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園長の日記

音楽と遊びの関係

2021/03/09

今日は噂の音楽隊(昨日のちっち・ぐんぐんのブログ)を見てみました。お昼ご飯が終わると、絵本や紙芝居を楽しむ時間があるのですが、お昼寝に入る前に歌を歌います。伴奏は先生のギター。その様子がとっても楽しそうです。子どもが歌を歌う動画が世界で人気ですが(先日も2歳11ヶ月の日本の女の子の「まいごのこねこちゃん」を歌う様子が可愛いと話題になっていました)、歌を歌ったり踊ったりするのは、これまた、とっても人間的な特徴の1つです。こんなに小さい頃から、音楽を楽しむことに、どんな意味があるのか、これまた議論が尽きないテーマになります。

歌を歌ったり、楽器を演奏しようとしたり、自然と体を動かしたりすることは、私たちは何も不思議に思いませんが、よくよく考えると、動物はそんなことはしないし、人間に最も近い霊長類もしませんから(似たようなことは一部しますが)、これも持って生まれたものだということになります。ただし歌や楽器などは経験的なものですが。そこで、音楽について保育との関係で考えられる意味は?と言えば、やはり「音楽」も典型的な「遊び」であるという話になります。

「ホモ・ルーデンス」を著したホイジンガは、その中で、「楽器を操る」という意味の言葉が、「遊ぶ」という言葉と同じ言語がいくつもあると紹介しています。ゲルマン言語やスラブ語、それからフランス語もそうだそうです。この本は遊びの文化的特徴をいくつも取り上げていますが、音楽は他の遊びの因子と同じものがいくつもあって、その1つが「リズム」や「ハーモニー」です。音楽が持っている遊びの要素に思いを回らし出すと、子どもにとっての遊びが心を育てる、心に響く遊びになっていることにも、納得します。

人間は太古の昔から、音楽とともにありました。音楽や踊りは目に見えず、石器や洞窟のように残らないので考古学的な研究が難しいと言われていますが、現代でも伝統的な生活を維持している民族で、音楽のない部族はありません。多くの哲学者や文学者が、この音楽の謎に迫りましたが、こんな小さな子どもたちがいろんな歌に夢中になって「楽団」のように遊んでいるなんて、とても稀なことかもしれませんよ。

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