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アートと保育

第3回 親子運動遊びの会

2021/10/24

第3回親子運動遊びの会を開くことができて、本当にホッとしています。後片付けを終えて園に戻り、12時半から1時間ほど反省会を開きました。全員で感想を話し合いました。コロナ禍にあっても、なんとか開催できて、子どもたちも楽しそうだったので、よかったという感想がベースなのですが、私たちからの目線だけではなく、ぜひ、保護者のみなさんからも感想をお寄せいただけると嬉しいです。

今年も青木尚哉さん率いるダンスグループZero(ゼロ)のダンサー、芝田和(しばた・いずみ)さんと宮崎知佳(みやざき・ちか)さんと一緒に自由に体を動かして楽しむことできました。反省会で出た言葉を、以下、カッコ「 」付きで繋いでいくと、「時間は短かったのですが、いろんな要素がぎゅっと詰まった時間」でした。

特に最後に青木さんのダンスをライブで見てもらったことで、「ちよだせいがの保育が、何を大事にして、何を目指しているのかに共感してもらえたんじゃないか」としたら、私としてもこんなに嬉しいことはありません。決まった振り付けを覚えるのではなく、内面の動き、イメージを外に表すことの素敵さです。

反省会でミュージシャンでもある坪井保育士が「プロのアーティストがやっていることと同じ創造的な活動になっている」と説明してくれました。それを目指しているのは間違いありませんが、そうなっていたら、これまた嬉しい。「昨年の姿を思うと、こんなに積極的に楽しそうに参加してくれて、すごい成長だなあと思った」という姿がいくつも挙がりました。保護者の皆さんはどうお感じでしょうか。

幼児(わいらんすい)の第二部の方では、保護者の皆さんと先生とで、大人が輪になって「鬼さん、鬼さん何するの」をやってもらいました。その姿を子どもたちがみるというプログラムを入れたのですが、「大人が体験してもらうことで、子どもの世界を想像してもらいたいし」「親子が一緒に生きる世界が重なって、同じ感覚を共有できる」「小学校にも、そういうのはある」などの感想がありました。どうだったでしょうか。

青木さんは「これするの、のところで、何もしないで、じっとしておく、もアリです」といっています。

私は何かの目的のために頑張って、その頑張りが褒められるという評価の仕方は、小学校以降でいいと考えています。知識や技能のコンテンツがいっぱい待っています。発達課題としても目標に向かって何か学ぶ「勤勉さ」は獲得してほしい。でも、そのとき「劣等感」を持たせないようにしたい。

だからこそ、就学前の乳幼児期には、その部分は半分でいい。残りは条件のつかない自信をいっぱい育ててあげたい。多くのコンテンツを自分から獲得に行ける意欲の根っこを太くしてきたい。エンジンを大きくしておきたい。

そのままでいいという無条件の愛と承認が、この時期の子どもたちの必要条件です。その温かい人間関係の土壌から、自分で目覚め、立ち上がり、歩んでいく力が育ちます。多少早くコンテンツを詰め込んでも、そんなものは1年も立たないうちに追いつかれます。

体を思い通りに動かすことの自由。脳の発達の柔らかいうちに、その創造力の元の元、をいっぱい動かしておきたい。大人が「鬼さん〜」をやってみて、その難しさ、自分の頭の硬さ、発想の貧弱さを感じませんか? 私は最初恥ずかしさを感じ、やってみると難しさを感じ、何度かやっているうちに面白くなって、その心の変化を実感しました。子どもはそこが解放されると、中から湧き上がってくるようになります。

わになって遊ぶわらべうたを、たくさんやったほうがいいなぁと、気づいた瞬間でした。

子どものその素晴らしさは、自分の体だけではなく、考え方、感じ方、試し方、生き方も自分なりの自由な精神性の開発につながっていくでしょう。その道筋はさまざまでいい。その子らしさの世界は広く、深いものです。

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