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園長の日記

見学レポート2 園庭の意味(下)

2019/07/24

◆千人を超える園の散歩先は?
7月23日、見学2日目の午前中は、マイ・ファースト・スクール(MFS)の中で最も規模の大きい保育園で、園児数は1000人(千人)を超えます。これだけ大規模になると、私の常識では理解が及ばないことばかりでした。
散歩先は屋上です。散歩コースは巨大園舎のなかに設けられた巨大なスロープです。膨大な保育需要に対応するための、緊急手段なのでしょうか。
巨大な住宅地に巨大な保育園。それでも子ども一人ひとりの主体性を発揮できる生活の場所作り、保育作りに挑戦しようとしています。よりよいかどうかは別にして、工夫すればこんな大胆なことも出来るという見本かもしれません。スロープも散策エリアにしたらもっと面白くなりそうです。千代田せいがの廊下も絵本ゾーンや探索できるようにしたいですね。
◆ショッピングモールの中の園
MFSの園最後の、見学5つ目の園は大型ショッピングモールの中にありました。入り口に立っても、旅行代理店か何かの入り口のようにしか見えません。同じような施設は日本にも駅前や駅ビルの中にある保育園はたくさんあるので珍しくありません。驚いたのは園児の定員が300人を超えていたと言うことです。園庭はありませんでした。
◆マレーシアの保育園
さて、立地条件や制約がある中で、子どもの発達をどうやって保障していくのか、シンガポールの「今」を見てきました。1965年8月9日にシンガポールはマレーシアから独立しましたが、その独立記念日が近いこともあるのか、耳をつんざくような戦闘機の爆音か時々私たちの会話を中断させます。18歳になると2年間の徴兵があります。
見学の最後は、その隣国マレーシアの園です。シンガポールから車で15分もありません。その園の隣は道路を挟んで本物のジャングルがありました。雑木林ではありません。日本では見られない背の高い植物が繁っていました。午前中にはそこで1時間遊んできたそうです。子どもたちは、石や植物などの自然の素材をふんだんに使って見立て遊びや制作 、造形活動が盛んです。
人口密集地の園庭のない園から一転、園庭が無くて困るのではなく、ジャングルがあるから「いらない」という園環境です。たしかに、人間の歴史で園庭が登場するのは、フレーベのキンダーガーデン前後でしかありませんから「園庭」があるからよくて、ないからダメというのは発達に必要な「普遍」を見えなくしているかもしれませんね。なんとも面白い一日でした。
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