MENU CLOSE
TEL

園長の日記

子どもは「すごいねえ!」と「きれいだね!」が好き

2021/10/18

佐久間公園に行く途中の柳原通りで、岩本町三丁目町会長の栗下さんが、手を振って会社から出てきてくださいました。久しぶりにお会いしたのですがお元気そうでした。「今週末、運動会なんですけど、ご招待してくても感染対策でそれができなくて残念です」と伝えました。「ああ、いいよ、わかってるよ」と笑顔で理解してもらえました。会長は保育園を同じ町会の仲間として、いつも応援してくださっています。

佐久間公園へは2歳児クラスのにこにこ組と、3歳以上のクラスのわいらんすいとが、出かけました。滑り台や砂場、虫さがし、かけっこ・鬼ごっこなどを楽しみました。みてみて、と言われるたびに、その子なりの見せ場があるらしく、なるほど!と感心します。そして「すごいね!」と声をかけてあげます。本当にそう思ったら、躊躇わずに使いたい言葉「すごね」。これはやる気倍増の魔法の言葉です。

夕方、保育園の隣の駐輪場の花壇に「何か虫がいるんじゃい?」という子と一緒に、探してみましたがいませんでした。「寒くなったから、もういないね」などと話しながら。

すると「ちょうちょ」の話になって、ちょうちょを作りたいというので、コーヒータイムで使っていたフィルターがあったので、それを使って絵の具で滲ませ絵にして、ちょうちょにしたら、思いがけず大好評でした。

ぼくもやる!、わたしもやる! という盛り上がりでした。これも偶然に出来上がるので、どれも想像以上にきれいな絵柄になります。「きれいだね」と一緒に楽しみました。

 

 

イモムシくん脱走事件

2021/10/17

今朝17日(日)のことです。

2階から1階へ向かう黄色い階段の端に、棒切れが落ちているから拾おうとしたら・・・

KMさんのお家の図鑑で出自がわかった、あの大きなイモムシくんが(わらすのブログをお読みください)・・

ひとり旅に出ていました。

「あなた、こんなところまで、はるばると、どうやってやってやってきたの?」

「きみは海老柄スズメくんというんだよね。

玄関のアサガオの葉っぱを丸裸にしちゃったんだよね。

そうか。あの葉っぱが、もっとほしくなって、探していたのかい?」

水槽の壁は高くて、滑るから登れないはずだし・・・と不思議に思って「家」を見てみたら、謎が溶けました。

ここから出てください、とばかりに、棒が立てかけてありました。

その棒に登らせて、もとの「家」に戻してあげたので、迷子にならずにすみました。

今日は日曜日ですが、エアコンの分解清掃に立ち合っているのです。

今3階が済んだところですが、今年の行事パネル(春の親子ふれあいイベントと夏の納涼会)を作って階段に飾りました。

今朝はぐ〜ンと冷え込んで、二つの季節が終わったんだな、と実感です。

園庭ってなんだろう?

2021/10/16

園庭のない保育園をやることに決まった時、改めて「園庭ってなんだろう」と考えました。私がその時いた園の、当たり前のようにあった広い園庭には、走り回れる広い楕円形のフィールド(内側が芝生で、その外は土)があり、園庭の周囲には人工的に作ったビオトープが小川のように流れ、アスレティック型の大型遊具(吊り橋、トンネル、一つは筒型の2種類の滑り台が一体となったもの)、ブランコ、砂場、登り降りのできるネット遊具などが並んでいました。

子どもが体験できることを分類すると3つのことがありました。一つ目は体を色々と動かすことができること。二つ目は生き物と触れ合うことができる自然があること。そして三つ目が、室内では味わえない開放感。大きく分けると、この3つじゃないかと思えました。そこで、園庭のない千代田せいが保育園では、いろんな運動ができる室内ジムを用意して、屋上でも遊べるようにしよう。各フロアには生き物を見たり栽培したり、飼育できるような場所を用意しよう。そして屋外は、ぜんぶ園庭だと思って、いろんな場所で、いろんなことができるようにしよう。そうだ、園庭がないとマイナスに考えないで、中途半端な園庭で満足せずに、かえって面白い体験がいっぱいできるように、「地域が園庭だ」と考えればいいじゃないか!となっていったのです。

なぜ、こんなことを振り返っているのかというと、馬の水広場(と子どもたちが呼んでいるそうな)に引き寄せられている姿から、子どもにとっても魅力的な園庭とは、やっぱり開放感や自然が渾然一体になっている場所なんじゃないか、と気付かされるからです。

その気づきは、幼児クラスの先生に教えてもらったのですが、先週の10月5日(火)に草ボウボウの放置された「岩本町馬の水飲み場広場」に立ち寄って遊んだ体験が、とても印象的だったようです。翌日6日にもう一度行きたいという声があがり、子どもたちが話し合ったという姿を、7日のブログで報告しようとしていたそうです。私はその下書きを読んで「そんなに魅力を感じたんだ」と知りました。

その文章をなぜホームページに載せなかったのかというと、その「ファンタジーのような夢のような空間」だった自然空間が、6日には、綺麗さっぱりと刈られてしまったからです。私たちが5日に遊んでいる様子を見て、「草ぼうぼう状態で子どもが遊んでいては、気の毒」と思ってくださった方が、千代田区に連絡してくださったのか、あるいは、ただの偶然だったのか? それはまだわかりません。(真相が判明したら、またご報告します)

いずれにしても、大人にとっては雑草が繁茂した荒地に見えても、子どもたちにとっては「夢のような体験ができた場所」だったに違いありません。

子どもと木登り

2021/10/15

日本教育新聞で記者をしていたとき、園庭で木登りをさせている幼稚園を紹介したことがあります。昭和時代の話なのですが、幼児が木登りをするというのは、その頃でもすでに珍しいことになっていました。私が平成9年から22年いた八王子市の「せいがの森こども園」には、広い園庭に藤森先生が植えた「こぶし」の木があって、それは木登り専用でした。園庭のない千代田せいが保育園では、木登りができるなどと思ってもいなかったのですが、今日15日、偶然にも年長のすいすいさんが木登りを始めると、僕も私もと列ができて、木登りに子どもたちの熱い視線が注がれました。

「馬の水飲み広場」でのこと。ここは、5日に遊んだ時は、草ぼうぼうだったのですが、翌日6日にはすっかり雑草が刈り取られた原っぱになっています。草ぼうぼう状態は、それはそれで虫がいたりして面白かったのですが、草が刈られて平になると、走り回ったり、別の虫を探したり、アゲハを追いかけたり、長縄跳びをしたり、だるまさんがころんだをしたり、氷鬼をしたり、楽しい遊びを見つけ出していました。

そして、その一つに「木登り」が急浮上しました。KSくんが自分の力だけで登り始めて登れたので、安全な降り方も教えてあげると、何度も繰り返し始めました。それをみていた他の子たちも刺激を受けて、群れができるほどでした。

安全に木登りができるようになるには、大切な決まりがあります。それは「全部自分一人でやる」というルールです。手が届かないからと、持ち上げてあげたり、手伝ってあげたりしてはいけません。自分一人で登ることが鉄則です。下手に手伝うと、手順を飛ばしてしまうので危ないのです。手順とは「まず右足をここにかけて、左手でこっちの枝をこう握り、次に左足をここに持っていって、体をこう起こして、次に右足をここに移動させて・・・」という手順のことです。このルーティンを覚えていくことが、安全な木登りのこつなのです。

最初の枝に登れないうちは、その木に登る資格はないのです。自分なりに登れる木を見つけるしかありません。それを飛び越えて高い枝に乗せてあげると、自分で降りることができず「助けて〜」「抱っこお〜」となります。これをやってあげると、自分で登れなくなり、試行錯誤しながら手順を覚えないので、危ないのです。試行錯誤するときに、こっちの向きになると怖いとか、そっちに足を持っていくとバランスが悪いとか、自分の体や重心を感じながら、最もいい手順を見つけることができるのです。

これはボルダリングの競技に似ています。手足をどんな風に動かしていくか。みていると上手でした。運動ゾーンでクライミングやネット遊びをしてきたので、木登りにも応用できたようです。あまり怖がる感じもありませんでした。

実は、運動ゾーンに「目の荒いネットの方がいい」と判断したのは、前の園での木登り遊びの経験があったからです。自分の手足をバランスをとりながら、意識しながら動かしていくという動作が、必ず集中力と体幹を育てると確信していたからです。この広場へ行くと、一旦は木登りをする、というパターンが定着するかもしれません。そういう意味では、後で今日は木登り遊びの記念日になるかもしれません。

不審者訓練を実施

2021/10/14

今日は万世橋警察署の指示を仰ぎながら「不審者訓練」を実施しました。刃物を持った男が自動ドアの外から「開けろ」と騒いでいる間に110番通報し、警察署員がパトカーで駆けつけるという練習です。

当園への侵入を防ぐことを最優先させる態勢を組んで対応しました。対策はあえて詳しくは説明できませんが、各種の防犯措置が最も効果的になるように、職員の動きを確認しました。

子ども像の原点となる絵本

2021/10/13

今日は青木さんのダンス、すいすいのお手伝い保育がありました。ぞれぞれに色々な発見や楽しいことがいっぱいあったのですが、今日のトピックスとして取り上げるのは絵本です。

知りたがり屋のじょうーじ。これが原題の古典的名作絵本といえば「おさるのジョージ」ですね。英語で「キュリアス・ジョージ」が元ものの絵本の題名ですから、好奇心旺盛なジョージ、つまりなんでも知りたがり、やりたがるジョージという意味が元々の絵本のタイトルです。その第一作を今日は夕方、園長の絵本タイムで取り上げました。子どもって、こんな感じだよね、という特徴を最もよく表していると思える人気のシリーズですが、その特徴とは、まさしく「好奇心」です。好奇心は幼稚園でも保育園でも、その要領や指針で大切にされているキーワードです。

幼児教育の内容の一つ「環境」には、こう書かれています。

「周囲の様々な環境に好奇心や探究心をもって関わり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養う」

また10ある「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の7つ目「自然との関わり・生命尊重」にも、こうあります。

「自然に触れて感動する体験を通して、自然の変化などを感じ取り、好奇心や探究心をもって考え言葉などで表現しながら、身近な事象への関心が高まるとともに、自然への愛情や畏敬の念をもつようになる」

先日9日の勉強会で、藤森先生は「この絵本の登場人物たちが、好奇心旺盛なジョージが色々なことをしでかすことを、おおらかに受け止めている、周りの大人の姿に注目してほしい」という話をされました。確かに登場人物たちはジョージのイタズラに「やれやれ」という感じになるのでうが、決してそれにめくじらを立てて罰したりしません。ジョージが持っている好奇心を肯定し、なんとか、それが叶えられるように、応援してあげているのです。

さらに、藤森先生によると「この知る、ということがサイエンスのことです。STEM保育につながります。こんな好奇心を持って、やってみたい、どうしてだろう、不思議だなあ、というような気持ちを膨らませてあげてください。乳幼児期のSTEM保育とは、心情、意欲、態度を大切にしている保育そのものなんです」となります。

こんなふうに見守ってもらえたら、子どもたちは幸せなのに、と思ってしまいます。私たち大人は、この物語に出てくる大人のようでなければならないのです。好奇心いっぱいの子どもたちが、やりがたることを基本的には肯定してあげましょう。そして、その叶え方を「こうしたらいいよ」「こっちならやっていいよ」というように、認められない方法から認められる方法へ転換してあげながら、望ましい生活を作り上げる力を育ててあげたいと思います。

 

 

園長の1日

2021/10/12

わいらんすい(3〜5歳)は、本当は旧今川中学校の校庭で遊ぶ日だったのですが、雨が降りそうな天気だったので室内で運動遊びに変更しました。せっかくの「運動の秋」は外で遊びたかったのでちょっと残念です。

でも、どんな時も楽しいことに変えてしまうのが子どもたちの力です。運動ゾーンではトランポリンを何度か跳んで、そこからいかに遠くまでジャンプできるか、という運動ゲームを編み出して競っていました。

他にも将棋をしている子や、粘土で造形している子、レゴブロックで何かを組み立てたり、絵本を読んだり、思い思いの過ごし方です。

 

今日は同時並行の仕事が盛り沢山でした。9時からは大妻女子大の学生が来園して、卒論の研究テーマについてアドバイス。10時半からは今週末のオンライン・コーヒータイムの内容を鬼ごっこ協会の羽崎さんとズームで打ち合わせ。11時から「ちよだせいがぶんこ」の絵本リリースの準備。絵本にラベルを貼ったり、ポスターを作ったり。明日の職員会議の資料作りと、過去の研修内容のまとめや区役所で持っていく資料づくり。

午後には1時半から和泉小学校の体育館へ係の先生と一緒に下見に行って茅野副校長と打ち合わせ。当日借りる物や動線を確認し、いずみプラザの自転車置き場を借りる手はずもしてきました。その後3時30分には千代田区役所で指導検査の打ち合わせ。園に戻ってきて、全てのクラスの子どもたちの様子を確認してから、職員の研修報告書の読み込みと自己評価のまとめ。17日(日)に行うエアコン清掃の下見に来た方を案内。にこにこ組のコーナーポールの修理をしているうちに夕方になって、何人かの保護者の方と雑談。明日の「すいすいのお手伝い保育」の事務室での計画を考え、明日の夕方の「園長の絵本タイム」ですいすいの子たちに読み聞かせる絵本を選びました。松居直さんの「推し絵本」特集が終わったら、次は大豆生田さんが紹介している絵本シリーズにしようか?と検討開始。明日は青木尚哉さんのダンスグループ「Zer〇」の方たちと今年6回目のダンス遊びをします。

自宅に帰ってサッカーをテレビで観戦。かろうじてオーストラリアに勝利して一安心。そして園長の日記を書いて、本日の瞑想タイムへ。みなさん、おやすみなさい。

にこにこ組の「ねえ、見ててね」の世界

2021/10/11

「園長先生、見て〜」と声をかけてくれる、にこにこ組(2歳児)の子どもたち。最近、よく佐久間公園にきている、にこにこさんたちが、できるようになったことや、発見したことを見てもらいたくて盛んに私を呼びます。

見せてくれたのは、ポケットに入っていた「ひめりんご」や、何かの草の実。ちょっと長い、黄色の滑り台を滑り降りることができるようになったこと。また「目」という形の枠が段違いに並んでいる鉄棒のぼり。

みててね、といって見せてくれるモノや自分の姿を、こうやって「伝えたい」という気持ちに溢れている姿に接すると、こちらもとても嬉しい気持ちになります。キラキラを目を輝かせて「みててね」という、この子たちの気持ちの動きは、考えてみると、この子たちにとって自分が見つけた世界に、私たちを招待してくれているように思えます。ほら、どう?こんな世界。ちょっと見つけちゃったんだよね。いいでしょ、教えてあげるね、と。

こんな心の動きを「表現」ということができるなら、自分が切り拓いていく世界を他人と分かち合うことを、人は本質的に求めているんだなあと思えます。ちょうど、この子たちが1年前、ぐんぐん組の時にだんだん自分の思いを強く主張し始めて、思いが通らないとひっくり返っていうことを聞かなかったり、自分の思いの大きさに比べてお友達の思いには、思いも及ばないような時期があったことを思い出すと、なんと立派に「自分」のありようと、自分が向かい合っている「世界」を見せてくれる子どもたちに育ったことでしょう。

自分と世界が出会っている真っ最中の出来事が、面白くてしょうがない。それを「遊び」というのでしょうが、それを分かち合いたいという気持ちを持って「人との関わり」の輪の中で楽しんでいることが、ぐんぐんの頃の姿とはまた違った広がりを感じたのでした。

 

オンライン・コーヒータイム(10月16日)午前10時〜11時

2021/10/11

コロナになって開くことができなくなっていた茶話会「コーヒータイム」ですが、今月からオンラインで開くことになりました。第1回のコーヒータイムは、運動の秋にちなみ、鬼ごっこ協会の羽崎貴雄さんをゲストにお招きします。当園の、第一回目の「親子運動遊びの会」で、鬼ごっこをご紹介していただいた方ですので、ご存知の方も多いと思います。

ぜひ、ぶらりとお気軽にお立ち寄りください。

https://us02web.zoom.us/j/85428286114?pwd=aUVJM2x5ck80UWVGRjl5bEZrZVNyQT09

ミーティングID: 854 2828 6114
パスコード: 610452

学びの秋 その2

2021/10/09

先日7日の園内研修に続き、今日9日は藤森統括園長を囲んで、STEM保育について学びました。

10年後というのは2030年のことを指すのですが、それまでに急いで取り組む必要のある「地球温暖化防止」や「格差是正」に失敗すると、今の子どもたちが大きなツケを払わされる世界になってしまうことを意味します。従って、まずは大人が、政治が「正しい選択」をする必要があります。しかし、その実行が、なかなか難しい。

それでも一昨日7日(木)午後10時41分の地震のように(他にも、実際に起きた10年前の東日本大震災や、2050年までに70%の確率で起きると言われている「首都直下型地震」のように)、世界を揺るがすような大きな変化が待ち受けていて(変動性=Volatility)、それがいつくるのか不確実で(不確実性=Uncertainty)、それは単純なものではなく(複雑性Complexity)、合意を得ることが難しいような曖昧さ(Anbiguity)が付き纏います。こんな世界の特徴をVUCA(ブーカ)というのは9月1日に述べました。

今日の勉強会は、この話が大前提になります。そんな時代にはならないよ、と考えるなら、以下の話はいりません。でも残念ながら現実の世界はそんな時代になるのです。そんなに遠くの話ではありません。園児たちが中学生や高校生になる頃の話です。私の実感では、それはあっという間に来ます。そうした世界が待っていることが確実な中で、どんな力をつけておく必要があるのか?ということを考えました。

藤森先生の話は、まずなぜ、OECDが「2030年に向けた教育プラン」を打ち出したのか?ということから始まりました。きっかけは、日本の東日本大震災の教訓です。その一つが「釜石の奇跡」です。

消防庁のホームページによると「岩手県の釜石市では、約1,300人もの人が亡くなったり行方がわからなくなったりしました。大槌湾に面した鵜住居地区も、津波で壊滅状態となりました。しかし、この地区の鵜住居小学校と釜石東中学校にいた児童・生徒約570人は、全員無事に避難することができました。これは「釜石の奇跡」とよばれています。」として、音声読み上げ機能もつけて、詳しく説明されています。

https://www.fdma.go.jp/relocation/e-college/ippan/cat/cat1/cat/post-12.html

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

では、児童・生徒は、どのようにして無事に避難することができたのでしょうか。

(1)鵜住居小学校では、地震直後、まず校舎の3階に児童が集まりました。ところが、3階に集まり始めたころ、
(2)隣の釜石東中学校では生徒が校庭に駆け出していました。
(3)これを見た小学校の児童は、日ごろから釜石東中学校と行っていた合同訓練を思い出し、自らの判断で校庭に駆け出しました。その後、児童・生徒は約500m先の高台にあるグループホーム「ございしょの里」まで避難しましたが、建物の裏の崖が崩れるのを見た生徒が教師にもっと高いところに避難しようと伝え、
(4)さらに高台の介護福祉施設「やまざき機能訓練デイサービスセンター」まで避難しました。
(5)このあと、津波が堤防を越えたという消防団員や地域の人の声に反応し、子どもたちはさらに高台の石材店までかけのぼりました。
(6)このあと学校やまちは津波にのまれてしまいましたが、児童・生徒は全員、無事に避難することができました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

なぜ、こんなことができたのでしょうか。

どんな力の差が、子どもたちの生死を分けたのでしょうか。

どんな防災教育が功を奏したのでしょう。

ホームページには、大きな文字で以下のようにまとめてあります。

さらに、その三原則とはこの3つです。

この教訓を、ブーカの世界に立ち向かうための教育に取り入れたのが、OECDの「ラーニングフレーム2030」だと、いわれているそうです。ちょうど7日の園内研修で取り上げたものです。ただし、このモデルは、教員が主導して行う教育モデルに近いので、子ども主体の学びに転換させる必要があります。

その参考になるのは、シンガポールの教育改革です。さらにこれを突き詰めていくと、STEM保育の必要性につながっていくのです。その内容は別の機会に触れるかもしれませんが、今日は、そのポイントを整理しました。

藤森先生は来月、北京で幼児のアクティブ・ラーニングについて講演します。藤森先生に講演を依頼したのは、佐藤学先生と秋田喜代美先生です。

保育において、想定や思い込みにとらわれず、現状に甘んじないで、各自が当事者として率先して行動できるかどうか?

子どもにはクリティカルシンキングが必要なこと、見通しを持って最善を尽くそうとすること、自ら考えて実行する力を持つこと。こんなことができるように、さて、乳幼児からの保育は何をどうしたらいいのか。

今日の勉強会で、絞り込んでいって最後に残ったキーワードは、真鍋淑郎さんと同じ「好奇心」でした。

 

 

top