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アートと保育

音楽が身近にあることの幸せ

2020/12/05

お楽しみ会は劇だけではなく、「歌」も歌うのですが、人類が音楽に目覚めたのは言葉よりも早いという説があるくらい、人と音楽は切ってもきれない関係にあります。どんな関係かというと、喜びや驚き、恐れなどの感情の表出にはリズムや高低が異なる「音」が湧き出てくるという関係です。音は私たちの身体が放つものなのです。身体は楽器であり、色々な音を発しています。手を叩いたり、膝を叩いたり、足を踏み鳴らして音を出すときに、リズムも生じます。ちっち組のU先生はキーボードで、太鼓の音を出して、パーカッションのようにリズミカルな音を奏でると、子どもたちは嬉しそうに笑っていました。心地のいいリズム音は、子どもたちに喜びを伝えるのだなあと感心しました。

もちろん声帯も立派な楽器です。言葉を話す時には、必ずイントネーションがついていて、会話には波があります。子どもは、言葉と言葉の間に「ね」をつけてつないでいくことをよくします。「○○ちゃんね、昨日ね、映画をみたんだよ」のように、「ね」の音階が少し高くなります。リズムがあります。「み・い・ちゃん。あ・そ・ぼ〜」とゆっくりと声をかける時、日本人は、「ミ・ソ・ミ・ミ・ソ・ミ」のような2音階の節をつけています。これはもう「わらべうた」です。少し長い文章に節がついて、その意味にふさわしいメロディがつけば歌の出来上がりです。

わらべ歌を歌いながら手遊びをするときも、手を叩いたり、膝を叩いたり、友達と手を合わせたり、そうした遊びも音楽的ですね。1日の中で歌を歌う機会はお集まりの時にあります。楽器で伴奏音を奏でることで「集まりが始まる」合図にもなっています。

例えば昨日は中川李枝子さん作詞の「手をつなごう」をギターで伴奏すると、何人かが一緒に歌い出してくれました。「あの歌やってえ」とリクエストされるものを一緒に歌っています。楽器を奏でて伴奏し歌を歌うこと。楽器が石だったり木だったりした時代から考えると、人は何万年も繰り返してきた営みなのです。そう考えると、こんなに素晴らしい歌がたくさんあって、何を歌ってもいい自由があることに、感謝です。好きな歌が歌える時代は幸せです。

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