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園長の日記

無症状感染者を特定できる検査方法へ早急な転換を

2020/11/29

毎週ごとに振り返ったり、月ごとに思い返したり、半年とか一年というスパンで俯瞰してみたりすると、やっぱり「コロナ時代」の真っ只中にいる「今」を切り取るための物差しは、14世紀のペストや第一次世界大戦後のスペイン風邪の例を思い出さざるを得なくなり、人類史という「なが〜い」尺度になってしまいます。その結論は、過去に学んでいる人々の知見は、政治の判断に反映されないという矛盾したものです。

原理的にさえ思考すれば、感染を広げたくないなら、病原体がどこにあるかを特定して封じ込めるか、人間の方が抵抗力を持つか、その2つしかありません。ワクチンがまだなく、集団免疫獲得政策が現実的でないこと(スウェーデンも規制を強化中)を踏まえれば、病原体の封じ込め策を徹底するしかありません。それが論理的な帰結です。

春の第一波から、いまだに誤ったままの対策に留まっている理由は「濃厚接触者でない限り、無症状の人には検査はしない」という、厚労省・感染研村の組織的体質を引きずったままだからです。国の方針はPCR検査の劇的な量的拡大を進めないので、市場原理が働かずに民間企業の検査コストも下がりません。この構造問題を改善できないまま、第3波を迎えてしまいました。今の政策では、オーバーシュートは確定的になってしまいました。

8割が無症状で感染し、人に知らない間に移している以上、2割周辺だけを検査しても補足できないのは当たり前です。世界的にみても(台湾)、日本でも(北九州市)、感染源を押さえ込んでいる成功例は、感染が発生した施設やエリアを徹底的に検査しています。ところが日本政府の現在の感染対策は、個人の予防啓発と飲食店だけなので、感染を止めることは到底できません。

第二波は完全に消火しないで、火種を残したままだったので、再発火してしまいました。検査&隔離及び本人及び事業所への補償が不十分なので、検査拒否も生まれてしまいました。とにかく原点に戻って予防検査の充実を急ぐべきなのです。このままでは、緊急事態宣言を出さざるを得なくなるでしょう。本当に困ったものです。

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