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2021年 1月

おおらかに、ゆったりと

2021/01/31

千代田区長選挙があった今日31日で1月も終わり明日から2月です。保育はじめから4週間、緊急事態宣言発令から3週間が経ちました。3週目はにこにこの個人面談、4週目はぐんぐんの個人面談でしたが、1人ずつのお子さんの育ちを家庭と保育園でしっかり支えていきましょう。明日からは、ちっちの個人面談があります。

4月の卒園及び進級まであと2ヶ月。就学への準備や進級に向けた移行保育が本格化してきました。子どもたちにとって、就学や進級に期待が膨らみ、「やはく来ないかなあ」と、待ち遠しく思えたり、意欲的に向かっていけるようにしてあげたいと思っています。「こうできないと何々になってしまう」といった雰囲気にならないように、心配事が先立ってしまわないように配慮していこうと思っています。写真はちっちぐんぐんの移行保育、2階で運動遊びをしているところです。

継続書類の提出は、すみましたか。もし忘れていたという方がいらっしゃったら、事務所に提出してください。千代田区の回収が8日になりましたので今週まで受付可能です。4月新入園児の内定も8日の予定です。2月から年度末に向けての仕事と、新年度開始に向けての準備が同時並行で進んでいきます。忙しい年度末が始まりますが、子どもたちにとってはいつものようにおおらかに、ゆったりと、笑顔の絶えない楽しい毎日を過ごしていけるようにしていきたいと思います。

藤森先生の研修

2021/01/30

今日はズームによる研修がありました。講師は藤森平司統括園長。参加者は全国のギビングツリー(GT)加盟園の先生たち約120人です。テーマはコロナ時代のおける保育です。保育園は家庭に代わって預かる役割だけではなく、これからの時代に必要な教育の役割について考えました。以下は要約です。

コロナの影響で明らかになったのは2つあります。まず1つ目は子どもへの影響です。子ども同士の関わりがなくなることによる悪影響です。子供の育ちにとって集団の場は不可欠であることが明確になりました。保育園は社会的スキルの基礎を培うために必須の場所なのです。

もう一つの影響は、時代の危機が早まったと言うことです。何が起きるか予測できない時代の中で、人は力を合わせて協力したり、それぞれに得意な事を発揮し合って生きていくための力が求められます。どんな状況になっても、それに応じて判断して行動できる力を育てる教育が不可欠であることがはっきりしてきました。

そのための乳幼児教育のおいて、子どもが何を身に付けるかと言うと、新たな価値を見出していく力です。これまでの保育はアートに落とし込みすぎていて、もっと科学的な視点を増やしたい。だからSTEM保育が必要です。例えば積み木遊びにしても、どうやったら倒れないかを考えたり、どの公園に散歩する話し合うなら、どういうルートを歩くかの見通しを述べ合ったり。それがプログラミング教育になります。科学的な視点の重視は物事の因果関係を考える力を育むことにもなります。

子ども同士の関わりから育つものを重視し始めたのはシンガポールや中国です。見守る保育を導入するようになってきています。特に国の人口問題から一人っ子政策を取った中国は、その見直しの中で乳幼児からの子ども同士の関わりの大切さに気づいたのと事でした。

またリモート保育のメリットデメリット、教科書のデジタル化などメディアのあり方などの話もありました。その後、乳幼児のとっての大人のマスク、保育園への共感的支援など参加者からの質問に答える質疑応答も行われました。

1月の誕生会:自分と他者、世界をつなぐコミニュケーション

2021/01/29

今日は1月の誕生会がありました。今月は4人のお友達が誕生日を迎えました。それぞれ1年の成長をお祝いしましたが、コロナ感染対策のためにみんなで集まる事は止め、クラスごとにお祝いをしました。

子どもの頃の1年は、とても大きな変化ですが、大人になると一年の違いがわからなくなってしまいます。それに引き換え乳幼児の1年はとても大きな意味があります。例えば2歳になった子にとっての1年は2倍の変化ですし、3歳になった子にとっての1年は3分の1の変化、4歳になった子にとっては4分の1の変化になります。現在の自分が一年の間に相当大きく変わっているのですから、大きな成長ですよね。

その変化の中で人間らしいものは、自分と世界とのコミュニケーションの力にあると思います。自分と他者との違いは、いろいろな二者関係を積み重ねることによって気づいていきます。そのプロセスについては、ちっちのブログをご覧ください。幼児になってくると、自分と異なる世界の暮らしや文化にも興味を持っていきます。

今日の幼児クラスの誕生会では、エジプトのピラミッドやカイロの街並み、食事の様子などを坪井先生が写真で紹介しました。実際に先生が旅した話なので、ぐっと身近なものとして子どもたちは見入っていました。

これからの時代、異文化に接する機会はもっと増えます。自分と人とは違うこと、自分たちの住んでいる所と他のところは違うこと、日本と外国とは違うこと、その違いを理解しあうことが共生していく世界を一緒に作っていくためにも必要な出発点なのでしょう。

乳児から幼児まで、広がっていく世界のためのコミニケーションについて考える一日になりました。

1月28日 昼食

2021/01/29

ご飯

シュウマイ

ナムル

白菜のスープ

いちご

麦茶

 

1月27日 昼食

2021/01/29

さけのぽろぽろ丼

キャベツのゴマ和え

たまねぎの味噌汁

みかん

麦茶

コミュニケーション力の育ちのために

2021/01/28

最近、乳児期の「コミュニケーション」の大切さについて話を聞く機会がありました。日々の子どもたちとのやりとりを思い返しながら、とても、心に響く内容でした。

「コミュニケーション」は、”ひとりひとりの違っている部分をわかり合うためのもの。自分の意見と相手の意見を尊重して調整していく力” 。

この力を身につけていくために、赤ちゃんのころからの心の通った「対話」が重要なものだというお話でした。

赤ちゃんはまだ言葉がありません。でも、色々な形で大人に訴えかけています。それに大人が応え、お互いの意志や思いをやりとりしていきます。(いまのちっちさんはもう、色々なおしゃべりをするようになってきていますが…!)
そうしたやりとりをくり返す中で、赤ちゃんは(自分の思いを尊重してくれる人がいるんだな)という感覚を持ち、さらには(相手にも相手の思いがあるんだな)ということを知っていきます。

乳児期は、この「対話」を通して、コミュニケーション力の土台を作っていく時期ということになります。

 

(↑こんな時期もありました。お友だちとも色々なやりとりがありましたね。)

 

さて、最近のちっちさんは、自分の思いがはっきり出てきて、思い通りにいかない〜!という姿が増えてきました。

(↑石を取り合って怒っているふたり。。)

これからさらに、お友だちと思いが行き違って悲しくなったり、思うようにならずイライラしたり、気持ちがぶつかり合って悔しい思いをしたりする場面が増えてくると思います。ひとりひとり違う人間だから、当たり前のことです。

そんなトラブルをどう乗り越えていくか、がコミュニケーション力の育ちのチャンスになります。

例えば、おもちゃの取り合いの場面で、
「これは◯◯ちゃんが先使っていたでしょ!返してあげなさい」と大人が決着をつけてしまうのか、それとも、「取られちゃったのね…返してって聞いてみようか」とその子の気持ちに寄り添いつつ、「取られたお友だちが悲しんでるよー返してほしいんだよー」と取ってしまった子に一緒に語りかけてみるのか。

もちろん、大人の感覚的には最初に使っていた子の手に玩具が戻ることが”正しい結果”だと思いますし、そういう方向へ働きかけると思います。
でも、子どもたちの経験や育ちを考えるとき、子どもたちの心が動くのは、どんな関わりでしょうか。

こどもたちに望むものは、トラブルをすばやく解決する力ではありません。思いがぶつかったとき、どうやって分かり合っていこうか、と相手と共に解決へ向かう力です。「こうでしょ!」と大人が押しつけて終わらせてしまうと、子どもたちは考えなくなってしまいます。
保育で大切にしたいところは、そのときの「結果」よりも、その「プロセス」となる、心の動きや経験です。

ぐんぐんさんのトラブルなどを見ていると、取り合いになった結果、玩具が手元に戻らないこともあります。返してもらえない悲しみやくやしさを、泣きながら大人に受けとめてもらっていることもあります。でも、ふと「まぁいっか」と次に気持ちを切り替えたり、そのうちに取ってしまった子がすっと返しにきてくれたりすることもあるのです。
そのときに「ずっと待ってたんだよね。返してもらえてよかったねぇ」と共感したり、取ってしまった子に「返してあげたのね。〇〇ちゃん嬉しそうだね」と伝えたりすることもあります。表情でやりとりしたり、あえて大人が関わらないというときもあります。大切なのは、最後までしっかりそれぞれの子の気持ちに寄り添って見守る ということだと思います。
そうやって大人の力も借りながら、友だちと気持ちのこもったやりとりを何度も何度もくり返し、相手とのコミュニケーションで乗り越えていく術を学んでいくことができます。

「こうなのよ!」「〇〇でしょ!」…大人はつい、「こうあるべき」と思うことを目の前の子どもの姿に求めてしまいそうになりますが、ちょっと立ち止まって、それぞれの子どもの気持ちに目を向けてみる。一緒に感じて考えてみる。そのプロセスにこそ、コミュニケーション力の育ちがあります。

手が出てしまうような危ないシーンはすぐに止めますが、子どもの気持ち自体を否定することはせず、そっと受け止め、「こっちだよ」と、みちしるべになってあげることが大切なのではないかと思っています。

大人の(こうなってほしいな…)と思い描く姿がいますぐにできなくても、いまはその練習の期間だと思って、ゆっくりゆっくり大きな気持ちと長い目で見守ってあげたいですね。

土台作りの時期は、結果がすぐ目に見えるものでもありません。だから、不安になって、目の前の子どもに、大人が思い描く姿や結果を、無意識にも求めてしまいたくなってしまうことがあります。
それでも、その目に見えない時期を、根気強く、そして丁寧に過ごした分、やがて芽が出て、大きく花を咲かせてくれるのだと思います。
大人だって子どもだって、その日そのときの気分やコンディションはそれぞれなので、そうやって根気強く関わっていくのは、なかなか難しいなぁ…と思うこともあります。しかし、そういうときこそ、子どもとの”コミュニケーション”が必要なのかもしれませんね。私たちが、身をもって、対話しようとする姿を示していくことが、大事なのだなと感じています。

「コミュニケーションの練習」がたっぷりできた分、大きくなったとき、色々なことを自分たちの力で乗り越えていける力がつくのだと信じています。

続・「人新世」時代の保育とは

2021/01/28

(園だより2月号 巻頭言より)

先月1月号の巻頭言で述べた「人新世」(アントロポセン)の保育について、具体的にその姿を想像してみたいと思います。持続可能な社会実現のためのポイントは、地球規模の自然資源と人類の生産活動との関係の中に、共有資産(コモン)を作り出すことです。保育園からそのことを考えてみましょう。

◆食材の地産地消とエシカル消費へ

給食の食材は玄関に「本日の食材産地」を蒲鉾板で掲示しているように、日本各地からやってきていることがわかります。江戸時代に航路を使った物流が発達しましたが、基本方針は地産地消に改変することです。都市とその周辺が食糧生産の社会資本ネットワークを再構築できるかどうか。ファーストフードからエシカル消費の食卓へ。身近な小規模産地を効率よく共有することにIT技術が活用できるかもしれません。鳥インフルエンザ予防のための鶏大量処分はあまりに痛ましい。こうなってしまう経済流通の仕組みを変えたいものです。本当の安全で健康的で持続可能な食の営みを取り戻したい。

◆エネルギーの地域管理への道

エネルギーはどうでしょうか。遠くで大規模に発電して延々と送電することを減らし、地域発電の割合を高めたい。保育園はささやかながら太陽光発電のパネルが園舎の壁面についています。戦艦大和を造船した呉で再開した船の第一号はタンカーでしたが、中東の化石燃料に依存するエネルギー体質を大転換したい。それを地域の社会資源を新しい形のアソシエーション(組織)で管理したい。町会のような組織を大胆に行政がバックアップできないだろうか。

◆保育園の絵本も遊具も共有資産

岩本町三丁目は既製服問屋街発祥の地。衣服はすでにリサイクルが普通になってきました。園がよくやるバザーのように岩本町・東神田バザールが展開できないか。そういえばコモンの代表格は公立図書館。保育園の絵本も遊具もコモンです。千代田せいが文庫が子どもの文化の共有財産だというのはわかりやすいですね。しかも読み聞かせボランティアの福田さんの寄付も含まれています。

◆子育ても地域の基盤財産

実は、そもそも子育ても人類は村単位でやっていた共有コモンでした。社会福祉法人は収益事業ができません。千代田せいが保育園は全額税金で運営しているので子育ての共有資産です。株式会社は株主への配当があります。そこをどう考えるのか。そして子ども自体が未来の共有財産だと私は思うので、望ましい保育ノウハウは共有するべきでしょう。保育士も学校の教員も医師や看護師と同じように使用価値を生産するエッセンシャルワーカーですからコモンであり、国家資格があります。水や空気や住宅と同じようにコミュニティが共同管理できるといいですね。

◆競い合わせない学力(環境にマッチした生き方)

そしてどうしてもそうなってほしいことがもう1つ。それは子どもの学力評価です。個人の資質・能力を測定することは、産業革命以降に効率の高い労働者を採用するときに始まったのが起源です。人的な富を個人に還元して分断させず、それぞれが所属する複層的なコミュニティの中で個性を発揮しあえばいいのです。せめてブランドで競う大学入試の選抜評価をやめ、働きながら学び続けることができる本当の生涯学習社会のインフラを作り出しましょう。

園だより2月号

2021/01/28

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