが、その正しい判断によって、保育園は心に余裕を持って12日を迎えることができました。とても有難い「計画閉園」でした。11日(金)夜の時点で、閉園を決めた自治体もありますが、それでは遅いと批判されています。10日に決定してもらったことで、その日の午後、土曜保育を予定されている方へ電話連絡をすることができました。もし閉園決定が前日11日だったら、連絡を受けた保護者の方も、さらにお勤め先にとっても、さらには事業所のお客様などへの連絡も後手後手になってしまうことになったかもしれません。

今回の台風の接近で、予め強い警戒が必要だったことからJRを始め交通機関各社が計画運休を決めたことも、多くの会社が早い段階で休業を決定できた要因にもなっています。もちろん安全第一の判断からですが、日本の企業はギリギリまでお店を開く風土が残っています。サービス産業は特にそうならざるをえません。

◆最大の反省点は浸水対策の見通し

しかし記録的な大雨になるという警報が、こんなに広範囲の河川氾濫を引き起こすことは想像できませんでした。台風15号の学習効果もあって、前列のない強風を警戒することが優先されたため、多くの方がその対策をして土曜日を迎えてたはずです。私は今回の「計画閉園」のおかげで、前回15号の時のように事前に泊まり込む必要がないと判断しました。

しかし土曜日は自宅で悶々としていました。それは荒川の氾濫です。もしその兆候が示唆されたら、一階の荷物を最大限2階にあげる必要があるからです。浸水ハザードマップの正確さは知っていました。

今回はそれが最大の反省点です。もし荒川が氾濫したら、最大3メートルまでの浸水がありえます。地下鉄も水浸しになり、大混乱です。シャッターのない玄関の自動ドアからの破壊浸水がありえます。この弱点はすでに話し合っていましたが、こんなに早く心配することになるとは思いませんでした。1階に事務室があるので、その機械類は2階に移動させることができません。したがって浸水を絶対に防ぐ必要があります。

その点では、敷地が狭いから否応なく2階に作らざるをえなかった調理室ですが浸水対策としては都合がいい配置になりました。

◆平日でも閉園ができる体制が必要

もう一つ、保護者の皆さんと共有したい認識は、安全確保のために、減災準備ができるような計画閉園の徹底です。今回は土曜日でしたが、もし平日だったらどうでしょうか。同じように準備ができたでしょうか。前日まで保育を実施してその夜から2階に荷物を上げるということは非常に困難です。前日の午後から休園の措置などをとる必要が出てくるかもしれません。

「計画閉園」は今回のように区教委の指示のもとに決定するものです。これは小学校、中学校などの学校閉鎖、学級閉鎖と同じです。それが福祉施設である保育園は、これまではなかなか「閉園」できませんでした。

そこで、保護者の皆さんがお勤め先との板挟みならないように、会社から従業員であるみなさんの子育てに理解と協力をいただけるように、保育園からの依頼状などを発行することは可能です。

少子社会の子育て支援としての働き方改革は、日本は欧州先進国並みに、もっと強力に進めるべきだからです。平時でさえ、必要なのですから、義務教育機関である学校と同じように、子どもの安全確保のために、閉園することに理解をいただきたいと思います。

◆緊急一斉通知の手段を導入します

そのようは緊急措置が必要になった時、保護者のみなさんに速やかにお伝えする通信手段を確保する必要があります。姉妹園の経験から、一斉配信メールは保護者の方が気づかない、読まれないことが多いので、千代田せいが保育園では導入を見合わせてきましたが、早急に導入します。ただし、ポップアップ表示のように、スマホ画面に情報が届くとサインが出るような機能を持ったものにします。

なお、食品の備蓄などを充実させるために、現在、千代田区へ備蓄倉庫の設置を相談させてもらっています。

 

 

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