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2023年 2月

環境の違い(ゆらぎ)から生じる発達の差

2023/02/28

(園だより3月号 巻頭言より)

みかんの木を玄関用意することにしました。開園してまる4年間、毎年のようにアゲハが飛んできてみかんの葉っぱに卵を産んでくれるからです。ただ、そのみかんの木の葉っぱが丸裸になってしまい、みかんの木そのものが枯れてしまいそうなので、新しく植えることにしたのです。

ところで、なぜアゲハがみかんの木を見つけることができるのでしょうか。そんなことを考え出すと、なんでも不思議に思えてくるものです。ある種の蛾の仲間は、止まった場所によってその体を葉の色や花の色に変えてしまいます。保育園でもそれを観察してことがあります。摂取する葉のタンニンの微妙な量の差でそうなるそうです。昆虫がこんな「能力」を持っているように見えるのは、昆虫のその「個体」に全てが備わっているというよりも、植物を含めた周りの環境との関係からその「能力」が発現された、と見ることもできます。

これと似たようはことが人間にもたくさんあります。種類は違いますが、大人の顔を真似する新生児模倣とか、周りの子どもの喜びや恐れなどの感情が感染することとか、相手に同情したり公平感を求めたりすることも、子どもの周りに愛情豊かな人がいることや、心を通わせてきた子ども同士の関係があるからこそ、その場に現れた「能力」なのかもしれません。そうした人的な環境がなければ、そうした表情や、感情や行動は生じないでしょう。そうした具体例が、保育園生活を描いている日々のブログの中に、担任が丁寧に拾い上げて詳しく描写しています。

それらの子どもの姿が、一過性のものに終わらずに、しっかりと一人ひとりの育ちとなっていくために、毎日の地味な繰り返しこそが大事なのでしょう。ことさら大人の気を引くプロジェクトやら活動やら豪華な施設や設備が必要だとは思えません。あまり気にもされないような、それでも子ども本人にとっては、新鮮な刺激を受け、その中から興味をくすぐられ、対象に積極的にかかわろうとして、その世界との関係を深めていこうとしています。

保育園は私たち発達科学の知見を重視します。小さいうちに、子ども同士のかかわりの中での経験の差が、その後の発達の差となってしまうものがあるかもしれないという意識を持って保育をしています。その大まかなイメージとして、ウォディントンが提唱したキャナリゼーション(運河化)を思い出すと、ちょっとドキッとします。彼は、発生を運河の坂道を転げ落ちる球になぞらえました。京都大学の明和政子さんも『ヒトの発達の謎を解くー胎児期から人類の未来まで』(ちくま新書)の中で、この図を使って説明していました。

様々な遺伝子によって下からひっぱられた道は決して平らではなく、山あり谷ありです。安定した場所なら多少の外的擾乱やゲノムの変化が加わっても経路は乱れません。しかし分水嶺に達した時は、わずかな揺らぎが大きく進路を変えます。例えば遺伝子が3%変わったからといって表現型が常に3%変わるわけではありません。しかしゼロの時もあれば50%の時もあるわけです。

その分水嶺にあたるものが、何なのか? その時期に大切にしたいもの、特に敏感期や臨界期というものを、私たちは学びながら保育に生かしていきたいと考えています。

園だより3月号

2023/02/28

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2月28日昼食

2023/02/28

茶飯

おでん🍢

こまつなのごまずあえ

バナナ

麦茶

お散歩にて

2023/02/27

和泉公園のじゃぶじゃぶ池の段差に仲良く腰掛けているりょうくんとれあちゃん。
朝の会の歌をうたっていたら、ふたりで嬉しそうに踊ります。

「おーはよ、おはよー♪」のところでぺこりとおじぎしたり、パチパチと手をたたいたり、歌に合わせて一生懸命踊る姿が、かわいらしいです。


ベンチからの眺めはどうかな。

帰り道。りょうくんは、あたたかい日差しを浴びながらバギーでうとうと。
保育園に到着後も、眠たくて眠たくて、夢と現実を行き来して…そんな姿を見ていたれあちゃんは・・・


“起きて〜”


“あ、寝ちゃった”


と楽しそう。


すいちゃんも、「りょーりょー!」と声をかけて、”りょうくんが寝てるよ!”と教えてくれました。

2月27日昼食

2023/02/27

麻婆豆腐丼

レンコンののり塩炒め

わかめスープ

キウイ

麦茶

保育の何に「物語」が必要なのか?

2023/02/26

(写真はぐんぐん組=1歳児クラスの子=満2歳の子が、幼児のごっこゾーンを訪問したときの自由遊び)

人は何かの意味を食べて生きているんだな、と思うことが確かにあります。人と話していて「おち」を期待して「で、どうしたの?」と聞きたくなることってありますよね。それは現代人がウケ狙いの会話に慣れすぎているかもしれません。面白い話をする人ってみんな好きだし、ジョークやユーモアは人間関係の必須アイテムになっていますから。みんなエンタメが大好きですから。

人類はエンタメ好きだとしたら、生存に直結もする男女の話や食べ物の話になるのは当たり前で、その中に伝えなくちゃ!と意味があるものは、物語にしたほうが覚えやすくて伝わりやすいのでしょう。昔々〜こうだったんだよと。ホメーロスだってそうやったんだろうということでしょう。物語は記憶方法、伝達方法でもあるでしょうね。

昨日の成長展は子どもの育ちのプロセスを展示したかったのですが、子どもの育ちにそこに大きなストーリーを見出したかったわけではないのですが、エピソードはたくさん詰まってます。そこに小さな物語を見出すことは可能です。植物や動物の成長に、それぞれ物語を見出す語りはあまり聞きません。台風によく耐えたな、この稲は、のようなことはあり得ますが。そう考えると、人間の育ちには物語性が色濃く着色しやすいのは、表象の中を生きているからなのでしょうか。

明日から実習生がくるのですが、コロナで遅れて挽回のタイミング。実習日誌はエピソードを重視するようになって、そこを考察させる様式に変わってきています。保育に<物語の落とし穴>があるのかないのか知りませんが、わかりにいい話は要注意。学生が気にある場面がパターン化しているのも、どう保育を考えているのかこちらが気になります。

それよりも、面白いのは「そういうことだったんだ」という気づき。あるいは子ども同士が見せてくれる姿から見えてくるもの。伝わってくるもの。その動き。それを読み取ったり、その成り行きを想像したりすることが楽しい。そこにこちらも「じゃあ、こうしてみるかな」という、将棋のような指し手の暗黙の会話に似たようなものがあります。今の子どもの姿とその先行きの想像との間にあるもの。先生たちの書くブログを読んでいると、そのあたりを「どうなるかな」と期待して動いていることがわかります。

子どもの育ちのプロセスや軌跡を物語ることはあっても、何かショートストーリーになってもいいのですが、それは読み手にお任せしたい。アルバムに相当する記録は作るけど、その意味の連鎖の解読は、それぞれに関わっている主体に任せたい。それを話して聞かせてもらうほうが楽しい。本人も後でそれを見てどう思うか。それを束ねれば物語と読んでもいいけれども。あえてそうは呼びたくない。後になって、その時代の風潮のようなものだったことに漂白されなたくないから。

ちぐん組お部屋のレイアウト変更について

2023/02/26

成長展へのご参加ありがとうございました!
さて、先日もお知らせさせていただいたとおり、新年度に向けて、再びちぐん部屋のレイアウトを大きく変更いたしました。
朝の支度の場所等も変わった点がありますので、こちらでお知らせいたします。

①靴箱


これまで廊下にあった靴箱を、玄関に移動しました。
日中にお散歩に出かけるときには、玄関ではなく、テラスより出入りする形を考えています。それに際し、今後、登園後の靴(お散歩用に使って良い靴)の保管場所を変更させていただくことになるかもしれません。登園用と散歩用で兼ねていただいても良いですし、避難靴をお散歩用として使用していただいても結構です。こちらについては、改めてお知らせいたします。

②ロッカー


ロッカーを廊下に移動しました。ロッカーの使い方はこれまでと同様です。

③エプロンタオル


おやつ食事用のエプロンタオルは、廊下のロッカー上の箱に支度をお願いします。

④汚れ物かけ


お部屋側の棚になっています。

⑤オムツ棚


場所はこれまでと変更ありませんが、棚が変わっています。今後、トイレ内も整備していく予定です。
スペースの確保も兼ねて、オムツのサブスクのご利用もお勧めしております。(申し込み方法が分からない等ありましたら、職員にお声がけください。)

⑥週明け、布団交換は、調乳室側の食事スペース付近にてお願いいたします。


今回の環境の見直しのポイントは、
・保育室としての(遊びの)空間を広くとる
・赤ちゃんが、ハイハイを存分にできる ほふく室を作る
・ゾーンごとに、遊びに集中しやすいお部屋を目指す
です。
今後、子どもたちと過ごしながら、その姿に合わせて、改めて変更していく部分が出てくると思います。
はじめのうちは、私たちも探りながら、試しながら、ですので、ご不便をおかけする点もあるかと思いますが、ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。また、何かお気付きの点があればいつでもお声がけください。
よろしくお願いいたします。
ちぐん組

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