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STEM保育・自然科学

この1週間の「あー、よかった」特集

2019/06/14

■千代田区がガードレール設置へ動き出して・・
昨日、要望書を提出したのに早速今日、区役所の道路課担当者が園にやってきて「3メートルのガードレールを2本つけましょう」と、言って帰った。保護者のみなさんに署名をしていただいて、あー、よかった。
■屋上は実質、園庭代りに活用へGOサインが出てで・・
屋上を正式に保育で使って良いと、千代田区ゴーサインが出た。これで、屋上でプールができるぞ。あー、よかった。
■外遊びがたくさん出来て・・
梅雨入りしたのに、今週はかなりの回数で外に出かけることができた。幼児はバス遠足や、佐久間公園、美倉橋東児童遊園などに出かけ、乳児も爽やかな日差しのなかを、気持ちの良い散歩がいっぱい楽しめて、あー、よかった。
■モンシロチョウを追いかけて・・
木場公園でモンシロチョウを捕まえた体験が楽しかったのか、翌日HSくんが見学に来た親子に「紋白蝶を、こうやって追いかけたんだよ」と、部屋のなかでやって見せてくれたとき、手がヒラヒラしていて、本人がモンシロチョウだったんだと気づいたとき、紋白蝶をあんなに追いかけて遊べて、あー、よかった。
■アゲハチョウも子どもたちの味方で・・
モンシロチョウを追いかけた翌日、小林先生が自宅近くからアゲハチョウを捕まえて園に持ってきたら、今日は園の前に地元のアゲハチョウが飛んできて、ちょうど私が植えたミカンの木の上を舞っていった。あー、よかった。
■感動的な話し合いに成長を感じて・・
わらすの子どもたちの「話し合い」の姿に育ちを実感して感動した。考えたことを自分なりの言葉で表現しようするだけではなく、他人の話すことも聞いて、自分の考えを考え直す子もいて、あー、よかった。
■しみじみと「たのしいー」って・・
HHくんがラキュー(LaQ日本の玩具会社ヨシリツ製の組立ブロック)で作り上げた恐竜ブラキオサウルスを手にして、しみじみと小声で「たのしいー」と呟いたのが聞こえたとき、あー、よかった。
■楽しい食事へと変化して・・
「園長先生、ここに来て」と食事の時に隣に座って欲しいと毎日リクエストされるが、そのたびに、一人ずつの食べ方やお代わりの様子が面白い。みんなにとって、食事の時間がたのしくなっていって、あー、よかった。
■ついに芽が出そうなたんぽぽの綿毛が・・
たんぽぽの綿毛を、濡らした黒い不織布に浸してから1週間、ついに種の背が割れて芽ばえはじめた。あー、よかった。
■花壇は初夏の雑草が競演していて・・
園の前の花壇には、散歩ギャラリーで紹介してきた春から夏にかけて咲く雑草が勢ぞろいしている。ノゲシ、エノコログサ、ハハコグサ、カタバミ。そしてツユクサも。みかんを植えるために、一度耕したのが、雑草たちにとっても「あー、よかった」なんだなあ。
花壇には、たくさんの露草が開花中です
■野菜や果物もぐんぐん育って・・
5月にコーナンで買い求めた、スイカ、メロン、ヘチマ、ゴーヤ、キュウリがすくすくと成長しています。メロンときゅうりは花がさいて、あー、よかった。
(メロンの花)
(メロン)
(スイカ)
(ナス)
(キュウリの花)
(レモン)
(レモンのつぼみ、開花)
(ミカン)
■ラベンダーが満開。いい香りで・・
屋上の東側には、壁面緑化用の辺寺の根元が植えてある花壇がありますが、そこのラベンダーがとてもいい香りを放っていて、保護者の方にもおすそ分けができそうで、あー、よかった。

すべてのクラスが散歩へ

2019/06/13

今日は午前中は爽やかな風が吹き、お散歩にはもってこいの日和となりました。すべてのクラスが散歩に出かけ、気持ちの良い1日を過ごしました。
私は午前中、千代田区役所の子育て支援課長に会い、ガードレール設置など3項目の要望書と皆さんからいただいた署名を渡してきました。また万世橋警察署には、3月下旬から同じ趣旨の要望を伝えてありましたが、今日改めて、同じ要望書と署名簿(写し)を届けてきました。 今回の要望書と署名簿によって、東京都と千代田区が協力して国道(都道)の昭和通りと区道の柳原通りの交差点問題を、再度、検討してもらえるものと期待しています。
ホームページの「お知らせ」もご覧ください。

木場公園が園庭と思えた瞬間

2019/06/12

■3回目の木場公園
木場公園へのバス遠足も今日で3回目になります。先週7日よりも、たっぷりと遊んできました。今日は道路もあまり混んでおらず、信号待ちも少なくて約20分で木場公園に着きました。わらす組の子たちにとっても見覚えのある景色が増えてきて、両国橋を渡るとき今日はスカイツリーが見えました。
■小林先生はホスピタリティのお手本
「わぁ、すごいなぁ、わぁ、珍しいなぁ」と、子どもの好奇心に訴えて、場を盛り上げたい、サービス旺盛な小林バスガイド。私が個人的に面白かったのがこの場面。流石の小林バスガイドの説明も3回目にして、はやくもネタ切れ?のはずもなく、わざと向かいからすれ違うただの普通のバスでも「あー、すごいね、あのバスみんな見えるかな、『回送』って書いてあるよ、わぁ、珍しいなぁ」と、時間稼ぎにでたトークに対して、海の「海草」と勘違いした子がいてくれて、子どもが笑いに落としてくれました。小林バスガイドを救ってくれたT君、ありがとう。
■子どもは乗り物が大好き
しかし、小林バスガイドの本領発揮の場面がやってきました。「ピーポーピーポー」とサイレンを鳴らして走り去った特殊車両が通ってくれた時でした。「とても珍しい車が走っていったね。パトカーでも、救急車でも、消防車でもない車でした。なんだと思う?」私も「!?」と引き込まれてしまいました。
「今のはね、血液ってみんなわかるかなぁ、人は体の中に血液が流れてるんだけど、動物もそうなんだけどね、その血液を急いで運ぶ自動車だったんだよ」
その車の正式な名称は「献血運搬車」でした。そして自然な流れとして、「はたらくくるま」の歌が口ずさまれます。
「♫働く、くるーまー、
♫ケンケツウンパンシャ!」
■はらっぱの引力を再確認
昨日まで雨が降っていた公園なので、土の表面がつるんと光っているところは「滑りやすいから気をつけて」といった程度の注意確認の話もそこそこに、広い原っぱに散り散りに飛び出して行きました。まずは大抵の子たちが走り出します。こんなに広いところは、隅々まで走り回らないともったいないとでも身体が感じ取るのでしょうか。面白いですね、虫かごを持っていても走っています。
サッカーが好きな子は、ほとんどの時間を友だちや先生を相手にボールを蹴って走り回っていました。虫がいそうな場所を探し回っているこもいます。公園に着くなり、最初に子供たちの群がりができたのは、大きな銀杏の木の根元に見つけた大きなミミズでした。鳥についばまれていたのか、ほぼ絶命状態でしたが、子どもたちは恐る恐る、興味深げに見入っています。
■モンシロチョウを追って
遊んだ時間も長かった上、かなり走り回わることになったのは、モンシロチョウのおかげです。ヒラヒラと舞い回わるモンシロチョウを捕まえてたくて、「あ、あっち、ちょうちょ、いた!」と追いかけます。モンシロチョウがこんな速いとは思っていませんでした。自分たちでは捕まらないと悟ったのか、見つけるたびに「先生!」と叫ぶようになっていた子どもたちでした。5、6匹は捕まえたでしょうか。小林先生と坪井先生の走行距離もかなり伸びました。次回は万歩計をつけてもらいましょう。
(「あとは、自分たちで、やってやって」とモンシロチョウを捕まえた網を子どもたちに任せる坪井先生と、それを見守る小林先生と古野先生)
■「いざこざ」が自然に包まれる
チョウが捕まるたびに虫取り網に、子どもたちが群がります。虫かごの中は子ともたちの宝物に変わり、それを誰が持つか、宝物の争奪戦も同時に勃発します。このようないざこざも、何度も続くと、狭い室内だったら大人もイライラしてしまうでしょう。ところがこのように大自然の真下で、自分の欲求をぶつけ合う姿を見ていると、怪我をしない限りは、どんどん気持ちをぶつけあったほうがいいんだろうなぁと、思えてきます。子ども同士の関係は、大自然に包まれて初めて育まれていくのかもしれません。
「さっき捕まえたのは紋白蝶だね、これは紋黄蝶って、書いてあるね。同じ仲間だけど、羽の色が黄色いのが紋黄蝶で今日捕まえたのは紋白蝶だね。」
■身についていたルール
水筒を置いているブルーシートの周りに鳩が寄ってきたときも、ずいぶんと長い間、鳩との鬼ごっこが続いていました。
鳩がサイクリング道路側へ逃げても、子どもたちは、そちらまで追いかけて行く事はありません。原っぱの中にとどまると言うルールを、きちんと守ることができていました。安心して見守ることができます。公園は何組も保育園の子どもたちが来ていて、目印としての緑の帽子が役立ちました。
走り回ってくたびれると、木陰に置かれた木枠の台に座ったり、立ち上がってアイドルのように体を揺らして歌う真似っこをする子もいました。
■園庭にいた感じを思い出す
最初にここに来た時、外に出てしまう子はいないかと、監視するかのように子どもの数を何度も数えていた緊張感に比べたら、今日は長閑です。園庭にいる時の安心感を思い出しました。こうなってきて初めて、子どもの傍らで一緒に生活している感じがしてきます。今回は、自然と「ですます調」で書いていることに気づきました。これが、ハラハラすることがなかった証拠かもしれません。
■帰路の車中も和やかに
いっぱい体を動かした後で、下町の玉子焼き屋さんや、たい焼き屋さんの前に赤信号で止まると、お店の人が手を振ってくれます。なんだ、妙に嬉しいですね。

ソサエティー5.0の数学

2019/06/10

■ソサエティー5.0
(梅と梅の隙間に、小さな氷砂糖が入り込めば、最も全体が効率よく埋まります。容積は同じでも、形の組み合わせが大事だということがわかります。幼児教育でこれに気づくことができる活動は、工夫すればありそうですよね。家庭でも収納をするときに、使っている幾何数学になります。)
昨日9日日曜日、日本数学検定協会の評議員会がありました。日本政府は来たる近未来社をSociety5.0と命名しました。狩猟、農耕、工業、情報の各社会に続く人類史上5番目の新しい社会という意味です。その産業社会では、大学受験を勝ち抜く受験数学ではなく、職場で必要とする数学が必要な社会になるだろう。昨日はそんな質疑がありました。
学校と社会のズレは、企業の人事担当者と話すとよく話題にやなりますが、幼児教育の質が数学・算数と関係することに関心を持つ方は、あまり会ったことがありません。まだ「幼稚園でもカードで暗算とかやってますよね」とか「算盤もまだまだ必要らしいじゃないですか」とか、言われたことはあります。日本での数学理解は、誤ったまま浸透しています。これは何とかしなければなりません。
(最も小さな面積で、最も大きな容積を作り出す球と言う形)
■幼児のプログラミング教育とは
先週、島根の園長先生と「プログラミング教育」ついての話しになりました。2020年から小学校で必須となる「プログラム学習」ですが、幼児教育におけるそのテーマは、どんな遊びや活動の中で経験できていくか、探ってみたいテーマの1つです。
ポイントは抽象的な記号操作を具体的な物の操作とどのように結びつけていくか。つまり子どもからの働きかけで変化する対象を、表象(プログラミング)の操作という働きかけにどうやって置き換えるか、そのつながり具合をどうデザインするか、ということになります。
ピタゴラスは世界は数学でできている言いましたが、4歳や5歳の子どもが遊びでそれを体験しておく(意識しなくても)意味を、昨日は考えていました。日本数学検定協会は、日常にある数学にスポットを当てています。

にこわらすのバス遠足

2019/06/08

6月7日

■にこにこ組もバス遠足に参加

2歳児クラスの「にこにこ組」が昨日7日、初めてバス遠足に参加しました。3〜5歳の「わらす組」の子どもたちと一緒です。
にこにこさんたちが、バス遠足が可能かどうか、わらすさんたちの経験を踏まえて、木場公園の遊び場としての環境やトイレの位置、バギーの持ち込みや移動範囲、バス移動の時間などを検討した結果、「よし、一緒に行こう」となりました。とても楽しい、いい機会になりました。また、続けていきます。昨日、参加できなかったお友達も、またあるから楽しみにしてて下さい。
にこにこ組の保護者の皆さん、準備のご協力、ありがとうございました!詳しくは、各クラスのブログをご覧ください。以下は、私のドキドキ、ハラハラ日記です。書いていると「である調」になりました。ドキュメンタリーは、いつもの「ですます調」では、気分が乗りませんからね。
■雨雲よ、待て!!
手元には東京電力の雨雲レーダーがある。雨雲はまだ甲府あたり。関東一帯はまだ大丈夫だ。さて、出発の準備はできた。雨雲が時速60キロで迫ってきたとしてもまだ2時間はある。雨よ、頼む、降らないでくれ!
年中組のらんらんさんが先に山上ビル側に列を作っている。園舎の前に待機している大型バスが目に入ると、J君が目をまん丸にして叫ぶ。
「でっけー!」。
ほかの子もあまり意味なく「でっけー、でっけー!」とはしゃいでいる。
にこにこ組の子と、マンツーマンでベアを作り、そのペアがバスの座席にもなる。先生が「にこにこさんの手をつないで、バスまで行きます。しっかりと手を握って連れて行ってあげてくださいね」というと「はーい!」。
■巧みなバスガイドでワクワク
9時40分に園を出ると、10時過ぎには木場公園に着いた。その間、小林バスガイドの巧みな話術によって、バスから見える普通の景色が、遊園地に入り込んだかのように楽しいモノに変わっていく。
以下のやりとりのミソは、子どもの素直な「巻き込まれ感」と「おかし可愛さ」です。
小林ガイド「今ね、偶然だけど、水陸両用車が通ったよ。すごいなぁ、先生もっと早く気づいて教えてあげればよかったなぁ。ごめんねー」
子ども「いいよー」
小林ガイド「このライオン堂と言うお店はね、お相撲さんが洋服を作ってもらう場所なんだよ。みんなが4人ぐらい入れそうな大きな洋服を、お相撲さんのために作ってくれるんだ」
子ども「お相撲さんて、大きいんだよ」
小林ガイド「あ、右の方に消防署があるよ。すごいなぁ、消防士さんたちがこんなにたくさんいて、訓練しているみたいだよ。こんなの滅多に見られないよ、ラッキー」
子ども「あー、ホントだ、いいもの見たあ、ラッキー」
あー、なんて素直で、可愛いんだろう。こんな感じで、景色を楽しんでいるうちに、木場公園に着いた。
ところが、駐車場に入る頃、バスのフロントガラスに雨粒が。
小林ガイド「園長先生、雨です。どうしましょう?」
バスのなかで雨雲レーダーをずっとみていたので、慌てない。でも正直おかしいと思った。こんなに早く雲が迫っているなんて。一時間4ミリメートル以下の雨雲の帯が、ちょうど木場公園のある東京東部まで延びていた。
小雨は覚悟していたが、雨が予定よりも1時間も早い。そうか!間違えた!台風なんかは時速20キロなんていうから、うかつにも、つい勘違いしてしまった。雨雲は沸き上がるんだよ、移動して来るんじゃない!あー、そうだった。でも、こうなったら、もう迷う余地はない。
「早く遊ぼう!」
■格別な開放感がある原っぱ
幸い、雨といっても霧雨程度。「これなら問題なし!気象の定義なら曇りの範囲だ!」そう自分に多少強がりを言って、みんなバスを降りて原っぱへ行く。
やっぱり、広い原っぱはいい。「子どもは隅っこと原っぱが好き」というが、大人だって、気持ちいい。心の背伸びができる。ぐっ〜っと、こころのシワも取れそうだ。なんの屈託もなく、気持ちの赴くままに、トコトコと足を運んでいい空間、座り込んでも、寝転んでもいい場所。暑くもなく風もない。霧雨も降ったり止んだりで、私たちのために、待ってくれている。
■茶色のサッカーボール
水を含んだ草むらを転がるたびに、サッカーボールは茶色く変わっていく。ボールが転がった距離だけ、子どたちも走った。ボールの色は、子どもたちの運動量そのもの。あの小さな体から、あんなに力が溢れて出てくるのは、広い原っぱとボールのおかげだ。堅苦しい解説はやめたいが、やっぱり子どもの潜在力を引き出すのは環境の力だ。ここに来ないとこんな運動にはならないし、思いっきり全速力を出すことなんてできない。
■優しいらんらんさん
にこにこさんの顔も明るい。らんらんらんさんのお兄さんお姉さんに優しくしてもらいながら、バスに乗って原っぱに来た。このことだけでも、にこにこさんにとっては大きな大きな体験になっている。先生たちの声や性格も大体わかっているから、様子を見ている表情が、いろいろなことを伝えてくる。M先生やU先生だけじゃない。わらすの先生も、わかっているから、安心して楽しめる。その上、困ったことがあったら、らんらんさんが先生に教えてあげる。そんな約束をしたらんらんさんたちは、しっかり守ってくれた。
■にこにこさんの「ぼくも、わたしも」
草むらに出ると、先生を安全基地にしながら、じわじわと思い思いの行動を始めていく。歩き始める子、走り出す子、座ってみんなの様子を眺めている子、虫かごを持ちたい子、虫を探しに行く子、転がっているボールに近づいていく子、色々な「自分も!」がいっぱい始まっていく。わらすの子たちの姿がモデルになり、刺激になり、にこにこさんなりの「私も!」が動き出していきます。その動き始める鼓動が聞こえてきそうで、あーここに連れてきて良かったと思う。
■そして梅雨入り
下見のとき、花が満開だった桜が、昨日は、すっかり青葉の茂る大きな木の傘となって、私たちを迎え入れてくれた。まもなく降り始めた雨は、梅雨入りの雨となった。梅雨前線と競争したバス遠足は、私たちの逃げ切り勝ちだった。

神田淡路町保育園を見学

2019/06/06

6月6日その2

■神田淡路町保育園に行ってきました

今週月曜日の四番町保育園に続き、今日の午前中は「区内保育所見学会」の2回目に参加してきました。当園から歩いて10分足らずの神田郵便局隣「神田淡路町保育園大きなおうち」です。4階建てで確かに「大きなおうち」でした。2年前に開園し今年度が3年目。千代田区で初めての社会福祉法人です。園長の菊池恵子先生とはずいぶん前からの知り合いです。菊池園長先生のお子さんのイケメン男性保育士「マー先生」は、保育界では有名ですから、ご存知の方もいらっしゃることでしょう。近いので「大きなおうち」から当園に転園してきた子もいます。
■幼児は異年齢でコーナー保育
菊池先生は、保育の質向上に熱心に取り組んでこられた方で、現在、東京都民間保育園協会の研修部長を務めていらっしゃいます。法人は現在、東京や千葉に19の施設を運営しており、本部は新宿です。
園舎のデザインコンセプトは「大きなおうち列車にのって」。これは、明治時代、東京の中心地としてにぎわった国鉄万世橋駅前に近いことから、鉄道と駅をあしらったものになっています。
保育環境は、1階のエントランスに砂場があり、ガラス張りの調理室とランチルームが隣接しています。2階の乳児0歳児は独立した部屋で、1歳児と2歳児はつながった空間です。3階が3〜5歳児が一緒に生活するオープンルームでした。4階には広いホールとスタッフルーム。屋上が園庭になっています。
こうした建築空間は、海外によく見られるものと同じで、遊ぶところや食事をするところが最初から分かれていて、遊ぶところは活動の種類によってあらかじめ遊具がセッティングされています。乳児の保育室の色彩は、シュタイナー教育のテイストが生かされており、幼児の保育環境は、モンテッソーリ教育の環境設定と似ていました。
■園児の交流を約束してきました
子どもたちが散歩に慣れてくれば、この保育園までは歩いて行くことができそうです。お互いに散歩先としての相互受け入れや、子どもの交流をやりたいですねと話してきました。またひとつ、子どもたちの体験を広げる機会が作れそうです。

区主催の園見学会に参加

2019/06/03

■千代田区主催の保育園見学会

今日3日は午前中、千代田区立四番町保育園を主任と2人で見学してきました。市ヶ谷駅からすぐの、以前、日本テレビがあった場所です。3階建ての園舎に約100人の子どもたちが生活していました。見学者は千代田区内の園の主任や看護師などリーダー格の職員が全部で8人、案内は四番町保育園の園長先生が、直接なさって下さいました。
区が主催するこの見学会は、お互いに園を見合うことで、見学者がよいと思ったところを吸収しあったり、情報交換したりできます。これを積み重ねれば、知り合いも増えて区内に保育者ネットワークができていくかもしれないので、一年を通して十数回ある機会はすべて申し込みました。
■仮園舎とは思えない建物
今日はその1回目。いろいろな感想を持ちましたが驚いたのは、この園舎が仮園舎だったと言うことです。古くなった園舎を建て替えるために、この仮園舎を新たに建て、昨年3月から新園舎ができるまで(平成34年度中、つまり令和4年度中)の5年間を、ここで保育し続けます。仮園舎の建設まで含めたら、ざっと10年計画です。本来の園舎設立計画とは、これぐらいの時間と資金がかかるものなのでしょう。
■屋上が園庭に
参考になったものの一つは、屋上です。仮園舎だからなのか、園庭がありません。そのかわり屋上に芝生と砂場とプールがあります。屋上の広さは4〜5倍あるので、同じことは出来ませんが、こんな素材ならこうできるという参考になりました。
■保育参観は変装して
明日から保育参観ですが、「子どもに見つからないように見てもらう」という配慮は同じでした。ただ「変装セットも用意」しているそうですが、実物を見ることができませんでしたが、どんなものかと言うとメガネやマスクや帽子などだそうです。部屋にいても誰かわからないようにしてみてもらっているそうです。参考にしてみてください。

研修会の講義を終えて

2019/06/02

6月1日
■保育士向けキャリアアップ研修会
幼児教育の意義と保育内容について、昨日1日、島根県江津市の先生たちに話してきました。午前中2時間、午後3時間でしたが、始める前は長いなぁと思った5時間も、実際にやってみると足りなくなってしまいました。新しくなった保育所保育指針の改定内容を、本当によく納得するには、その前提となっている考え方や枠組みも理解しておく必要があるからです。
■日常感覚でとらえる言葉に一度は置き換える
例えば、「心情・意欲・態度を育て、学びに向かう力、人間性等」という目標概念が新しくできたのですが、これをきちんと説明しきるだけでも、1時間ぐらいかかるからです。これを作った「学識経験者」たちは、日本の学校教育(幼児教育から後期中等教育まで )全体に、辻褄が合うように一貫性のある体系化を試みました。なるほど、だからそうなったのか、と受け止めるためには、ある程度の時間が必要です。しかも、どうしてそのようになっているのかを、私たちの日常的な感覚に結びつけて納得してもらうためには、わかりやすい例えや、具体的な実践事例を通して、頭の中につながりを作っていく必要がありました。
■日本語を英語や対立語でとらえる
今週1週間のニュースダイジェストを見ていたら、新しい元号の令和を、トランプ大統領は演説の中でビューティフル・ハーモニーと、使っていました。これは外務省が公式に令和をそう訳したからでしたね。
よく知っている日本語の言葉であっても、それを英語にしてみたり、反対の意味や対となる言葉を並べてみると、新しい語感や意味を感じるときがあります。昨日の講義のなかでも、いくつかありました。少し、紹介します。
■道徳の英語は・・
例えば、教育には「道徳」と言う言葉がよく出てきます。英語で言えばセンス・オブ・モラリティーです。「あー、倫理感の事なんだなぁ」と一度、シンプルな意味から組み立て直した方が、自分の言葉で考えやすくなります。
「自立」と言う言葉も教育や子育ての中で大切な概念ですが、英語で言えばインデペンデント、反対言葉は「依存」ディペンデントです。
日本語では同じジリツという発音になる「自律」の方は、セルフコントロール(自己コントロール)あるいは、オートノミーですから、いちど英語にしてみると「自立」とはかなり距離のある概念だということがわかってきます。反対は「他律」で英語はペテロノミーとなります。
■自分からやるか、言われてやるか
自分で自分のことができることと、やってもらったり言われてできる事は、結果は同じように見えても育ちの視点から見れば、大きな差があることに気づきます。自律で、できるようになっていくのか、それとも他律でできるようになっていくのか。主体的に生きるためには、自律的に自立することが先なんですが、その育ちの過程では、いま自立している大人の人も、例外なく依存と他律の時期が幼児期にはあったことになります。
■「ひきこもり」の反対は自発性
精神的な自立、社会的な自立、経済的な自立、それらを混同してしまって、一言で「ひきこもり」と言ってしまう日本語の粗雑さに、もっと敏感でありたいと思うニュースが溢れてしまいました。
ひきこもりの英語は、ソーシャル・ウィズドローです。withdrawalの反対語は発達心理学的に考えれば、自発性や自主性です。これも就学前の幼児期に獲得する発達課題といえます。社会的事件には常に当事者たちの教育成果が何割か含まれています。それを相関関係があったかなかったかまで、要因分析する事は難しいのですが、人の一般的な心の発達原理を再確認することはできます。
■私たちの判断の元となる言葉も再吟味
的確な判断に至るには、それを私たちが無意識に使っている概念(言葉)について、自ら吟味しながら考え直すことも必要です。それは日本保育学会に参加したときの日記にも書きました。
昨日は、このような概念整理をしながら、一つ一つ、幼児教育の目的、目標、ねらい及び内容について、その根拠となっている法令まで遡り、そして子どもを理解するために、新しく導入された枠組み(乳児の3つの視点、幼児の10の姿)と、従来からある教育の5領域の関係や繋がりを、再確認しました。決して楽しいとは言えないテーマですが、私たち保育士が日本で働くからには、避けて通ることができないものです。

神話の故郷島根で、人と自然の関係を考える

2019/05/31

■豊かな自然が目の前に広がる
畑の耕運機の周りを何羽も鳥が飛び交っています。凄い!と思ってシャッターを切ったら、目の前の高校生2人が目を覚まして同時に顔を上げました。私が撮っているものが、それだと分かると、すぐまた夢の中にもどっていきました。「悪かったね、起こしちゃって」。そう心で呟いて、またシャッターを数枚だけ切りましたが、2人は、もう起きません。
(「疲れたぁ」と笑っていた2人。約1時間30分の移動、お疲れさま!)
自然豊かな田舎の風景が、延々と続いています。眺めているだけで、目が健康になりそうです。山、川、海、鳥、花、何でもあります。だけど人があまりいないのは、しょうがないかなぁ。ここは島根県の中央部。J R 山陰本線アクアライナーがもうすぐ江津市に着きます。明日6月1日に、保育士向け「キャリアアップ研修会」で5時間の講義が待っているのです。
■自然に魅せられた大人が子どもの傍らにいる大切さ
講義のテーマは、幼児教育の意義と保育内容です。その中に、教育の5領域「環境」があります。一般に自然が少ないと思われている千代田区の子どもたちも、少ないながらに、生き物に好奇心や探究心を持って関わり始めています。
ただ大人になっても、どうやったらその自然環境を生活に取り入れ続けることができるのか、そんなことを考えている時、目の前に鳥たちが現れたのでした。こんなにすごい自然が目の前に展開されているのに、運動部の少女たちは、いつも見慣れた風景だからでしょうか、それには関心がないようです。後でわかったのですが、今日は高体連の大会が開かれていたそうです。それはそれで素晴らしいことです。
いくら環境が豊かであっても、関わりがなければ経験になりません。その経験の質が、教育の質にダイレクトに関わります。まずは心揺さぶられる体験がなければ、好奇心も探究心も生まれようがありません。
私にとって、今日の出来事は、象徴的でした。そして、次のような強いインスピレーションを与えました。
・・・人間の心は人と人の間で成長する。子供にとって、自然に感動している大人がそばにいなければ、子どもはその自然に共感し続けることができないのではないか。・・・
人と自然の関係は日本の場合、縄文時代から「里山文化」と言う形で、バランスをとってきました。その精神文化が、国づくり神話を生んだ、ここ島根には息づいています。それが千代田区の神田祭までつながっていることに思いあたり、5領域「環境」の、次の趣旨が新しいイメージを持って迫ってきたのでした。
「周囲の様々な環境に好奇心や探究心をもって関わり、それらを生活の中に取り入れていこうとする力を育む」

(巻頭言)子どもの心の世界を見つめながら

2019/05/30

園だより6月号「巻頭言」
 雨がやんで日差しがのぞいた昨日の朝、ちっち組がバギーで散歩に行くことになった時のことです。先生が「ちっちさん、散歩に行こう」というと、何人かがその気になって赤いドアの方へ向かいます。廊下を過ぎても玄関へ向かわず、階段を登るのが楽しくなって、四つん這いで登り始める子もいました。先生が「そっちじゃなくて、お散歩に行こうよ」というと、止まって振り向きます。でも、先生が近づくと安心したのか、また階段を登り始めます。2階まで登った後、立って降りるのはまだできないから、結局、玄関まで抱っこしましたが、この間の子どもを「見守る」中に、育ちを保障するための大切な時間が流れていました。

お散歩に行こうよ、という「保育者の願い」と「こっちに行ってみたいもん」という子どもの願いが、柔らかく行き交っていました。ちっちさんは言葉ではなく、目配りや表情や仕草でそれを伝えています。先生は言葉で言ってもわからないだろう、なんて素ぶりは全くなく、穏やかな雰囲気の中で「あれ、そっちにいくの?」と、赤ちゃんの気持ちに寄り添いながら、外へ誘うタイミングを見計らっています。そんなことがしたいのね、と認めながら、ゆったりとした気持ちで接しています。0歳の赤ちゃんにも、もちろん人間としての尊厳があり、その意思や気持ちを尊重しながら、生活を作り上げていく。こんな時間が流れる日常になってきたんだなあ、と思うと、感慨深いものがあります。子どもたちの心が、だいぶ落ち着いてきたようです。

 ちっちやぐんぐんさんは、私と目線を合わせて手を振ると、手を振って返してくれることが増えました。こうして言葉にならないうちから、赤ちゃんとの「心の通い合い」と「挨拶」が成立していきます。挨拶は心を通わせることが大切だと思うので、いろんな心の通わせ方が、いろんな形の挨拶を生んでいます。
にこにこ組の子は、顔を見るとおもちゃを渡しに来たり、手を振るとちょっとだけ手をあげて「やあ」とやってくれたりします。幼児になると、やりたいことを一緒にやりたがります。「挨拶」と「一緒に遊ぼう」が一瞬で融合します。挨拶なんて、どこへやら、親御さんはハラハラかもしれませんね。でも、子どもの気落ちは分かっていますから大丈夫です。先日も子どもから「園長先生さようなら」と言われた時、「もっといてほしい」という気持ちが届いたので、少し遊びました。

ここに述べたことは、私と子どもたちとの関係ですが、園生活が始まって2ヶ月がたち、親子の関係、先生と子どもの関係が上手にバランスをとりながら、一人ずつの子どもの心の居場所が広がってきたようです。意欲的な姿を大切にしながら、子どもの「やりたい」の向うに目線を送りながら、人と物と空間の環境を整え、発展させていきたいと思います。

 園外保育、暑さ対策、水遊びの場所作り、交通環境の改善、隣のビルの解体、心痛む悲惨な事故報道など、色々なことが子どもを取り巻く環境にはありますが、子どもの心の世界をしっかり見つめていきたいと思います。
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