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アートと保育

活況だった屋台のお店やさん

2021/08/18

「いらっしゃ〜い、いらっしゃ〜い」。屋台のお店から売り子の声が聞こえてきます。「園長先生も買ってって〜」と呼び止められて、「わあ、おいそうなアイスに綿菓子、ドーナッツもカラフルで綺麗だなあ」と返事。ちょうど入園先を選んでいる見学者の案内をしていたのですが、2階の屋台マーケットは、活況を呈していました。

お祭りにつきものの屋台ですが、コロナ禍でまともにお祭りを経験してない子どもたち。でも4歳のらんらん、5歳のすいすいの子どもたちは、お祭りの夜店で「買ったことある〜」と教えてくれる子もいて、屋台のイメージを持っているようです。この2年間、ブランクを感じさせない子たちで、私はホッとして、嬉しくなりました。

昨日と今日の2日間、子どもたちが作り上げた屋台マーケットですが、すでに「お持ち帰り」でご覧になった方はご存知だと思いますが、どれもよくできていて、物をよくみているなあと感心です。焼きそばの上に乗っているのは、キャベツとにんじん、赤い紅生姜のトッピング。わたあめの袋は、「せいがぼうや」のお見本を真似て描いた子どもたちの絵です。たこやきの緑色は青のり、パックにはかわいいタコの絵もついています。

世の中はVR(仮想現実)やAR(拡張現実)が流行っていますが、子どもたちにとってはアナログな模倣が創造力の源泉です。実際の生々しい体験が大切で、その生々しさが何事も基準になっているからこそ、何かの模倣、何かの仮想、何かの拡張ということもわかることになります。最初から仮想や拡張だけの体験は、実に危なっかしい。

五感をフルにつかった実体験の面白さがあって初めて、それを再現したい!という強い欲求が生まれます。幸いなことに「食べる」ことだけは、代わりのもというわけにはいかないので、食べ物屋さんがメインの屋台になっているのは、わかる気がします。子どもたちにとっての食体験は、やっぱりインパクトが大きいのですね。

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