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園長の日記

インフルエンザが猛威

2023/03/22

一寸先は闇。一晩で様相が一変します。職員がインフルエンザにかかり、保護者の皆さんには大変ご迷惑をおかけしています。申し訳ございません。職員はインフルエンザのワクチンは打っていたので、いくつもある予防策は抜かりなく講じていたわけですが、それでも蔓延するときは一気でした。昨年、一昨年と全くと言っていいほどインフルはなかったので、素人ながら、コロナが下火になった今がインフルにはチャンスなのでしょうか?感染のグラフをみると、今年もダラダラと低飛行で推移するのかと思っていましたが、当園には遅れてやってきました。ワクチンの効果も落ちていた時期でもあるでしょう。

よく病気の治療に対症療法と根本治療などと対比させることがありますが、今行っている感染予防対策は、人類の感染症との戦いの歴史から見れば、いわば対症療法のようなもので、本来の原因は、人の接することがなく閉じた環境で進化した菌やウイルスが、人の世界と接点を持ってしまったことに由来するでしょう。これだけ自然を資源としてみなして開発してきた恩恵と損害をどう見るか。どこにでも住んでしまう人間のグローバル化。それを止めるというのは至難のわざ。

だとすると、ワクチンや治療薬の開発が不可欠になっている現代社会で、何百万年もの自然淘汰にさらされて出来上がった私たちの身体なのに、つまりいろんなものに適応できるようになっているはずなのに、今度は私たち自身が急激に環境を変え過ぎて適応できなくなってきました。それは地質学では「人新世」と呼ばれる時代に入ったという考えがあるほどです。病原菌との接触もその一つ。ヨーロッパの人が南米などの大陸に病原菌を持ち込んで、その免疫のない多くの人々が病原菌で亡くなったように、今は地球規模で生態系が崩れ、私たちの生活の中にいわば「外来種」のように病原体が入り込んできたと見ることもできます。

ウイルスの世界でも競争があるようで、コロナウイルスもそうですが、それが新型インフルエンザと呼ばれていたことを忘れてもらっちゃ困るとばかりに、従来のインフルエンザが当園を襲っています。コロナが5月に5類になったとしても、その5類のインフルエンザで毎年3000人程度がなくなり、超過死亡の推計も合わせると1万人はいると言われています。年によって流行の差があります。今年はどうなるのでしょうか。

人類文明がここまで来てしまうと、きっともう引き返せません。温暖化は氷河などに封印されたいた病原体を地上に露出させるとも言います。地球規模で地理的な防衛線が突破されている以上、国や地域や家や施設の単位で守るか、個人の免疫力を高めるか。副反応が怖いワクチンは勘弁してもらいたいように、人工的に個人の免疫力を高める方法に依存していく予防医学も、本来的とは思えません。予防接種に完全に依存しているのが私たちの今の身体ですが。

いくつもの防衛前線(戦争用語で申し訳ないのですが)があります。知恵を出し合って協力していきたいものです。少なくとも施設が唯一の感染源、感染のフィールドのように捉えられると辛いです。確かに身体接触が不可欠な乳児のいる保育園では、濃厚接触をしないことは難しい。一方で子どもは罹患しながら免疫力をつけるという面もあります。斉藤幸平さんのように資本主義の限界を考えることも、温暖化を考えることも、むやみに資源を開発することを止めることも、早寝早起きの生活で免疫力を高めることも、家庭での清潔についての習慣作りも、それぞれが大事な「防衛前線」のように思います。総力戦なのです。できるだけ家庭や職場でも防衛していただければ幸いです。

 

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