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2023年 2月

この1年の子どもの育ちを振り返る

2023/02/22

今週末の25日(土)に成長展を開催しますが、その案内をコドモンでお知らせしました。

子どもたちの「育ち」は一人ずつ異なりますが、それは集団の育ちと密接な関係があります。

なぜなら、人の育ちは環境の質と密接だからで、その環境は周りの子どもたちと相互に影響し合いながら変化するからです。どんな活動をどんな集団でどのように展開するか、その展開を先生たちが環境を通して誘い、導き、促します。中でも、子ども同士の関係がもっとも大きな影響を与えます。

そこで毎年、クラスという単位で見た時の集団の育ちも、まとめてお知らせしています。

今年からは、紙で印刷したものをお配りするのではなく、ホームページでみることができるようにしました。

(1)各クラスのブログ、食育のページをご覧ください。保健は「わらす」に載せました。

(2)「行事」からPDF版をダウンロードできます。

(3)これまでの過去の分も、近いうちにアーカイブでみることができるようにします。

成長展〜この1年の「子どもの育ち」を振り返る(すいすい組)

2023/02/22

すいすい組

【健康】

 丈夫な身体、元気に活動できる力が大きく育まれてきた一年でした。ミーティング(MTG)では、「いけるところまでいく」という目標から、たくさんの場所へ出かけ、たくさん遊んでもなお「全然、大丈夫」と、良い疲労感を感じながらも調整する姿が見られています。

 十恩公園、旧今川中学校、御徒町公園、竹町公園、上野公園へのお散歩や、バスだけで利用していた浜町公園までも歩いて出かけられるようになりました。わいわい組、らんらん組だけでは難しいであろう活動を、すいすい組の子どもたちの姿が引っ張ってくれることで、わいらんすい組での活動の幅が大きく広がりました。その中で自ら健康で安全な生活を送れるような配慮を持てるようにもなってきています。

 お昼寝が必要な様子もありましたが、就学前だけでなく、年間を通して昼寝のない生活を送っていく事で、就学を前に多くの家庭が悩む学校生活(昼寝がない)へ課題は少なくてすみ、スムーズに移行ができることは、家庭と共に協力して進めてきた成果ともいえるでしょう。 

 

【人間関係】

 対話を大事にした一年でした。最初は、お集まりや話し合い。でも、とにかく自分がしゃべりたい、伝えたい、人の話は聞いているだけ。何かを決めたり、何かを目指してったりするという事が難しかったです。「相手の気持ち」をイメージすることが苦手な姿がありました。子どもですから、自分勝手で幼いということもあるのですが、そこをうまく受信する力が育つように考えました。

「自分たちの生活を自分たちで作る」という「参画」をキーワードに、出来る限り、子ども達が企画して実践する体験に重きを置きました。最初は、話し合いではなくて、協力ゲームを用いて、あえて課題の時間としてそれだけで遊ぶ機会を充分にとる中で、どうクリアをするかの対話が生まれてきました。日々の子ども同士の関係を大事にしながらも、「お友達の考えに触れる機会」を意図的に持つことで、耳を傾ける姿が出てきました。 

お泊り保育をきっかけにMTGをたくさん実施する中で友達の考えを知り、それによって自分の気持ちや自分が何をしたいのかがより明確に持てるようにもなってきました。さらに、出来る限り子どもへの「選択ではない」「裁量権」を与えるようにして、そもそも、実現させるためのプロジェクトを毎日進めていくような活動を実施しました。

週案会議(一週間の予定を考える)もその一つです。それが、結果として最近では「私は、これがやりたいんだけど、いいかな?」「いいね。でも、私はこれが苦手でさ」「そしたらこうしたらいいんじゃないかな」という提案型のMTGが熟成されてきていました。

この一年で、生活を作り出すという対話の力が育まれ、育ちの芽が出てきています。特に印象的なのは「多数決がない」。これは、とても重要ではないでしょうか。 

こうした積み重ねの中で散歩先の公園で遊んでいると、滑り台で困っている1歳の子を優しく助けてあげて、その親に感謝されるということもあるほど、小さい子どもへの思いやりも育っています。

 

【環境】

 保護者の方々からのご協力もあり、電車の活動今年から始める事が出来ました。子どもたちもこれを実現するために様々な事を考えました。先生の悩みであった、切符の購入時間短縮に対して、小児パスモを使って短縮し、それを実現する中で、最初はパスモを「ピッ」とするのに緊張していたのが、自信満々にやり始めました。と思ったら、かっこよくしようとして上手く作動しなくて「あわわわわ」といった社会体験もたくさんしました。

また、自然物や生き物が好きで、セキセイインコのお世話をたくさんの子が体験をして貢献をしていました。身近にある段ボールなどの素材遊びや毛糸のゆび編みなど、自分たちの周りにある環境を豊かにして過ごしていました。

そして後半になり「こうしたら、うまくいく」「こうやるのはどうかな」といったイメージや善さを考えたり、それを実現するためにどうしたらいいのかという、課題を解決する力も出てきていました。

 

【言葉】

 自分の得意なことや、相手に伝える楽しさなどを味わっていました。発信力がある子は、自分の考えを中心に言葉を投げかけていましたが、たくさん聞いてもらううちに、相手の考えに触れて、考えに共感できる体験を繰り返していく中で、言葉でのコミュニケーションが広がってきました。

特に、年下の乳児との接し方では寄り添ってあげたり、言葉を待ってあげたりというコミュニケーションの基本である姿に成長を感じます。振る舞いといってもいいのでしょうが、相手への配慮が少しずつ持てるようになってきました。自分の気持ちをうまく伝えられないのではなく、深く考えて受け止めてあげるという子もいます。相手の気持ちに寄り添おうとする受容的な主体も素晴らしい力です。この2つのバランスを見るのではなく、それぞれの子どもの善さを大事にしながらMTGはじめたくさんのお話を楽しむようになりました。

【表現】

 自分の好きな事を選べる環境だからこそ、自分のやりたい事を充分に楽しめるようになりました。そして、自分の生活を作り上げていく中で、本当にやりたい事に没頭してきました。

これらがかけがえのない活動になっているのは、共有したり、一緒に楽しんだりする友達がいて、それぞれの作品がより深まっていきました。共感してくれるからこそ、その喜びやうれしさが自分のイメージをより広げていきました。物を中心としたことを好むことも特徴的でした。文化や歌といった事、空想というよりもリアルさに重きがあったという気付きもあるのですが、自分の社会、生活や世界の広がりをたくさん感じそれを様々なかたちでつくりあげていました。

成長展〜この1年の「子どもの育ち」を振り返る(わいわい組)

2023/02/22

わいわい組

【健康】

幼児クラスになり散歩先の幅が広がって、和泉公園や佐久間公園だけでなく、十恩公園や御徒町公園、ワテラスなど、10を越える公園へ出かけるようになり、歩く距離が長くなったのもそうですが、場所によって遊ぶ内容も違うので体を動かすバリエーションが増えました。歩く力もついて、バス遠足で行っていた浜町公園へも歩いていけるようになり、またコロナ禍も落ち着いてきて、電車に乗っての戸外活動も始まりました。

初めの頃は、歩くペースについていくことが難しく、しゃがみこんでしまったり、くじけそうになってしまったりする場面もあったのですが、今ではらんらんさん・すいすいさんにリードしてもらいながら、長距離をしっかりと歩けるようになってきました。また戸外遊びに限らず、室内では大好きなクライミングゾーンでも、ダイナミックに身体を動かし、綱やブランコ、クライミングなどを通して体幹がしっかりしてきて、バランスのとれる身体になってきました。

運動を通して様々な運動感覚が養われてきたこともあり、生活習慣もずいぶんと自立してきました。具体的にはトイレでの排尿感覚や排泄の自立へともつながっていきました。自分の身体の変化も分かるようになってきて、体調がよくないことを自分で伝えられるようになったり、「体調がよくなさそうだから普段は寝ていないけど今日は寝よう」と午睡を選択出来るような姿も出てきました。自分のことを自分でわかるようになることは、幼児の頃の心の大きな成長です。頼もしいですね。

 

【人間関係】

にこにこ組から進級してわい・らん・すいという異年齢での生活になり、交友関係が同年齢の子だけでなく、好きな遊びを通して広がっていきました。お兄さんやお姉さんと過ごす中で、「やってみたい」と思うことが増え、遊びの幅が広がったり、憧れから真似る姿も増えたりして、お互いに良い刺激をしあいながらの毎日になっていきました。

年間目標の一つは『相手の気持ちに気づき、思いやりの心が育つ』です。この成長はとても大きかったと思います。自分のことが中心の姿から、段々のお友達の気持ちにも気づけるようになって、じゃあ、こうしてあげようという気遣いが育ってきました。このクラスは途中入園の子もいますが、開園した当初のちっち組からの付き合いで、もう4年目になりますね。個性豊かで友だちによって、活発な子もいれば、行動がゆっくりな子、おしゃべりが上手な子や、気落ちが穏やかな子、そして友だちに寄り添ってくれる子など、様々な子がいる中で、お互いのことをよく見ていて、よく分かっている関係だと思わされることが多かったです。

互いに出来ない部分は助け合ったり、困っているときには寄り添ったり、支え合いながら思いやる姿が多くあった一年でした。

 

【環境】

『幼児クラスでの生活に慣れ、安心して過ごす』

これは、今年度の目標の一つでした。小さな集団(単独での2歳児クラス)から大きな集団(3・4・5歳児での異年齢でのクラス)に大きく変わったこの一年。4月の頃は、大きく変わる新しい環境に、緊張や不安も見られましたが、今では居心地の良い安心した環境へ変わっていっているように感じます。

模倣遊びは見立てる世界が広がり、ままごとやお買物も小道具が増えて、自分で使いたいものを製作で作ろうとする姿も目立ってきました。折り紙や塗り絵もやりたいものがそれぞれになって、目指したいこと、完成させたいことに個性が表れています。好きな絵本も変わってきました。パズル遊びではピースの数もどんどん増えています。カメやスズムシなどの生き物は、好きなものに個性が表れていて、年度途中から観察ゾーンに登場したセキセイインコのお世話や餌やりも興味津々です。カード遊びも難しいルールでもお兄さんやお姉さんがやっていることに興味があって、加わっていく姿もたくさんあります。

同じ年齢の子だけでなく、年上のお兄さん・お姉さんと過ごす中で、色々なこと教えてもらったり困っているときには助けてもらったり、互いに良い刺激をし合える環境での毎日でした。そんな環境の中で過ごす中で、やってもらって嬉しかったことを次は、「やってあげたい」に変わり、後半は、お手伝いに行くことが増えていきました。そして、お手伝いでの達成感や感謝される喜びから、自分に自信がついていった一年でもあったのではないかと思います。

 

【言葉】

『自分の思いを言葉で伝える』。

これは、わいわい組の課題でもありました。自分の思いを言葉で伝えることがなかなか難しく、前半は手や口が出てしまうことが少なくありませんでした。しかし、ピーステーブルとの出あいがあり、まだ話し合うことが難しくても自分の気持ちを吐き出せる場所があることで、その場が用意されていることが安心感と前向きな気持ちの醸成につながっていったようです。そして表現ボードを通して互いに気持ちを伝え合う場所へと変化していきました。

ピーステーブルでの話し合いも、初めはお兄さん・お姉さん・先生が間にはいっていた所から、次第に自分たちだけで解決に向かおうとする姿も見られるようになりました。異年齢での生活は、自分の気持ちや考えを言葉で表すことを促しました。こんな時はこういうのか、こういう気持ちだからこう言えばいいんだ、という体験からの学びです。意識しなくても、自然と真似をたり模倣できるモデルがあるので、状況に応じた言葉の獲得には大きな進展が見られました。本当に大きな育ちですね。

意思疎通がより細かくできるようになり、相手との正確なコミュニケーションがとれるようになったことで、友だちとの関係も更に深まり、食事の席でも時間も忘れて会話を楽しむ姿がありました。

 

【表現】

運動会でおなじみのダンサー青木尚哉さんとの表現あそびは格別だったようです。この活動はわいわい組がとても大好きな活動でした。自分の距離感で、ペースで、全身を使って楽しんでいた表現あそび。身体を自由に動かして友だちとするマネキンダンスやグーパー体操など、家に帰ってからも親子で楽しんでいた家庭が多かったですね。

また、ゾーンの中でも製作ゾーンが好きな子がとても多く、後半は塗り絵や折り紙だけでなく、段ボール・ダムテープ・毛糸・ストロー等、様々な素材を使って作りたいものを表現していました。ごっこ遊びでは、好きなキャラクターになりきったり、家族ごっこ・お医者さんごっこなどで、その役になりきったりしながら、その時期時期に色々なブームが到来しました。

満4歳を迎える1年だったわけですが、この時期は相手の気持ちもよくわかるようになるので、友だちと一緒に役割分担をしながら、その役に「なりきる」ということが面白いようで、見ていると全力で楽しんでいました。制作が好きな子が多いので、お店屋さんごっこでは、ごっこゾーンの玩具(食べ物)だけでなく、そこから更に製作でつくったものを取り入れながらの遊びに発展しました。それがお楽しみ会でのお店屋さんごっこにつながりました。自分がやりたいこと、作りたいものを形にしながら没頭する姿がありました。

表現の領域は、健康も人間関係も、環境も言葉もそれぞれの成長が表に現れるものです。そこに意図して作った作品だけではなく、生活や遊びのちょっとした場面で見せてくれる姿に、このわいわいさんらしい、あどけなさとひたむきさを感じます。まだまだ未熟だけどやりたいという強い意欲が溢れ出ていて、愛おしいわいわいさんです。

 

成長展〜この1年の「子どもの育ち」を振り返る(らんらん組)

2023/02/22

らんらん組

【健康】

天真爛漫で甘え上手で、お支度などの場面でも「やって」といった姿が多かったわいわい組の姿から、日常生活のうえでの基本的な生活習慣はほとんど自立し、身の回りのことは自分で行うことができるように成長してきた子どもたち。

この一年間で、活動の幅も広がり、遠くの公園まで出かけるようになりました。わいわい組のときには、「疲れた」「抱っこして」と途中で座り込んでしまうこともありましたが、今では、わいわいさんをリードしてくれる頼もしさを見せてくれるようになりました。

食事では、自分が苦手だと思うものでも味見してみることで、美味しいと分かると、「いっぱい」と伝えるようになりました。友だちと一緒に楽しく食べる中で、食への関心も高まり、友だちを意識して箸等の食具にも挑戦する姿も出てきました。

 

【人間関係】

友だちとの関わり合いを楽しむ姿がさらに増えてきて、好きな遊びを通して、仲間関係が広がり、深まってきました。「楽しさ」が子ども同士を繋げ、その関係を深めていきました。友だちとの関わりの中で、仲間に入れる・仲間に入れないという問題があり、「○○ちゃんが仲間にいれてくれない」と保育者のところに言いに来る姿もありました。その際には、その思いを受け止めたうえで、「どうして仲間にいれてくれないのか聞いてみた?」と、もう一歩踏み込んで聞いてみるよう促していきました。子どもが自分自身で仲間に入れるような後押しを意識して関わる中で、「もうお母さん役はうまっちゃったから、仲間に入れてあげたくなかった。」など理由が分かり、「じゃあ、猫役だったらいいよ」と互いに受け入れ合う姿がありました。

また、年下のお友だちに、生活や遊びを教えてあげ、喜んでもらえることが、自分の喜びとなり、自信がついていきました。さらに自信を育んでいけるよう、自己発揮の場をたくさんつくっていきたいと思います。

 

【環境】

文字に興味関心が高まってきているらんらんさん。絵本を自分で読めるようになったり、紙芝居を読んでみたいと挑戦したりと、文字が読めるようになったことで面白さの世界が広がってきています。また、自分の名前を書けるようになったり、「パパとママにお手紙を書きたい」「○○ちゃんにお手紙を書きたい」と、ひらがな表を見ながら、一所懸命手紙を書く姿もあります。そう思える相手がいるからこそ、書きたいという意欲も湧いてくるのですね。

戸外活動では、様々な自然物との出合いがありました。季節を感じる花々や落ち葉・木の実などを集めて、ごっこ遊びに取り入れたり、ダンゴムシやあり、チョウやトンボなど、様々な昆虫採集に夢中になったりしました。虫かごに入れて、持ち帰り、死んでしまうということも経験しました。その中で、昆虫の好きな食べ物を虫かごに入れてあげたらいいという意見や、ずっと閉じ込められていたらかわいそうだから、逃がしてあげようという意見も出てきて、身近な生き物との出会いから、生命の尊さや生き物を大切にする心が育まれていきました。

 

【言葉】

友だちとの関わりがさらに深まってきた、らんらん組の一年間。友だちとやり取りする楽しさや嬉しさをたくさん味わう中で、もっと友だちと一緒に遊びたい・もっと一緒におしゃべりしたいという思いがたくさん湧いてきました。その一方で、自分の思いをうまく言葉にできずに、悲しい気持ちになったり、悔しさから怒りの気持ちになったりといった経験もたくさんありました。思うようにいかないときに、言葉で表現することが難しく、つい手が出てしまったり、感情が溢れてきたりする場面も多くあります。

そんな時に、そのやり取りを見ていたほかの友だちが、涙をふくためのティッシュやお茶を持ってきてくれることがあります。一度気持ちを落ちつかせ、自分の気持ちを整理する時間をもつことで、怒りの気持ちや悲しい気持ちが少しずつ抑えられてきて、自分がどうしたかったのか、相手にどうしてほしかったのか、どうしてほしくなかったのか、伝えることができるようになってきました。自分の気持ちが分かってもらえると、相手の気持ちも聞き、相手の気持ちを受け入れることができるようになってきました。自分の気持ちを言葉で伝えることの難しさや、葛藤も多くありますが、それを乗り越えていけるよう、対話を大切にしていきます。

 

【表現】

ごっこ遊びが大好きならんらん組の子どもたち。自分のイメージを互いに表現し合い、友だちとそのイメージを共有しながら、ごっこ遊びに夢中になっています。ごっこゾーンに限らず、運動ゾーンや公園でも、ごっこ遊びがさかんに行われています。

例えば、ジャングルジムをハチの巣に見立て、ハチごっこを行い、落ち葉などの自然物を蜂蜜に見立て、蜂蜜を集めたり、そこから学校へ行ったりと、それぞれのアイディアを「楽しい」と受け入れ合い、遊びがさらに楽しく展開していきます。「楽しさ」を共有しながら、それぞれアイディアを出し合い、それがみんなに認められ受け入れられることが自信にも繋がっていくように感じます。

また、ものづくりが大好きで、様々な素材を用いて、豊かな感性とアイディアで、工夫して作り上げていきました。一人ひとり、表現が違いますが、友だちの表現を見て、いいなと感じてそれを取り入れたり、「それいいね」と認め合える関係性がつくられてきていています。互いの表現を認め合える、らんらんさんの姿がすてきです。

成長展〜この1年の「子どもの育ち」を振り返る(保健)

2023/02/22

保健

保育園での保健は、次の二つを大切にしています。

(1)「園全体の健康の保持増進及び安全の確保に努める事」

(2)「子どもが自らの体に関心をもち、心身の機能を高めていく事」

 

子どもが長い時間、集団で生活する保育園では、園全体の健康の保持・増進のために、一人ひとりの健康づくりが必要です。健康づくりは、睡眠・食事・遊びなど一日の生活リズムを整えることが基礎になります。これは保育園と家庭で協力してバランス良く整えていくように配慮することが必要です。

 

(1)「園全体の健康の保持増進及び安全の確保に努める事」について

「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」の流行により、社会は様々な影響や変化を被りましたが、予防のための「手洗い」「うがい」「手指消毒」は、子どもも大人も日常習慣になりました。これは感染症予防対策にはとても良い習慣ではありますが、石鹸を沢山つけたり、何回も洗ってしまったりすることもあり、皮膚の薄い乳幼児の手荒れも少なからずおきています。「手指だけでなく、全身の皮膚のバリア機能を守ること」は、経皮感作によるアトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどの発症予防にも繋がりますので、より入念なスキンケアをしていく必要がでてきました。

また「マスクの着用」により、園では顔の半分が見えない大人達の中で、子ども達は成長していきます。この1年は特に、表情や口の動きの見えない分を少しでも補えるように、「目を合わせて感情が伝わるような話しかけ」を意識がけました。心(脳)の成長が著しい乳幼児期に、大人達がマスクをつけていることが心の健康に悪影響にならないように、今後もコロナ禍での健康づくり、事故予防や感染症対策を含め包括的な保育保健を考え実践していきたいと思います。

 

(2)「子どもが自らの体に関心をもち、心身の機能を高めていく事」について

今年度は「自らの体への興味」として、男女のからだのちがい、プライベートゾーン絵本をすいすいクラスに読む時間を作りました。家族のように生活する園ですが、プールや身体測定、トイレなどにおいて、この部分についての配慮や意識が必要になります。今後もこのような生物学的な性差の理解を深めながらも、ジェンダー平等を心掛けていきたいと思います。

 

成長展〜この1年の「子どもの育ち」を振り返る(ちっち組)

2023/02/22

ちっち組

【健康】

遊び・食事・睡眠。一人ひとりの発達の差が大きいちっち組では、一人ひとりの生活リズムに合わせて、という部分も大切にして過ごしてきました。そのリズムがだんだん作られていくためにも、心と体の健康が必要です。晴れた日には戸外でたっぷり遊んで、お腹が空いたらミルクやごはん。そして、お腹いっぱいになって眠る。大人だって、日によってコンディションが様々であるように、赤ちゃんたちも、日によってそれぞれです。今日はあんまり食べたくないなぁという日もあれば、お腹がぺこぺこでもっともっと食べたい!という日もあります。眠くて眠くて仕方ない日もあれば、まだもうちょっと遊んでいたい…という日もあります。小さな赤ちゃんのうちから、子どもたちは、そうして自分で様々な選択をしながら、過ごしています。

食事の場面にスポットを当ててみると・・・園では、基本的に離乳食後期の頃から“手づかみ食べ”をしています。今まで、あーんとスプーンで口に運んでもらっていた子も、食べ物を自分の手で食べるようになっていきます。その姿を見ていると、面白いことに、最初のころは、とりあえず、手に触ったものを口に運んでいた子も、徐々に、“これを食べたい”と、選んで手に取るようになり、お皿の上は、好きなものから、なくなっていきます。(離乳食では、かぼちゃや人参など、甘味のあるものが人気でした。)そして食べてみて、苦手なものは、ベーっ。徐々に好き嫌いがはっきり見えてきます。

園では、「お友だちと一緒に食べる」という空間も大切にしています。おいしいね、たのしいね、と誰かと一緒に食べる喜びを、小さい子どもたちなりに感じてくれたらなぁと思っています。隣のお友だちと顔を見合ってニコーっとしながら食べたり、お手伝いに来たわらす組のお姉さんに「あーん」と食べさせてもらったり。ただ“お腹を満たす”だけの時間ではなく、食事の時間は、楽しくて嬉しいものであってほしいですね。

どのような場面にも、子どもの「選択」があります。できるだけその選択をさせてあげながら、子どもたちが意欲的に過ごしていけることが、「心身の健康」そして「生活を作り出していく力」にもつながっていくのだと思います。

 

 

【人間関係】

入園したての春の頃、初めましてのお友達や大人たちに囲まれて、不思議そうなお顔のちっちさん。まだまだよそよそしくて、大人の膝から踏み出すのがこわい、、そんなお友達の姿もありました。ですが、同じちっちさんのお友達や、ちょっと先輩のぐんぐんさんと過ごしたり、毎朝「かわいいね〜」「あ!わらった〜!」とたくさん明るい声をかけてくれるわらす組のお兄さんお姉さん達と関わったりする中で、その子らしい表情や声が出てきて、自分の世界がどんどんと広がってきています。様々な表情を見せてくれるちっちさん達の姿に、今ではすっかり園が自分を出せる場所になっていることを感じ、嬉しく思います。

初めの頃は、大人やお姉さんお兄さん達との一対一の関わりや、1人遊びが多かったちっちさんでしたが、最近ではちっちさん同士での関わりがとても増えてきています。お友達のエプロンをつけてあげようと奮闘したり、付けてくれるのをじっと待ってあげたり。お友達が使っているおもちゃを羨ましく思って取ってみたり、またそれが悔しくて追いかけてみたり。悲しくて泣いているお友達に気がつくと、後ろから『いい子いい子』と慰めてくれたり。時には『これどーぞ』とかわりのおもちゃや絵本を持ってきてくれる、まるでぐんぐんさんのような姿もあります。また、キャッキャと楽しそうな笑い声が聞こえると思って見てみると、ちっちさん達で集まって一緒にジャンプして笑っていたり、『いないいないばあ』をして笑わせ合っていたり。楽しい気持ちを共有できる”仲間”であることを心で感じて、通じ合っているのだと感じる日々です。

春から一年間、大人と楽しさを共有する時間はもちろん、このような子ども同士での時間もとても大切にしてながら過ごしてきました。初めての集団生活、初めての「社会」である保育園での生活は、人と人同士の世界だからこそ、思い通りにいかないことやもっと楽しくなることなど、様々な気持ちの体験に溢れています。どのような気持ちも子ども達の心の発達において、欠かせない気持ちの芽生えです。子どもの発達・成長を見守る大人として、一人ひとりに寄り添いながら、たくさんの気持ちと向き合う経験を少しずつ積み重ねていけるよう過ごしていけたらと思います。

 

 

【環境】

初めての場所、初めて触れるモノ、初めて出会う人。保育園という“社会”に飛び出したちっちさんにとっては、いろんな「はじめて」を体験した1年でした。

春のころ、仰向けで寝転がっていた子たちは、となりで同じようにお友だちが寝転んでいるのを見つけると、“これは、誰なのかしら…”というふうに、首をぐぅっとひねってお友だちの顔を見ようとしていました。そして、近づいてみたい、触れてみたい、とだんだん身体をよじって…気が付いたら、寝返りがうてるようになっていました。

うつ伏せができるようになると、また見える世界が広がります。今度は、触ってみたい玩具が近くにあるけれど、ギリギリ届かない…。そんなときには、またぐぅっと手を伸ばして、“あともうちょっとなのに、とどかない~!!”と困り顔。そして、気が付くと、ずりばいができるようになり、自分の力で、触ってみたいものまで移動できるようになっていました。

・・・そんな風にして、どの子もひとりひとりが、自分の興味や好奇心、やってみたい!の気持ちを原動力にしながら「発達」を繰り返しています。今では、そのやってみたい!も、すっかり幅が広がって、ティッシュペーパーが大量に床に落ちていたり、水道の蛇口で袖がびちょびちょになっていたり、パーテーションの隙間からすばしっこく抜け出して探索に出かけていたり、テーブルの上によじ登ってみたり…。大人からするとイタズラに感じられるような姿も増えてきました。でも、その姿は、子どもたちがどんなことをやってみたいのか、というヒントでもあります。そこから、「探索活動をたっぷりできる時間を増やしてみよう」とか「よじ登って遊べる坂道を運動ゾーンに作ってみよう」などと、子どもたちの遊びの要素を見つけて、できる限り、『環境』として取り入れてきました。子どもたちのやりたがっていることは、つぎの発達のために必要なものであると考えています。最近よく遊びに行くようになった園の屋上も、その一つです。

また、今年は、わらす組から『お手伝い』でお兄さんお姉さんが来てくれる機会もたくさんありました。お姉さんたちからの愛を一心に受けて、ちっちさんも親しみを持って近づいていくような姿が。身近なお友だちや身近な大人との関わりも、子どもたちにとっては大切な環境となっているように思います。

【言葉】

この一年間を過ごす中で、体の成長はもちろんですが、言葉の発達も著しかったちっちさん達。新しい言葉や反応が見られる度に、お部屋では大人から驚きと喜びの歓声が上がっていました。今では多くの声が響く、とても賑やかなクラスです。初めの頃は「だーだ!」「あぁ〜」など自分なりの喃語を使って大人やお友達とコミュニケーションをとっていたちっちさん。言葉だけでなく朝の会で行っていた『タッチ』や『パチパチ(拍手)』なども使いながら、一生懸命自分の気持ちを教えてくれました。そこから少しずつ、「ば!(バナナ)」「か!(すいか)」「まんま〜(ママ)」「ぱぱ!(パパ)」「ちゅちゅーしゃ!(救急車)」など自分の好きな食べ物や人の名前を真似して伝えてくれる姿が見られました。物を指差しながら”これ好きなのよ”、”おいしいね”、”これ欲しかった”など、お友達とのやりとりが増えた中で芽生えた色々な気持ちを共有しようとします。

最近では「あーけーて!」「あっちがいー」「やだ。」「いーよー」と自分のやりたいことをしっかり相手に伝えるちっちさん。他にも「これは?」「○○ちゃーん(くん)」とお友達を呼んだりお名前クイズを自分達でやって遊んだり、「どーぞ!」とお友達に譲ってあげたり。日々のやりとりのなかで様々な言葉が飛び交っています。園では、子どもたちがそれぞれその子らしいやりとりをする中で、自分の気持ちが相手に伝わる”うれしさ”、心を通わせる”楽しさ”、時には上手く伝わらない”もどかしさ”を感じながら奮闘する時間も大切にして過ごしています。成長を願う大人として、それらを見守り、時に代弁を重ねながら、子どもの心の彩によって生まれる“伝えたい気持ち”を育んでいきたいと思っています。

 

 

【表現】

音楽が好きなちっちさん。耳馴染みのある歌が聞こえてくると、思わず身体をゆらしたりパチパチ手をたたいたり。言葉が出ている子は、歌詞までなんとなく口ずさむようになっています。春の頃は、ぽかんとした表情で、朝の会に出ていたちっちさんたちも、今ではすっかり『朝の歌』が聞こえると身体をゆらし、歌詞に合わせて踊ったり、名前を呼ばれると『タッチ』とか、『ハイッ』と手を挙げたり。やっぱり毎日歌っている『朝の歌』はいちばん馴染みがあるようで、お部屋で歌っていても、トコトコ寄ってきて、身体を揺らして「朝の会ごっこ」を楽しんでいます。

身近な人との関わりの広がりとともに、気持ちの表現も豊かになっています。お友だちと顔を突き合わせて「へへっ」と笑ったり、玩具を取られて「フェ~ン」と泣いたり、『イヤッ!』と怒ったり。そんな友だちの姿に気が付いて、いいこいいこと頭をなでてくれたり、玩具を渡してあげたりするような姿も出てきています。言葉はないけれど、心を通わせながら、“ぼくは、わたしは、こうしたい!”とか、“相手に伝えたい”という気持ちが、それぞれの表現となって表れています。言葉がなくても、表情や声、仕草だけでも、これだけいろんなコミュニケーションができるんだなぁと、ちっちさんたちを見ていると驚かされます。

成長展〜この1年の「子どもの育ち」を振り返る(調理)

2023/02/22

調理

「食べること」は生きるための基本であり、子どもの健やかな心と身体の発達に欠かせないものです。「なにを」「どれだけ」食べるかというだけでなく、「いつ」「どこで」「だれと」「どのように」食べるかという事が重要です。さらに食事は五感を使うので、子どもの発達にはとても重要になってきます。

 

【嗅覚】食べ物の匂いをかぐ

【視覚】食べ物を見る。

【触覚】食べ物に触れる

【聴覚】口に入れ噛んだ時の音を聞く

【味覚】味を感じてみる

 

食事という一連の流れで五感を全て使っています。保育園では年齢が上がるとクッキングをします。そこで、様々な五感を使い、更に協力することでコミュニケーション能力も育ちます。

今年度は新たなメニューを増やし昨年度と変化をつけた給食を提供しています。調味料にもこだわり、無添加の調味料を少しずつですが取り入れています。

誕生会では、子どもたちの喜ぶメニューをテーマに進め、楽しんで食べられるような食事を心がけて作っています。

日頃の行事食の様子を掲示から感じ取っていただけたらと思います。

昼食やおやつで提供している人気メニューのレシピもあるので、ご覧ください。

 

 

成長展〜この1年の「子どもの育ち」を振り返る(ぐんぐん組)

2023/02/22

ぐんぐん組

【健康】

身体がぐんぐんと大きくなり、歩くだけでなく走ったりジャンプしたりぶら下がれるようになったりと成長していったこの一年。身体を自由に動かせる喜びを感じながら、日々を楽しく過ごしています。初めは保育者と手を繋いで歩く距離も短かったけれど、今では公園までの道のりを30分も保育者と友だちと手を繋いで歩けるようになりました。後半にはにこにこ組さんと合同で和泉公園へ行き、大きな滑り台や難しいネットのジャングルジムも自分の力で掴んで登り、バランスを取ってすいすいと楽しみました。そして、たくさん体を動かした日のお昼寝は寝つきもよく十分な睡眠をとれるようになりました。

食事では「おナスだね」「紫色だね!」と食材に興味を持ち、「おいしいねー」「これ甘いよ!」と友だちとの会話を楽しみながら、楽しい雰囲気の中で食べる意欲が増しているようです。時には「あ、お蕎麦屋さんで今日見た!」と、いつもお散歩の途中でその日の食材を紹介してくれる優しいお蕎麦屋さんに見せてもらった野菜を思い出して、モリモリ食べる子もいます。こんな生活を積み重ねていくなかで、苦手な食べ物でも自分から食べてみようとする姿も見られるようになってきました。よく食べて、よく眠って、病気で休むことも少なくなり、丈夫な身体にぐーんと成長しました。

 

【人間関係】

自我意識が芽生えて、「自分でやりたい」と思うことが増えてきた、ぐんぐんさん。発達の初期である乳幼児期において、人間関係においても、もっとも発達が著しい時期を過ごし、伸び伸びと過ごしてきました。年度当初、一人遊びが多かった状態から、最近では、お友達がやっている遊びに段々と興味を持ちはじめて、心情が芽生え、「僕も!私もやりたい!」というような意欲がでてきました。一人で遊ぶことからはじまって、徐々に保育者や、お友達がやっていることに注目することが増えて、世界を広げてきました。

なにやっているんだろう?と、お友達がしている遊びが気になって関わりながら遊ぶ中で、お友達との関係もずいぶんと深まっていきました。ただ、まだ気持ちをうまく表現できず、絵本や玩具の取り合いになり、泣いたり、怒ったりしながらも、自分の思いを主張してきました。そんな時に、私たちは相手の気持ちにも気づけるようになってきた場面とたくさん出会ってきました。心の交流が深まっていった成長を、とても嬉しく思います。たとえば、泣いているお友達を見て、顔を覗き込んだり、頭を撫でてあげたり、気持ちを察して思いやる姿も見られました。

また、ちっちさんとの関わりも、一緒に生活する中で、やってあげたいという姿がたくさん出てきて、保育者が見守っている中、なかなか難しいなと思い、手を差し伸べると、いやだ!私がやるというような、いわゆる自我の芽生え、自己主張が強まり、それと同時に粘り強く挑戦する姿が頼もしいですね。出来たという自信が誇らしくも培っている面が多々見受けられます。保育者との安心した関わりの中で成長している子どもたちです。

 

【環境】

身近なもので見立てることも多くなってきて、興味のある身近な世界を自分の遊びの中にたくさん取り入れていきました。散歩などでいろんな電車に出会うことができるので、このクラスは電車遊びが盛んです。しかも電車を色で判断し、「はやぶさ!」「こまち!」「かがやき!」などと教えてくれます。電車の線路を長くつないで遊んでいると、その様子を見て「あそぼー」とお友達が関わっていく姿もたくさんありました。

ぐんぐんの子どもたちが、ものを何かに見立てる遊びは、生活の広がり感じさせます。平たいブロックを使って、「もしもし」と携帯電話のようにして遊んだり、先生が弾くウクレレのように腕を上下に動かしたりしています。生活の中で覚えたものを、どんどん見立てる遊びが見られてきました。

戸外にでると、いつも通っている散歩道でビルの中にある駐車場に出くわすと、日々の生活の中でたくさん見ているものから学び、それが、遊びに繋がっていく姿をたくさん見てきました。

戸外では動物など生き物への関心が高まってきていて、「あー!ワンワン!いたー」「鳥さんー」など、身振り手ぶりで保育者に伝えてくれました。公園にある、木の実、葉っぱなど、身近な何かな自然物を使って見立てて、ごっこ遊びを展開し、お友達と共有し、笑い合ったり楽しんだりと、自発的に関わり合いながら、好奇心をもって遊ぶことで、おもいっきり「楽しい」を感じています。

 

【言葉】

ぐんぐんさんは4月当初、言葉で自分の思いを伝えることが難しく、思いが伝わらないと手が出てしまうことも多く見られました。今でも、まだ手が出てしまうこともありますが、最近では嫌だった気持ち、悲しかった気持ちを少しずつ自分なりの言葉で伝えられるようになってきました。言葉の発達は個人差がとても大きいですが、それぞれのペースで言葉がぐんと増えたように感じます。気持ちを言葉で表すことができるようになり、情緒と行動に安定感が出てきました。

言葉や行動に感情や内面が表れているのですが、時には、誰かが泣いている場面で、「〇〇ちゃん泣かないでね」と頭を優しく撫でてあげたり、棚の上のティッシュを持ってきてあげたりと、友だちを慰める姿が多く見られるようになってきました。思いやりの心が育っているようです。

また「これかしてあげるね」「〇〇ちゃん(自分の名前)がいるから大丈夫だよ!」と自分なりの言葉やコミュニケーション方法で、関わり方を解決することもあります。

楽しかった出来事、ブームになっているお家での事を思い出しておしゃべりを楽しんだり、ごっこ遊びの中で今まで体験したことを言葉にしてやり取りを楽しんだりする姿も最近は多く目にするようになりました。

話したり聞いたりする力がぐーんと発達し、言葉が相手に伝わる嬉しさを感じながら、それが話すことへの意欲を育み、友だちとのやり取りを楽しんでいます。

 

【表現】

身体を動かすのが大好きなぐんぐんさんたち。「ジャンボリーミッキー」や「ピカピカブー」などをはじめ、大好きな曲を聞くと、リズムに合わせて自然と身体が動き出します。先生の真似をしたり、自分なりの自由な動きを楽しんだりする中で、体で表現することの楽しさをたくさん味わっています。

ぐんぐんさんたちが楽しむ姿が、他の子どもたちのモデルにもなっています。ぐんぐんさんが楽しんでいる音楽が鳴り出すと、ちっちさんたちもつられて、大きな声で「あーけーてー!」と運動ゾーンの前に集まる姿を何度も見てきました。

音楽も大好きで、先生たちの演奏するギターやウクレレの真似をしておもちゃを楽器に見立てて色々な歌を合奏したり、段ボールで作ったギターを朝の会で披露したこともありました。散歩先でも「はたらくくるま」を“熱唱”しながら、消防車や道行くトラック、タクシーなどを眺めて楽しむぐんぐんさん。好きな物を素直に表してくれるぐんぐんさんのエネルギーには、圧倒されっぱなしです。

絵画では、「むらさき、あお」など、大好きな色を自分の絵に取り入れながら、力強く描いています。最近とくにクレヨン画が大好きで、「もう一枚!」と次々に素敵な作品を描いています。自分の生活で思い出に残った一場面や、最近お気に入りの物語の登場キャラクターなど、色々な好きな物、楽しかったことを絵に描いてそれを教えてくれます。新しく出あうものに興味津々で、楽しい時や嬉しい時には全身を使って喜び、自分の気持ちや想いの表現も豊かになりました。

成長展〜この1年の「子どもの育ち」を振り返る(にこにこ組)

2023/02/22

にこにこ組

【健康】

にこにこ組の心身の健康の向上は目を見張るものがありました。体力がついて遠くまで散歩に行けるようになり、腕や手指の使い方もなめらかになってきました。園生活の内外で活動範囲も拡大しました。また病気で休むことも減りました。そしてお友達と一緒に生活する中に、健康な心も育んできました。それは次のような生活の中に現れていました。

子ども達と「選択」「決定」する機会をできるだけ作りながら、にこにこ組での生活を一緒に作っていけるようにしていきました。「なにをして遊ぼうか?」と毎日子ども達と相談しながらのゾーン決め。お食事でも「いっぱいにする?」「ちょっとにする?」「誰と食べる?」「どこで食べる?」などと、子ども達の気持ちを聞きながら、少しずつ自分の好きな物、苦手な物に気付くきっかけにもなっていました。また、“好きな席に座りたいから早く行こう”“並ぶのは苦手だから少し後に行きたいな”などと、子どもたちなりに見通しを持っていく姿も見られるようになってきました。

そうやっていくうちに活動の中でも子ども達から「今日は、消防署に行きたい」「和泉公園がいい」と提案してくることが多くなってきました。時には、それぞれのやりたいことが違って、譲れない気持ちと葛藤することもありました。友達や大人と気持ちを伝え合いながら、お互いに納得できる所を見つけていけるようにしていきました。

 

【人間関係】 

ぐんぐんさんの頃は一人遊びや並行遊びが主でしたが、にこにこさんになってからは、言葉や心の成長がぐんと進み、友達との関わりへの興味が日々深まってきました。それにより、おままごとでごはんを一緒に食べる、一つのブロック塀板の上で一緒に作るという、共に関わり合う楽しさに気付いていきました。お休みの子がいると「○○くんは?」などと、集団を意識する気持ちも深まり、「ともだちっていいな♪」「ぼくらはおなじクラスのなかまなんだ」といった結束力も強まっていきました。

更に秋以降になると、例えばごっこ遊びでは、「お医者さんと患者さん」「コックさんとお客さん」など、役割分担のある遊びや、協力し合う遊びも見られるようになりました。その中では、自分がどの役をするのかを伝え合う姿や、友達に遊びへの参加をお願いするような姿もみられました。これらは相手の気持ちを確認したり、思いやる気持ちが育ってきていることとも繋がっているように感じます。

異年齢というものへの意識も深まりました。同年齢の友達とだとぶつかり合ってトラブルになってしまうような場面でも、ちっち・ぐんぐん組の小さな友達に対しては快く譲ってあげたり、お世話をしてあげたりする姿も見られるようになってきました。自分よりも幼い存在をちゃんと意識し、理解して、思いやれるようにもなりました。

 

【環境】

 心や体の発達に合わせ、行ける場所、遊ぶ場所、遊ぶもの、それら全てがぐんと広がった一年でした。公園では、アスレチックに上手に登れるようになったことで、高いすべり台も使えるようになりました。バス遠足にも行けるようになり、木場公園では虫探しや木の実集めに夢中でした。虫は4月当初は怖がる子も多かった中、職員が手に取って見せてあげると次第に触れるようになり、触れるようになった友達の様子を見て、更に触れるようになった子も増えました。

 絵本もいろいろなものを楽しんできましたが、生活の広がりに合わせて、楽しめる物語やストーリーのあるお話にも関心が高まり、それを真似して一緒に遊ぶことも楽しくなっていきました。ダンスをしたり再現遊びをしたり、そんな姿はお楽しみ会でもご覧いただきましたね。

 こうして、遊ぶ世界が広がり、新しい興味に出会い、更に深まっていったようです。まるで、小さな苗だった木が、幹が太くなり一気に枝葉が広がっていくようでした。

 文字への興味も出てきました。今までは、例えば乗り物図鑑の写真や絵だけを追っていましたが、「は・や・ぶ・さ」と書いてあることを知りたがったり、ぬり絵などでも自分の名前を書いてほしいとお願いに来たりする姿も増えました。そうした中で少しずつ文字への関心が深まり、年度の終わりごろにはカルタ遊びも楽しめるようになりました。経験の広がりこそ、興味の広がりに不可欠だと強く感じるにこにこ組でした。

 

【言葉】

 語彙力も、言葉を使った表現も、格段に成長した一年でした。4月当初は言葉で気持ちをうまく伝えられず、手が出てしまう事も多くありましたが、次第に自分の気持ちを互いに言葉でうまく伝えられるようになり、それにより相手の気持ちをより深く知ることができ、思いやりの気持ちも深まってきました。

 朝の会などのお集まりでも、自分の気持ちや考えをはっきりと主張し、だってこうなんだもん、という理由もしっかりと伝えることができるようになってきました。自分の考えや思いと、お友達の考えや思いを常に一緒に照らし合わせるような生活を作ることを心がけてきたことによって、自分と他者という関係の中での言葉が、豊かに育ってきたことを感じています。

ごっこ遊びでは、「○○ですね」「かしこまりました」「おくすり出しておきます」など、普段の生活では使わない敬語なども的確に使う姿も見られるようになりました。これは大人同士や、お店などで飛び交う言葉にも興味関心を持ち、その言葉をしっかり自分のものにしていった証だと思います。そしてそれは、赤ちゃんの頃と比べても活動の範囲が大きく広がり、様々な世界に触れている結果だと感じます。言葉の成長にも、多様な経験は不可欠ですね♪

 

【表現】

保育園で楽しかったことやお休みの時のできごとをお友達やお父さん、お母さんなど身近な人に伝えたいという思いが溢れていました。それは、この1年で活動の幅の広がりとともに、興味のあるものへの探求が深まり、心が動くさまざまな体験がたくさんあったからだと思います。

例えば、地域で働く人との出会い。消防署の見学や、実際に近くで見せてもらう体験の中でブロックを使ってはしご車を作ったり、消防士さんになりきって消火ごっこを楽しんでいました。”こんなことをしてみたい” “こんな風になりたい”と子どもたちは、大人へ憧れ、なりたい自分を思い描いています。(人間関係でも紹介しています。お医者さんごっことも繋がります)

ごっこ遊びの中で、憧れの人になりきる事で心の内にある思いを表現することに繋がっていったのだと思います。そして、お友達と楽しさ、面白さを共有しながら、お互いのイメージや思いを通わせて、自分の世界を広げていきました。また、ごっこ遊びだけでなく、絵での表現も豊かになってきました。ぐるぐる円や線を往復しながら描いていくうちに、「ママ」「パパ」「せんろ」などとその時に気になっているものに見立てて、後から意味付けをしていました。

夏秋頃からは、初めから「〇〇を描こう」と描きたいものをイメージして、描いていく姿が見られるようになってきました。丸や線を使い分けながら描いたり、〇の中に目や口、手足ができ、お顔を表現する子もいました。「上野東京ラインつくっているの」「風邪ひいちゃったの」など絵の中にもストーリーが生まれてきましたよ。

2月22日昼食

2023/02/22

ハートカレーライス

ブロッコリーとたまごのサラダ

えのきのスープ

ヨーグルト

麦茶

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