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STEM保育(保育アーカイブ)

園児と楽しむための科学実験12カ月

2020/09/15

毎年8月に実施してきた保育環境研究所ギビングツリー(GT、藤森平司代表)主催の研修会「GTサミット」が今年は、コロナ対策のため規模を縮小して、オンラインでも参加できるようにしながら、昨日と今日の2日間にわたって開かれました。会場は、新宿区高田馬場にある東京富士大学の記念講堂。

今回のゲスト講演には、今園児向け科学実験が大人気の川村康文さん(東京理科大学の教授でエネルギー科学の博士)をお招きして「園児と楽しむ おもしろ実験 12カ月」のプランを学びました。

乳幼児の頃から、科学的なものの見方や考え方を身につけることが可能なのか、またそれはどういうことなのかをじっくり考える2日間になりました。早速、今月から実践に移していくことにします。

 

ビルの上から秋葉原駅の電車が見えたよ!

2020/09/14

秋葉原駅を行き来する電車には、新幹線、東海道本線、東北本線、山手線、京浜東北線があります。それらの電車が通過する様子を、ビルの上から見てきました。

ちっちとぐんぐん11人が、「あ、でんちゃ、きた」「しんかんちぇん」と大興奮で、窓にかぶりついていた姿の微笑ましいこと!

また、その後、交代して同じ場所に立った、わらすの子どもたちも10人も、いろいろな電車が走る様子に見入っていました。

電車に限らず「保育園も見えるね」「あ、ヨドバシカメラ」と駅周辺の展望も楽しかったようです。

どこのビルかというと、柳森神社の向かい、電車のガードのそばに立つクリスタルビルの11階です。

このビルのオーナーである株式会社斎藤興業(斎藤社長は須田二丁目町会の会長)のご好意で、エレベーターホールをお借りしたました。

地域に1つ、貴重な散歩先が増えました。

そして、さらに大切なこと。遊びが発展しました。

散歩から帰ってきた、ちぐの子どもたちが早速始めた遊びは・・・

 

稲刈りを実況中継

2020/09/09

毎日のように食べている主食であるお米。9月になると全国で稲刈りが本格化します。そこで今日は、20年以上前から神宮司さんが交流を重ねてきた千葉県神崎町にある田んぼの稲刈りに参加してきました。そして、その様子をZoomで、わいらんすいの子どもたちに伝えました。

いま時、カマでイネを刈り取る「稲刈り」ができるところはそうはありません。この田んぼは、日本で昔から行われてきた「不耕起栽培」の田んぼです。稲刈りの時は水を抜きますが、そのほかの時は一年中水をたたえています。しかも全くの無農薬で、水田の中に生き物がたくさん棲んでいます。

イネを借り始めると、虫を食べるためにツバメが飛び交いはじめ、地面にはトウキョウダルマガエルがピョンピョンと飛び跳ねます。こんな場所で遊ぶことができたら、楽しいだろうなと思いました。

ミミズが作る土がバケツ2杯にも

2020/09/08

子どもたちに自然を体験させたいのですが、森や林や里山が近くにあるわけではないので、どうしても自然の一部を断片的に体験するしかない、という限界があります。でも、その一部分であっても、子どもたちが、好奇心や探究心を持って関わっていくことができるようにすることができれば、ただ自然の中で遊ばせるだけよりも、もっと素晴らしい保育になります。

その1つに「ミミズによる土づくり」があります。幼児クラスの子どもたちの中には「ミミズの餌やり」をやったりみたりしている子がかなりいます。ミミズが野菜クズなどを食べてせっせと作り出している土が、バケツ2杯になりました。実はミミズが土をつくていることを最初に研究したのは、チャールズ・ダーウィンです。その話はまた次回。

 

コスモスとスズムシが届ける秋

2020/09/07

関東にも警戒と俄雨をもたらした台風10号が去った今日7日、玄関の花壇に子どもと一緒にコスモスを植えました。各フロアでも楽しみます。

そして今日は、スズムシを各フロアで飼いはじめました。にこにこの子どもたち、わらすの子どもたちに、それぞれ目の前で「飼育箱」を作るところから見せました。

どんな都会でも少しの草むらがあれば、スズムシやコオロギの鳴き声が聞こえてきます。街路樹の下や小さな植え込みなどにも、しっかりと秋が届いているようです。

夕方、東京港に虹がかかりました。

 

 

お祭りの起源、そして子どもの「ハレとケ」

2019/12/18

「お祭りなんだから、さあさあ、呑んで呑んで!」

(17日の科学博物館で)

今年5月の神田祭の神輿神霊入れの座で、石渡さんにお神酒を勧められたことを思い出しました、「せっかくだから奥の席に座って」と。それは有り難いお誘いでありながら、こんな時間から飲むわけもいかないので、その旨を言い訳にすると「お祭りなんだから、無礼講でいいんだから」とその方はおっしゃいます。

嬉しいやら困ったらやらで、曖昧で煮え切らない、いかにも無粋な様子だったのでしょう、そばから「園長先生はまだこれから仕事なんだから、無理にすすめちゃダメだって」と救いの手を出してくださったのが、ちよだリバーサイドプロジェクトの岡田さんでした。まだ夕方の4時過ぎだったので無礼を詫びて園に戻ったのです。

忘年会やら懇親会やらの時期になりました。会社勤めの私たちには、こちらの方が「祭り」の気分を味わう機会かもしれません。ちょっとだけ「無礼講」の要素がありますよね。ちょっと寄り道します。

社会科学の学問によると、お祭りは定住社会になってから生まれました。その社会が生み出した言葉と法の中で毎日を過ごしていると、それは本来的に不自然なものなので、徐々に生命力が枯渇していきます。日本では「気=生命力」が枯れるという意味から「ケガレ」ることとみなされます。

そこで、日常世界の外側、人的社会の外側への接点を求めて、そこから生命力を呼び込んで回復しようとします。そこに聖なるもの、大いなる異質なるもの(自然や神や被差別社会)を呼び込み、穢れを晴す「ハレ」なる祭りを企てるのです。その時は、平時のルールは破られるので無礼講というわけです。「お酒の席ですからお許しを」というのも、似たような起源でしょう。

1960年生まれの私などは、その掟を破ってもいいという感覚、お祭りのキワドサの消息を皮膚感覚で知っています。私の小6の担任の先生は「おくんち」というお祭りに連れて行ってくれたのですが、その時、先生らしからぬ、普段は見せないある行動をしました。それはここでは言えませんが、私は小学生ながら「お祭りだと、それくらいは許されるんだ」ということを学びました。

ハレとケの世界を行き来することは、とても危険なことだったので、そこには心を鎮めるための儀式を必要としました。それが神輿だったり、お囃子だったりするのです。こんな経緯を抱えているのが、文化的歴史の中で生きている私たちの「心」なのです。

さて、寄り道から戻ると、本来子どもは、自然そのものです。異質な存在です。養老孟司さんに言わせると「子どもは自然だってことを、大人は忘れている。自然はいいなりにならないものと心得たほうがいい。デコボコの山道で転んで山に文句を言う人はいないでしょ。都市の平らなアスファルトの道を歩くことと同じように、子どもの安心、安全にばかり気を使い、言うことを聞く子にしたがっている」ということになります。

私には子どもは、赤ちゃんの頃から危険を回避する力を持っていて、大人をハレに導く力さえ持っているような気がします。大人が子どもの危険回避能力を奪っているのではないでしょうか。

昨日17日は、わいわい、らんらんの子どもたちが上野の科学博物館にバス遠足に行っています。その様子は「クラスブログ」で紹介されています。私は行けなったのですが、自然の存在である子どもが博物館で何に共振するのかということに興味があります。その私なりの「目撃」は次回に持ち越しです。

私は保育園を子どもたちのための「遊びのミュージアム」にしたいと思っています。子どもたちが、科博で何に着目しているのか、どんな印象を持ったのか、知りたいところです。子どもたちにとっても「ハレ」を感じる何かがあるんじゃないかと。

 

金魚とめだか

2019/08/15

直撃は避けられたとはいえ、台風10号の影響で時々、激しい雨、風に見舞われましたが、みなさんは大丈夫だったでしょうか。昼食を食べている頃、東の空に積乱雲が現れて「夏らしい雲だね。入道雲だよ」と天気が話題になりました。二十四節気では8日が立秋でしたが、残暑というよりこれから大暑といった趣きです。子どもたちには、いろいろな「涼のとり方」があることを伝えたいので、今日から金魚とめだかを飼うことにしました。

◆「夏はプール」は日本独特
保育園にプールがあるのは世界的には珍しいことです。海外の保育施設でプールはみたことがありません。学童に親水エリアを設けている施設はありました。先月視察したシンガポールにもありませんでした。日本は学校にプールがあるので幼児施設もその影響を受けて「夏はプール」というのが常識かのようになっていますが、この意識はちょっと「修正」しておきたいところがあります。それは「今日はプールに入れてよかったね。入れなくて残念だったね」という考えです。つい、私たちもそんな感覚になりがちですが、意識しておきたい大事なポイントじゃないかな、と先生たちと話し合ったりしています。夏の涼の取り方の一つが「水遊び」です。それも、いろいろあります。その一つが「プールの中での水遊び」です。
◆水を自分のものにしていく
一方で「泳ぎ方」を教えることは、ねらいにもなっていないのです。それよりも、全身で水と親しむことを通じて、水は滑りやすいとか、顔に水がかかっても平気になるとか、溺れないように泳ぐとか、安全な方法を学ぶことを大切にします。水と仲良くなり「水との付き合いが楽しくなる」ことが一番です。そのためには「プールに入る」のは、その一部分でしかありません。水を自分のものにしていくこと、といったらいいでしょうか。
◆涼の取り方の知恵を学びたい
私たち日本は四季に恵まれています。日本人は、この自然環境を生活の中に上手に取り入れてきました。保育でも同じです。「周囲の様々な環境に好奇心や探究心を持って関わり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養う」(領域「環境」)ことが保育の大切なねらいになっています。自然の恵みや文化の知恵を学びたいのです。
また「自ら健康で安全な生活を作り出す力」(領域「健康」)も育てたいので、暑い夏には汗をかいて体温を下げることができる健康な身体を育みたいですし、自分から水分補給をする習慣も身につけてあげたいと願っています。
◆日本の夏の過ごし方は
ジメジメして湿気の多い日本は、通りに打ち水をして気化熱で地面の温度を下げ、風通しの良い家の間取りにして外気を取り入れ、陽が射す場所には葦簀(よしず)やつる植物の葉で日陰をつくり、浴衣など発汗しやすい綿や麻の薄物を身につけて、扇子や団扇で柔らかい風を肌に流し当て、風鈴の音色が涼しげな風情を演出していたのです。こうした「涼む」「涼をとる」といった生活を営んできました。食べものも、そうめん流しや冷麦など、口当たりのいい食感と食べ方にまで工夫を凝らしてきました。
確かに、大抵の集落は近くに川のある場所が選ばれたので、夏は川や池や海で泳ぐこともあったでしょう。しかし、それは「入れてよかった」などと評価されるようなのもでは、ありません。たまに川で遊んだ、といった程度のものです。幼児施設で、ほぼ毎日プールの中に入ることが、前面に突進してくるのは、最近のことなのです。
◆金魚もめだかも季語は夏
金魚は尾ひれを翻して泳ぐ様が涼しげであるところから、夏の季語とされています。それならば、涼しげに泳ぐ姿がよく見えないといけません。そこで、今日は「金魚鉢」を求めてきました。
同じく、めだか(目高)も涼を求めて鑑賞することから、季語は夏です。そこで「水鉢」に放してあげました。
午後のお集まりでは、私が「やりたいことがあるから、手伝ってちょうだい」と言って、金魚とめだかを大事に飼ってもらうように子どもたちに、頼みました。観察ゾーンのクワガタとカブトムシに、水中生物の仲間が加わりました。
新しくできた寛ぎゾーンも今日から人気の場所になっています。こちらの様子はまた明日、報告しましょう。

水槽に新しい仲間が来ました!

2019/08/01

事務所の入り口にある水槽に、不思議な身体の魚が増えました。名前は「トランスルーセントグラスキャット」。名前の本当の意味はわかりませんが、長いので「ガラスのように半透明な猫」と、勝手な訳をつけました。不思議なことに体が透明です。

 

坪井先生の説明文には「だから ほねが  すけすけなんだよ」とあります。ナマズの仲間だそうで、タイやマレーシアなどの東南アジアにいるそうです。

「はらぺこあおむし」物語①

2019/07/15

「はらぺこあおむし」の歌で幕を開けた園生活は、本物のアゲハチョウと佐久間公園で出会い、園の花壇に植えたミカンの木にアゲハがやって来て卵を産み、葉っぱをいっぱい食べることろを部屋で観察し続けてきましたが、11日木曜日ごろから蛹になり始め、いよいよ、一つ目のクライマックスを迎えようとしています。そうです、成虫の孵化、アゲハの誕生です。この間の、写真でアゲハストーリーを振り返ってみましょう。

入園式の出し物は大型絵本と、ミュージャン坪井保育士のボイスでの「はらぺこあおむし」でしたね。

子どもたちは、このお話と歌が大好きです。

散歩先の佐久間公園で、実物の黒アゲハと出会うと、子どもたちの興奮がヒートアップ。

保育園の花壇にみかんの木を植えてみました。すると間もなく・・

園の周りにアゲハをよく見かけるようになって。

捕まえては、観察して、絵を描いたりしていました。

最初は塗り絵で、「こんな色だよね」。

「きれいだなぁ」。子どもたちと一緒に、チョウの羽の色や形をよく観察しました。

その頃、散歩先や園の近くを舞っていたアゲハチョウを捕まえては、放してあげるというのを繰り返していたら・・・なんと。

なんと、みかんの木に、卵を産んだらしく、アゲハの幼虫がたくさん生まれていました。

これは、すごい!

早速、部屋で飼うことになりました。

そしてどんどん、大きくなって、7月始めには大きな虫かごが必要になりました。

♪ちっぽけだった青虫は、こんなに大きくふとっちょに

花壇の方も見事なアオムシに成長しています。

 

そして室内の観察箱の中では・・ついに。

みかんの木の枝の根元に、半分くらい身体を隠して蛹になっています。

虫かごの蓋にぶら下がるように蛹になっています。上から見ると見えにくい場所を、ちゃんと選んでいるから、不思議です!

こうして、かごのフタにぶら下がるように2匹、みかんの木の枝の根元に1匹が、静かに、さなぎになり始めています。

♪まもなく青虫は、さなぎになって何日も眠りました

♪それからさなぎので皮を脱いで、出て来るのです。

さあ、もうすぐです。

みんなで楽しみに待ちましょう。

 

 

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