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園長の日記

保育環境セミナーで、子ども主体の保育を考える

2023/09/05

今日は保育環境研究所ギビングツリー(GT)が主催している研修会「保育環境セミナー」でした。高田馬場に全国から約180人が集い、オンラインを合わせると300人以上が参加しました。これは年3回のシリーズで開いているもので、今年の統一テーマは「人的環境」です。そのサブテーマは前回7月11日が「子ども同士の関わり・異年齢」でしたが、それに次ぐ2回目の今回は「子ども主体」でした。次回9月は「チーム保育」になります。この研修会は初日の午前中と3日目は園の見学です。中日の今日は講義や実践発表、質疑応答があります。

今回のサブテーマ「子ども主体」は、子どもを主人公にした保育のあり方を考えようというものです。「随分と前から大事にされてきたはずなのに、まだ保育で十分に実現されていない言葉の一つかもしれません」。そんな話から藤森平司代表の講義は始まりました。確かに「子ども主体の保育」はよく使われる言葉ですが、その保育の実際となると色々あります。

今回の研修会では、まず「子どもが主体になる保育」は、こういうことになるのではないかという保育事例をかなり多く確認することができました。要領や指針をはじめ、子どもの権利条約や、こども基本法、OECDの報告書、関連する研究結果などから、主体性やエイジェンシーなどが、どう使われているのかを整理し、その上で保育実践を検討する機会になりました。キーワードとして自己決定、選択、参加・参画、見通し、振り返り、話し合い、遊びといった側面から保育の特徴を抽出するという内容になりました。

午後からは当園からも担任二人がパワポで子どもの姿を映し出して実践を30分報告しました。乳児では3つの関わりの視点から。満2歳4ヶ月の子が8ヶ月の赤ちゃんに遊具を差し出して「いる?」とか「こっち?」とか、「相手がどうしたいのかを子どもが子どもに聞く姿」や「お友達がやってあげたいと思っていることを察してさせてあげる姿」などです。これらを「子ども同士がお互いの主体性を尊重し合っている」と捉えることができるだろう、というものです。

幼児では、子どもたちが何をして遊ぶかを1日に2〜4回ほど話し合う機会があること、複数出される「やりたいこと」が話し合いの中で相互に確認され、同じ時間にやりたいことが重なってできない時は場所を変えたり、やる順番を変えたりと工夫する姿が見られます。半年近くたち最近では月曜から金曜まで1週間でどの日に何をするか大まかな週案を決めるようになってきていることなど、子どもと大人が話し合って生活を作っていく様子を報告しました。

そこには子どもからの工夫やアイデア、達成するまでに必要なプロセスなどを思いつく姿もあります。例えば「新幹線で大阪へ行きたい」といいだし、どうしたらいいか話し合っていく中で「実現するにはみんなで電車に乗れるようにならないと」と、電車で公園にいく活動が始まったことが取り上げられました。

子ども主体の保育は、保育者が「子どもに尋ねる保育」になっていきます。相手がどうしたいのか、どう思っているのか、どう考えているのかを知ろうとすること。それは大人がそうしていることを子どもも真似て、取り入れていくのでしょう。人的環境としての大人の役割なのでしょう。保育者も子どもを見て想像して理解する、ということにとどまらず、実際にどうしたいのか聞く、たずねる、確かめる、どうなのか丁寧に寄り添うという姿勢になっていきます。

また子どもに選択できるように、色々と用意する、ということにもなります。先生が決めて用意したことを、子どもが意欲的にするなら自主的な行動と言えるでしょう。そこから一歩進めて「参画する」となると、まだ決まっていない活動内容そのものを作るプロセスにコミットすること、意見なり思いがそこに反映されることが子どもに見え、手応えがあること。自分の意思決定が何かに影響を与え、自分がそこに参加している一員であるように感じること。そういう意味での意思決定や選択、相互尊重などが含まれてくるような生活づくりです。このような積み重ねが、あの「主体的、対話的で、深い学び」になっていくように感じます。

 

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