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2020年 6月

保育の質を高める場所は感覚の入り口に

2020/06/19


年度の初めには、新しく園生活を始める方のために当園での生活や保育の方針を説明するようにしているのですが、今年はその話をする機会が6月になってしまいましたね。子どもたちの健康状態は17日(水)の全園児健康診断で問題がないことがわかりました。健康診断は国の基準によって実施が義務化されていて、日本の認可保育園はそれを実施しなければなりません。親が自分の子どもは健康だと思っていても、医師が見れば異常が見つかることがよくあるからです。定期的な健診は子どもにとっては、とても大事です。

長い閉園で子どもたちの心身の状態が心配でしたが、夏の水遊びを前に、予めその状態を確認することができました。ちなみに新型コロナウイルスは塩素に弱いので、プールの中で感染することはありません。毎年のことですが、水に触れたり紫外線に当たることが多い夏は、それへの配慮も大切です。当園はプールを使いますが、水泳をするつもりはありません。あくまでも暑い夏をいかに涼しく過ごすか、「涼を取る」という意味が大きいのです。水との上手な付き合い方や水の特性を知ることです。

昨日18日(木)は、避難訓練も行い、神田川の向かいの「佐久間橋児童遊園」まで避難の練習をしました。東京都は避難訓練と消火訓練を毎月実施しなければなりません。避難訓練は地震と火災によって避難パターンを変えています。いずれにしても火災が発生して避難する想定なのですが、身の安全を確保する行動に普段から慣れておくことが、いざというときに不要に怖がったり慌てたりしないですみます。避難階段を普段から使うことも重要な生活の一部です。

今日19日(金)は6月の誕生会でした。2階と3階のフロアを使って開催しました。2階のダイニングエリアを誕生会のメイン会場にして、今回はわいわい組が3階にいて参加しました。参観を希望される方はお申し出ください。ただし、新型コロナウイルス対策として、保育園内への参加は、普段一緒に家庭で生活しているご家族の方だけにしていただいています。

午後からは、子どもの咀嚼を研究されている管理栄養士の方と、離乳後の1歳半から3歳ごろまでの時期の「食育」の大切さを確認しました。どんな食材や調理方法、食べ方などが好ましいのか、その研究に協力することにしました。咀嚼というと、いかにもピンポイントなテーマのように思われがちですが、口腔での舌、上顎、下顎、まだ歯がない歯槽底の刺激、など色々な動きができるようになっておくことがとても大事です。その発達にも敏感期があることがわかっています。その時期の「咀嚼力」は、その後の食の基盤になってくる大切ものなのです。また子どもによって、感覚器の感受性は大きく異なります。見ること、聞くこと、味わうこと、匂うこと、触ることにも敏感な子から鈍感な子まで、色々です。咀嚼は口腔内の運動と言われるように、見ること以外の感覚が総動員されています。ただ味の問題だけではありません。その体験の質を向上させてあげるための環境とは何か、働きかけはどうしたらいいか、そこが保育の質になります。

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