子どもたちが遊んでいる姿の中に、その子の「中心点」が表れてくるように見える瞬間があります。中心点というのは、バランスがとれている「心の姿勢」のようなものです。心の重心といっていいかもしれません。体のバランスがいい、悪い、ということと同じで、心にも「バランス」があるのです。
目見にえる身体の方は「姿勢がいい」「姿勢がわるい」というように、わかりやすいかもしれませんが、「心の姿勢」というものは、英語のattitudeに近くて、教育や保育では「態度」と呼んでいるものになります。どうして、こんなことを話しているのかというと、この4月から4ヶ月近く経とうとしていますが、この間の成長を振り返ってみて、そう感じるからです。生活と遊びの方法が体に染み込んだ、ということなのでしょうか、心の方も自由に動き出して、思う通りになってきた、という感じがします。よろよろしていた自転車が、もうこれで倒れずに走れるぞ、という感じなったのと近いです。その安定感が見て取れるようになったのです。
この心の姿勢は、自分で自分自身を、しっかりとコントロールしている感覚を伴うもので、見ていて、こちらも安心します。健やかな自信や落ち着きを見せていて、自分のやりたいことに熱中して楽しんでいます。どのクラスを覗いても、子どもたちがそのように見えてきて、とても嬉しい。やりたいことを迷わず選んでいるし、活動から活動への移行もスムーズです。春頃と比べるとこの差は歴然としています。
子どもが遊びや活動に熱中していると、来園者がきても、寄ってきません。遊び込んでいない時は、来客や見学者が珍しいのか、そちらに気を取られてやってくることがあるのですが、それが減ってきた感じもします。友達との関係も深まったり、一緒に遊ぶとと楽しい仲間も増えて、一見さんへの物珍しさに注意をそがれることもないのでしょう。今日は来客の方と共に子どもたちの様子をじっくりと観察できて、そんな成長を感じたのでした。