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園長の日記

こんな子どもの姿に寄り添いたい

2021/08/27

(園だより9月号 巻頭言より)

子どもの意見や考えに耳を傾け、心を寄せることができる大人になりたいと思うときって、ありますか。私も含めて「子どもは不完全で、大人は完全だ」と勘違いしている大人がいっぱいです。なので、子どもの意見や考えに近寄ろうとしないとダメだあ、といつも反省することばかりです。でも、どうやって? どういうことが子どもに寄り添うということなんだろう? そんなことばかり考えながら、これまで保育の仕事をしてきました。

そこで、私にとってヒントになったのは、次の5つの「ウェルビーング」の視点です。この視点で子どもを見つめてあげることでした。

 

まず、一つ目は子どもが遊びに没頭している姿です。時間を忘れて、我を忘れて物事に積極的に関わっているとき、子どもは「その子らしいな」と感じます。園生活に遊び込んでいる時間をたくさん作ってあげたいと思います。

二つ目は、子どもが闊達に感情が躍動している時です。楽しい、嬉しい、面白い、おかしい、愉快だ、すご〜い!そんな姿の時は子どもの心がポジティブで「今、新しい世界を見つけたんだよ!」とでも言わんばかり。私たち大人の心も明るくなりますね。

三つ目は、子どもが「ねえ、できた!」「これ、みてえ!」と何かを達成したときです。やったあ!という達成感や満足感が全身からあふれ出そうになっています。わあ、すごいねえ。よし、飾ってみよう。みんなに見せてあげよう。子どものセンスや努力や興味・関心の力強さが表れています。

四つ目は、友達や仲間との心のやり取りです。これはみていて微笑ましいし、人が人であることの証を見せてもらっているような幸せを感じます。妹思いのお兄さん、弟思いのお姉さん。じつの兄弟姉妹ではなくても、異年齢の大家族のような生活の中に芽生えるやさしさ。助けてあげたり、教えてあげたり、分かち合ったり、思いやりを受け取り、与え合う関係の発達が園生活にたくさんみられます。

そして五つ目は、こんな子どもの存在自体が愛おしく、その「かけがえのない命」の営みの神秘、不思議さを感じながら、ともに子育ての仲間である所属感を充実させること。それができることへの感謝。子どもたちから、勇気づけられ、生きる意味を見出せることへの充実感。

この五つに名前をつけるなら、「没頭」「ポジティブな感情」「達成」「思いやり」「人生の意味」ということでしょうか。こんな子どもたちの姿が混ざり合い、響き合いながら、毎日の生活を常に新鮮な時間に蘇らせていきたいと強く思っています。

 

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