MENU CLOSE
TEL

園長の日記

ホームとアウェイの意味

2019/04/10

【新井課長がご挨拶に】

千代田区は、珍しい。何が珍しいかというと、保育園の所管が教育委員会だということです。多くの自治体では保育園は福祉民生部局が所管します。千代田区では保育園を教育委員会が所管するのですが、私はそれはとても好ましいことだと思います。保育と言うのは学校教育以上に、本当の意味での教育的な営みだからです。ただ、乳児を含めた児童福祉の専門性にやや乏しいと言う感は否めませんが。
一方で、他と同じように変わらないのは、4月1日付けで人事異動があることでした。千代田せいが保育園の開園まで大変お世話になった子ども支援課の加藤課長が、残念ながら異動になりました。
しかし、これまた千代田区は珍しいことがありました。というのは、加藤前課長が新しく就任なさった新井課長と共に、わざわざ当園にご挨拶にいらしたことです。新井課長は3月まで区立児童・家庭支援センターの所長をなさっていましたから、私は2月にはセンターでお目にかかっており、驚きました。4月からは私たち保育園を束ねる直接の「上司」という関係になります。新井課長、よろしくお願いします。
【子どもの居場所】
ところで、先週水曜日から、子どもたちは一人で過ごし始めましたが、すっかり慣れている子が多い4歳児クラスのらんらんさん達に比べて、歳が下がるにつれて保育園生活に慣れるのも時間がかかるものです。私は2月の入園説明会で「最初は保育園がアウェイでも、そのうちホームになりますよ」と言う話をしました。サッカーでは相手チームの国で戦う時アウェーといい、自国で戦う時はホームと言います。いつものパフォーマンスを維持できるのはホームでの試合です。サッカーはホームの方が勝率が高いのです。なぜでしょうか。スポーツ解説者によると、客席の応援団が敵か味方かによって、精神的なパフォーマンスが全く変わってくるからだと言うのです。
この話を「慣れ保育」中の子どもたちに当てはめると、その子にとっての環境が敵か味方かと言うことになるでしょうか。子どもにとって「環境が味方ですある」と言うのは、例えば大好きな親がそばにいて、大好きなおもちゃがあるといったことです。つまり、ホームでは人と物が味方になっています。
そうすると、子どもたちにとって保育園がホームになっていくことは、どの子にとっても保育園の中に、何か困ったり悲しかったり寂しかったりすると、駆け込める安全基地が必要と言うことです。パパやママの代わりの保育士がその役割を果たします。
そして、心落ち着く空間や、心惹かれるもの、好きな遊びや心の落ち着ける場所、興味ある遊具等も必要となるのです。そして保育園が家と同じような自分の居場所となっていきます。子どもが保育園で安心して過ごせると言うのは、怪我をしないとか、トラブルがないといった事ではなくて、自分らしくのびのびと、自己が発揮できるということです。
【家庭と園をつなごう】
集団の場である保育園と、親子関係が軸となる家庭とでは、人間関係の幅が違います。保育園が家庭と同じようなホームになるには、家庭と園の環境がつながっていると、子供は慣れやすいのです。家で馴染んでいるぬいぐるみや毛布、肌に身に付けておくと安心できるもの、そういったものを保育園に持ち込むことも良いでしょう。それによって寂しさを乗り越え、周りへの興味が湧いてくることもあります。千代田せいが保育園は、子供たちが大好きな景色に恵まれています。自動車や電車や船を、園にいながらにしてみることができるのですから、こんな環境を生かさない手はありません。今日はこんな話を先生達としました。
top