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園長の日記

子どもの成長を感じるとき

2023/09/01

園だより9月号「巻頭言」より

今朝、ある遊びを私に提案しにきた子どもたち。それがまた丁寧に真面目な顔をしているからおかしい。「ねえ、園長ライオン。運動遊びをしたい」。それが朝の9時35分だったから、もう朝のお集まりの時間だ。その様子を見ていた主任が「40分まで」、とロスタイムをくれた。そこで、私は「あと5分しか遊べないよ」というと「うん、大丈夫!」という。「え〜、ほんとかなあ。遊び出したら、もっとやる!とか言って、ちっともやめないんじゃないの」といってみた。ちょっと考えている風に見えた。私は運動ゾーンの壁の時計を指差して「今、時計の長い針が6と7の間でしょ。これが8になったら、おしまいなんだよ」と説明したら、すぐに例の遊びが始まった。ルールはみんな熟知している。

そして、あっという間に時間がきた。するとどうだろう。何も言わないのに、NちゃんやYちゃんはネットが降りて、さっさと靴下と上履きを履き、お集まりを行う二階へ向かって移動していくではないか。ほう。感心した。そういえば、今年の春、年長のクラスに進級したこの子たちは「切り替え名人になりたい」という目標を語っていたことを思い出した。それがこうやって自分達の姿になっているではないか。きっと本人たちは、そんなことを言っていたことは忘れているかもしれないが。

朝のお集まりでは、グループに分かれて座る。出席は名前を一人ひとり呼んだりはしないで、司会の当番の子どもが「赤グループさん、お休みは何人ですか?」と、など聞くと、「誰々ちゃんがお休みです」などと答えてくれる。こうして誰がどうしてお休みなのか、分かり合ってから一日が始まる。お集まりの大事な役割になっている。その相互理解がとてもスムーズになっている。

ホワイトボードに、3歳、4歳、5歳のお休みの数が、1、2、1などと書き込まれる。「ということは、今日は全部で何人のお休み?」「4人」などという会話がなされる。これは足し算。さらに幼児は3クラス合計で26人なので「すると今日は」「22人」という声が返ってくる。こちらは引き算。ゲームやクイズのような感覚で毎日繰り返される。

その後はどこで何をして遊ぶかを、子どもたちの司会進行できまっていく。年度の初めなら3つだったゾーンが、先日は「じゃあ、先生の代わりをしておくから」と4つのゾーンを開こうと決まっていた。だんだん、先生の役割がいらなくなってきた。

自分達で自分達のことを決めていく。そこには言葉はまだ拙くても、子どもなりの考えや工夫や協力が見られる。担任はそうした様子を動画とパワポにまとめて来週、ある研修会で発表することになった。その原稿を読んでいて、子どもの成長を感じて嬉しくなる。

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