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園長の日記

処暑から振り返る1週間

2020/08/23

今日23日は厳しい暑さの峠を超えるとされる処暑です。暑さは確かに少し和らぎました。屋上のひまわりは最盛期を過ぎて夏の終わりを告げています。

さて、8月17日から今日までの1週間は、どんな7日間だったというとーー。お盆休みが終わり子どもたちの数もほぼ定員に戻り、しかも連日30度を超える暑さがつづく「まなつのほいくえん」でした。月曜と誕生会のあった木曜を除けば毎日プールでの水遊びを楽しみ、昨日は初めて「プール開放」もありました。以前も感じましたが、テラスと屋上で水遊びができることで、暑さから解放されます。

◆20日の誕生会から

8月生まれの園児を祝う誕生会では、シルエットクイズを楽しみました。驚くことが2つありました。1つは子どもは「わかったら答えを言わないで黙って手をあげてね」が難しいこと。ハイハイと手が上がると同時に「スイカ!」とか「ちょうちん」とか言っちゃうんですよね。これはしょうがない。

2つ目は、ピカチュウなどのキャラクターへの反応が凄いこと。その人気の根強さがわかります。

あと、もう1つありました。このシルエットを当ててしまうのです。みなさんわかりますか?答えは子どもに聞いてみてください。

◆すいすいの「筆アート」

「とても味がありますね」と保護者の方の感想です。3階に向かう階段の展示スペースに飾っている年長組すいすいさんたちの「習字作品」です。すべての「かたち」には、それが「図」だとしたら、その背景となる「地」が必要です。地によって図も見え方が変わりますが、ひらがなという「かたち」にも、余白とバランスが美を生むという体験を子どもたちに味わってもらうつもりです。これは感覚的に「いいな」という体験を積み上げておくことが大事。

この感覚をすべての生活圏に広げていったらどうなるか?・・そもそもそんなことが可能なのかどうか?面白いテーマだと思いませんか?

◆絵本の誕生と進化

旧石器時代からの口承文化から「文字」が生まれ、日本ではもっぱら墨と筆で記録され、近年になって紙に印刷されるようになり、そこへ挿絵が入り、雑誌や本が編纂され、神話や民間伝承から「昔話」が独立し(「昔話」という言葉は柳田国男が作った学術用語です)、編集者と児童文学者(物語作者)と画家による三位一体の造形作業としてつい最近になって「絵本」が成立しました。そして、その絵本の記念すべき到達点は、奈良美智の絵本「ベイビーレボリューション」だと思います。理由は文(詩)が浅井健一で、同名の名曲が先にあって、それが絵本になっているのです。今日はミュージシャン坪井コレクションから借りた「baby revolution」を聴きました。これまでにない絵本体験です。ザ・クワガターズの「ベイビーロード」に通じるものがありました。

さてさて・・

お泊まり会以降、どんな絵本を選んだらいいのかしらん?その問いの延長として、ここでは絵本を通じた保育を語ってきました。

◆子どもにとっての絵本の意味を探る営みはこれからも続く

凄い時代です、本当に。全体を見渡している人がいないくらいの広がりです。絵本のこの爆発的な膨張の只中で、つまり、同時に、文明社会の歪みを一気に「お母さん」に押し付けている事実に無自覚な「日本の子育て事情」の中で、どうやったら窒息しないで生き延びられるか?という<切羽詰まった感>が解消されないままの子育て事情の中で(何度も言い換えて申し訳ありませんが)、この1ヶ月ほど、その「剥き出しの生」が干からびないように、少しは<元気の出る絵本>を紹介してきたつもりです。

その歴史的到達点の「しるし」になっている代表作を並べてみたのですが、その背後には、もちろん無数の絵本があって、たまたま「あれが北斗七星だよ」というようなもので、その背景に広大な銀河が広がっています。そこにどう切り込むか、どんな天体望遠鏡を持ち込むか、福音館書店と相談することになっています。

◆誰も否定できない空論はいらない、もっと方法論を!

「コロナ禍の影響」として教育実習生の受け入れ拒否問題が議論されました。マスコミは1つの事例をもって大上段に「差別しないように」などと精神論を展開しますが、これも空論に近いおかしな話です。現場をつぶさに取材していないことが多いですね。例えば保育者養成校のほとんどは、学生に発熱などがあればPCR検査をして陰性を確かめたあと、期間をおいてから送り出しています。

◆感染のピークは7月下旬だった

政府の専門家分科会は感染のピークは7月下旬だと分析しました。

この日記で7月24日に、その頃報道されていた「K値」(感染数の増加率)を紹介しましたが、その予想が大体当たったことを記しておきます(マスコミはある理由で無視していますが)。

問題は「どうして減少するのか」です。それを明らかにする手法が、政府と日本感染症学会から、まだ出てこないことが最大の課題です。その根本の問題は、サーベランスが足りないので(都のやっているモニタリングは、本当の意味でのモニタリングになっていない、ただの行政検査結果です)、第一波の時から今でも感染の全体像のデータが足りないので、肝心のところで議論が二分してしまうのでしょう。

◆私たちのそばに動物たちがいる意味は?

いまNHKの「Hot spot 最後の楽園」(ダイジェスト版)を見ながらこれを書いているのですが、地球上の生物のすごさには本当に目を見張るものがあります。これは、泳いでいるゾウです。

絵本の主役に動物が多いのは、そもそも「昔話」のジャンルとして「動物昔話」があることに遡ります。最後の楽園とは、人間が追い詰めた余白のことですが、それにしても、この映像から感じる「畏敬の念」を感じるように、古代の私たちの先祖も同じ畏怖の念を動物に感じていたに違いありません。

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