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園長の日記

年度始めの子どもの姿と出汁の味覚体験

2020/04/03

◆新しい人間関係の中で

新しいお友達が加わると、新しい人間関係が生まれます。自分が知っていることを教えてあげたり、自分が楽しいと思っている遊びに誘ったり、そんな優しい姿が見られます。初めての場所で生活を始めた子どもたちにとって、そんなお友達はとても心強く思えるでしょうし、心も安心するでしょう。新しい人間関係はまた、相手の思いや意図を理解していく機会にもなります。「そうか、そんな風に感じているんだ」とか、「どうしてそういうことするんだろう」とか、自分のそれまでの経験ではすんなりとは理解できないことに直面することもあります。

◆子どもの抱える葛藤をイメージしながら

それが人間関係の幅を広げることになるのですが、その一方で、相手のことがよくわからないで、誤解からストレートに反発してトラブルになってしまうこともあります。人間関係の中で生じる気持ちの葛藤は、大局的には子どもが育つ経験になっていくのですが、大なり小なり、子どもなりにストレスを抱えています。新しい生活の始まりは、楽しい!と同時にかなりエネルギーを消耗しているものです。週末はしっかりと休んでください。そして平日と同じ時刻に起きて生活するようにしましょう。

◆今年度の食事は「和食」の出汁にこだわっています

4月からの献立で昨年度と大きく変わったことがあります。それは出汁(だし)です。ユネスコは平成25年、日本の和食を世界無形文化遺産に登録しました。日本の伝統的な食文化が、地球市民にとって、後世に残していくべき遺産だと認めたのです。それ以降、和食の良さが改めて見直されることが増えたのですが、日本の保育園はかなり前から、和食を中心にしたメニューが多いものです。というのは、乳幼児には「素材の美味しさを味わう」ことを大切にしているからです。和食は「素材の味わいを活かす調理技術・調理道具」が発達しています。その中でも、海の幸、山の幸を活かした味付け、つまり出汁がとても発達しています。

そこで、今年はその「出汁」を子どもたち意識して「味わう」ことができるように、「出汁の選択」が始まっています。同じお吸い物でも、ダシの種類によって味が違う!ということに気づてもらいたい、という古川栄養士からの願いです。

◆5種類のだしが織りなす味わい

給食で使われる出汁は5種類あります。昆布、かつお、煮干し、しいたけ、鯛。なんと鯛も使う日があるんですよ、贅沢ですね。例えば、4月1日はうどんカレーだったのですが、そのカレーのルウには「かつお+にぼし」バージョンと「しいたけ」バージョンを用意して、味の違いを食べ比べました。海の幸と山の幸です。同様に4月2日の「なめこのみそ汁」は「にぼし」か「かつお昆布」を選びました。

 

かなり微妙な味の違いになるのですが、今後、だしを単体で味見する「課題保育」の時間を作る予定です。出汁を一つずつ味を確かめながら、それがブレンドされている味との違いに気づいているような「味覚の発達」を促してみたいと思います。これが成長展の展示になるといいかもしれませんね。

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