毎月1回、2歳児以上の園児を対象に行っている「味の探究」活動がYouTubeで紹介されました。フランス料理シェフの江口さんのこともわかる内容になっていますので、ぜひご覧ください。
この動画は、自然食材などを販売するスーパーマーケットを運営している川田むつみさんのチャンネル「むっちゃんねる」制作です。とてもいい活動をなさっているので、保育園としてインタビューに協力しました。
2025/04/22
毎月1回、2歳児以上の園児を対象に行っている「味の探究」活動がYouTubeで紹介されました。フランス料理シェフの江口さんのこともわかる内容になっていますので、ぜひご覧ください。
この動画は、自然食材などを販売するスーパーマーケットを運営している川田むつみさんのチャンネル「むっちゃんねる」制作です。とてもいい活動をなさっているので、保育園としてインタビューに協力しました。
2025/04/09
以下は4月9日の幼児の保育ドキュメンテーションです。4歳、5歳を中心とした生活をピックアップしたものですが、当園の保育の特徴がよく現れていると思います。子どもたちの園生活圏は、室内にも園外にもありますが室内だけでも、面白い空間がこのように展開しています。多様なリソースの選択、子どもたちの対話や意思決定のありかた、過去から未来への広がりなども感じていただけるのではないかと思います。
2025/04/09
月に1回の味の探究が4月から始まりました。旬のアスパラガスです。緑と白と紫。これどんな色?と言う会話に始まり、食べるところまで、おそらく10以上あったであろう、一つ一つの動作を始める前に、次に◯◯してみてもいい?と聞くと、子どもたちが「いいよ〜」と、かわいい声で返事をしてくれるのですが、それが「もちろんだとも!」というワクワクした気持ちが表れてして、真剣にみ続けていました。
まずじっくり触り、皮をむくところを眺め、その皮を匂い、色の違いを確かめながら、茹で上がっていくところもじっくり観察して、色が変わっていくことに気づき、今度はそれを油で焼き、パチパチと音がして焦げ目がつき、香ばしい匂いがしてきて、塩をふり、目の前で、それらが程良い大きさに切られ、並べられ、そして、小皿で配られて、いよいよ「いただきます」。
「いただきます」に気持ちがこもっています。本当にこれからいただきます、と言う本来の言葉の意味に気づくように。
昨年は8月からでしたが、今年は年度初めから。2歳児クラスの、この子たちからやるのが、やっぱり、いい。午後の振り返りでも、一人ひとりの子どもの仕草や姿から心の動きを想像した会話が楽しい。詳しくは掲示する予定の活動報告をご覧ください。
2025/03/24
神田藍の会から頂いた種を育てようと活動を始めました。
以下は3月24日(月)の主任の保育ドキュメンテーションからの紹介です。
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江戸を代表する藍染めの浴衣(ゆかた)と手拭(てぬぐい)の大半は、紺屋町一帯(保育園を銀座方面)の染物屋で染められました。「その年の流行は紺屋町に行けばわかる」と言われていたほどで、紺屋町の名物が江戸の名物でもありました。 「地域の文化を身近に」と活動を進めている藍の会。最近は神田地域の事業所なども参加して藍を育てているそうです。
保育園でも、この「藍」を育ててみようと早速種まきをしました。(先日神田明神にて奉納したもの)
色は・・・「黒、茶色、緑、肌色、おうどいろなど 固さ・・・「固い、つぶれない、痛い」 疑問に思った事「どうなんだろう」「どうやってはなになるんだろうか」・・・・
藍の会の方から頂いた育て方の手紙をみんなで読んでみました。
「第一関節」(人差し指)というワードに「むむむ?」と。
植え方を知って、早速やってみました。
植えたプランターをどこに置こうか? 子どもたちが考えて「玄関」「お部屋」「ベランダ」の3か所に置きました。 これから、藍の育ちを見守っていきます。
2025/03/12
幼児が紙皿にお絵描きをしました。画材は絵の具でもクレヨンでもなく、野菜のニンジンです。
色の違う3種類の人参をペースト状のピュレにして、チューブやスプーンで皿に載せていきます。そして茹でたいろいろな色と形の野菜(人参やたけのこ)を飾っていきます。
そして鑑賞したあと、最後はそれを食べます。
子どもたちの思いつきが形になっていくプロセスに、子ども自身がきれいだな、面白いな、を発見していきます。「どう?これ」といった風に何度も見せにくる子もいました。
フランス料理シェフの江口そらさんは、一流レストランから独立して食育活動の会社ラビットを起業しました。
丹精込めて育てている野菜農家とのつながりのなかで、乳幼児期からの味覚とアート体験を大切にする活動を展開しています。その後、当園との出会いから「味覚の探究」活動が始まりました。東京すくわくプログラムにもなっています。
2025/03/12
今日の食材はアスパラガスです。白いのと緑のを比べてみます。と、思って始めたのですが、それよりも単に「食べること」を超えた関心の広がりを感じる活動になりました。
最初に「アスパラガス、知っている人?」とシェフのそらさんが聞いてみると「は〜い」。意外とみんな知っているんですね。好きだという子もいて、「へえ、そうなんだ!」と、大人が顔を見合う感じから始まりました。
この活動は、素材を見たり触ったりするところから、食べるところまで、一連の流れがあるのですが、それぞれを、いろいろやる前に「どうなると思う?」「どうしてかな?」などの質問と返事が繰り返されていきます。
その返事が面白い。触ってみたりすると、お皿にトントン叩いたり、音を立てたり・・「テレビで見た」「おうちでも・・」など。たとえば、どんないろ?ときくと、「きみどり、みどり、しろ、アスパラガス・・笑」。2歳児クラスの9人ですからね。
匂いをきてみると「しない」という子もいれば「する」という子も。
まな板と包丁が出てくるのは、毎度慣れているのですが「包丁は触っていいんだっけ?」というと、ダメ〜という返事だけではなく「手が切れちゃう」「指切っちゃう」と具体的な言葉がでてくる変化が。どっちから切ろうか?にも「白から切ろう」などと、これまでの経験から、それぞれの子どもに余裕のようなものがあって、「こうしたらいい」という自分なりの考えが溢れているように見えます。「中はどう?何色?」とのやりとりも楽しそうです。
午後の振り返りでも出た話題なのですが、「言葉でのキャッチボールが増えたよね」「次にこうなるだろうと見通しがでてきて、落ち着きを感じました」という話になりました。
つぎは皮むきです。ピーラーをつかって根本から少し上までの皮をそぎます。その皮も嗅いでみます。その次は茹でます。「お風呂に入るよ」と目の前の鍋に、長さの違うアスパラを、一人ずつ子どもが選んで、そっと入れます。優しい手つきです。少し塩も入れますが、「これ何かな?」「お砂糖」「おしお」・・溶けて見えなくなると「なくなった!」という声。
茹で上がったら、まな板に乗せると、少しいい香りがしてきます。たべたい?うん。少し長めの一口大に切って、「どっちがいい?しろ?みどり?」と聞きながら、お皿に取ってあげます。そろったら「いただきます」。美味しかったのか、意欲的にペロリ。それぞれの顔から受ける印象は「こんな味なんだな。うん、おいしいじゃん!」というような感じでしょうか。
アスパラガスのように縦に繊維のある野菜は、硬さによって食感が変わるのだとか。繊維質以外の部分、果物の果肉に相当する可食部分を「美味しい」と感じるために、小さい子どもには、柔らかめの方がいいそうです。口の中でとろけるような感じで、いわゆる狭い意味の「味」だけではなく「食感」をよくする工夫の大きい食材だと言えるのかもしれません。今日の茹で具合は、3分ぐらい。レストランだともう少し硬めにするそうです。
食感が敏感な子は、最初、白いアスパラを食べようとしなかったのですが、緑色の方を選んで食べた後は、白い方をおかわりしています。食べやすい「食感」だったからこそ「美味しかった」のでしょう。みんな食べ終わってもテーブルに残っている子もいて、まるで余韻を味わっているように見えました。
今度は焼いてみます。これも子どもたちは毎回大好きで、だんだん焼けていく様子をじっとみています。油をたらし、途中で塩を振り、香ばしい匂いがしてきます。「できたよ」というと、子どもたちがさっと席に戻ります。それも可愛らしくて微笑ましい。
今回の食べ比べは、食べること以外に関心が広がっている姿を随所に感じました。振り返りの時間に、担任の先生からは「砂場で遊んでいるときに、塩を振っている(アセドネ)そら先生の真似をしていたり、お家で買い物に行って「かぶ」を買ってとねだられたり、味の探究の世界がすこし広がってきたようです。
2025/03/01
1年間の子どもたちの育ちをお伝えする成長展。あかちゃんは作品なんてできませんよね。それでも成長しています。それなら、子どもの作品展ではなく、子どもの成長を作品としてお伝えできないか? そんな発想の転換から生まれたのがこの成長展です。
1年間を通して、いろいろな視点で定点観測したものを並べてみると、その変化がわかり、成長の軌跡が見えてきます。
視点は健康、人間関係、環境、言葉、表現の5領域で整理してあります。
健康の領域は、身長、体重、手足型、食育です。
ちっち組には、成長の記録も。1人ずつのファイルです。
人間関係は、先生たちのコメントです。
環境は、好きな場所、好きな遊具、好きな公園です。
言葉はシルエットで1年の変化をお伝えしました。
表現は ぬりえ、人物画、自由画です。
そして今年は3つの視点(自分・他者・もの)で特別展示を加えました。
ちっち組
ぐんぐん組
にこにこ組
わいわい組
らんらん組
すいすい組
自分との関わり、他者との関わり、環境との関わりでもあります。この特別展示は、ホームーページのクラスブログにも載せましたのでご覧ください。
2025/02/28
神田に「藍の花」を咲かせよう!(藍は愛でもあります。)そんな温かい交流の輪を広げようと、千代田区で藍を育てる活動を進めている「神田藍の会」の方々と一緒に、今日は神田明神へタネの奉納へでかけました。
当園からは、年長と年中の子どもたちも奉納に参加させてもらいました。本殿のちょっと高い椅子にちょこんと座らせてもらい、かしこみ、かしこみ。頭を下げて、「どうなっているんだろう?」と周りをキョロキョロ。神主様のお祓いや祈念の様子は子どもたちに見せてあげたいけど、そこは我慢して頭を下げていました。可愛いかったです。
神馬(しんめ)の「めいちゃん」にも会ってきました。
神田藍の会では、3月15日に一斉に藍のタネを植えます。保育園でも行います。みんなで藍を育てましょう。
活動されている方々とお会いできて、コミュニティーの輪がまた広がりそうです。神田学会の副理事長、大妻女子大学の学長、小学校PTA会長などの方々とお会いできました。
2025/02/12
「ターサイがおいしかった人?」は〜い!
「ゆきなが美味しかった人?」は〜い!
「ほうれんそうがおいしかった人?」は〜い!
・・・2歳児クラスの子どもたちが、みんな「は〜い!」とどれかに手をあげていました。どれも青やさいなのですが、大抵は嫌いな子どもたちがいそうなものでしょう?それが好きになっていった活動が以下です。
2階に掲示してありますが、写真と説明書きをそのまま、写真も加工せずに、ホームページの「にこにこ組」のブログ(パスワードが必要)に載せましたので、そちらでもご覧いただだけます。
以下はその掲示内容、です。名前はイニシャルに変えました。
🔳【2月は緑のはっぱ「葉菜類」にチャレンジ!】
8月から始まった食育活動も今月で7回目となりました。
これまでは、なす、きのこ、れんこん、かぶなどを取り入れてきましたが、2月は、野菜の中でも子ども達の苦手意識が強い“葉菜類”をテーマとしました。
・中国の代表的な野菜「ターサイ」
・雪の中で育つ「雪菜」
・ほうれん草です。
この3つの葉菜類を食べ比べしました。
食育活動が大好きなSくん。活動が始まる15分前から手洗いを済ませてスタンバイ!
🔳【緑の野菜は苦手という先入観 面白そうな体験から苦手な野菜に親しむ】
「ほうれん草ってどれか知ってる?」
「これー!」とそれぞれ指をさして教えてくれました。
どれも緑色で、葉っぱの形も似ているので、たくさん並んでいると、区別をつけるのはなかなか難しい。
「ほうれん草はこれだよ」と見せててもらうと、子どもたちは触ってみたくて、すぐに手が伸びていました。
【緑の野菜は苦手という先入観 面白そうな体験から苦手な野菜に親しむ】
「葉物系は、扱うのが難しい」と江口さん。
子ども達は、緑・葉っぱが見えると、やっぱり(参加するのを)やめると言う子も多いようです。
“葉菜類=苦い、美味しくない”という先入観をどういう風に子ども達が「食べてみようかな」という気持ちに向かっていくか・・
そのきっかけの一つが、「洗う・ちぎる」といった調理のお手伝いのような活動でした。
洗う、ちぎるという身体的な動作の中で、子ども達が、野菜=苦手な物という意識を忘れて、ちぎるという動作に夢中になっていく。
そこから、面白そうだな。食べてみようかな。と、いつの間にか“食べたくない”という壁を越えて、
「あれ?食べてみたら、なんだか美味しいかも」と、子ども達が野菜に対する新たな感覚を重ねていく。
今回、にこにこ組でもそんな風に子ども達の姿が変わっていった場面がいくつもありました。
今までは、積極的に参加していたHちゃんも緑の野菜を見たら、なんだかそわそわ。苦手だなという気持ちがあったようす。だけど、保育者と一緒にちぎってみると、そこからちぎることに夢中になって、参加し始めていました。
🔳【【ぼくのにがてなやさい】
そら先生が、布をめくって、緑のお野菜が見えると、 ササーとお部屋に戻って、電車で遊び始めるYくん。 始まる前までそら先生が、準備する様子を嬉しそうに覗きに行っていたけれど・・。 「どうしたの?」と聞いてみると、 「ぼくの苦手なお野菜だから、遊んでいるの」と話してくれました。
Yくんの中で苦手スイッチが入っていたようです。 「ちょっとだけみんなの様子を見てみるのはどう?」と聞くと、 「それならいいかな」と思ったようで、後ろの方から調理の様子を見ることに。ちょうど油がじゅわ~っと跳ねたり、香ばしい匂いがしたり・・お友達の楽しそうな雰囲気につられて、炒める様子を見入っていました。
写真(焼いているところを見ている)
食べる時にも、席から離れたところで、みんなの様子を見ていたのですが、自然とお皿の方に手が伸びていました。 ターサイの茎の方を少しだけ味見してみると、 「思っていたよりも美味しい」と感じて、よそってもらったものを次々と食べ始めていました。
Rくんも、一口目を食べるときには、なかなか手を付けられずにいました。周りのお友達が「おいしい。おいしい」と食べているのを見て、パクリ。 いつの間にかお皿の中が空っぽになっていて、驚きました!
炒める様子を見ていた時。「なんだかわくわくするね」「おいしそうだね~」とつぶやいていたRちゃん。Rちゃんのその一言は、これまで重ねてきた活動を通して、野菜を食べる楽しみ、美味しい感覚を身体が感さじているからこそ自然と溢れていた言葉だと嬉しく思いました。
【いただきま~す】
3種類の野菜を食べ終えても「まだ食べたい」とおかわりを リクエストするにこにこさん。
おかわりは、3種類から自分が好きな物を一つ選ぶことに。
「雪菜がいい~」「ぼくはターサイ!」と次々に野菜の名前が出てきて 驚くとともに、子ども達が3つとも食べた中で、自分が好きな野菜を選んで伝えていることにも感心しました。
野菜をよそってもらうと、ひときわ大きな声で「いただきま~す」の声。 さっきまで、苦手だと言っていた葉菜類を前に、自分から「いただきます」 をして、満面の笑みで食べ始める姿になんだかあったかい気持ちになりました。
周りの子達もその声につられて、「いただきます」のオンパレード。
今日の「いただきます」は、心から野菜を食べたくて、やっと焼き上がった野菜が食べられることへの嬉しさが表れて自然と溢れ出てきたように感じます。
食育活動の振り返りでも この姿が、本来の「いただきます」の意味だよね。と大人の方が子ども達からたくさんのことを学んだ一日でした。 食べ終わると、「めっちゃおいしい」とお馴染の嬉しい一言も。
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【午後の振り返りから】
先生コメント
日々の昼食での緑の野菜への苦手意識を少しでも無くすことができればと思い、思い切って提案した素材でしたが、そら先生がお料理すること、そして今までの“食べてみたらおいしかった”という経験により苦手な子もパクパク食べるという感動的な瞬間もみられ、嬉しく思いました。塩で味付けし、炒めることにより素材の甘みが引き出され、「めっちゃうまい」「もういっかい(たべたい)」という声が出て、「おかわりしたい人?」との問いかけに、ほとんどの子が椅子に座り待っていたというのは驚きでした。野菜への見方が変わり、家庭や保育園での食事でも食べてみようかなとプラスに思える子が増えれば幸いです。
先生コメント
野菜といえば!と言われても、たくさんの野菜がでてきますよね♬にこにこさんは、これまでの食育活動を通して、たくさんのお野菜さんと出会い、触れ合い、そして、味わってきました♬今回は、葉菜類。そら先生が出してくれたのはー?! ターサイ、ゆきな、ほうせんそう!この3つの野菜に共通して言えるのは。。。なんでしょうか? 大人の私たちも、知ってるのは、ほうれんそう!という人も多いのではないでしょうか(笑)そして、野菜のイメージの色は?と問われると。第一感で、緑という言葉を連想してしまう人も多いのではないでしょうか?日々の昼食でも、苦手に思っている子どもたちは、たくさんいます。。その中、子どもたちは、今回の食育活動も意欲的に取り組んでいきます。野菜の概念が子どもたちにとっても、やだー苦手ー!という思いから、あ、美味しそうかも、食べてみようーという、変化が伝わってきました!!♪♪
先生コメント
今回の「葉菜類」は、クラスでも苦手な子が多く、担任から江口さんに提案した内容でした。今までとは違った姿があるのではないか。食べてくれるのだろうかと思っていたのですが、子ども達は、いつものように前のめりに参加している様子がありました。その中でも苦手意識を持っている子はいたのですが、「きっと今日も美味しく食べられるのだろう」という野菜に対して良いイメージがこれまでの体験からしっかりと積み重なっていました。それくらい、子ども達の感覚は繊細で、子ども達の「わくわくするね」「もっとたべたい」という言葉からも感じます。今まで食べてきた野菜の「美味しい」という味の感覚を覚えていて、炒める匂いや油が跳ねる音などからも思い起こされていたのではないかと思いました。それが、苦手な物でもプラスのイメージへと変化されて、「食べてみようかな」という気持ちに繋がっていったのかなと感じました。
2025/02/11
夜の睡眠時間が8時間で昼寝が1時間半だから足して9時間半。足して10時間近く寝ているから大丈夫だろう? そういうふうに考えていたらちょっと危険です。大切なのはあくまでも夜の睡眠です。子どもの夜の睡眠時間は11時間ほしい。子どもの脳は夜作られるのですが、昼寝は夜の睡眠までの補助機能、サポートです。
足して「足りている」というのでありません。でも個人差があるので、次のような様子が「ない」なら、足りているのでしょう。
すっきり自分で朝起きてきているか?午前中に自分から活発に体を動かそうとしているか?保育園に行きたくないなど理由のない登園しぶりがないか?イライラしたりすぐ癇癪を起こすようなことがないか?週末に朝寝坊していないか? もし、夜の睡眠時間が11時間前後よりも1時間以上短くて、このようなことに心当たりがあるなら、夜の睡眠を見直したいところです。
夜の睡眠時間がしっかりとれて、朝から自分でサッと目が覚めて起きてきて、朝ごはんも食べて(朝から食欲があって)、朝に排便もできて、生き生きとしているという状態。これが元気な子です。この状態を作ってあげられるかどうかは、大人が用意する環境、生活リズムに左右されます。
では具体的にどうするか?朝の起床時間を目安として6時50分にカーテンを開けて、遅くともその時間までにはおきましょう。小学校は8時10分ぐらいに学校に着いていないといけないのです。15分前に家をでるとすると7時45分〜50分ごろ。7時起床で間に合いますか?ということです。
ここからはとくに、年長さんに向けての話です。ですか、いずれすべての子どものたちに待っている生活リズムです。
保育園時代は9時半までの登園でよかったかもしれませんが、もし8時ごろに起きて9時に登園していたら、小学校生活のリズムに全くあいません。それを8時に小学校(しかも自分で歩いていく)につくように、かりに1時間ずらすのだとしたら、それは並大抵なことではありません。覚悟を決めて、朝7時前には起きていくように、1週間で10分ずつぐらいずらしてあげましょう。一度にやっても反動が大きくて、うまくいきません。6週間で1時間ずらす。これくらいでどうでしょうか。いまは2月中旬ですから、4月の入学に向けて、あと6週間。最低このタイミングから考えてあげましょう。これだけで、小学校での生活の大切な下準備になっていきます。
仮に4月から親が早く起こしてなんとか学校に到着できても、午前中の授業に気持ちが乗らない、人ととの関係がうまくとれない、前向きな気持ちになれないなどの「小さなこと」がつもり、うまくいかないことが起きやすくなってしまいます。午前中に体を活性化させるのはホルモンのセレトニンです、これがよく出るようにするには朝日をちゃんと浴びて、顔に光をあてること(だから朝やはくのラジオ体操なんて最高!)、必須アミノ酸の入った朝ごはんもちゃんと食べること。それが後で眠りを誘うメラトニンをつくることにつながっていく。
朝7時までに起きて、朝日を浴びて、午前中10時〜12時が1日のゴールテンタイムですから、ここで外遊びをいっぱいやって、昼食後にいったん休憩ないしお昼寝を個人差に合わせてとって(また夕方4時以降の午睡はしない)、おやつをたべて、また遊びに熱中する。
夜8時〜朝7時の11時間。これを難しくしているのは夕方の過ごし方。夕方は夕食以降はテレビを消す。タブレットは覚醒と依存の効果が高いので遠ざける。ブルーライトが子どもの睡眠を妨げるからです。
夕食は満腹を目指して簡素に。大事なのは子どもの話をじっくり聞いてあげる時間をつくること。睡眠先進国の北欧はこれをとくに大事にしているそうです。触れ合いの時間。ここにオキシトシンも役立ってくる。親が忙しいと子どもは落ち着かない。ダウンライトにしてテレビもタブレットもしまって、のんびりとダラダラ10分ぐらい過ごす時間をとる。最初ははしゃぐでしょうが、リズムができるようになると、自ずとあくびが出て眠くなっていくものです。親子で「あ〜幸せ〜」という感じになっていくように。ゴリラの親子がやっているような。私たちの身体は霊長類でできているから。
保育園での様子は保育ドキュメンテーションでお伝えしていますが、そのときのことを「〜したみたいだね」と子どもが思い出すような話題をすると、その話をしだすかもしれません。また保護者の方でも、こんなことがあったのよ、と失敗談とか、おかしかったエピソードとか子どもには受ける、心がほころぶでしょう。
この睡眠講座は毎月開いています。
次回は3月8日(土)にzoomで開催します。
お申し込みは以下からどうぞ。
https://docs.google.com/forms/d/1pCFRbxlgZRvs4wUvuMKpr4WotF-V5otQUwM3ptf4_tc/edit